メリークリスマス(遅い
今年はクリスマスプレゼントにペルソナQを貰いました
今更感しかしない
デートに誘った耶倶矢と一緒に、士道は商店街の方へ歩いていた。
「なあ、耶倶矢は何処か行きたいところとかあるのか?」
「くく…愚問だな士道。我らの行く先は風が教えてくれるであろう」
要約、つまり行きたい場所はないと。
士道は苦笑いしながら耶倶矢の方を見る。耶倶矢は偉そうな喋り方をしているが、本人に悪気が無いのと可愛らしい声音のせいでそこまで不快に感じない。むしろ微笑ましいくらいだ。
「ぬ、なんだ士道。我をジロジロ見おって。理由しだいでは我が漆黒の闇に抱かれて消えることになるぞ」
「あ、いや、なんでもない」
少し強がる耶倶矢も可愛らしい。
そんな感じで他愛もない話をしながら商店街を歩いていった。
「くく…士道。あそこへ行かぬか?」
「ん…」
耶倶矢が指差したそれはゲームセンターだった。
「ゲーセンか…まぁいいかもな」
士道の手持ちは4000円弱。
これなら一日遊んでも足りるだろう。
ゲームセンター内、士道と耶倶矢は並んで歩いていた。
「なあ耶倶矢、なんかしたいゲームとかあるのか?金もあるし、奢ってやるぞ?」
「え?士道マジ?やったー!」
耶倶矢が無邪気な笑顔で喜ぶ。
なんか見てるこっちが恥ずかしい。
「えーと、それでなにやる?」
「ふむ…クレーンゲームなどどうだ?御主の力量を測ってやろう」
「舐めるなよ?こうみえてもクレーンゲームは得意だぞ?」
「よかろう!ならば500円でぬいぐるみを沢山取った方が勝ちとしようではないか!」
「言ったな?負けねぇぞ!」
士道と耶倶矢は隣り合わせでクレーンゲームの台に着き、勝負を始めた。
ーー数分後、士道はあっさり負けた。
士道も500円で5個、一回に一個は取っていたのだが、耶倶矢が一個で2個3個取るものだから勝ち目がなかった。
「かか。軽いわ!この程度で我が颶風の御子と渡り合おうなど身の程を知るが良い!」
「…恐れ入ったよ」
実際に耶倶矢の記録は大したものである。士道は素直に負けを認めた。
「ところで、耶倶矢はなんでそんなに上手いんだ?」
「理由か…クレーンゲームは夕弦と対決したことがあるからな」
「そうなのか…?」
「…少し長くなるが聞いてくれるか?」
「…ああ」
「いや、場所を移そう。ここでは人目に付く」
なにやら複雑そうな表情をする耶倶矢を見て、士道は素直に従った。
移動したのはゲームセンターの裏。
ここなら滅多に人は通らない。
そこで耶倶矢が真剣な表情で語り始めた。
「我と夕弦は…元々一人の精霊であった。その名を”八舞”と言う。だがある時を境にして二つに別れてしまった」
「それが耶倶矢と夕弦か」
「その通り。だが我はいずれ一つの精霊に戻らなければいけない。だが一つに戻った場合、お互いの人格は共存できないのだ」
「…つまりどういうことだ?」
「一つに戻れば…片方の人格は消え失せる」
「…!」
士道は言葉に詰まった。
どちらかが死んでどちらかが生き残る。あまりに残酷すぎる選択肢だ。
そんなこと…許容できる筈がない。
「そのため我らはどちらが真の精霊八舞にふさわしいかを決闘によって決めておるのだ。…決着はつかないがな」
「どっちも生き残ることは不可能なのか…?」
「無理だな。早めに一つに戻らなければお互いが消え失せる。…仕方のないことなのだ」
「…」
士道は血が出んばかりに歯を食いしばった。
どちらかが死ななければ、両方が死ぬ。あまりに…残酷すぎる。
…精霊は負の運命から抜け出せないのか。いや、違う、きっと方法がある筈だ。
「…ただの人間に少々話しすぎたな。今日はここまでだ。人間、また会おう」
「ちょ…!」
士道が引き留めるのも聞かず、耶倶矢は風となって消えた。
ゲームセンターの裏に一人残された士道は、どうすればいいかわからなかった。
ーー正直、霊力を封印すればお互いが生き残れる確証はない。
ほとんど賭けになるだろう。
途方にくれていた士道のケータイが震えた。画面には『五河琴里』と表情されている。
「ん…どうかしたのか?」
『士道…あの子が目覚めたわ。』
「本当か!?」
あれだけひどい傷を負っていたのにもかかわらず、1日で目を覚ましてしまった。
医療用顕現装置【メディカルリアライザ】恐るべし。
『とりあえず、今後の事について話しましょう。〈フラクシナス〉で回収するわ』
その言葉が終わると電話が切れる。
電話をしまおうとした士道の身体が浮遊感に包まれた。
〈フラクシナス〉の転送装置だろう。
その転送と共に、士道はゲームセンターの裏から〈フラクシナス〉へ移動した。
転送後、士道は医務室へ向かった。
琴里から医務室へ行くよう指示があったのだ。
医務室へ入ると、琴里、四糸乃、よしのん、令音さんがいた。
「来たわね士道」
「疑念。あなたは…」
ベッドに寝かされている少女が口を開いた。まだ身体を動かすことはできないが、意識を回復させただけでもすごいと言える。
「夕弦…大丈夫か?」
「質問。なぜ夕弦の名前を知っているのですか」
「士道、どういうこと?」
夕弦と呼ばれる少女と琴里が不思議そうな顔をする。
その時士道はこの少女の名前を士道が知っているのはおかしいと理解した。
「いやそれは…」
「確認。耶倶矢と会ったのですね?」
「…!」
なんという鋭さ。
士道が黙っていたことをズバリと当ててしまった。
ありがたいような迷惑なような。
「理解。それなら知っていても不思議ではありません。…ならばあの事も聞いたのですね」
「…ああ」
”あの事”つまり元に戻るということであろう。
「士道…あの事って?」
話を理解できていない琴里が口を開いた。
ーーそういえば琴里は知らないのか。
「了承。琴里、それは夕弦が話します」
そして夕弦が先程の耶倶矢の同じ事を話し出した。
ーーなんだか聞いててとても辛かった。
おそらく今年最後の投稿です。
今年最後がこれって…
とりあえずよいお年を!