デート・ア・ライブ 士道Remix   作:零丸

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無事私立入試は終わりました(合格かどうかは別として)
後は発表待ちです…
今回は零那の過去です。
だいぶ原作と設定が違うので悪しからず。


#14 過去

ーー十数年前。

白闇零那は産まれてすぐに孤児院に入れられた。

母は零那を産んだ時に亡くなり、父は消息が不明になっていた。

「ねーねー、零那ちゃん遊ぼう?」

 

「…私はいいや」

 

「そう…」

 

世間を知らず、口下手であったため、友達も少なかった。

零那が5歳になったころ、父からの手紙が見つかった。

その内容は、幼い零那には残酷な内容だった。

父は消息が不明になっていたが、実はもっと前から死を覚悟しており、母が亡くなった1年後に死亡していた。

零那は悲しみに震えた。

どうして自分ばかりこんなに不幸なのか。

周りにはお父さんとお母さんがいて、手を繋いで帰っている光景をよく見る。

ーー妬ましくて仕方ない。

どうして私ばかり。

そして手紙の最後にはこう書かれていた。

この世界で起きている空間震、それは精霊と呼ばれる少女によって引き起こされるもの。

そしてAST(アンチ・スピリット・チーム)という部隊がその精霊を殺そうとしていること。

その二つが書かれていた。

幼い零那には全く理解できることではなかった。

なので、その手紙をずっと持ち続けた。

 

ーー5年後。

孤児院を出た零那に行く場所などなかった。

というのも、孤児院が火災で廃院になってしまったのだ。

あぁ、まただ。

また私ばかり不幸になる。

そういう運命が決められている。

10歳になった零那を絶望させるのは十分すぎた。

ただ行くあてもなく、空を眺めていた時だった。

 

『空間震の前兆が観測されました。ただちに避難して下さい。これは訓練ではありません。繰り返します…』

 

「空間震…」

 

そう、空間震が来た。

正直なところ零那に生きる意味などなかった。

それとも空間震が気になったからか。

零那はシェルターに避難しないで街に残った。

そして。

ーー辺り一体を空間震が吹き飛ばした。

零那の立っていた目の前に綺麗な穴が空いていた。

ーその中央には幻想的な、なんとも美しい少女が立っていた。

そして、玉座の様なものから剣を抜き、零那に向かって剣を振る。

 

「…お前も、私を殺しに来たのか」

 

その少女は酷く悲しそうな顔でそういった。

 

「…貴方を殺して私に何のメリットがあるの。逆に私を殺してよ。生きてたって意味がない」

 

「なに…」

 

流石に不意をつかれたのか。

零那の発言に目の前の少女は言葉を失った。

やがて。

 

「…お前も、私と同じか。生きている理由がわからないのだな」

 

少女が突然そんな事を言った。

 

「…そうだね。生きている理由がわからないよ」

 

零那がそう言った時、空中から無数のミサイルが放たれた。

すると目の前の少女は無言のまま左手で目に見えない壁を作り、ミサイルを全て弾いた。

 

「安心しろ。お前は私が守る」

 

不意に、少女がそう言った。

ーー私を守る?

守る?守る?何の意味があるの?

生きることに何の意味がある?

守って何になる?

そんな考えが頭をよぎった。

 

「〈鏖殺公〉(サンダルフォン)!!」

空中で少女が叫び、目の前の人間を蹴散らしていく。

そういえば。

父から貰った手紙に書いていたことを思い出した。

この少女は精霊。戦っている人間はAST。

そして、空間震はこの少女が起こしたものであると。

 

ーーなんで。なんでこの少女を殺すの。

意味がわからないよ。殺しあったって意味がないよ。

 

「ぐぁっ!!」

 

空中で少女の苦しそうな声が響く。

どうやら前方のAST隊員に手がいっぱいで、背後からきたAST隊員に気づかずモロに攻撃を食らったみたいだ。

少女の背中からは血が出ていた。

ーーどうしよう。このままだとこの少女も死ぬ。

零那はとっさに少女にかけより、必死に守ろうとした。

 

「そこの女の子!避難しなさい!ここは危険だ!」

 

「嫌だ!どうして殺し合うの!?意味がわからないよ!」

 

AST隊員の注意も聞かず、零那は必死で叫んだ。

でも。

私には力がない。何もない。

この少女を救えない。

ーーこの少女を助けたい。

零那が初めて抱いた感情だった。

初めて誰かを助けたいと思った。

 

「誰か、誰でもいい、私にこの少女を助ける力を…」

 

零那が血走った目で辺りを見回していると、目の前に”なにか”が現れた。

それは解像度が荒く、到底人とは思えない、ノイズのような何かだった。

 

『ねえ、力が欲しい?この娘を助けられる絶対の力が欲しい?』

 

それはそんなことを質問してきた。

 

「当たり前でしょ!」

 

零那がそういうと、それが一瞬笑った気がした。

 

『なら力をあげる。手を伸ばして…』

 

それは、黒い宝石の様な物を差し出した。

零那は迷わずその宝石を掴み取る。

 

「ああ、あぁぁぁぁぁぁああ」

 

瞬間、零那はもう一人の自分が現れ、絶大な力を手に入れる感覚を覚えた。

 

 

「な…」

 

AST隊員は目の前で起こった事態に言葉を失った。

さっきまで精霊、【プリンセス】と戦っていた筈だ。

しかし、その【プリンセス】を守るように、漆黒の羽織を着た精霊が現れた。

いや、少女が精霊になった。

 

「そ、総員目的変更!【プリンセス】とあの精霊を倒すのよ!」

 

「了解!」

 

AST隊員の声も。風の音も。何も聞こえない。

聞こえるのは自分の心拍音と倒れた少女の心拍音だけ。

 

「今助けるからね…」

 

零那は少女にそう言い残し、ASTに向かった。

 

「〈冥界覇者〉(ハーデス)」

 

天使の名を呟く。

何故だろうか。使ったこともない武器を扱い、戦ったこともない敵と対峙しているのにも関わらず、心は落ち着いていた。

 

「消えろ…消えてしまえ…【空間爆砕】(メギドラオン)!!」

 

瞬間。零那を中心として爆発が起こった。

 

「な…」

 

AST隊員も数人が巻き込まれる。

爆発の規模が空間震ほどだったため、ASTは混乱していた。

 

「今…」

 

その隙を突き、零那は少女を抱えてその場から離脱した。

 

「〈冥界覇者〉(ハーデス)ー【高等蘇生術】(フルヒール)」

 

ASTから逃れ、人気の無い裏路地に移動した零那は、『天使』〈冥界覇者〉(ハーデス)を使い少女の回復を試みていた。

【高等蘇生術】(フルヒール)

どんな状態からでも生物を蘇生させる〈冥界覇者〉(ハーデス)最強の技。

だが使うたびに膨大な霊力を消費するため、連続して使用できない。

零那は軽いめまいに頭を抑えた。

 

「ん…私は…」

 

「よかった…気がついた…」

 

少女が不思議そうに零那を見つめる。

…それもそうだ。さっき会ったばかりなのに精霊化していたのだから。

 

「私の傷はどうなったのだ?」

 

「私が塞ぎました。完治してるはずです」

 

「そうか…感謝する。ところで、お前は名を何という?」

 

「…私は零那。零那だよ」

 

「そうか…」

 

そして少女は小難しい顔で考えた後こう言った。

 

「私はそろそろ隣界に帰らなければならない。…零那と言ったな。またいつか会おう」

 

「…!」

 

少女はそう言うと光に溶け、次第に消えていった。

少女がいなくなった後、凄まじい頭痛と共に零那はうずくまった。

 

「ぐ…ああ…」

 

原因不明の頭痛が続く。

頭が割れる。痛い。

零那がもがき苦しんでいると、一人の少女が現れた。

 

「零那…ね」

 

自分の名前を口にした少女は、口にチュッパチャプスを加え、ツインテールに黒のリボンを付けた同じ歳くらいの少女だった。

 

「あ…なたは…」

 

耐え難い頭痛の中、必死に言葉を発した。

 

「…とりあえず私と来なさい。その頭痛を治してあげるわ」

 

「本当に治るの…?」

 

「大丈夫よ。ASTみたいに殺したりはしないし、貴方に居場所をあげるわ」

 

「居場所…」

 

それは零那が初めて言ってもらった言葉だった。

居場所。

自分の生涯で一度も聞くことがないと思っていたが、この少女は居場所をくれると言った。

ーーそう実感した途端、涙が溢れてきた。

幼い頃に泣き疲れ、とっくに涙など枯れていたと思った。

だが、こうして泣ける。

なんだか、とても嬉しいことに感じた。

 

「うぁあああああ…!!」

 

初めてかけてもらった言葉が嬉しくて。零那は声をあげて泣いた。

そんな零那の頭を少女は優しく撫でた。

 

「…辛かったね。大丈夫。私がいる」

 

それから零那はしばらく口をきかなかった。

嬉しさからか、実感がないからかはわからなかったが、口は開かなかった。

だが、その顔は今まで見たこともないような笑顔で満ち溢れていた。

後からあの時のツインテールの少女は五河琴里という名前だとわかった。

あれから零那は空中艦に連れて行かれ、隅々まで検査を受けた後、【ラタトスク】が保護することを約束した。

なんでも、零那の父は【ラタトスク】で働いていたらしい。

その為、琴里は零那の過去と名前を知っていたのだ。

ーーそして。

父の死が他殺だと言うこともわかった。

父はDEM(デウス・エクス・マキナ)社に殺害されたらしい。

理由はわからないが、幼い零那はこの時一つのことを誓った。

 

絶対にDEMを潰す。父を殺した奴をこの手で殺す。

 

それからまもなく零那は【フラクシナス】のクルーになった。

霊力の封印はしてないが、非常に安定しているということで、必要性がなくなったからだ。

それに、万が一の事があっても、琴里がいればなんとかなると思っていたからだ。

こうして、白闇零那はDEMを潰すことを目標に、【フラクシナス】クルーとして今まで生きてきた。

…これは、今から数年前の出来事だ。

 




だいぶ原作と設定が違いますね(蹴
ラタトスクは数十年前からあった設定にしてます。
なので「ここ原作と違うよ!」って所があってもわざとなので気にしないでくださいまし。
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