俺のチートアカデミア(ただし、主人公はヒーロー科に入学できないものとする)   作:かりん2022

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十二手目 王手

 輪廻が動き、飯田を尾行して二日目。

 路地裏で、ただならぬ事態が起こっていた。

 

「兄さんを傷つけたお前を、僕は許さない!」

「本当にヒーローなら、襲われているヒーローを助ける事を優先しろよ……。お前はヒーロー失格だ!」

 

 俺は早速ホークスさんに伝える。

 

『把握はしてる。ヴィランが大暴れしているのもね。目的を知りたいから、そのまま隠れて様子見をしていてくれ』

 

 何とか倒れているヒーローを助けられないだろうか。

 

「隠れているお前もヒーロー失格だ! 出てこい!」

「!?」

 

 気づかれてしまったならしょうがない。

 

「【ヒーロー殺しステイン……お前がそうなのか?】」

「ああ、そうだ。!?」

「【動くな】」

「君は!?」

「普通科の心操だ。俺は人を操れる。ロープも持ってきてる。さっさとヴィランを捕まえてあの人を助けよう。捕まえる方を頼んでもいいか?」

「あ。ああ」

 

 ロープを飯田に渡すと、倒れているヒーローの方に向かう。

 

「大丈夫ですか? ヒーローに通報はしてあります。もう少しの辛抱です」

「悪いな」

 

「あああああああああああああっ!!!! 俺を! 倒せるのは!!! オールマイトだけだ!!!!」

 

 洗脳が破られた!?

 振り向くと、飯田が攻撃をされて居るところだった。

 

「飯田、逃げろ!」

「僕は、僕は兄さんに変わってお前を捕まえる!」

「ばか!」

 

 飯田が麻痺をしたようで、動けなくなったようだ。

 俺は慌てて飯田に駆け寄る。

 

「人を洗脳するような卑怯な人間はヒーローと呼べん! 最初の様子見といい、ヒーロー失格だ!」

「個性は包丁だって」

「何?」

「俺は自分がヒーローである為にここに来た。ヒーローってのは、個性じゃない。そうあろうとする心だ。受け売りだけどな」

「違うな! ヒーローというのは、個性とあり方の両方が備わってのもの!」

「お前のヒーロー像なんて関係ない。俺は俺の目指す理想になる!」

「独善的な貴様などヒーローに相応しくない!」

「【じゃあお前は何なんだよ?】」

「俺は革命者だ! ヴィランもヒーローもどきも断じて許さん!」

「【動くな】」

「効くかあああああああああああああ!!!!」

 

 洗脳を振り切ってナイフが振り翳される。

 刺さる直前、羽が俺の服に刺さって俺はナイフの軌道から逸らされた、

 ホークス。

 それと同時に、飯田のキーホルダーが一人でに動いてステインに触れた。

 

「いやきっっっっっっっしょ!!!!!!!」

「は?」

 

 ステインの叫びに目が点になり、気づく。そうか、憑依!! 人間も憑依できたのか!!

 

「遅くなってごめんね。正体現したみたいだね」

「ホークス!」

 

「何だお前!? 俺の中に入って!?」

「いやいやいやいや、お前きっしょい。まじ無理。モンスタークレーマーって本当にモンスターなんだな。人間様の理屈なんて知ったこっちゃねぇですわ。オールマイトもこんなのに粘着されて可哀想」

「誰だお前!! 何なんだ貴様!!」

「啓蒙活動して? 当たり前だがアホな理屈に同調者が誰もいなくて? 挙句暴れ出すとか怖いわーまじ怖いわー。そもそもヒーロー活動事態、営利の側面はあっても善意に支えられたものだって理解しろよ。まあでも体は使えるはお前。どうやら俺の正体バレちゃってたみたいだし、最後のお別れ会はぱぁっと行きたいからね」

「輪廻!」

 

 そこに乱入者が訪れる。

 

「飯田くん! 大丈夫!?」

「緑谷くん!」

「飯田くん、その人達は?」

「俺が来た時にはステインに殺されかけていた人と、俺を助けに来てくれた人」

「ステインはどういう状況?」

「俺が追ってきた奴がステインの体を操ってる。輪廻って言って、個性は憑依」

 

 ステインが走る。

 

「あっ 待て!」

「飯田くん、今は堪えて。麻痺が治ったら避難誘導を手伝おう」

「天哉! お前、心配かけるな、この!」

「兄さん!?」

「ヴィランがお前を狙ってるって事で、ホークスさんと、ずーっと見てたんだよ。ハラハラさせるなよ、まじで」

 

 そして、俺達は駆けつけたヒーローの指導のもと、避難誘導と治療行為を手伝った。

 

 ステインは脳無退治に縦横無尽に駆け巡った。

 そして、自ら拘束された。

 

「輪廻。なんで俺に近づいた?」

「お前が最高のヒーローになる未来を知ってるからだよ。ファンなんだ」

「俺が?」

「そうだよ。緑谷も飯田も心操も、いいヒーローになる。で、AFOと戦う事になる」

「AFO?」

「そう、それをポップコーンとコーラで見物するのが俺の目的」

「AFO陣営じゃないんだな」

「ただでさえAFOが有利なのに、肩入れしたら正義陣営の勝つ余地無くなってつまんないじゃん」

「……じゃあ。俺の隣で戦いを見てろよ。互角ぐらいにならないと、つまんないだろ」

「それって肩入れしろって事? AFOと敵対するのはだるいから嫌かな、じゃあな。いいヒーローになれよ」

 

 瞬間。ステインは叫んだ。

 

「お前のような享楽主義者はヒーローに相応しくない!!!」

 

 もう会えないのだろうか。

 肩を落とした俺を、ホークスは慰める。

 

「もう体は確保したし、あのタイプの個性は体さえ確保すればこっちのモンだから。意地でもヒーロー陣営に勧誘するから、心配しなくていいよ」

「あ、はい」

 

 ホークスは頼りになるヒーローなのである。

 

 




マシュマロ
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