超人スペックで転生させられた俺はせめて正しい敗北を選びたい   作:正樹

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なんとか書けたので投稿します。

なんでタイトルが銀魂チックになってるんでしょうかねぇ?(答:ネタ切れ)


第34話 存在しない行間を読む部下が一番怖い

 

 そのまま、俺たちは休みなく、ただひたすら西へと進んだ。

 

 時速100km程度の巡航速度で進んでいたマドロックも、今は倍の時速200km程度で飛ばしている。

 最高速度に比べると控えめにしているので、異常が出ない限りは問題は無い、と判断した。

 また、そこまで大きくない谷やらは、バーニアを吹かしてジャンプして飛び越えることにして、ひたすらショートカットを重ねていく。

 今は安定性よりも時間が優先だ。

 

 そうして10時間と少し。

 あと1時間と少しで日が変わるという時点で、俺たちはキャリフォルニアベースまでの約2000kmを踏破して、基地の防空圏内に到達していた。

 

 センサーが上空に偵察機のルッグンを捉えた。

 やはり緊急事態ということで偵察の層が厚い。

 こちらにとっては好都合である。

 

 早速、機体の識別信号を発信するとともに、通信を試みる。

 

「上空のルッグン、聞こえるか。

 こちらはエルンスト・ヴァルツァー大佐だ」

 

 数秒して、ルッグンから応答が返ってくる。

 

「ほ、本当にエルンスト大佐ですか!?

 よくご無事で……」

 

「機体にガルマ大佐も同乗している。

 お前たちを中継として、キャリフォルニアベースに通信を繋ぐことは可能か?」

 

「はい。ミノフスキー粒子も濃くないので大丈夫です」

 

「なら基地司令に繋いでくれ。大至急だ」

 

「了解!」

 

 時刻は夜更け。

 平時であれば基地司令は既に就寝している時間帯だが、半日前に合同慰霊祭の名前を借りたガルマの国葬があったばかりのタイミングである。

 まず起きているだろう。――というか、可哀想な話だが眠れるような状態ではないだろう。

 

 キャリフォルニアベースも相当慌てているのか1分も経たず、通信用のモニターに俺やガルマの見知った基地司令の顔が映し出された。

 

「た、大佐ぁぁぁっ! よくぞご無事でぇぇ!」

 

 いいおっさんが感極まったようで、半泣きである。

 あ、これは相当参っているな。

 

「心配をかけた。

 ガルマ大佐もこの機体に同乗している」

 

 俺の横からガルマが顔を出して、無事であると基地司令に示す。

 そのままガルマが通信機に向かって言う。

 

「ニューヤークを脱出した兵たちも全員無事だ。

 彼らはギャロップで連邦軍から隠れつつ移動中だが、数名の怪我人がいる。

 航空隊を迎えに寄越す準備をしてほしい。

 場所は基地についたらすぐ知らせよう」

 

「了解ですぅ!」

 

 鼻をすすりつつ基地司令が答える。

 ニューヤーク基地から撤収した以上、北米で唯一のジオンの本格的な基地だからな。

 情報を求める本国からの通信とかで、相当に針のむしろだったのだろう。

 だが、ちゃんと鼻ぐらいはかんでほしい。

 

 さて、俺としてはここからが本番である。

 

「それとだ……」

 

 後ろに引っ込んだガルマの代わりに、再び通信機に話しかける。

 

「ソロモンへの暗号通信の用意を整えておいてくれ。

 最優先でだ」

 

「ん?

 グラナダにではなくてですか?」

 

 基地司令が怪訝な顔をする。

 まあたしかに、ガルマ含めてお前たちはキシリア少将の傘下だもんな。

 

「キシリア閣下にもその後ですぐ連絡するが、ソロモンにはガルマの婚約者もいる。

 なるべく早く無事を知らせてやった方が良い。

 暗号通信なのは、半日前に合同慰霊祭(あんなこと)があったからな、念のためだ」

 

 他に重要な理由はあるのだが、いくら基地の防空圏内とはいえ、通常回線で話したくはない。

 一番対外的に納得できるだろう理由を先出しすると、基地司令は納得したような顔で頷いた。

 

「了解しました。

 大至急準備を整えさせます」

 

「頼んだ。

 あとは基地に到着してからにしよう。通信終わる」

 

 キャリフォルニアベースの光が見えてきた。

 照明弾まで上がっていて、まるで敵襲があったかのような騒ぎの基地に、俺たちは入っていった。

 

 

 

 

「おお、エルンスト君、よく生きてくれていた!

 ガルマ大佐もよくご無事で!」

 

 基地に到着し格納庫にマドロックを預けた俺たちは、通信室へと移動して、ジオンの宇宙要塞ソロモンへの暗号通信を行っていた。

 眼前の巨大なモニターに映るのは、ひげを生やした恰幅のいい男。

 俺が孤児出身であると聞いてからは、何かと世話を焼いてくれる大人の1人である。

 

「コンスコン閣下、ご心配をおかけしました」

 

 強行軍の後であるため、若干疲弊しているが、無事であることを示すようにガルマが腕を上げる。

 

「コンスコン少将、心配をかけてしまったな。

 私は無事だ。イセリナは?」

 

「かなり取り乱しておられましたが、ゼナ様が対応してくださいまして、現在は眠っておられるかと」

 

 やはり、ザビ家の嫁としての先輩がいるソロモンに送って正解だったな。

 これがグラナダならどうなっていたか分からないところだ。

 

「そうか、起きたら私の無事を知らせてやってほしい」

 

「了解です」

 

 疲労しているガルマを椅子に座らせて、俺はモニターのコンスコン少将に向き合った。

 

「コンスコン閣下、ドズル中将は現在どちらにおられますか?」

 

「ワルキューレで先ほどサイド3を出て、こちらに向かったとは聞いているよ」

 

 ほんの10時間ほど前に慰霊祭だったからな。

 まあスケジュール的にはそんなものだろうか。

 

「閣下、ソロモンを中継として、このままワルキューレと暗号通信をつなぐことは可能ですか?

 無論、閣下も立ち会っていただいて構いません」

 

「それはできるが……通常回線で無事を知らせるだけでは駄目なのかね?」

 

 不思議そうな顔をするコンスコン少将に、俺は真剣な顔をして言った。

 

「私の考え過ぎなら問題はありませんが、最悪を想定するとガルマの命に関わるかもしれませんので」

 

 椅子に座ってくつろいでいたガルマが、ぎょっとした顔でこちらを見る。

 

「ど、どういうことだいエルンスト!?」

 

「俺の杞憂であるならそれでいいんだが、理由はドズル閣下も交えて話す」

 

 ガルマに言った後で、俺はコンスコン少将に向き直る。

 

「よろしいでしょうか、閣下?」

 

「分かった。

 まず儂がドズル閣下に通信を繋げよう。

 少し待っていなさい」

 

 

 

 数分が経って、コンスコン少将がドズル中将の乗艦、ワルキューレへと通信を繋ぐ。

 とはいえ、こちらとはまだ回線が接続されていないので、多少遠方で2人の会話が漏れ聞こえてくる程度のものである。

 

「どうしたコンスコン?

 ソロモンで何か起こったのか?」

 

 ドズル中将の声が重々しい。

 やはり慰霊祭というガルマの国葬に不満がたらたらなのだろう。

 

「閣下、お喜びください。

 キャリフォルニアベースに()()()()が帰還いたしました。

 ソロモンに暗号通信回線で繋がっておりまして、こちらからワルキューレまで中継をします」

 

「おおっ! やはり生きておったか!

 俺は信じておったぞ!

 ギレン兄は頭は良いが、自分以外の能力を信じなさすぎなのだ!」

 

 急に声が明るくなったな。

 それはそれとして、やはりギレンに対する不信感が積もり積もっているようである。

 

「では、早速お繋ぎしても?」

 

「無論だ。こんなに嬉しいことはない!」

 

 数秒待って、こちらのモニターにドズル中将の顔が映る。

 画面端には縮小されたコンスコン少将の顔が別フレームで映っているので、少将とも通信は繋がったままなのだろう。

 椅子から立ち上がったガルマが、笑顔で告げる。

 

「ドズル兄さん、お久しぶりです。

 兄さんが出向させてくれた、エルンストのおかげで無事に脱出できました」

 

「おお、ガルマよ!

 無事で何よりだ! 俺はお前なら生きていると信じておったぞ!

 そして、よくぞ将兵たちを守ってくれた。俺はお前を誇りに思うぞ!」

 

「いえ、兄さん。

 ほとんどすべてはエルンストのおかげです。

 僕はただ、基地に最後まで残ることしかできなかった」

 

 いや、普通はそこが凄いんだけどな。

 総司令が殿に残るって、どれだけの覚悟なんだよって話だし。

 

 ドズル中将が視線をこちらに向けた。

 

「エルンストも良くやってくれた!

 地上での貴様の活躍、聞いておるぞ。

 俺も鼻が高いわ!」

 

「ありがとうございます」

 

 まあ、個人の戦果としては聞いても信じられないような物ばかり届いていそうだけどな。

 こんなモビルスーツ戦闘の黎明期に、言うなれば逆襲のシャア時代のアムロや、キンケドゥ・ナウを放り込んだようなものだ。

 俺は面倒なので数えていないが、おそらく通算撃破数は恐ろしいことになっていると思われる。

 

 まあ、それは終戦時にでも数えればいいだろう。

 

「ドズル閣下。

 ガルマの()()()()として、いくつかお願いしたいことがございます」

 

 今後の話を強調すると、ドズル中将も真面目な顔になった。

 

「む?

 いいだろう。言ってみろ」

 

「まず、閣下にはこのままサイド3へと戻っていただき、デギン公王陛下にガルマの無事をお伝えいただきたい」

 

「それは当然だな。

 ガルマが行方不明になってからの親父は生きた屍のようだった。

 これで少しは元気を取り戻すだろう」

 

 そこまでショック受けてたのか。

 これは独自に和平模索し始めてソーラ・レイかもしれんなぁ……。

 そこまで推測はついても、俺には独自和平を止める権限も、ソーラ・レイでギレンがデギンを狙うという根拠もないのだからもどかしい。

 

「おそらくガルマは本国へ強制招集されると思います」

 

「……そうだな」

 

 あの息子溺愛親父が招集しないわけがないのである。

 とはいえ、それに焦った様子を見せたのがガルマだった。

 

「な、何故です!?

 僕はまだキャリフォルニアベースに対する責任が!」

 

「ガルマよ、親父の気持ちも考えてやれ。

 親父はお前が可愛くて仕方がないんだ。

 そんなお前がMIAで生死不明になった後、無事だという報告が入った。

 元気な顔を見せて安心させてやるのがお前の仕事だ」

 

 それでも若干納得がいかない様子のガルマ。

 ここは仕方ないと少し口を出す。

 

「ついでに、デギン公王にイセリナ嬢との婚約を正式に認めさせてしまえばいいだろう。

 多分今なら反対もしないで頷いてくれるぞ」

 

 まあ、十中八九、そのまま退役になるだろうがな。

 下手したら即結婚という展開すらあり得る。

 家庭を持たせるというのは、ガルマをサイド3に縛り付けるには実に効果的だ。

 そのまま自分の秘書にしてもいいし、一枚間に挟んで、自分の側近――たとえばダルシア・バハロ首相の側近にしてもいい。

 デギン公王もそれぐらいの計算はするだろう。

 

 そんな打算には気付かないまま、ガルマはイセリナとの婚約を前に出されると、しぶしぶ了承した。

 

「……分かりました」

 

 まあ、奇跡の生還を遂げたガルマが政界入りだ。

 これからが大変になるだろうが、お前の政治家適性は全世界屈指だし、大丈夫だろう。

 

 一応、デギン諸共ソーラ・レイという危険性はなくはないが、デギン公王がレビルとの和平交渉の場に、弱点となり得るガルマを連れていくとは考えづらい。

 仮に連れて行こうとした場合は、シャアか俺がインターセプトすればいいだろう。

 

「そこでドズル閣下に2つ目のお願いがあります。

 ガルマの護衛として、()()()()、腕の立つパイロットとモビルスーツを、軌道上に迎えに寄越していただきたい」

 

「ん?

 それは構わんが、道中の護衛なら貴様でも十分ではないか?

 そちらには改修中のリックドムがあるだろう?」

 

 俺の任務は地上に赴任したガルマの護衛と実質的な副官であったため、ガルマが宇宙に帰還するとなると当然、俺も宇宙に上がることになる。

 そして、キャリフォルニアベースには現在、ドムから改修作業を終えたリックドムが大量にある。

 イフリートもマドロックも陸戦用MSである以上、宇宙では役に立たないだろう。

 マドロックはともかく、イフリートはそもそも譲渡予定でもある。

 

 若干機動が重たいのが難ではあるが、確かにリックドムでもそれなりに戦えるし、現実的な選択肢ではある。

 

「偶発的な連邦との遭遇戦程度ならば問題はありません。

 ですが……」

 

 俺はいったん言葉を区切って、慎重に言葉をひねり出す。

 

「意図的な……。

 ()()()()()()()()()()()()()()は、不安が残ります」

 

 

 数秒ほど、沈黙が降りた。

 

 まず反応したのは、自分自身の暗殺なんてものを言及されたガルマである。

 

「と、どういうことだエルンスト?

 ぼ、僕の暗殺だと!?」

 

 続いて、ガルマの慌てっぷりに逆に落ち着いた様子のドズル中将。

 

「詳しく話してみろ」

 

 さすがドズル閣下というべきか。

 5年前に俺が閣下の屋敷に忍び込んだ時、俺の志願理由を問いただした時と同じような目つきだ。

 

「ジオンのごく一部、と前置きした上で申しますが、()()()()()()()でのガルマの生存は『都合がよろしくない』と考える奴らがおそらくいます。

 先日の放送は通信機で見せていただきました。

 合同慰霊祭と銘打ってはいましたが、あれは実質的にはガルマの国葬です。

 上がりに上がった士気に水を差す、と考えるものが出ないとは限りません」

 

 さすがにドズル中将も困惑している。

 

「しかし……ギレン兄もキシリアも、さすがにそこまでするとは思えんぞ?」

 

 俺もたしかに、本人がガルマを暗殺するとは思っていない。

 政治的な利用価値が先に来ていようと、彼らにとってガルマは、損得勘定抜きで家族と言える人間である。

 本人たちにとっては、だが。

 

「ご本人方はさすがにしないでしょう。

 そんなことを考えもしないとは思います」

 

 ただ、と俺は続けた。

 

「その配下全てが、それで止まるとも考えておりません。

 ギレン総帥にもキシリア少将にも、狂信的な部下がいることは聞き及んでいます。

 彼らが『敬愛する上司の意図』とやらを勝手に読み取った挙句、軽挙妄動に走る可能性を私は否定できません。

 『主君がためらう汚れ仕事を引き受けることが自身の役目』とばかりに動かれると、護衛が私1人では不安が残ります」

 

 連中の配下が『良かれと思って』と、()()()()()()()()()やらかすことを俺は一番警戒している。

 

 非常に嬉しくないが、ドズル中将の目が届いている宇宙攻撃軍を別としても、突撃機動軍や親衛隊にそういう奴がいないとは断言できない。

 それぐらいには、ジオン軍はちゃんとした軍隊の体をなしていない。

 

 コンスコン少将やマ・クベ中将、ゲラート少佐といった、まともな軍人もいることにはいるのだが、一年戦争で急拡大した軍部組織には、まともな軍事教育を受けていない、頭鎌倉武士や頭山賊が結構いるのである。

 宇宙攻撃軍ですらそうであるため、突撃機動軍や親衛隊にどれだけの人間地雷が埋まっているかなんて想像したくもない。

 

 俺が一番危険視しているのは、当然ながらエギーユ・デラーズ親衛隊隊長(あのハゲ)である。

 奴はゲーム媒体によっては、南極条約下でも容赦なくジャブローへのコロニー落としを再度立案してくるほどには倫理観がぶっ飛んでいる場合があるので、何をやらかすか正直予想ができない。

 

 とはいえ、それ以外なら安全かというと、キシリア配下であっても全く安心できない。

 マッチモニードとかグラナダ特戦隊とかがいる以上、他に名前のない()()()()()()がひょっこり湧いてきてもおかしくはない。

 

 実際、ここでガルマ暗殺が成功した場合、「連邦の卑劣な暗躍」と喧伝して、連邦への敵愾心をさらに煽れるので、戦略的に意味が無いわけではないというのが性質が悪い。

 

 さすがにキシリア配下でも、キマイラ隊やフェンリル隊とかならある程度信頼もおけるのだが、フェンリル隊は地上に残って様々な作戦行動を取る予定だし、キマイラ隊はキシリア少将の奥の手だ。ガルマの護衛に寄越せと言われて、来るわけがない。

 

 シャアと一緒に宇宙に上がれれば一番楽だったのだが、シャアは合同慰霊祭が行われる少し前というタイミングで、先に宇宙に上がってしまっている。

 本当に間が悪い。

 ひょっとしたら今頃、嬉々としてホワイトベースにちょっかいを出しているのかもしれんが、その話は今は関係ないだろう。

 

 ドズル中将が聞いてくる。

 

「……仮にそういう連中がいたとして、どういう行動に出ると思う?」

 

「考えられる選択肢としては、連邦軍への我々の現在位置のリーク。

 ガルマ・ザビを仕留められると甘言に乗せれば、連邦軍のいくらかの部隊がそれに乗ってくるでしょう。

 並びに、それを撃退して疲弊した後のタイミングでの、ゲリラを装った襲撃。

 警戒すべきはこの2つだと思います。

 ただ、どちらもこちらの護衛が厚ければ諦めるでしょう」

 

「閣下、エルンスト大佐の読みには私も賛成です。

 ガルマ様の安全は可能な限り確保しておくことが肝要かと」

 

 ありがたいことに、コンスコン少将が賛意を示してくれる。

 顔つきを見るに、コンスコン少将も()()()()()()()()()に若干の心当たりがあるように思える。

 

 本当にジオン軍は地獄だなぁ。

 

 俺とコンスコン少将の進言を受けて、ドズル中将は納得したようだ。

 

「分かった。

 サイド3に戻ってから俺は護衛の人員とモビルスーツを手配してそちらに送る。

 エルンスト、貴様には宇宙で配備が開始されたゲルググを送る。

 リックドムよりは使えるはずだ。護衛に関しても心当たりがある」

 

 あー、ゲルググ実戦配備始まったのか。

 俺の知っている知識より少し早いが、それならソロモン戦には間に合いそうだ。

 いや、ここまで引っ掻き回している以上、連邦がソロモンを攻めるのかグラナダを攻めるのかは正直読めないのだが。

 

 コンスコン少将が返す。

 

「閣下、信頼ある護衛となりますと、サイド3よりはソロモンから選抜した方が良くありませんか?

 マツナガ大尉でしたら、すぐにでも派遣できますが」

 

「コンスコン、宇宙での連邦の動きが活発になりそうな現状で、奴をソロモンから外すわけにはいかん。

 なぁに、心配せずともザビ家の意向とか暗躍とは、無縁の人間を用意してやるわ」

 

 あー、なんだか誰が来るのか予想が付いてきたぞ。

 

 含みを持たせたような言い方に、ガルマが聞く。

 

「僕の護衛にいったい誰が来るのです?

 あまり大層な迎えは目立ちすぎるとも思うのですが……」

 

 ドズル中将は、がははと笑いながら答えた。

 

「心配するな。奴は腕が立つが現在予備役だ。

 引っ張り出してもどこの戦線にも負担をかけん」

 

 これは確定だな。

 

「ガルマ、エルンスト。

 貴様らの迎えには()()()()()()を回す。

 一両日中には宇宙に出られるように準備しておくように」

 

 約11か月ぶりのラル大尉との再会となりそうだ。

 というか、ラル大尉がゲルググに乗ってるとか、ギレンの野望以外だとちょっと想像がつかないんですけど……。

 

 




読んでいただきありがとうございます。

よく考えたらコンスコン初登場では?
なんか作品によっては孤児院の支援とかしている足長おじさんです。
エルンストにも色々世話焼いてそう。
多分、ことあるごとにお菓子とかくれてる。



この作品において、一番やらかしそうだなと私が思っている筆頭が眉無しだとすると、次点がハゲです。
多分3位が紫ババァ(頭ズギューン)。
「弟殺しという汚名を閣下に着せるわけにはいかぬ。すべては私の独断でなしたことであり、全てが終わったあとで私が腹を切ればいい」ぐらい内心で考えかねないイメージです。


次話から、ようやく宇宙に戻れそうです。
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