ヘラクレス(中身転生者)in オラリオ   作:アウン

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第一話

 

 ヘラクレス。

 それはギリシャ神話では十二の難行と呼ばれる試練や数多の冒険、戦いを乗り越え神になったとされる男。そして、Fate/stay nightではクラス:【狂戦士(バーサーカー)】としてイリヤスフィール・フォン・アインツベルンの忠実な矛であり盾であった男。

 

 俺はそんなヘラクレスが好きだ。

 アニメで一目見た時から、憧れた。

 強さ、見た目、性格。その全てが俺の感性に刺さった。

 

 俺はヘラクレスになりたかった。だから、努力した。体と心を鍛え、少しでもヘラクレスに近づくために。

 

 あらゆる方法を試した。筋トレ、ドーピング、骨延長手術、整形、肉体改造。その結果、身長や外見、性格は近づくことができた。

 しかし、強さだけはどれだけ手を尽くしても、努力しても、時間をかけてもたどり着けなかった。

 

 それでも俺は諦められなかった。

 

 だからーーーーーーー

 

 

 

 

 

 ピチョン。

 

 水滴が落ちるような音が俺の耳朶を打つ。

 その音でまだ微睡にあった意識が急激に浮上してきて、俺は目を開いた。

 

 ・・・・・・知らない天井だ。

 

 暗くてよくは見えないが人口の天井というよりかは天然の洞窟の岩肌のような質感が見て取れた。

 俺は体を起こし、周りを見る。

 

 目につくのは薄ぼんやりと光る岩壁と奥まで続く枝分かれした通路。

 

 やはり、全く知らない場所だ。

 ドッキリという線もなくはないが、俺にはそんなドッキリを仕掛けてくるような友達はいない。

 

「グルルル・・・・・・ル!?」

 

 本当にどこだろう、という呟きが口から溢れたと思ったら口から溢れたのは唸り声。驚いて意外と大きな声が出てしまった。

 

 戦々恐々としながらそっと自分の喉を触る。

 硬い。岩みたいな硬さしてる。

 

 というか視界の端で見えた腕がなんか黒い。

 すっと自身の体に視線を落とす。

 

 筋骨隆々の肉体、岩のように黒い肌、金属板で補強された腰巻き。そして足元に落ちている黒い岩の斧剣。

 親の顔より見たことがあるこれら。そう、これは、いやこの姿はーーー

 

「◾️◾️◾️◾️◾️、◾️!?」(ヘラクレスだ、これ!?)

 

 俺は今の自身の姿を自覚すると、歓喜と困惑の混じった声を上げるのだった。

 

 

 少しの間、狂喜乱舞していた俺は落ち着ついてきたので行動を開始することにした。

 

 後ろと前どちらにも道は続いている。

 

「グルルル?」(どっちに進もうかな?)

 

 悩ましい問題だ。

 前と後ろどちらかが多分出口に続いている道でどっちかが更に奥へと進む道なのだ。

 

 俺は腕を組み、考える人のポーズをとると、首を傾げて悩む。

 

 う〜んと唸っていると、ふと足元の斧剣に目が止まった。

 

「・・・・・・◾️◾️◾️?」(・・・・・・棒倒し?)

 

 頭に電撃が走ったようだった。

 

 そうだ。自分で決められないなら運に決めて貰えばいいのだ。

 

 俺はあまりにも冴えすぎている自分が怖くなった。

 

 一度決めたら即断即決。

 俺はすぐさま斧剣を地面に垂直になるように立てると、手を離した。

 

 その結果、斧剣は横に倒れた。

 

「・・・・・・」(・・・・・・)

 

 流石にこれは予想だにしていなかった。

 

 俺はもう一度やり直そうと思ったがーーーやめた。

 

 そう、多分、きっと、メイビー、これは神のお導きなのだ。(白目)

 

 俺は壁に向かってクラウチングスタートの構えを取る。そして走り出した。

 体に壁がぶつかった瞬間、粉砕。壁はまるでガラスのような軽さで砕けた。(音は決して軽くない)

 

「◾️、◾️◾️」(あ、道)

 

 意外に壁は薄かったようで、すぐに道に出ることができた。しかし、ここは出口ではない。

 つまり、まだ止まってはいけないということだ!

 

 ・・・・・・まあ自身でなんだかんだ理由づけをしてみたが実際のところ壁抜きが思ったより楽しかっただけだ。

 

 俺はもう一度走り出し、3枚ほど抜いた時、人が目の前に現れた。

 

「へ?」

 

 俺は驚いた顔をした白い兎と目が合った。

 




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