夕立が可愛くて死にそう()
いやそれ以前に資材ないしPCも使えないんだけどね?
これだから(ry
デアラに全く関係ない話してる人誰ですかね((
「…」
零那の壮絶な過去を聞いた士道はしばらく口を聞けずにいた。
「いつまで黙ってるつもり?…過ぎたことなんだから受け入れるしかないでしょ」
琴里がはぁと溜め息を吐きながら呟く。
そうは言ってるが説明している琴里もだいぶ萎えてるみたいだ。
「零那…」
少女の名を呟く。
誰からも愛されず、親の温もりも知らない。生きている意味すらわからない少女。
世界はなぜこんなにも残酷なのか。
「零那の父は世間的には事故死になってるけど本当はDEM社に殺されたのよ。知られたら困る事を知られたから口減しに…ね」
説明する琴里もだいぶ参っているようだ。顔がかなり疲れて見えた。
「…さて、次はこの映像でも見てもらおうかしら」
そういいながら琴里が一つの映像を再生した。
「これは…」
映っていたのは霊装を纏った零那と、時崎狂三だった。
どうやら戦闘しているところを撮影したらしい。
「士道が気絶してる間に自律カメラを飛ばしたのよ。まさかこんな映像が撮影できるとは思ってなかったけど」
いいながら琴里が映像を一時停止させる。
「見なさい。これは狂三の『天使』〈刻々帝〉(ザフキエル)。時間を操る『天使』よ」
「時間を…」
そういえば一時停止する前の場面で狂三が一瞬で零那の背後に回っていた。
それも能力なのだろうか。
「問題はここじゃないわ。見て欲しいのはここ」
琴里が指した場面。それは零那が『天使』を使っている場面だった。
ーーその天使は〈刻々帝〉(ザフキエル)。
本来狂三しか使えない天使の筈だ。
「どういう…ことだ…」
士道はその場に硬直した。
天使。形を持った奇跡。
本来一つしか存在することのない天使が二つ存在していた。
「…零那は天才よ。相手の天使を”見た”だけで完全にコピーするから…」
「なっ…!!」
琴里の衝撃の一言。
天使のコピー。そんなことが可能なのか。
「でも、代償はあるの。零那の『天使』、〈冥界覇者〉(ハーデス)は10分使用するごとに1年寿命が縮むのよ」
「それ…どういうことだよ!」
士道は思わず声を上げた。
10分使用するごとに1年。
つまり30分使用すると3年寿命が縮むのだ。
「嘘…だろ…」
士道がその場で拳を震わせていると、全く気にしない様子で琴里が説明を続けた。
「流石に燃費が悪すぎるから普段はCR-ユニットを使わせてるけどね。…今回は『天使』の使用を許可したわ」
琴里が苦笑いする。
多分琴里なりに気を使ってのことだろう。
「…でもね、長時間使用すると意識が喰われるのよ」
「意識が…喰われる?」
「そのままの意味よ。もう一つの人格が表に出るの。…死の宣告者がね」
死の宣告者とはなんだ?
琴里がさっきから言っていることは士道にとってわからないことだらけだ。
「死の宣告者の名は【ニュクス】。死を告げる為だけに存在し、現界した時に生物は全て死に絶える災厄よ」
「なんなんだよ…なんなんだよそれ!」
「精霊には霊結晶(セフィラ)ってものが体内にあるのよ。零那の精霊石(セフィラ)はかなり特殊みたいね。霊結晶(セフィラ)の中に【ニュクス】がいるわ」
「ちょ、ちょっと待て。どういうことだ」
「つまり。霊結晶(セフィラ)を与えられた人間は精霊になるの。私もその一人よ。その霊結晶(セフィラ)の中に【ニュクス】がいるから零那は意識が喰われるの。わかった?ねえわかった?」
あまりの剣幕に少し後ずさりする士道だったがようやく理解できた。
…なんて、なんて理不尽なんだ。
「霊結晶(セフィラ)の事はもういいわ。問題はどうやって霊力を封印するかよ」
琴里が意味のわからないことを言い出す。霊力を封印するならいつものことをするだけじゃないか。
…デートして、デレさせて、最後にキスをする。
「…零那をデレさせればいいんじゃないのか?」
「そう簡単に行くと思ってるの?このウスバカゲロウ。…いいこと、零那は人を信用してないわ。長いこと一緒にいた私ですら完全に信用されているわけではないと思うの。そんな零那がほとんど初対面の士道に心を開くと思うの?」
「うっ…」
確かにそれもそうだ。
琴里に聞いた過去の話では零那は人間を信用しているようには思えなかった。
それこそ憎んでいる可能性だってある。
「…どうすんだよ、無理ゲーじゃないか」
「安心しなさい。とりあえず零那とコンタクトを取って自然に話せるくらいになったらデートに移るわよ」
琴里がまるで他人事かの様にひらひらと手を振る。
…馬鹿にされてるのだろうか。
「…で、肝心の零那はどこだ」
「そうね。付いて来なさい」
士道は言われるがままに琴里の後をついていった。
同刻。
DEMインダストリー日本支社。
一人の男が夜景を眺めながら端末を操作していた。
漆黒のスーツに身を包んだ背の高い男である。
貌にナイフで切り込みを入れたかのような鋭い双眸。
DEM社業務執行取締役(マネージング・ディレクター)、サー・アイザック・レイ・ペラム・ウエストコットである。
世界で唯一顕現装置(リアライザ)を製造することができる会社の実質的なトップだ。
そして背後には秘書と思わしき少女が立っていた。
エレン・ミラ・メイザース。歳は18くらいに見えるが世界最強の魔術師(ウィザード)である。
「…楽しそうですね、アイク」
エレンが不意に口を開いた。
ウエストコットの事を呼ぶとき、エレンはいつもアイクと呼んでいた。
「…ああ、楽しいよ。4年前に〈プリンセス〉に手を貸した〈クロノス〉の反応が天宮市で発見されたからね」
言いながらウエストコットが愉快そうにくつくつと笑う。
〈クロノス〉、4年前に現れてからその後一度も現れていない零那に付けられた識別名である。
「〈クロノス〉の持っている力は異形だ。彼女がその気になれば世界を牛耳ることも容易いだろう」
「…私は何をすればよろしいでしょうか」
「流石、話が早くて助かるよ」
ウエストコットがエレンの方を向いて言葉を次いだ。
「仕事だ、エレン。エレン・ミラ・メイザース。世界最強の魔術師(ウィザード)よ。”我々のやり方”で〈クロノス〉を殺し、その精霊結晶(セフィラ)を回収しようじゃないか」
「…わかりました」
静かに答えたエレンのその声は、底冷えするように低く、恐ろしい声だった。
「ここよ」
琴里に連れてこられた場所は【フラクシナス】の最奥、精霊の隔離施設だった。
中に入るとガラス越しの部屋に零那の姿が確認できた。
「零那…」
「こっちからの声は向こうに聞こえないわ。…ここからは士道は一人よ。頑張りなさい」
「ああ…」
琴里の不安そうな表情を一瞥した後、士道は零那のいる部屋へと歩みを進めた。
「…ん」
中に入ると椅子に零那が座っていた。
この部屋には椅子と机、ベッドやテレビなど生活必需品はあらかた揃っていた。
…だがこの部屋にくるまでいくつものセキュリティを抜けてきた。
あまり気分のいい部屋ではなかった。
「…よお」
士道はぎこちなく右手を挙げて挨拶する。
零那は特に反応を示さず手に持ったコーヒーカップを口に運んだ。
「…何の用?」
零那が鋭い視線をこちらに向ける。
どうやらあまり歓迎されてはないようだ。
「とりあえず、お前と話をしにきた」
「私と…?」
「ああ」
零那の言葉に士道は強く首肯した。
とりあえず零那の心を開かなければ。
「…聞いたよ、零那のこと。大変だったな…」
「…っ!」
士道がそう言った瞬間零那が立ち上がった。
その反動で椅子が後ろに倒れる。
「貴方に何がわかるの!親の顔を知らない私の気持ちなんか…わかるわけないでしょ!」
零那らしからぬ大声に士道は一瞬言葉を失う。
だが、ここで引くわけにはいかない。
零那を肯定してやらないと。
救ってやらないといけなかった。
「わかるさ!俺も子供のころ母親に捨てられた!今は琴里のお陰で母親も父親もいるが、琴里が助けてくれなかったら俺は親がいなかった!」
「…!」
士道が必死になって叫ぶ。
予想外の反応だったのか零那が目を丸くした。
「…そ、んなこ…と」
零那が目を丸くしたまま呟く。
士道は言葉を続けた。
「お前が親の顔を知らないように、俺も親の顔を知らない。お前が琴里に助けられたように、俺も琴里に助けられた」
呆然と立ち尽くす零那に一歩一歩近づいていく。
「だから…お前も俺も同じだ」
士道は零那に向かって手を伸ばした。その手を弱々しく零那が握る。
「士道…さん」
そして、はっきりとこう言った。
「ありがとう」
「…!」
それは、士道が初めて見た零那の笑顔だった。
とても清々しく、可愛らしい笑顔だっ。
「…っと、零那。今度一緒にどこか出かけないか?」
そう、元よりこれが目的だ。
零那の霊力を封印するため、零那をデートに誘う必要があった。
「…喜んで」
零那はあっさり受け入れてくれた。
そんな様子をモニタリングしていた琴里は唇の端を上げ、笑みを浮かべていた。
「…まさかあの零那の心を開くとはね。流石は士道と言った所かしら。上々ね」
なんかあれだね、ペルソナネタ酷いね。
ニュクスってあれだろ、ニュクス・アバターでしょ。
「そのアルカナは示し(ry」
はいごめんなさい。
…次回どうなるんだろうね。