デート・ア・ライブ 士道Remix   作:零丸

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クリスマスですね、はい。
ほんとはクリスマス編とか書きたかったのですが、時系列無茶苦茶になるのでやめました(´・ω・`)
士道と四糸乃をイチャイチャさせて(蹴
まぁ冗談さておき、季節外れの内容となってますがよろしくお願いします。


八舞編
#6 風神少女


4月10日。

四糸乃との騒動があってから2週間近くたった。

本日4月10日は市内の学校は始業式で、士道は来禅高校に向かっていた。

琴里も中学の始業式だったが、仕事があるとかで別登校になった。

 

四糸乃は士道が心配という理由で、来禅の校門前まで着いてきてくれた。

 

「ありがとな。四糸乃。気を付けて帰れよ?」

 

「はい…士道さん…いってらっしゃい…です」

 

「おう」

 

軽く右手を挙げて四糸乃と別れる。

…少しカッコつけすぎたかもしれない。

 

士道の教室は2年4組だった。

正直知った顔は見受けられない。

 

「おはよう五河。いつの間にあんなに可愛い子と知り合ったんだよ?」

 

士道の肩に手が置かれる。

それは士道のよく知る友人、殿町宏人(とのまちひろと)であった。

同じクラスになったのを喜ぶより先に、妬みのような事を言ってくる。

 

「可愛い子…ああ四糸乃か」

 

「四糸乃ちゃんって言うのか?少し小さめだけど可愛いな!」

 

「四糸乃に悪影響与えそうだな…」

 

士道は殿町に聞こえない程度の声で呟いた。

…確かに四糸乃は可愛いのだが。

 

「…五河士道」

 

不意に声をかけられた。

 

「ん…俺?…っ!?」

 

そこにいたのは2週間前に士道を斬りつけたAST隊員であった。

まさかこんな所で会うことになるとわ…

 

「あの時はごめんなさい。完全に私のミス」

 

「あ…いや…気にしなくていいぞ…」

 

「そう」

 

少々はそれだけ言い残して自分の席に座った。

 

「あれ誰だよ…」

 

「お前…鳶一折紙を知らないのか?」

 

殿町がやれやれと言った様子で溜め息を吐く。

 

「成績優秀、体育も抜群。おまけにあの美人だ。この高校の誇る超有名人だぞ?知らないのか?」

 

「…いや全く」

 

聞いたこともない。

でもなぜそんな生徒が来禅に入学していてASTに所属しているのだろう。

考えていた士道の耳にホームルームのチャイムが鳴った。

 

「やっべ…席座らねえと!」

 

殿町が大慌てで自席に戻る。

それに少し遅れて教室のドアが開けられた。

入ってきた先生はどう見ても同年代にしか見えない、童顔の先生だった。

社会科担当の岡峰珠恵教諭。

通称タマちゃんであった。

なんともまあ動物みたいな呼び方だ。

のんびりとした優しい性格のため、生徒からかなりの人気を誇っていた。

 

「これから一年、皆さんの担任を務めます、岡峰珠恵です」

 

生徒から拍手が起こる。

わりと好意的な反応であった。

 

 

それから3時間後。

眠い眠い始業式を終え、下校の支度をしていた。

 

「…空模様が怪しいな」

 

士道は空を見上げ、そう呟いた。

今日の天気予報は晴れの筈だが、空は厚い雲に覆われ、台風でも来そうな雰囲気だった。そんなとき。

 

『天宮市内で暴風警報が発令されました。生徒の皆さんは教室に待機して下さい』

 

そんな放送が聞こえてきた。

晴れていた日に突然台風が来るなんてそれこそ異常気象だ。

…ある可能性を除けば。

士道は携帯を取り出し、琴里に電話をかけた。

考えられるのは一つ。これは精霊の仕業ではないかと思ったからだ。

 

『あら、士道?ナイスタイミングね。私も電話をかけようと思ったところよ』

 

数秒のコールの後士道の妹、五河琴里が電話にでた。高圧的な喋り方からしてリボンの色は黒だろう。

 

「琴里…この台風って…」

 

『ええ。精霊よ。〈フラクシナス〉で拾うから、一旦理由をつけて教室を出なさい。その後人目につかない場所で回収するわ』

 

「…了解」

 

それだけの会話で電話を切り、教室を出る。

士道がトイレに入った瞬間、身体が浮遊感に包まれた。おそらく転送装置が起動したのだろう。

 

 

「琴里!」

 

「いらっしゃい士道。待ってたわよ」

 

〈フラクシナス〉の艦橋で司令官、五河琴里が待ち侘びたように士道を見つめる。

おそらく危険だと判断したのか、四糸乃も一緒だった。

 

「琴里、今回はどんな精霊なんだ?」

 

「今回の精霊は『ベルセルク』よ。そのきまぐれ故にASTもラタトスクも一度も接触できたことはないわ。かなり好都合ね」

琴里が飴を舐めながら説明をする。

 

「それよりも、今回は空間震は起きてないみたいね。でも彼女達の移動規模が空間震レベルなのだけれど」

 

「…ちょっと待て。彼女達?」

 

「ええそうよ。画面を見なさい」

 

琴里が飴の棒をビッと画面に向ける。

その画面に映っていたのは二人の少女だった。

 

「二人…?」

 

四糸乃が驚いたように目を見開く。

士道も同じような反応をしていた。

一人は、勝気そうな顔をしており、もう一人は、ぼーっとした顔をしている。共通しているのは、どちらも三つ編みの髪であること。

その二人の少女達は、なにやら争っている様子だった。

 

「琴里…この二人なにやってるんだ…」

 

「そんなの私が知るはずないじゃない」

 

そんな会話を交わしていると、突然大きな音と共に、画面に映っていた少女が上空から崩れ落ちる。

 

「え…?」

 

士道が間抜けな声を上げる。

琴里も似たような反応だった。

しかしすぐに我に返り、命令を下した。

 

「総員、すぐに解析なさい!これじゃあ士道が攻略する前に死んでしまうわ!」

 

「了解!」

 

琴里の指示とともにクルー達が解析を始める。

 

「転送準備完了。いつでもいけます」

 

零那が士道と琴里の方を向いて言ってくる。

 

「…了解。士道、今から現場に転送するから怪我をした方の精霊の元へ行きなさい。到着次第転送するわ。…このまま黙って死なせるわけにわいかないでしょ」

 

「…わかった」

 

士道は力強く頷き、現場へ転送された。

 

 

外は凄まじい風だった。

さっきまで二人だった少女達は見受けられず、校庭でぐったりと倒れている少女がいるだけだった。

 

「大丈夫か!」

 

士道がその少女の元へ駆け寄る。

その少女は胸元から腹の部分にかけておびただしい血が出ており、呼吸も困難そうだった。

 

「応…答…。あな…た…は…」

 

「喋るな!すぐに助けてやるからな!」

 

士道が少女を抱えると、そのまま浮遊感に包まれた。

 

〈フラクシナス〉に回収された少女は、すぐに医療室へ連れて行かれた。

 

「…琴里…あの子は…大丈夫なのか」

 

「…大丈夫よ。あれだけの傷でも医療用顕現装置(メディカルリアライザ)があれば3、4日で完治するわ。もちろんその間は絶対安静だけだ」

 

「そうか…」

 

今は〈フラクシナス〉に備えられている医療器具を信じるしかない。

だがとても…心配だった。

 

「…そうそう。分析の結果。あの子はAST隊員に狙撃されたことがわかったわ」

 

「なっ…!?」

 

「霊装越しでもあの威力…ASTはとんでもないライフルを作り出したものね…」

 

人間なら木っ端微塵の威力の対精霊ライフル。想像しただけでも寒気がしてきた。

 

「高校もしばらくは休校でしょうよ。台風によってかなりボロボロみたいだし。それに攻略対象が絶対安静。しばらくは暇になるわよ」

 

「四糸乃はどうなるんだ?」

 

「しばらく〈フラクシナス〉にいてもらうわ。精霊反応が無いとは言えど、狙撃されたら今度こそ死ぬわよ。そんな最悪の事態は避けたいのよ。」

 

「そうか…」

 

おそらく琴里もしばらく家に帰ってこない。四糸乃も〈フラクシナス〉の管理となれば、しばらく士道は家に一人になる。

最近騒がしい生活をしていたからか、少し寂しかった。

 

「…しばらくは家で大人しくしてるよ」

 

「別に寂しくなったら〈フラクシナス〉に来てもいいのよ?おにーちゃん」

 

琴里がニヤニヤしながら言ってくる。ここでうんと言えば兄としての威厳がなくなってしまう。

 

「いいよ。迷惑かけるわけにもいかないしな」

 

「…気をつけなさいよ」

 

士道が右手を挙げながら艦橋を後にしようとすると、琴里が心配そうに声をかけてくる。

士道は苦笑いしながら〈フラクシナス〉を後にした。

 

 

4月11日。

結局昨日は眠ることができなかった。狙撃された少女のことがずっと気になり、あまり眠ることができなかった。

 

「学校も休校だろうし…せっかく春なんだから少し散歩でもするかな…」

 

本当は四糸乃でも誘って散歩したかったのだが、今は状況が状況なのでそうにもいかなかった。

少し寂しい気分のまま、士道は家をでた。

 

どれくらい歩いた頃だろうか。

気づけば家から結構離れた公園まで来ていた。暖かい気温で眠くなってくる。

 

「あーいい天気だな…ん…?」

 

士道が背伸びしたとき、なにげなくブランコの方を向くと、見たことのある少女が寂しそうに座っていた。

髪型と体型は違うものの、昨日狙撃された少女にそっくりだった。

 

「な、なあ…」

 

士道はたまらずその少女に声をかけた。すると独特の喋り方で少女が応えた。

 

「ん…お主何者だ。我を八舞耶倶矢(やまいかぐや)と知って声をかけたのであろうな。我が煉獄の焔に焼かれたくなければ、速やかに名を名乗るがよい」

 

「なっ…」

 

俗に言う厨二病の様な喋り方。

だがその喋り方とは逆に、とても寂しそうな表情が気になって仕方なかった。

 

「えーと…俺は五河士道だ」

 

「ふむ…士道とな。…はて、お主どこかで…」

 

「もしかして昨日見たのか?」

 

「おお!そうだ!なにやら夕弦(ゆづる)を助けていた少年だな!あれはお主だったのか」

 

「夕弦…それがあの子の名前か」

 

そういえば名前を聞いてなかった。そうか、あの子は夕弦という名前なのか。ってことはこの子も精霊なのか。ーーならデートしなきゃいけないのか。

すると耶倶矢がさっきとは違う口調で話しかけてきた。

 

「ねえ…士道。夕弦は…無事なの?」

 

「え…?ああ、大丈夫みたいだぞ」

 

さっきとは違う喋り方に戸惑ったが、すぐに応えてやる。

 

「そっか…よかった…」

 

安心した様に笑顔になる。

でもなぜだろう。寂しそうな表情が消えない。

 

「いいなぁ夕弦…こんな優しそうな人に看病して貰えて…」

 

「なあ…耶倶矢…」

 

「ひゃ!?なに!?」

 

士道に聞こえない声で呟いていた耶倶矢がビクッと身体を震わす。

…そんなにビックリしたのか。

 

「この後暇か?ナンパみたいで悪いんだが、俺なにもすることがなくてよ…よかったら一緒にどこかで出かけないか?」

 

「ふふ…我を神に選ばれし颶風の精霊であると知りながらデートに誘ってくるとはな…よかろう、お主の心意気、気に入ったぞ」

 

確かにデートに誘っている。だが改めて意識すると急に恥ずかしくなってきた。

 

「ごめんね夕弦。今だけは…この幸せは私のもの…」

 

「ん…?なにか言ったか耶倶矢?」

 

「な、なんでもない!行くぞ!」

 

士道が聞くと耶倶矢は頬を染めながら別の方向を向いてしまう。

心なしかさっきより耶倶矢の表情が嬉しそうに見えた。

 

「さあ、俺たちの戦争(デート)を始めよう!」




タイトルからわかるように、八舞編です。
つまり耶倶矢は士道君に一目惚れしたんだね、うん。
でも残念ながら四糸乃が(ry
夕弦さんの出番は次回です。
お楽しみに。
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