ポケットモンスター〜キセキ〜   作:龍崎悠司

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〜一つ目へ〜

 

 翌朝。

 作戦を立てた上でぐっすり眠り、朝食もしっかり食べた。

 コンディションを絶好調の状態に調整したロイナたちはジム戦を行うため、再びイェシードジムへ向かう。

 

「よろしくお願いします!」

「お、来たねー」

 

 ジムの全員に聞こえる様にハキハキと挨拶すると、ジムリーダーのネリアが手を小さく振って迎えてくれた。

 ジムトレーナーたちも一様に挨拶を返してくれる。

 その目は、皆一様にとても優しげだ。

 

「つい今し方、君の話をしてたんさ」

「僕の?」

「とりあえず挑戦前に言うのもアレなんだけど、結論から言うと、逸れたタイレーツの情報は無かったよ」

「そうですか……」

 

 あの後、ネリアとジムトレーナーたちは各方面を当たってくれたのだという。

 ポケモンリーグ関係者、ポケモンレンジャー、それからイェシードシティを警らして探してくれたが、成果はなかった。

 申し訳ないと言ってくれるが、ロイナからしたら、そこまでしてくれただけで本当にありがたい話だ。

 肩を落とすのを我慢し、礼を言う。

 

「ありがとうございます」

「続報が入ればちゃんと連絡は行くからね」

「重ね重ねありがとうございます」

 

 気にしないで、と言って一度話を切る。

 

「んじゃ、下がる話題はここまで。ジム挑戦の(楽しい)話をしましょ」

「はい」

 

 書類は昨日書いているので、スマホをかざして内容を再確認していく。

 昨日も作業と審判をしていたジムトレーナーが手続きを終えた。

 

「はい、確認が取れましたのでコートの方へいらしてください」

「よろしくお願いします」

 

 コギノリがやったのと同じ様にバトルコートでネリアと向かい合う。

 審判役のジムトレーナーも定位置に立ち、宣言を行う。

 

「それではこれより、チャレンジャーロイナのジムバトルを始めます! 使用ポケモンは2体、ポケモンの交代はチャレンジャーのみ認められます」

「昨日もやったから何となく恥ずいけど、気分上げたいしね。改めて『快活スパーキーガール』のネリア。光って弾けて痺れさせちゃうから!」

「臨むところです!」

 

【ジムリーダーのネリアが勝負をしかけてきた!】

 

「さぁ、行くわよピカチュウ!」

「ピッカッチュウ!」

「お願い! タイレーツ!」

「タイレー!」

「タイレー!」

 

 最初の対面はピカチュウとタイレーツ。

 

「ピカチュウ、『でんこうせっか』!」

「ピッカ!」

 

 まずはネリアが先制する。

 電気タイプらしい速攻でタイレーツに迫る。

 

「タイレーツ、『まもる』」

「タイ!」

 

 ヘイチョーが盾を構えて防御体勢。

 ヘイが後ろへ身を隠す。

 

「隙だらけ! 回り込んで『アイアンテール』」

「ピカッ!」

 

 しかし、構えたタイレーツの後ろに回り込んで防御を躱す。

 

「ピッカッ!!」

「レッ!?」

 

 後ろのヘイにピカチュウの尻尾が入る。

 

「くっ、ヘイチョー、『ずつき』を──」

「遅い! 『アイアンテール』もう1発!」

「ピカッ!」

「レッ!?」

 

 更に対応しようとするロイナに先の先で攻撃を加えていく。

 ヘイチョーも『まもる』からの切り替えが間に合わず、『アイアンテール』を食らってしまった。

 

「速い……!」

「ふっ、当然でしょ? どうする? 今のとこ、ギノリっちほどの脅威も才能も感じないよ?」

「これは、手厳しいですね」

 

 ネリアのギノリっちにとてもツッコミを入れたかったロイナだが、そんなことを言っている余裕はないと、改めて向き直る。

 ほんの数手で、随分と評価を落とされてしまった。

 コギノリの時より戦闘のテンポを落としている状態で、いいようにされてしまっているのだから、その評も妥当なところだろう。

 

(押されてる場合じゃない)

 

 盛り返さねば。

 しかし、上手い打開策は思い付かない。

 コギノリの様にアドリブと勢いで立ち向かうのは、ロイナの戦い方ではない。

 この数手でそれが分かっただけでも十二分とする。

 

「タイレーツ、反撃行くよ!」

「「レーツ!」」

「何を見せてくれるのかしら? 『でんこうせっか』!」

「ピカッ」

 

 興味津々で同じ技を出すネリア。

 

「タイレーツ、『まもる』」

「タイ!」

「それじゃあさっきと同じよ、回り込んで『アイアンテール』!」

「ヘイ! 後ろに向けて『いわくだき』!」

 

 だが、先ほどの再演にはならない。

 同じタイミングで回り込んで来たピカチュウに合わせて、格闘技を叩き込む。

 

「ピカッ!?」

「タイレッ!」

 

 鈍い音がしてピカチュウが飛ばされた。

 それを見たネリアの口角が上がる。

 

「へぇ、やるじゃない」

「どうも」

「でも、同じ手が通じないのはこっちも同じ! 『10まんボルト』」

「ピーカーチュウ!」

「別れてダッシュ!」

「「タイッ!」」

「へ!?」

 

 タイレーツが二手に分かれながら電撃を躱しつつ肉迫していく。

 まさか6匹のチームワークで動くことが前提のタイレーツをわざとバラバラにするとは。

 だが、ロイナからしたら今更なのだ。

 今のタイレーツではどう頑張っても本来の三分の一までしか力を発揮出来ないのだから、やれることは全部やるしかない。

 それが今回立てた作戦の1つだ。

 

「ピカチュウ! 盾のない方を狙って『10万ボルト』!」

「ピカ!」

「読んでます! ヘイチョー! 『たいあたり』」

「タイレー!」

「ピカッ!?」

 

 ネリアがヘイを狙ってくることなど百も承知。

 技を放つ隙を狙って狙われていないヘイチョーが突撃する。

 

「しまっ──」

「ヘイ! 『いわくだき』で続いて!」

「タイレッ!」

「ピーカ!?」

 

 対処に迷った一瞬に更に一撃を叩き込まれる。

 だが、その程度ならリカバリー可能。

 

「ピカチュウ『ほうでん』!」

「合流して『まもる』!」

「ピィカッ!」

「「タイッ!」」

 

 全体攻撃でリセットを計るもそれはロイナも想定内。

 そのためにお互いの距離を空けすぎない様に指示は出している。

 再び2匹の状態に戻ったタイレーツはヘイチョーが盾を構えることで電撃を完全に防ぐ。

 

「今! 『いわくだき』」

「ピカチュウ、『アイアン──いや、『スパーク』!」

「ピッ!? ピカァ!!」

 

 途中で指示を変えたネリアに驚きながらもピカチュウが電撃を身にまとう。

 しかし、そこへタイレーツの息の揃った『いわくだき』が入る。

 2匹同時に叩き込まれたダメージを、ピカチュウはモロに受ける。

 飛ばされたピカチュウは目を回していた。

 

「ピカチュウ戦闘不能!」

「ふふ、やってくれんじゃん」

「それは……こっちのセリフですよ」

 

 勝利したロイナも全く余裕がないのは分かっている。

 

「「タ……」」

 

 タイレーツは明らかに電気を身体に浴びてマヒしていた。

 先ほどのネリアの無茶な指示。

 それはコチラに直接ダメージを与えるものではなかったのだ。

 ピカチュウの特性『せいでんき』によるマヒ効果、それを引き当てる可能性を高めるための『スパーク』。

 一筋縄では行かせてくれない。

 これが、イェシードジムのジムリーダー。

『快活スパーキーガール』の本領だ。

 

「さぁここからどうする? パルスワン、ゴー!」

「戻ってタイレーツ! 行け、フシギダネ!」

「パルワンッ!」

「ダネェエエ!」

 

 ネリアの2匹目が登場すると同時、ロイナもポケモンを入れ替える。

 現れたパルスワンに負けない様にフシギダネも吠える。

 

「へぇ、入れ替えたんだ」

「初手が変わらないとしても、能力を上げられ続けるのは恐ろしいので」

「よく分かってんじゃん! んじゃ、お望み通り『ニトロチャージ』!」

 

 そう、ロイナが危惧したのは、いわゆる起点、と呼ばれるパワーアップ戦略だ。

 痺れて動きを鈍らせたタイレーツを攻めながら、能力値を上げる技でパルスワンを強化されてしまえば、ロイナに盤面をひっくり返す力はない。

 そのための交代だ。

 しかし、交換先は草タイプのフシギダネ。

 当然、炎タイプ技で攻められる。

 

「フシギダネ! 打ち合わせ通りに!」

「ダネ!」

「何見せてくれんの?」

「これです! 『くさむすび』」

「ダネ!」

「パル!?」

 

 突撃してくるパルスワンの足に、草が生え、結び目を作る。

 そこに思いっきり足をかけてしまったパルスワンが大きく体勢を崩す。

 

「『つるのムチ』」

「ダネフシェッ!」

「パルゥ!?」

 

 その隙に全力でつるを叩き込む。

 避けることも出来ずにクリーンヒットだ。

 

「なるほどなるほど、良い作戦ね」

「それはどうも」

「でもそれ、()()()()()()()()?」

「…………」

「沈黙は肯定かなぁ?」

「さぁ、どうでしょう?」

 

 誤魔化しながらも痛いところを突かれた、とロイナは内心冷や汗をかく。

『くさむすび』は、ポケモンセンターにたまたま売っていたわざマシンを購入して急遽覚えさせた技なのだ。

 だから、分かりきってる場所に1つ結び目を作るのが限界。

 そんな見え見えのトラップが2度と通じる相手ではない。

 

「なら、こうしたらどう出る? 『じゅうでん』!」

「パルルルル!」

「くっ!」

 

 そう、コレがロイナたちにとって一番取られたくない戦法。

 昨日も見せたパルスワンの生態を利用した超速移動。

 とはいえ、ネリアも昨日は最大まで速度を上げることを優先してしまい、結果として読まれやすい単純な動きしか出来なくてなってしまった。

 今回はその愚は犯さない。

 

「『でんこうせっか』で掻き回しながら『ニトロチャージ』!」

「パルワンッ!」

 

 高速で走るパルスワンが炎をまといながら徐々にスピードを上げていく。

 これでは、まだ未熟な『くさむすび』では捉えられない。

 

「パルルゥガウッ!!」

「フシギダネ、二の矢行くよ! 『どくのこな』!」

「なんですって!?」

「ダネェッ!」

 

 迫るパルスワンにフシギダネが噴き出した粉がかかる。

 パルスワンはそれを躱すことが叶わない。

 しかし、フシギダネもそれは同じだ。

 

「パルッ!?」

「ダネェエ!?」

 

 効果は抜群で、大きく体勢を崩されてしまう。

 だが、パルスワンもまた大きく跳び退いたために追撃をもらうことはなかった。

 

「やってくれるじゃない!」

「本当は『ねむりごな』にしたかったんですが、アレはギャンブルでしたので」

「確実性を取ったわけね。中々エゲツないのね」

 

 相手をねむり状態にして行動不能にする『ねむりごな』だが、命中率がよろしくない。

 粉がかかっても眠るまで至らないことも多いのだ。

 更に電気タイプは自身への刺激で目が覚めて、上手くいかない可能性も高まる。

 電気タイプのポケモンはマヒ状態にならないので『しびれごな』も選択肢からは外れる。

 故に残った選択肢は『どくのこな』。

 しっかり吸い込めば、身体を弱らせる毒が全身を回る。

 身体の大きくないパルスワンが全力疾走して毒が回りきってしまえば戦闘不能になってしまう。

 更に、この技の利点は『くさむすび』と違い、向かってくる相手に粉さえ出せれば狙いを付ける必要がない点だ。

 相手が突っ込んで来るならば確実に食らわせることができる。

 

(ジムリーダーが交代出来ないルールを利用した消極的な作戦?)

 

 ネリアは一瞬浮かんだ可能性を否定する。

 そんな逃げの一手で満足する様なトレーナーが、わざわざコンディションをお互いに整えてくるかは疑問だ。

 

「ははっ、生意気」

 

 これは誘導。

 そして挑発だ。

 どく状態となったパルスワンは強制的に短期決戦を迫られる。

 毒の回りを遅くしようとすれば、かえってロイナたちのペースとなり、電気ポケモン特有の素早い戦い方を殺してしまう。

 ならば取れる手は一択。

 最高速度での超速戦闘。

 ロイナは自分が付いていけるか分からない戦いへ、コギノリに負けたくない一心からか、わざとコチラを引きずり込んだのだ。

 それが意味するところはたった1つ。

 ──つべこべ言わずに全力でかかって来い。

 

「やってやろうじゃん! パルスワン! 『じゅうでん』して『こうそくいどう』!」

「パルワンッ!」

 

 ならばジムリーダーとして、真正面から全力で付き合ってやろう。

 指示を受けたパルスワンが更に電気を溜め込み、四肢に電気を送ってフィールド内を駆け回る。

 その動きは最初に『くさむすび』に捉えられたものとは最早別物だ。

 

「フィールド全体に『はっぱカッター』!」

「ダネェ!!」

「パルスワン、『スパーク』で弾きながら突っ込んで!」

「パルッガウッ!」

 

『じゅうでん』でチャージされた(威力2倍の)電撃をまとって『はっぱカッター』をものともせずに迫って来る。

 

「フシギダネ、『くさむすび』!」

「ダネッ!」

 

 再び足をかけようと草を生やすが、とても追い付かない上に、狙った座標からズレる。

 

(ここに来て、熟練度か……!)

 

 付け焼き刃ではやはりどうにもならないのを痛感する。

 そして技を外した隙をリカバリー出来る様な速度で、パルスワンは突撃していない。

 

「パルゥ!」

「ダッ!!?」

 

 クリーンヒットするが、どうにか踏みとどまって飛ばされるまでには至らない。

 それによって草タイプ特有の生態。

 電気を地面に逃すことでマヒ状態や致命傷をどうにか耐える。

 だが、これで勝敗は大きく傾いてしまった。

 ロイナに対抗出来る技も策もなく、ネリアは通したい全ての戦術を通すことができる。

 炎タイプ技(ニトロチャージ)があるからとタイレーツは出せない。

 ここで安易な交代に逃げてしまえば、その隙にいくらでも攻撃を叩き込まれてしまう。

 かと言って、このままフシギダネが倒された後、マヒ状態(素早さ半減)のタイレーツでパルスワンを倒せるだろうか。

 無駄な時間稼ぎも当然できる訳がない。

 ロイナの肩から僅かに力が抜ける。

 視線が少し下を向いた。

 

「君はここまでよく頑張ったよ。本当にバッジを渡してもいいくらい」

「でも、それは──」

「分かってる、君にとっては侮辱も同じ。でしょ?」

 

 コギノリはきっちりネリアを降して勝っているのだ。

 ロイナがお情けの様にバッジをゲットするのは、誰よりもロイナ自身が許せない。

 

「でも、ここから逆転、出来る?」

「…………」

 

 答えられないロイナへ、ネリアが更に問いかける。

 

「じゃあ、諦める?」

「!」

 

 その言葉に、ロイナが固まる。

 

(諦める?)

 

 問われた言葉を反芻する。

 ジムチャレンジは何度でも挑戦できる。

 今日はダメなら明日また挑戦も可能だ。

 だが。

 

 ──敵わないから、ダメだと諦める? 

 ──無理だったからと膝を折る? 

 

 そんなのはもう、ごめんだ。

 ごめんなんだ。

 ロイナの脳裏に一瞬、頼り切っていた背中が思い浮かんで。

 

「──ここから勝てるかは、分かりません」

「へぇ……!」

 

 攻略方法が見出せず、迷っていたロイナの空気が変わった。

 下げ気味だった視線を再びネリアへと向ける。

 そこにネリアは確かに灯る炎を見た。

 不屈の心を。

 闘志を。

 

「でも、だとしても! ここで諦めて下を向いてたら、僕はあの頃のままだっ!」

「あの頃?」

「それは認めない!」

 

 そんな自分では、認めてくれたコギノリ(ライバル)に顔向けできない。

 だから諦めない。

 立ち尽くさない! 

 

「フシギダネ!」

 

 ロイナは呼ぶ。

 相棒を。

 

「僕たちは進む!」

「ダネ!」

「こんなところで立ち止まってなんかいられないんだ!」

「ダネッ!」

「だから、力を貸してくれ!」

「ダネェエエ!!!」

 

 ロイナの気持ちに応えようと声を張り上げるフシギダネ。

 その身体が輝きに包まれる。

 

「!? これは!」

「綺麗……」

 

 進化が始まった。

 身体は一回り大きく。

 葉が伸びて。

 タネはツボミとなる! 

 

「フシェッソウ!」

「フシギソウ!」

 

【フシギダネはフシギソウに進化した!】

 

「これだからジムリーダーはたまんないのよ! でも、この状況で何ができる? 『スパーク』!」

「パルワンッ!」

 

 その進化を嬉しそうに見届け、しかし容赦なく指示を出すネリア。

 パルスワンが電気をまとって再び突撃する。

 その速度はやはり見えないほど速い。

 

「フシギソウ、『つるのムチ』」

「フシェッ!」

「パルゥッ!!?」

 

 バチン!! と今まで聞いたことのない様な音を出しながら、フシギダネの時よりも明らかに太くなったつるが、パルスワンを横から叩いた。

 そのあまりの威力に、パルスワンは完全に体勢を崩してしまった。

 

「これは……!」

「『やどりぎのタネ』で追撃!」

「受けられない! 『でんこうせっか』で離脱して!」

 

 毒を受けた上に力を吸い取る『やどりぎのタネ』まで付けられたら、流石にパルスワンが保たない。

 強引な先制技で距離を空けてタネを避ける。

 

「すごい、フシギソウ、行けるよ!」

「ソウソウ」

 

 抜群に威力の上がった『つるのムチ』に希望を見出すロイナ。

 そして、もう1つ。

 ロイナは見逃していない。

 勝機を。

 対するネリアは形成がまた不利に傾いたことを認識した。

 下手な突撃は通らなくなった。

 毒を受けてしばらく経過した今、パルスワンもギリギリだろう。

 決めにいくしかない。

 そのための最後の仕上げに掛かる。

 

「パルスワン、決めるよ! 『じゅうでん』からの『こうそくいどう』!」

「パルルルル……!」

「来るよ、フシギソウ」

「ソウ」

 

 再び速度を限界まで上げた上に技を放つ準備で電気を蓄えている。

 更に、移動を重ねてロイナに位置を掴ませない。

 

「君はこれをどうするかな!? 『エレキボール』発射!」

「パルルガウッ!!」

 

 移動の電気エネルギーを全て注ぎ込んだボール状の電撃が側面からフシギソウへ向かう。

 昨日もそうだった様に、その速度はパルスワンよりも数段速い。

 

「フシギソウ! 『つるのムチ』でジャンプ!」

「ソウ! フシェエ!」

「うっそ!!?」

 

 フシギソウは迫る電撃をつるで踏み込むことで、高く高くジャンプして躱したのである。

 そして、眼下には大技を出して隙を見せたパルスワン。

 

「そのまま『つるのムチ』を叩き込んで!」

「フッシェエエエ!!!」

「パルスワン、避けて!」

「パッ! パルゥ!!?」

 

 回避の指示を出すも間に合わない。

『エレキボール』が弾けた後、現れた景色が結果を如実に表していた。

 

「パルスワン戦闘不能! よって勝者、マルクェットタウンのロイナ!」

 

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