転生タイガのオーブ改革録 〜崩れゆく世界で未来を選び直す〜   作:台風200号

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※前書きです。

本話は独自設定・原作改変を含みます。
原作とは異なる表現、矛盾、人物、設定が登場しますが
本作独自の創作ですのでご容赦ください。





第78話 「戦闘ですらない」

 

 

 

キラはコクピットの中で震えていた。

自分は軍人なんかじゃない。

戦うなんて、本当は怖くて仕方がない。

でも――この艦には友達が乗っている。

トール、カズイ、サイ、ミリアリア、そしてフレイ。

こんな自分を助けてくれる必要なんてないのに、

彼らは志願書にサインしてくれた。

自分がコーディネーターだと分かって責められそうになった時も、

彼らは守ってくれた。

だったら今度は――

僕がみんなを守る番だ。

そう思っても、震えは止まらなかった。

 

――

 

「坊主の様子はどうだい?」

 

「駄目ですね。閉じこもったままです」

 

ムウの問いに、メカニックのマードックが答える。

 

「よし。開けてくれ」

 

マードックが外部からストライクのハッチを強制開放した。

キラは操縦桿を握りしめ、荒い息をついていた。

ムウはその指を一本ずつ優しく外しながら、

「坊主、終わったんだ。もう終わったぞ」

と、ゆっくり声をかけた。

キラはその声を聞きながら、静かに意識を失った。

 

――

 

「どうだい?」

 

主語のないムウの問いに、マードックは即答した。

 

「今は眠ってます。相当堪えたんでしょうね。無理もありません」

 

「俺に言わせれば、こんなの戦闘ですらないんだがなあ?」

 

「エンデュミオンの鷹と一緒にしちゃ坊主が可哀想ですよ?」

 

「違いない」

 

二人は苦笑する。

 

「坊主がもうちっと歳食ってれば、女でも教えてやるんだがなあ」

 

「やっぱりそれが一番ですか?」

 

「まあな。経験上、それが一番効く」

 

「同感ですな」

 

「大尉、曹長。セクハラですよ?」

 

「おっと!」

 

「失敬失敬!」

 

ナタルの鋭い声が飛び、二人は慌てて姿勢を正した。

 

――

 

アーク・エンジェルがヘリオポリスを出港した直後、

潜んでいたザフト艦が襲撃してきた。

奪取されたG兵器4機。

ジン3機。

迎え撃ったのは――

オーブ軍のアストレイ3機と、ドローン搭載メビウス。

最初、アスランたちはメビウスを軽視していた。

だが、ドローンを突破・回避するだけでエネルギーと弾薬を消耗し、

無人メビウスに攻撃され、

最後は有人メビウスの射撃でフェイズダウン寸前に追い詰められた。

アストレイは3機一体で行動し、

小威力ながら連射の効くビームスプレーガンを集中砲火。

G1機に対して3機の射撃が直撃すると、やはりフェイズダウン寸前。

ビームライフルで応射するも、アストレイのPS装甲の盾(ビームシールド)によって阻まれた。

不用意に接近したジンを、最終防衛線にいたキラが狙撃して撃墜。

形勢不利を悟ったアスランたちは撤退した。

 

――

 

その後もG兵器は何度か襲撃してきたが、

アストレイと無人メビウスの布陣は鉄壁だった。

特に驚異だったのは――

アストレイの修理速度だった。

中破状態で戻ってきた機体が、数分で修理を終えて戦線復帰した時、

マリューは口を開けたまま固まった。

そのためキラの出番は、後方からの援護射撃程度で済んでいた。

ムウが「戦闘ですらない」と言ったのも当然だった。

しかしキラにはそんな事は関係なかった。

彼は必死だった。

 

クルーゼ隊も徐々にアストレイとドローンの特性を把握し、

押し込まれる場面が増え、アスランとクルーゼが査問会に呼ばれ、

ラクスが救助される直前には、キラも前線に出るようになっていた。

 

――

 

「G兵器って意味あったのかねえ?」

 

「大尉!」

 

フラガの軽口に、マリューが反応する。

 

「おっと、すまん!でもオーブの連中を見ると、つくづく“兵器は使い方”だって分かるよなあ」

 

「・・・そうですね」

 

マリューも同意した。

せっかく開発したG兵器が敵に回ったと知った時は絶望した。

だがオーブは、通常兵器のメビウスでさえG兵器を抑え込んでいた。

スペックではアストレイはG兵器に遠く及ばない。

だが――「戦闘を継続する」という一点では、アストレイはG兵器を遥かに圧倒していた。

 

「こればっかりは一朝一夕じゃ無理だからなあ」

 

アストレイは、戦場だけでなく、後方の兵站から逆算して構築された“システム”だった。

ムウもマリューも、それを理解していた。

 

「せめて何事もなく合流できたらねえ……」

 

彼らはまだ知らなかった。

ラクスを救助したことで、これから苦悩が降りかかる未来を――。

 

 






※あとがきです。

お読みいただきありがとうございます。

本話には本作独自の設定が多数ありますが、創作上の出来事としてご容赦ください。

次回お楽しみください。
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