フリュネを起こさないでやってくれ、死ぬほど疲れてる   作:色々残念

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本日2回目の更新になります
次回辺りでこの話も終わりになりますね



無作法

ゼウスとヘラのファミリアは、下界の脅威となるのは三大冒険者依頼の怪物だけではないことを知ったそうで、まずはオリンピアへと向かって穢れた天の炎をどうにかする為にしばらくオラリオを留守にするつもりらしい。

 

今回は自分達だけでどうにかすると、俺を同行させることはなかったゼウスとヘラのファミリア。

 

それから、旅に出ることが多くなったゼウスとヘラのファミリアは、下界に存在する様々な脅威を倒したりもしていたようだ。

 

月日が経過して神バルドルがオラリオを出て、リヴァイアサンを倒す時に使った足場を改修して作られた移動型教育機関である学区という場所の校長のような存在になったり、オラリオを出たレオンが学区で様々なことを学び始めたりもした日々も過ぎていく。

 

俺はオラリオに残ってフルーレをフリュネと一緒に育てていたが、天気がいいので散歩しようと考えて、フルーレを抱えてオラリオを歩いていた。

 

そんな俺達の前に眷族を引き連れて現れた銀髪の女神が「汚ならしい魂を持つあなたがその子に触らないでもらえるかしら」と言い出してきたが、どうやら魂が見れる女神にとって、俺の魂は汚ないと思えるものみたいだ。

 

まあ、俺の魂が汚ならしいと言われても納得しかないが、フルーレの魂が綺麗ならそれでいいかと考えて、銀髪の女神を無視して立ち去ろうとした俺。

 

これで何事も無ければ変な女神が居たな、で終わったんだが、銀髪の女神は「その子を渡しなさい」とまで言い出してきた。

 

子どもを見知らぬ相手に渡せと言われて渡す親は居ない。

 

凄まじい剣幕を見せる女神を怖がっていたフルーレを弱く発した波紋で優しく眠らせておき「今は寝ておきなさい」と言っておく。

 

それから聞いた銀髪の女神の言い分としては、奇跡のように純粋で透き通った汚れなき魂が、汚物に育てられることで汚れることを危惧してのことらしいが、正直に言えば、そんなことは俺の知ったことじゃなかった。

 

「魂が汚なかろうが、人は生きていくもんだし、あんたの身勝手な理由で子どもから親を引き離してどうするつもりなんだ」

 

「見ているだけで不愉快な魂をしているあなたに預けているよりは、いい筈よ。特別なその魂が汚れることを私は許せないわ」

 

「此方としてはあんたの言い分は知ったこっちゃないね。魂が汚れてようが、この子が元気に生きていてくれるなら、俺はそれでいいし、親ってのは子どもを守るもんだ。あんたにこの子は渡せない」

 

何かを仕出かしそうな目の前の女神を警戒し、波導を高めた俺。

 

「そう、なら、ひれ伏しなさい」

 

そんなことを言い出した銀髪の女神は、恐らくは美の女神で、此方を魅了してフルーレを奪おうとしたのだろう。

 

しかし強力な波導によって精神異常を防げる俺には、美の女神の魅了は通用しない。

 

「お断りだ、クソ女神」

 

フルーレを片腕で抱えたままそう言い放ち、世界のフィンガーくたばりやがれを、片手バージョンで見せ付けた俺。

 

魅了が効かない相手を初めて見たかのような動揺を一瞬見せた女神ではあったが、自分だけではフルーレを奪えないと判断し、背後に控えさせていた眷族の名を呼んだ。

 

「オッタル、アレン」

 

剣を持つ猪人と槍を持つ猫人が、女神の前に出て武器を構える。

 

「子どもを奪いなさい」

 

女神の命令に従う様子を見せている2人の獣人に対し、俺は覚悟を問うことにした。

 

「貴方達「覚悟して来てる人」ですよね。人から「大切なもの」を奪おうとするって事は、逆に「大切なもの」を奪われるかもしれないという危険を、常に「覚悟して来ている人」ってわけですよね」

 

俺からの問いに、2人の獣人が答えることはない。

 

「答えないなら勝手にイエスと取りますよ」

 

そう言う俺に、攻撃を仕掛けてきた2名の獣人を相手に、容赦なく頭上から振り下ろす拳槌打ちを叩き込んだ俺。

 

たった2発の攻撃で、整備されたオラリオの地面に獣人達の身体をめり込ませると同時に強力な波紋を流して身体が動かせないようにしておく。

 

残っているのは銀髪の女神だけという状態になり、凄まじく悔しそうな顔をしていた女神に対し「フリュネの方が、あんたよりも万倍はいい女だな」という俺の嘘偽りない正直な気持ちを伝えておくと、かなりの精神的なダメージを受けていた様子を見せた女神。

 

そんな女神に対し「猪と猫は出荷よ」と言って、見せ付けるようにオッタルとアレンと呼ばれていた2名の獣人を奪い去っていった俺は、フリュネが待つイシュタル・ファミリアのホームへと向かう。

 

「フリュネ!新しい棒よ!」

 

何処ぞのバタ子さんみたいに言いながら、動けない状態になっていたオッタルとアレンを、俺はフリュネに引き渡してみた。

 

「いや、貰えるならアタイは貰っちまうけど、棒扱いはやめてやんなよ」

 

せめて獣人として扱ってやんな、と言ってきたフリュネは、俺よりかはオッタルとアレンに優しい。

 

「娼館で女を相手にするなら抜かねば無作法だから、こいつらの棒を酷使させてやってくれ」

 

「じゃあ遠慮なくいただいちまうね」

 

しばらく時間が経過した後、死んだ目をしながらげっそりとしていたオッタルとアレンを両肩に担いだ俺は「だから聞いただろ「大切なもの」を奪われる覚悟があるかどうかを」と言っておく。

 

「安いもんだ、お前達の貞操ぐらい。フルーレが無事で良かった」

 

それだけ言うと、適当にオラリオの道端にオッタルとアレンを放置して、俺はフリュネとフルーレが居る場所まで戻った。

 

フルーレに「お父さんは強いから大丈夫だよ」と言った俺は、娘であるフルーレを安心させる為に時間を費やす。

 

しばらく時間をかけて、ようやく安心して眠ったフルーレの頭を撫でながら、この子を親として守る決意を更に強めた俺。

 

神々が相手になろうと、俺はフルーレを守り続けるとしよう。




フリュネの新たな犠牲者となったオッタルとアレンは、レオンには少し優しくなるかもしれません
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