ショック受けてる人いたからね。ごめんね。
しばらく暗い話が続きます。零那が好きな人や暗い話が嫌いな人はあまり読まない方がいいかもしれません。
翌日。士道が部屋から出てくることはなかった。琴里は四糸乃と八舞姉妹に事情を説明したらしく、3人が士道の部屋を訪ねてくることもなかった。
その晩。昨夜の様に虚ろな目で月を眺めていた士道の中に考えが浮かんだ。
…もう一度、あの時をやり直すことは出来ないか。零那を…救うことは出来ないのか。
…過去を変えられないか。
だがその考えは一瞬で否定された。
そもそも今の人間に過去改変など可能なはずがない。そんなことが出来れば何人もの人間が過去改変をしているだろう。
ーーその時、士道の頭に一つの言葉が響いた。
それは先日琴里に聞かされた言葉。
(見なさい。これは狂三の『天使』〈刻々帝〉(ザフキエル)。時間を操る『天使』よ)
先日遭遇した最悪の精霊、時崎狂三。
彼女の強大な力を持つ『天使』の能力は時を操ること。
ーーならば、その『天使』を使って過去をやり直せないのか。
だが仮に過去をやり直せたところで狂三が士道に力を貸してくれる保証はない。
それでも、士道はその可能性に縋るしかなかった。
次の瞬間、士道は床を蹴って五河家を飛び出した。
天宮市の一角の廃ビルで、時崎狂三は怪しい笑みを浮かべた。
「あらあら…こんな時間にわたくしに御用でして?士道さん」
「狂三…」
時刻は午前1時。士道が狂三を探し始めてから3時間ほど経過していた。
「少々迂闊ではありませんの?こんな人気のない場所でわたくしと対面するなんて行為…士道さんはわたくしに食べられに来ましたの?」
狂三が愉快そうに笑うが、士道はただ真っ直ぐ狂三を見つめた。
「…どうやら訳ありのようですわね」
「狂三…お前の『天使』〈刻々帝〉(ザフキエル)は時を操ることが出来るんだよな?」
「何を今更…そうですわよ」
「なら、その力で俺を過去に送ることはできないか?」
「…!」
士道の予想外の言葉に狂三が眉を寄せた。
「…もし、もしその力があることを仮定しましょう。士道さんはそれで何をなさるつもりでして?」
「俺は…昨日の夕方に行って零那を救う」
「はい…?」
事情がわかってない狂三が首を傾げる。士道は狂三に昨日起きたことを説明した。
「…単刀直入に言いましょう。士道さんを過去に送ることは可能ですわ。でもそれでわたくしに何のメリットがありまして?」
「…俺の中にある霊力を一人分狂三にやる。一人分の霊力なら用途は様々だろ」
「…随分と思い切りがいいですわね。そんなに零那さんが大事でして?」
「…ああ」
士道は何の迷いもなく首を縦に振った。
「…士道さんらしいですわね。わかりました、取引に応じましょう」
狂三はその場でくるりと一回転した。そして叫ぶ。その『天使』の名を。
「さあ、さあ、おいでなさい〈刻々帝〉(ザァァァフキェェェル)!」
瞬間狂三の両手に古式の銃が握られ、背後に巨大な時計が現れた。
そして士道は経験したことのある立ちくらみに襲われた。
「時喰みの城か…」
「きひ、ひひひひ…よく覚えていますわね。そうですわよ。士道さんを過去に送るのですからその分の霊力は士道さんから頂きますわ」
そして狂三が唇の端を上げる。
「止めるなら今のうちですわよ?わたくしが士道さんから霊力を取れるだけ取って退散する…という可能性もありますわよ」
「それでも…俺はお前に頼るしかない」
「そうですの」
狂三の持つ銃に『XⅡ』の影から漏れ出た弾が収まる。
狂三の持つ銃はカタカタと震えていた。
「〈刻々帝〉(ザフキエル)ー【十二の弾】(ユッドベート)」
そして狂三はその引き金を引いた。
「健闘を祈りますわ、士道さん。歴史は人間の手で変えられるということわ見せてくださいまし…きひ、ひひひひ…」
次の瞬間、士道は得体の知れない浮遊感と共に意識を失った。
最初この場面で狂三が出てくる予定など全くありませんでした。
完全な思いつきです()
さぁここからシュタゲみたいなことになってくるぞ!()
ちなみにこの話は完全に繋ぎです、あまりに短いので次話も連続してどうぞ。