フリュネを起こさないでやってくれ、死ぬほど疲れてる 作:色々残念
「お前がパパになったんだよ」という精神的な痛恨の一撃がレオンに直撃したことで、しばらくレオンが部屋に引きこもったみたいだが、そっとしておこう。
レオンは置いてきた、はっきり言ってフルーレの育児には役立ちそうもない。
なんて何処ぞの天さんみたいなことを考えながらも、フルーレの世話をフリュネと交代しながら行い、どちらかがフルーレの世話をしている間に、自分の食事や睡眠をとることにした俺とフリュネ。
新米母なフリュネもフルーレの世話には慣れてきたようで、泣き出したフルーレを泣き止ませるのも上手になってきていた。
「アタイだけだと、この子の世話をちゃんとできてなかったかもしれないからねぇ。手伝ってくれたントムには感謝してるよ」
そう言ってきたフリュネが今日はフルーレを世話する日なんで、フルーレのことはフリュネに任せた俺はダンジョンへと向かう。
日帰りで帰って来れるダンジョンの上層で、モンスターを倒して魔石を集めていき、魔石は半分だけヴァリスへと換金。
換金したヴァリスは全て神バルドルに渡すと、残った半分の魔石でベビー用品を【商品購入】を用いて購入し、フリュネに渡して使い方も教えておく。
それからフリュネと交代でフルーレの世話をしていった俺。
Lv2であるフリュネは、フルーレの母として強くなりたいと思っていたようで、ダンジョン内で様々なモンスターを倒し、中層で遭遇したミノタウロスの強化種を倒してLv3にランクアップしたみたいだ。
Lv3となったことで、フリュネはイシュタル・ファミリアでは幹部候補となり、Lv2だった頃よりも更に優遇されるようになったらしい。
フリュネがこの調子で強くなっていけば、いずれはイシュタル・ファミリアの幹部になることも夢では無いだろう。
張り切っていたフリュネには、ドラクエの「やくそう」や「アモールのみず」等も渡しておき、回復手段として使ってもらっていたが、通常のポーションや薬草とは違うと目敏く気付いたヘラ・ファミリアが、何らかの目的があってフリュネに接触してきた。
最強と言われるゼウス・ファミリアと最恐と言われているヘラ・ファミリアは、オラリオでは2大巨頭のファミリアであり、ゼウスとヘラかそれ以外と区別される位に格が違うファミリアのようである。
そんな2大ファミリアの片割れであるヘラ・ファミリアの目的は、どうやらフリュネ本人ではなく、フリュネが使っていた回復手段の出所を知りたかったみたいだ。
切羽詰まった様子を見せていたヘラ・ファミリアの団員が言うには、ヘラ・ファミリアには不治の病な姉妹が所属しているそうで、その治療手段を探し求めている真っ最中であった。
だからこそヘラ・ファミリアの団員は、フリュネが使っていた見たこともない回復アイテムが気になったのかもしれない。
とりあえずフリュネにはフルーレの世話という大事な仕事があるんで、俺がヘラ・ファミリアの団員に着いていき、病人であるというアルフィアやメーテリアという姉妹の団員と対面することになる。
試しに癒しの波導と波紋をアルフィアとメーテリアに軽く流してみたが、明らかに不治の病の症状が和らいだことに驚いていた姉妹。
効果の高い回復手段を用意するには、それなりに価値があるものを引き換えにしなければいけないことを伝えて、それが嘘ではないことを女神ヘラにも証明してもらうと、用意されたのは高そうな武器の数々。
「予備の予備だから遠慮なく消費して問題ない」と言われたんで、遠慮なく高そうな武器達と引き換えに【商品購入】で用意していくのは、ドラクエの「せかいじゅのしずく」とポケモンの「かいふくのくすり」で、どちらも全回復効果のある回復アイテムだ。
アルフィアとメーテリアの姉妹には「せかいじゅのしずく」と「かいふくのくすり」を飲んでもらい、弱った身体をある程度回復させると同時に回復アイテムの効果が残っている間に、癒しの波導と波紋をさっきよりも強めに流していき、不治の病を姉妹の身体から完全に消し去っていく。
それなりに大量の癒しの波導と波紋を流し続けることになったが、完全に消え去った姉妹の病。
「メーテリア復活ッ!メーテリア復活ッ!メーテリア復活ッ!メーテリア復活ッ!」
という感じに病が治ったことを烈海王風に祝ってみたりもしたが、普通にメーテリアに「恥ずかしいからやめてください」と怒られたんで素直にやめておく。
その後、アルフィアとメーテリアの病を治療した報酬として、定期的に俺に渡されることになる価値があるものの数々。
ヘラ・ファミリアから渡される深層のモンスターの魔石やドロップアイテムなどを【商品購入】で商品と引き換えていった俺は、流石に貰いすぎな気がしたんで、ヘラ・ファミリアには「せかいじゅのしずく」を何本か渡しておいた。
そんなことがあった日から数日後、オラリオの街中で、ヘラ・ファミリアの女帝と呼ばれる存在相手に斬りかかっていたレオンを発見。
「10年経ったら夫にしてあげる」
などとレオンに言っていた女帝には余裕があるが、レオンには余裕がない。
夫という言葉を聞いて、何かを思い出してしまったかのように「うぱあああああっ!」という奇声を発しながら剣で女帝に斬りかかっていくレオン。
「なにもしてないのにレオンが壊れたっ!」
そう言って驚いていた女帝。
なにもしてないのに壊れたとか言う人は、絶対になにかしら壊れるようなことしてると、古事記にも書いてある。
俺は詳しいんだ。
夫という女帝の言葉で、脳裏によぎったフリュネの顔に、レオンは正気を失いました