新日本協力機構が統治する国土内、そこでは形だけの自治が行われていた。
 轟セツハは新日本協力機構の関連企業、トライヴェクタに勤務する父を持ち、優遇されながらも疑問と鬱屈した日々を過ごしていた。
 流れの違法ジャンク屋達との活動の後、セツハの帰りを待っていた幼なじみに告げられる突然の別れ。

 この事をきっかけセツハは自身の管理AIウズメと共に新日本協力機構の実態と計画を知る事となる。
 セツハ達はトライヴェクタが開発した新型メイレスを駆り、戦いへと身を投じる。

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 ロストネイションもまだ終わって無いのに別作品書いてました。
 元々エロ用で考えていたものですが結構重くシリアスな感じになってボツにしました。
 序盤のジャンク漁りを原作オマージュした結果、境界戦機らしさは出てるんですが。
 ボツネタとはいえ境界戦機の続編らしさが出てると思ったんで投稿しました。


搾乳戦機(供養用・非R18プロトタイプ版)

 『境界戦』と呼ばれる戦いから数十年の未来、日本の支配権を巡る四大勢力は合意の元に

『新日本協力機構』

を設立したが既に多くの植民が移住し、日本に生活空間を見いだしていた。

 

 一方で自治を認められた日本人は新日本協力機構の関連機関

『パストゥース』の管理の元、再び各国の支配下に置かれていた。

 今や、日本は亡国と化し、かつての住人たる日本人達は延々と続けられる支配の元に家畜と化していた。

 

 

 

 新日本協力機構自治区、『パストゥース』コロニーの外れ。

 

「あったぜ。我修院さん、この白いはどうだ?」

 

 作業着の少年が汚れ、投棄された人型搭乗兵器の残骸を指す。

 

「ソイツはブレイディ・フォックスだな。今でこそ旧型だが当時は最新型だった。当時の北米軍の戦力拡大に貢献したアメインだ。よくやった、轟」

 

 それを後から来た我修院と呼ばれた往年の男が眺める。

 彼の左半身、左眼周囲、左腕、左脚は機械化されていた。

 

『セツハ、警告。無許可、及び非公認の回収は違法になります』

 

「……うるせぇよ」

 

 轟と呼ばれ左腕の時計型の端末からはセツハと呼ばれた少年は気だるそうに乱暴に応えた。

 

「なかなか高性能なAIじゃないか。言ってる事は間違っちゃいない」

 

 我修院は面白げにその腕時計の端末を眺める。

 

「親父に持たされてるポンコツだよ。物心ついた時からな」

 

 セツハはその端末を不機嫌そうに眺め言った。

 

「ウズメだろ?相棒は大事にしてやるもんだ」

 

「そんなんじゃねぇよ……」

 

「さてさてコイツだが何やら物凄いAIを積んでたらしい」

 

「……そうなのか?」

 

「お前の親父さんはトライヴェクタの技術者だから何か知ってるかもしれんがな」

 

「………」

 

「トライヴェクタは過去の経緯から新日本協力機構でも優遇されている。こんな日本でも勝ち組だ。親不孝も程々にしておけよ」

 

 後から続いて仲間たちが集まってくる。

 

「さぁ!始めようか!」

 

 

 

 新日本協力機構と北米軍との境界付近。

 

「あの機影……、ユ連のやつだな」

 

 偵察任務中の北米軍の新型アメイン『リーガン・ウルフ』の望遠カメラがそれを捕らえる。

 

「マーヴェリック中尉、あの空域は新日本協力機構内です。問題はありません」

 

「そうだな。しかし今やここに領空やら領海やら領土なんてあるのかねぇ?」

 

 部隊の指揮官であろう飄々とした青年がコクピットにもたれかかり、脚を組みながら退屈そうに言った。

 なんとも緊張感の無い様子である。

 

「結局はユ連やアジア協商、オセアニアの連中にまで好き放題されてますね。ビザもパスポートも必要無いとの事ですし」

 

「今は任務中です。そういう会話は控えるべきかと」

 

 隊員の一人がそういうとマーヴェリックは操縦の構えの姿勢をとる。

 

「軍事用の輸送機じゃねぇしな。問題無しだな。戻るぞ」

 

「イエッサー」

 

「………」

 

「軍事用じゃないから気になるんだよねぇ。ありゃチャーター機だ。わざわざそういう身分の奴が新日本協力機構なんぞにねぇ……」

 

 

 

「エァーーー!大漁!大漁!」

 

「例のOSは焼き切れて死んでたがまぁ上場だったな」

 

 仲間の青年二人が乗るトラックのコンテナ内には回収したジャンクパーツが積まれている。

 

「そういや過去に日本のレジスタンスのアメインには更に特殊な高性能AIが使われてたんだっけか」

 

「そのアメインも破壊、もしくは解体されてしまったからな。AIも廃棄されたって話だ」

 

「シンギュラリティの可能性にびびったとか?なんとも有益な技術を失ったもんだ」

 

「轟、お前は過去の『境界戦』で活躍したといわれるアメインの特殊AIについて何か知ってるか?」

 

「通信学習でその手の課題や授業もあるが俺はそういう話はさっぱりなんだ」

 

「親父さんも守秘義務があるだろうしな。しかしトライヴェクタのリモート授業か。素行とは裏腹にいい教育を受けてるな。日本の男はもう中等レベルを終えればれば労働に従事させられる所が殆どだ。新日本協力機構内も同じだ。女は高等教育を受けられる事もあるが」

 

 セツハは男装している少女なのだ。

 背も高く、矯正下着の効果でパッと見は男に見える。

 親がトライヴェクタという身分でありながらも周囲の目を気にしてか自然と男装するようになっていた。

 それを知るのはごく一部のみである。

 だが、我修院はセツハの男装を初見で見抜いていたという。

 

「近所に住んでる幼馴染がそうだ。とはいっても連中の所に嫁ぐのが殆どだ。そんな話は多い」

 

「各勢力に新型アメインが導入されて世の中の文明は進歩してるのに日本の文明は後退してるな。まるで家畜にでもされたかのようだ」

 

「………」

 

「元々日本人なんて家畜も同然、いや、それ以下だった。メディアの工作ハマり、陰謀論にハマる。それが仕組まれた物だとも解らずにな。日本人の大多数は畜生にも劣る思考だったのさ。その結果がこれだ」

 

「だがお前は親父さんがトライヴェクタ所属だからその保護下にある。親父さんには感謝しておけよ?」

 

「まぁこういうつまらん話はあまりするものじゃ無い。すまんな。俺も年のせいかこういう事を言っちまう」

 

 

 

「しかし本当に良いのか?こんな良いパーツを一つも持ってかないなんて……」

 

 彼らの車がセツハの居住区近くに来ていた頃には既に日は傾きかけていた。

 

「元々俺はそっちはからきしなんだ。それに手伝いの金は貰ってるから…」

 

「アメインのシミュレーターは凄いんだけどな。俺等の中でもまともにやりあえるのは我修院さんくらいだぜ」

 

「セツハはアメインパイロットにはならないのか?トライヴェクタも独自にアメイン開発してたりは?」

 

「どうかな……?あんまり親父の世話になりたくないからトライヴェクタにはねぇ……」

 

「もったいねぇぜ?せっかくトライヴェクタとのコネがあるんだしよ」

 

 セツハ達は軽く仲間達と談笑する。

 ぶっきらぼうなセツハにもこの時からは笑顔が見られる。

 

「さて、そろそろ帰るか。轟も親父さんが心配するだろ?」

 

「たぶん今日も帰ってこないよ……」

 

「探索中はジャミングで発信機が通じなくなる。それにトライヴェクタの授業ノルマもあるだろ?今日は平日だからサボりだろ?」

 

「いつもの事さ」

 

 

 

「セツ!そんじゃまたな!」

 

「お疲れさまです!」

 

「おう!お疲れ!」

 

「我修院さん、行きますよ!」

 

「ああ……」

 

 我修院はまだ車には乗らず、セツハに対峙する。

 

「轟、俺達はそろそろ此処を離れようと思う」

 

「そうなのか……寂しくなるな……」

 

「なんにせよお前にとっても俺らは付き合って良い相手じゃ無い。悪いことは言わん、元の生活に戻れ」

 

「………」

 

 

 

「轟セツハ、達者でな」

 

 セツハは走り去る我修院達の乗ったバンをただ見つめていた。

 

 




 この後の展開も重く、そして予想しやすい内容になってます。
 エロネタパロディにしては変にしっかりしすぎて重かったかなぁとw

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