フリュネを起こさないでやってくれ、死ぬほど疲れてる 作:色々残念
生後10ヶ月ほどになったフルーレが掴まり立ちが出来るようになり、フルーレが1人だけで初めて立った瞬間を目撃した俺。
「これは、祝わねばなるまい!祝え!フリュネの子フルーレ、誰の力も借りず、自ら両足で立った瞬間である!」
「また、ントムが妙なノリになってるねぇ。でも立てるようになったフルーレに喜んでるのはわかるよ」
フルーレを祝っていた俺にフリュネがそんなことを言っていたりもしたが、初めて立ったその日から掴まり立ちをよくするようになったフルーレは、背筋が少しずつ真っ直ぐになってきていた。
子どもの成長というのは意外と早いものだ、と思いながらフルーレの世話をしていく俺は、フルーレに食事を食べさせていき、口元の汚れも拭いておく。
嫌っている食べものがあまり無いフルーレではあるが、好きな食べものは果物であるようで、特にリンゴを好んでいるようだ。
すりおろしたリンゴを食べさせていくと、嬉しそうな顔をよく見せるフルーレ。
まだまだ消化しやすいものしか食べさせてやれないが、フルーレに好きな食べものが見つかったのはいいことかもしれない。
体調を崩すこともなく、元気に成長しているフルーレは、母親のフリュネに愛されて育っている。
娘のフルーレを大切にしているフリュネは、母親として娘の世話をしっかりとしていた。
時折俺にフルーレを任せてダンジョンに行くフリュネは、ダンジョン内でゴライアスを単独で倒したことで、Lv4にもランクアップしたらしく、幹部候補から格上げされて、正式にイシュタル・ファミリアの幹部となったそうだ。
フリュネにレベルで追い越されたことに危機感を感じていたレオンも、中層のグリーンドラゴンを単独で倒したことでLv4にランクアップしていたが、相変わらずゼウスやヘラのファミリアには喧嘩を売っていたレオン。
それでも俺が視界に入った瞬間に全力で逃げるようになったレオンは、俺を避けていたのは間違いない。
誰にでも喧嘩売っていた頃に比べれば、レオンは成長したと言えるのかもしれないが、神々の玩具扱いからは逃れられていなかったな。
「あっちの方もあばれん棒!あっちの方もあばれん棒じゃないか!」
という感じで神々から勝手にアダ名を付けられていたレオンの目は、まるで死んだ魚の目のようだった。
オラリオはレオンの庭じゃねぇんだよ、檻なんだよ檻、とでも言わんばかりな状態になってはいるが、俺はレオンを助けたりはしない。
レオンの方から喧嘩を売ってこなければ、俺がレオンを動けない状態にしてフリュネにプレゼントすることもなかったからだな。
龍が如くの佐川風に考えを言うと、怪我してたから傷治したのに、いきなり攻撃してくるとか酷いよお前、同じファミリアでも仲良くできないじゃん、そんなことされたらお前が困ってる時に助けてやれないよ、もう(精神的に)殺すしかなくなっちゃったよ、という感じだ。
だから俺は、レオンを助けることはないし、いいぞもっとやれ、と神々に対して思っていたりする。
自分の性格が善良ではないことは自覚しているし、ポケモン世界だと、いきなり襲いかかってきた伝説のポケモンと俺だけで殺し合いをしたこともあるんで、俺は善人ではない。
今生はモンスター以外は殺してないんで、誓って人は殺してませんって状態ではあるが、オラリオが荒れてきたら、そうも言ってられなくなりそうだ。
ゼウスとヘラのファミリアが居るからこそ、抑え込まれている悪意あるファミリアも存在していることを、波導使いである俺は感じ取っていた。
ゼウスとヘラのファミリアが壊滅するようなことは避けたいところだが、オラリオの北にある竜の谷とやらから波導で感じた力は、ゼウスとヘラのファミリアを明らかに上回っているな。
恐らくはあれが黒竜なのだろうが、オラリオ最強のファミリアだけでは倒す戦力が確実に足りていないんなら、手伝いが必要になるかもしれない。
とりあえず今はゴミを【廃棄貯力】でエネルギーに変換して、ひたすら貯めておくとしよう。
オラリオ中を巡ってゴミをエネルギーに変えて貯めていくと、かなり貯まってきたエネルギーは、オラリオのゴミの量が多いことを表していた。
それからフリュネに協力してもらって、スキル【廃棄貯力】で貯めたエネルギーの譲渡が出来るか試してみたが、どうやらそれも不可能ではないようだ。
俺からエネルギーを譲渡されたフリュネは、Lv4以上の強さを発揮できるようになっており、かなり強化されたフリュネ。
何回か試して、エネルギーの譲渡の感覚は掴めたんで、フリュネ以外にもエネルギーの譲渡が可能となった俺。
とりあえずゼウスやヘラのファミリアに会いに行き、今のままではゼウスとヘラのファミリアは黒竜に勝てないことを説明すると、まず俺自身の強さを証明する必要が出てきた。
仕方なく波紋と波導だけを使った状態で、ゼウスとヘラのファミリアを圧倒した俺がLv1だと知り、レベル詐欺だと言われることになったが、実力を示した存在が黒竜に勝てないと言ったことに危機感は抱いてくれたようだ。
それから、俺がエネルギーを譲渡したりもして、強化していったゼウスとヘラのファミリアの面々。
エネルギーの譲渡による強化に慣れてもらう為に、何度も戦う俺とゼウスにヘラのファミリア。
「能力の発展には犠牲はツキモノデース」
なんてことを言う俺に「めちゃくちゃ胡散臭いからそれは止めろ」と言ってきたザルド。
それからも何度か俺と戦ったゼウスとヘラのファミリアは、エネルギーによる強化にも慣れてきていた。
今のゼウスとヘラのファミリアなら、そう簡単に黒竜に負けることはないだろう。