転生タイガのオーブ改革録 〜崩れゆく世界で未来を選び直す〜 作:台風200号
※前書きです。
本話は独自設定・原作改変を含みます。
原作とは異なる表現、矛盾、人物が登場しますが
本作独自の創作ですのでご容赦ください。
「さて、どうしたもんかねえ?」
ラクスを解放する方針は決まった。
だが問題は――“誰にどう伝えるか” だった。
「まさかザフトに知り合いがいるわけでもないし」
キラとアスランの関係を知らないアーク・エンジェルの不幸である。
「あら? それならキラに頼んだらよろしいのではなくて?」
「キラに? あいつがどう……?」
ムウが声の方を振り返ると、
そこには“軟禁していたはず”のラクスが立っていた。
「え? え? え?」
「ど、どうしてここに?」
「ああ、ごめんなさい。カギはピンクちゃんに開けてもらいましたの」
「ハロ、ハロ」
ラクスはぴょんぴょん跳ねるハロを指差して微笑む。
「ああ、カギはとりあえず置いとくとして……キラがどうしたって?」
「キラを今追いかけているのは、私の婚約者で、キラの友達で――アスランと言いますの」
爆弾発言の連続だった。
詳しく話を聞くと、
• キラを追っているのは評議会議員ザラの息子、アスラン・ザラ
• アスランは親の決めたラクスの婚約者
• アスランはキラの親友
という事実が次々と明らかになった。
同じコーディネーターということで、
キラはラクスに余計なことまで話してしまっていたのだ。
「う〜ん、これはなあ〜」
「都合がいいと言えば都合がいいのでしょうけど?」
「とりあえずあなたは部屋に戻ってください」
「ええ〜。しょうがないですね〜」
ラクスはナタルに連れられて部屋へ戻っていった。
「どうする?」
「ヤマト少尉に頼むのが一番間違いないわね」
「でもあいつが親友に説得されて、あっちに行っちまったらどうする?」
「う〜ん……」
そこで、黙って話を聞いていたトダカが口を開いた。
「艦長、よろしいですか?」
「ええ、どうぞ?」
「ヤマト少尉は信用して良いかと」
「根拠は?」
「彼の友達がここにいるからです。
彼がザフトに投降するという事は、ここにいる友達と敵対する事になります。
自分の手で守ろうとした友達を殺すような選択は、彼にはできないでしょう」
「うっ……!」
キラたちを志願兵にした時のことを思い出し、
マリューは胸を押さえた。
「それに、万一彼が投降しても戦力的にはあまり変わりません」
「あ〜、まあそうだよなあ?」
ムウがあきらめたように言う。
無人メビウスとアストレイの組み合わせは十分すぎる防御を達成していた。
キラの活躍は「念の為」や「万一の為」の備えが発揮されたものであり、
絶対に必要不可欠なものではなかった。
「彼を使者とすれば相手にも伝わるでしょう。
何よりヤマト少尉に踏ん切りをつけさせる、いいきっかけになるかもしれません」
「きっかけ……ですか?」
「彼はまだ心のどこかで“親友と争いたくない”と思っているはずです。
しかし戦場にはそんなものは関係ない。
戦場で相対すれば、相手が親兄弟だろうと親友だろうと戦うのが軍人です。
それが“国を守る”ということです。
どれほど優れたパイロットでも、
敵を撃てなければ味方が死ぬ。
敵を撃てないパイロットなど、いてもらっては困ります。
それができないのなら、彼にはパイロットを降りてもらった方がいい」
トダカの冷徹だが正しい言葉に、
軍人であるマリューもムウも何も言い返せなかった。
「でも……」
「本人のためにも、その方がいいだろう?」
「そうね……」
こうして――
ラクス返還のための休戦協定の使者として、キラの派遣が決定された。
※あとがきです。
お読みいただきありがとうございます。
本話には本作独自の設定が多数ありますが、創作上の出来事としてご容赦ください。
次回お楽しみください。