フリュネを起こさないでやってくれ、死ぬほど疲れてる 作:色々残念
ダンまち原作だとフリュネは35歳らしいんで、まだ15歳なフリュネが到着したのは原作20年前のオラリオになりますね
実際にダンジョンに入ってみて、波導による生命探知を行いながら、現れたモンスターを倒してみたが、地上のモンスターよりも強いというダンジョン内のモンスターであろうと問題なく倒せた。
手持ちのナイフを用いて倒したコボルトの胸部から魔石を抜き取ると、灰と化すコボルトの身体。
コボルトの小さな魔石は、1個程度だと大した価値はない。
コボルトの魔石1個と引き換えに【商品購入】で手にいれられそうなのは、ポケモンの「おいしいみず」1本位になりそうだ。
それでも魔石さえあれば水分補給も可能になる【商品購入】のスキルは、ダンジョン内で役立つスキルではある。
とりあえず上層だけを探索することにして、コボルトを狩りまくっていた俺は、ある程度の魔石を手に入れることができた。
手に入れた魔石は半分だけギルドで換金してヴァリスにしておき、もう半分の魔石は【商品購入】に使ってみることにした俺。
神バルドルに今回の稼ぎとして魔石を換金して得たヴァリスを多目に渡しておき、残ったヴァリスで屋台の料理を買ってみたが、1個30ヴァリスのジャガ丸くんは、食べてみるとまるでコロッケみたいな感じではあったな。
こうしてジャガ丸くんを買ってみたことで【商品購入】を用いればジャガ丸くんの購入も可能となったが、他にもポーション等を買えば、新たに【商品購入】でポーションの購入も可能となるだろう。
【商品購入】で購入可能なもので、新たに増やせるのはこの世界で売っているものだけになるが、それだけでもとんでもないことだ。
1度でも購入したことがあるものを、何でも買えるようになる【商品購入】のスキルは、補給が難しいダンジョン内で役立つスキルになるのは間違いない。
適当なベンチに座ってオラリオを行き交う人々を眺めていると「ようやく見付けたよントム。あんた何処行ってたんだい」と話しかけてきたフリュネ。
オラリオに到着して別行動してから1日しか経過していないが、互いに近況を話してみると、主神となる神を見つけていたフリュネは、歓楽街の主である女神イシュタルの眷族となったようだ。
「ントムはバルドル様が主神なんだね。跳ねっ返りの悪童と同じファミリアで良かったのかい?誰にでも喧嘩売る悪ガキだって有名みたいだよ」
情報が集まる歓楽街の主の眷族となり、ある程度はオラリオの情報を手に入れていたフリュネが言うには、神バルドルのファミリアにはとんでもない悪童が居るようで、まだ俺は顔を会わせていないが、対面すれば喧嘩を売られそうな気がした。
「悪童なそいつはもうLv3になってる将来有望な冒険者ではあるみたいだけど、ゼウスやヘラのファミリアにまで喧嘩売って、よくぶっ飛ばされてるらしいね」
「そんなのが居るのか、何にでも噛みつきたい年頃なのかもしれねぇな。若いねぇ」
「あんたも若いのに、爺みたいなこと言うんじゃないよ」
なんて会話をフリュネとしていると、遠く離れた場所から此方の近くまで吹っ飛んできた金髪の少年。
「今吹っ飛んできたそいつが悪童って言われてるレオンって奴だけど、またゼウスかヘラのファミリアに喧嘩売って、ぶっ飛ばされたんだろうね」
「この都市は、人間が吹っ飛んでくる都市なんだな。個人的にポイント低いわ」
そんなことをフリュネと話しながら、ズタボロになってたレオンとやらを、波紋と癒しの波導を用いて治療しておくと、飛び起きたレオン。
「ヘラのクソにやられた全身の傷が完全に癒えた。強力な治療魔法持ちか、てめぇ何でオレを治療した」
そう言ってきたレオンは、治療した此方に対しても気に入らないとでも言うような目を向けてくる。
誰に対しても喧嘩を売るという悪童の前評判に偽りはなかったらしい。
「同じく神バルドルの恩恵を授かった者として、一応助けとくかと思って治療しただけだ。見返りとかは求めてないぞ」
「バルドルが眷族増やしたとは聞いてねぇ」
「俺が神バルドルの眷族になったのは昨日だからな、まだ報告されてないだけだろ」
「他のファミリアから改宗してきたのか?」
「いや、神の恩恵を授かったのは昨日が初めてだな」
「てめぇ何者だ」
「名前はントムで、ハーフ・パルゥムって種族らしいが、親には似ずに身長伸びてるんで、普通のヒューマンみたいには見えるかもな」
俺がそう自己紹介していく最中、ハーフ・パルゥムな両親に俺が似ていないことを聞いた瞬間、気に入らないことを聞いたかのように蹴りを放ってきたレオンという名の悪童。
Lv3である悪童の蹴りは、上層のコボルトの攻撃とは比べ物にならない鋭さと威力があるが、波紋と波導の使い手である俺には通用しない。
完全に動きを見切り、蹴り足を容易く受け止めた俺は軸足を掬うように足払いしておき、体勢を崩して地面に倒れたレオンの身体に波紋を流して、動けなくしておいた。
「誰にでも喧嘩を売るって前評判は正しかったみたいだが、治療して助けた同じファミリアの相手にまで喧嘩を売ってくるんなら俺にも考えがある」
それだけ悪童のレオンに伝えた俺は、フリュネの方に顔を向けると「無事にフリュネが主神を見付けた祝いってことで、つまらないものですが」と言って身体が動かない状態のレオンをフリュネに差し出す。
「ゲッゲッゲ、いいのかい、貰っちゃって」
舌なめずりしながらレオンを受け取ったフリュネは、嬉しそうなんで、つまらないものが祝いの品になっていたことは確かだ。
「どうぞどうぞ、悪ガキ過ぎて女性経験が絶対なさそうなレオンくんに女を教えてやってくれ。一生残る恐怖と衝撃で、一生残る愛と勇気にレオンくんが目覚めるかもしれないから」
「じゃあ遠慮なく貰っていくよぉ、ゲッゲッゲ」
「笑い方をグェッヘッヘって感じにすると、更に邪悪な感じがしていいと思うよ」
「いや、邪悪さを求めてる訳じゃないんだよアタイは。ま、まあ、とりあえずこいつは貰ってくよ」
フリュネに抱えられて持ち去られていく悪童の顔は完全に助けを求める顔だったが、別に誰でも助ける訳じゃないんで助けたりはしない。
フリュネとレオンが、こいつらウコチャヌプコロしたんだっ、という感じになったとしても俺はノーダメージだから大丈夫だ。
安いもんだ、レオンの貞操ぐらい、俺が無事で良かった。
誰彼構わず喧嘩を売ったことに、初めて後悔したレオンになりました