俺のチートアカデミア(ただし、主人公はヒーロー科に入学できないものとする)   作:かりん2022

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五手目 特訓

「癒着を疑って済まなかった、まさか、試験当日にヴィランに襲われていたなんて!」

 

 飯田に90度お辞儀で謝られて、びっくりする緑谷と爆豪。

 

「あー。いいぜ。そりゃ俺だって試験会場に生徒と教師がいたら疑うと思うし」

「実際、先生に保護と指導を受ける事になったのは事実だしね」

「そんなわけで、こいつは全体的に、俺は一部個性を使うのが下手くそになってるから、あー。意識を失って暴れ出したら遠慮なく殴れ」

 

 あっさりとしたその言葉に飯田はゴクリと真剣な顔をして頷いた。

 

「全校生徒に通達があったよ。怪しげな誘いには絶対に乗らないようにって。お医者さんに見てもわなくても大丈夫なのかい?」

「僕、はっきり断ったんだけどね。お医者さんについては、リカバリーガールと、海外から、凄いお医者さんが来て見てくれるそうだよ! 今日着くんだって。オールマイトも暴走をカバーしてくれるから、万全の大勢だよ」

「それは良かった」

「大丈夫なの? えっと……デクくん」

 

 お茶子が心配して声をかける。

 

「あ、その、僕の名前はデクじゃなくて、それはどっちかっていうと蔑称で……」

「ええ!? 私、頑張れって感じのデクくんかと」

「デクです!!」

 

 そんな風に会話をしていると、寝袋出現!

 

「うわ先生!」

「先生!?」

「おら、さっさと席につけ。あと、緘口令引いてんだからべらべら話すな」

 

 相澤は生徒達を誘導し、個性把握テストを行う事となった。

 爆豪から始まり、順調に数をこなしていく。

 

「おい緑谷……今日という今日こそは暴走させるなよ」

 

 ギロっと睨む相澤。来る日も来る日も泊まり込みで特訓に付き合わされたらそれはそうなる。

 オールマイトと爆豪の応援を得ながら、マンツーマンで個性の把握と習熟の練習をしてきたのだ。そろそろ成果の一つも見せていただきたくなる頃である。

 

「大丈夫です! 薬用意してますし!」

「癒せば実質無傷とか言ったらしばくぞ。怪我せずに切り抜けろって言ってる。あんまり覚えが悪いと除籍だからな」

「じょ、除籍だけは! 除籍だけはー!」

 

 結局、捻挫をしてしまった。

 でも何とかお目溢しを得て、除籍を切り抜けた緑谷なのだった。

 

「緑谷くんの個性、もしかしてヴィランに押し付けられた……?」

「あー、押し付けられたのをきっかけに発現したんだ。でも上手く操れなくて」

「大変だね。僕達が10年以上掛けて覚えた制御を、力が強い状態からしないとなんだから」

「うん。でもヒーローになりたいから、僕は努力するよ。人の何倍でもね」

 

 そんなこんなで、放課後。

 

「オールマイト! 元気になったと聞いた! 心配していたんだ」

「デイブ! 来てくれて良かった、どうしても君を頼りたいことがあったんだ!」

「僕に任せてくれ!」

 

 オールマイトと博士が親しげに話している。

 

「おー。なんか凄そう。良かったじゃん、緑谷」

「それじゃあ、デクくんはまた明日ね!」

 

 クラスメイトが帰るのを見送り、改めて自己紹介と状況を話した。

 

「ふむ、異能か……。いや、実は僕はオールマイトの治療の為に個性強化の研究をしていてね。逆に言えば、弱める研究もできると思うよ」

「さすがは私の親友だ! 本当に頼むよ。君も危険な目に遭ってしまうかもしれなくて、それが申し訳ないのだが、AFOもどきがもう一人となると、私一人の手には負えなくて……」

「任せてくれ、オールマイト!」

 

 大事な親友に頼られて、デヴィッドはフルスロットル。

 リカバリーガール、デヴィッド、娘のメリッサ、相澤、プレゼント・マイク、根津校長、そしてオールマイト。

 一同の見ている前で、緑谷と爆豪は力を使う事となった。

 個性把握テストシーズン2である。

 

 緑谷の体に目がギョロギョロッと出て、緑色の羽が生え、錫杖を出す。

 

「意識は保っているか?」

「はい。大丈夫です!」

「戻れるか?」

「戻れます!」

「じゃあテスト行こうか。砲丸投げから」

「はい!」

 

 結果は力が増強系個性に匹敵するほど。ただしスピードは鈍い。

 むしろ変身前より少し劣っているかもしれない。

 布も操れることが判明したので、相澤教師から教えられる事が増えた。

 

「回復ビーム以外に何かできるかな」

「回復羽乱舞も出来ます! でもすぐ暴走します! あと個性が使いにくい感じがします!」

「わかった。暴走する前に止める事はできるか?」

「あの羽はいい薬になるからねぇ、ちょっと収穫しておきたいわ」

「あの薬があると、私も体の調子が良くてね。頼むよ緑谷少年」

「任せてください!」

 

 そして緑谷は緑の羽を乱舞させた後、どうにか戻る。

 

「次は俺だな」

 

 爆豪の髪が伸びる。

 パリパリと雷光が煌めいて、光が集まりローブを作る。

 手を出すと、金色の弓矢が出現した。

 

 爆豪は全体的にステータスが上がっていた。

 

「異能を使ってない割には、弓術が様になってるな」

「ああ? 普通の弓で練習したに決まってんだろ」

 

 矢は雷で、素早く威力も高い。

 5射ほど射って、限界を申告した。

 

「他にできることはあるか?」

「雷の石を作れる」

 

 爆豪が石を生成して、それで元の姿に戻る。

 

 次は暴走実験である。

 

「行きます!」

「行くぜ」

「待て、同時にするな順番にやれ」

 

 緑谷は緑の羽に布玉。攻撃方法は布だ。スマッシュ一発でノックダウン。

 

 爆豪の場合は、輪がくるくると回る中、紫電迸らせる金の王冠と中に浮く金の菱形の石。輪が向く方向に雷が落ちる。

 

 あからさまに化け物である。というか生物ですか……?

 

「うーん。やはりこれは使わない方が良くないか……?」

「いや、使いこなせない力を持っていても、暴走させてしまう危険もある」

「これは……いや、オールマイトに任せられたんだ、必ずなんとかしてみせるよ!」

「私も個性が欲しいです!」

「「「待とうか、メリッサ」」」

 

 大人達が頭を悩ませる中、緑谷はオールマイトに褒められて喜んでいたし、爆豪は力を存分に振るえて大満足だったし、メリッサは個性を求めた。

 無個性としては当たり前の反応である。デヴィッドは慌ててメリッサを宥め始める。

 

「限界は知れたから、もう暴走しねぇ。後は上鳴に電気の操り方の詳細聞いてだな」

「僕も特訓頑張ります! 押し付けられた個性も、勝ち取った個性も、使いこなして僕はオールマイトを継ぐ!」

「私も綺麗な王冠になりたいです!」

「待とうか爆豪くん、緑谷くん。一人で特訓はダメだよ。相澤くん、お願いするよ。後メリッサくんはお父さんが心配するからやめようね」

 

 前向きに努力を誓う子供達。根津校長の鶴の一声に、相澤は了承の意を唱えるしかなかった。




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