アビドスに三年生がもう1人いる世界線   作:最葛餅

1 / 4
【この小説内のタグ】
男主人公 
総受け 
愛され? 
キャラ崩壊 
独自設定 
独自解釈 


上記のタグが大丈夫な方はごゆっくりお楽しみください



うたた寝したら変なのつけられていた件

ある日の徹夜明けの対策会議、俺は欠伸を噛み殺しながら話を聞いていた。

眠い、ただただ眠い。

ただ、こうやって眠いと感じられるのは、今のこの時間が平和だと思えているからなんだろう。

いや、それにしたって眠すぎる。魔材……カフェインを取っていたはずなのに、それでも眠かった。

前ではアヤネが会議を仕切り、シロコは相も変わらず銀行強盗を提案している。

セリカは詐欺に引っかかって顔を赤くしているし、ノノミに関しては金銭感覚が俺らとちょっと……いや、だいぶ違っている

ホシノに至っては、いつもみたいにパトロールをしていたのか眠たそうで話を聞いているのか微妙な所だ

なら、もう1人の三年生の立場である俺が起きていないといけない……のに……

 

 

                                          

 

 

 

「うへへ〜」

 

「どうしたの?ホシノ先輩」

 

いきなり、いつもの如く話を聞いていなさそうなホシノ先輩がそんな口癖を零す

そんなホシノ先輩の目は、何か可愛いものを見守る母親のような目だった

どうやら、シロコ先輩たちもそれに気づいたらしく、3人ともその方向をすでに見ていた。そんな3人に遅れて私も見てみれば……まぁ、衝撃的な場面がそこにあった

 

「アヤト先輩……もしかして寝てるの?」

 

私がそう言葉を零すのと、ホシノ先輩がアヤト先輩に近づくのは同時だった

そのまま近づいたホシノ先輩は、アヤト先輩の頬をつまんだり、つついたりしている。その間も目は優しかった

だが、それでも先輩は起きない。私も近づいて耳を澄ませば、規則正しい寝息が聞こえる。顔を覗き込めば、しっかりと目を瞑っていた。

 

「ねえ〜みんな……イタズラ、しちゃわない?」

 

ホシノ先輩の顔がこの時は小悪魔のように見える提案をする。いつもなら乗らないだろうけど、いつも凛々しくてかっこいい先輩が無防備を曝け出している。ならば、それを使ってイジるネタを作らないわけがない

 

「それでホシノ先輩、イタズラって何をするの?」

 

「ここにはね、よく分からないものが眠っている事があるんだよね〜」

 

シロコ先輩の問いにホシノ先輩が答えながら懐からものを取り出す

 

「カチューシャ型の猫耳と、チョーカーですか?」

 

「そうそう。きっと罰ゲームに使われていたんだろうね〜。」

 

猫耳カチューシャとチョーカー……もとい、首輪なんてそんな使われ方しかしてないだろう。

私はあんなのはつけたくはないので、少しだけ先輩に同情する。

 

「で、それをつけるってのは面白そうだけどその間に起きちゃわない?」

 

「うへ、そう思うでしょ?でもね〜?」

 

そういうとホシノ先輩がアヤト先輩の後ろに回り込み、頭をペチペチと叩いている。

 

「ちょっと!?何してるのホシノ先輩!」

 

「こんなことをしても全く起きないんだ〜。きっかり30分、軽いことだけなら全く起きないくらい熟睡するんだよね〜」

 

「へ、へぇ〜……」

 

そこまで知り尽くしているホシノ先輩に若干の恐怖を覚えるが、横から2人の先輩の声が聞こえる。

 

「善は急げですね〜⭐︎やれるうちにやっちゃいましょう!」

 

「ん、アヤトはもっと可愛くできる。他のこともやってみよう」

 

「おじさんもさんせーい。そうとなりゃ早くやっちゃお〜!」

 

あーあ、もうしーらない。なんか珍しくアヤネちゃんも乗り気みたいだから、私は止められそうにないわね。

 

 

 

                                          

 

 

 

「んあ……寝ちまってた……」

 

俺は軽く伸びをすると同時に、その部屋の空気が寝てしまう前と変わっていることに気づく。

先程から五人……いや、四人の視線がおかしい。

いうなれば……小動物を愛でるときと似たような視線だ……

 

「なんだお前ら。なんか怖いんだが?」

 

「鏡を見たらわかると思うよ~?」

 

目があった時からずっとにやけているホシノからそう返される。その言葉通り、室内にある姿見を使って自身を見てみれば、首と頭、顔のあたりに変化が加わっている。

 

「おい、なんで猫耳とチョーカーがつけられているんだ?それに猫髭も……って落ちないし……」

 

手の甲で顔に描かれている猫髭を擦り落とそうとするが中々落ちない。大方、油性で描かれているんだろう。

いや、ほんとに落ちないしなんなら少しずつ滲んでいる。本当に面倒だな……

 

「ちょっとちょっとー、せっかく可愛くしてあげたんだからもうちょい堪能しなよ~」

 

「俺は男だ、んな女子がするようなことをしても意味ないっての。」

 

「アヤト先輩は可愛い方だと思いますよ~?シロコちゃんもそう思いますよね?」

 

「ん、先輩はかっこよくてかわいい」

 

「んなお世辞はいいっての」

 

猫髭はひとまず諦めて、身についている猫耳を外し、チョーカーに手を掛ければ

 

「ふふん、チョーカーは外せないよ?」

 

「お前らはほんとに変な物ばっかり……っは?外せないって?」

 

そんなことを突然言われる。それから慌ててチョーカーを触っていけば、鍵穴のような感触があった。ただ……

 

「これ、普通の鍵穴じゃないな……」

 

そう、普通の鍵穴じゃない。特殊な形をしたタイプの鍵穴だった

 

「さて、今からアヤトには……」

 

私たちのペットになってもらいます!

 

「ふっざけんな!なんで俺なんだよ!そういう役目はシロコかセリカだろ!」

 

ペットになってもらうと言われた俺はすぐさま反発する。当たり前だ、いきなりペットになれと言われたのだ。反発しないやつはそれこそマゾというやつだろう。俺は違うからしっかり反発するぞ

 

「ちょ、先輩そんな目で私たちを見てたの!?」

 

「ん、私はペットじゃない」

 

「だったら俺もペットじゃないだろうが!」

 

どうやら二人ともペット扱いなのは心外なようで、すぐさま反論が返ってくる。だが、元凶はそちらなのでこんな扱いをするのも仕方ないだろう。

と、そんなこんなで二人と言い争っていればいきなり首が後ろに引っ張られる。いきなりだったので身構えることができず、尻餅をついてしまう。

引っ張られた方向を見てみれば……

 

「猫耳をつけていなくても、チョーカーを着けている限り先輩はペットですよ?」

 

「アヤネちゃん、いつの間にリードを付けてたの~?」

 

アヤネのそんなセリフが、悪魔の囁きのように聞こえる。その言葉に抵抗するためにチョーカーを引き千切ろうとするが、全く千切れない

 

「ホシノ……まさかこれって……」

 

「相棒は察しがいいね~。そうだよ、その首輪は神秘の出力が抑えられる機能付きらしいよ?」

 

「おまっ……」

 

アヤネに引っ張られたまま、ホシノからの答え合わせがなされる。それと同時に、俺は顔面蒼白になった。

神秘の出力が抑えられているということは、先生と同等の弱さとなっている。

そんな状態でアヤネから引っ張られ、ホシノから嫌になるほどの悪魔のような笑みが見えてくる。

何なら、残りの三人に関しても見えているわけでもないのに寒気がする。こんな経験はいったいいつぶり……いや、そもそも経験をしたことが無いかもしれない。

 

「ねえ……みなさん、やめません?ね?ね??」

 

「ん、諦めた方がいいよ先輩」

 

「早く諦めて私たちに可愛がられてください☆」

 

逃げ出そうにも逃げ出せない、完全な詰み盤面を経験して声にならない絶望が喉から零れだした……

 

 

 

                                       

 

 

 

顔を伏せながら入った部屋は、案外普通の部屋だった。

 

「なんか……もっとやばい物が置かれていると思っていたんだが……存外普通なんだな」

 

「アビドスの教室なんですからそんなことしませんよ~♧」

 

「だったら生徒である俺にもこんなことはしないで欲しいんだが?」

 

「ん、それは諦めるべき」

 

「諦めてください!」

 

「うわぁーん!なんでー!」

 

満面の笑みで答えるシロコとアヤネにそんなどこかで聞いたことのあるセリフを吐きつつ、部屋の中にポツンとある椅子に座る。

全くもって不本意だ。

 

「おっ!物分かりがいいね~。おじさんそういう子好きだよ~?」

 

「お前らの圧が怖いから仕方なくだよ……ったく」

 

一応言っておくが、俺はマゾではない。今すぐにでも逃げ出したいが、扉を防ぐノノミと、窓を塞ぐアヤネのせいで逃げられないのだ。正直逃げ出せるなら逃げ出したい……

目の前にはいつの間にか手を忙しなく動かしているホシノがいた。なんか動かし方がおじさんっぽいな……俺じゃなければ犯罪臭がするほどだ。いや俺でも十分犯罪紛いだと思うけど

 

「それじゃあさっそく……っえい!」

 

そんな掛け声とともに頭を撫でられる。まぁ……これくらいなら普通……なのか?普通だと思っておこう。そう考えて、そのまま撫でられ続ける。

その後ろにセリカがうずうずしながら待機していた。

 

「ホシノ先輩!早く代わってよ!」

 

「うへ~?も—仕方ないなぁセリカちゃんは」

 

そう言ってホシノはセリカと変わる。これじゃ1時間近くは動けないな……

 

「ったく、セリカは何をするんだよ。さっさと終わらしてくれ、俺の尊厳のためにも」

 

「今の先輩は猫……なのよね(なら、猫なら喜ぶアレをしたら……!)」

 

「うへぇ!?」

 

油断していた。そんな触られないだろうと気にもしていなかったところを触られ、衝動的に声が出る。しかも腑抜けた声。さっきまで話していた3人とホシノ、セリカの目線が痛いし何か恐ろしい。

 

「アヤト先輩ってそんな声も出せるんですね〜⭐︎」

 

「ん、アヤト先輩はやっぱり襲うべき」

 

何か恐ろしいこと言い出したよこの狼。後ろの令嬢も笑顔なのに笑顔じゃないし。

 

「あっはは……これ(チョーカー)外してもらっても?」

 

何言ってるの外すわけないじゃん

何言ってるんですか外すわけないですよ

 

壁にじっくりと追い詰められながら、そんなことばを返される。

っと、そんな時に部屋の扉が開いた

 

“みんなーどこにいる……の……”

 

「先生!先生じゃないか!」

 

どうやら先生が来たらしい。そういえば、今日は午後から会議が入っていたし、大方早めにきたところなんだろう。ひとまず助かった……

 

“アッ……オジャマシマシタ……”

 

「ちょちょちょ待って!?待ってくれ先生!助けてくれ!」

 

そのまま気まずそうに部屋を出ようとする先生を必死に呼び止め助けを乞う

 

 

 

以下、先生視点

 

 

“あれ〜?みんなどこ行っちゃったの〜?”

アビドス高校の中を散策しながらそんな言葉を私は呟く。今日は午後から会議があったのだが、いつもの部室に全員いなかったため、こうやって探していると言うわけだ。

そのまま数分歩き続けていると、微かに気配のする部屋があった。危うく素通りするところだったその部屋に全員が集まっていると思いドアを開けた

 

“みんなーどこにいる……の……”

 

第一に困惑、第二に驚愕、第三に恐怖。

状況を軽く整理するなら、首にペットがつけるものに似ているチョーカーをつけているアヤト君が壁でガクガクとそれはもう何処ぞの青い鬼が出てくるゲームのサブキャラクターレベルで震えているし、その他全員はちょっと危ない視線をアヤトに向けながら近寄っていたし

ちなみにこの挿絵はアヤト君がどんな感じになっているかのイラストだよ、気になるなら見てもいいけど注意してね?

 

【挿絵表示】

 

 

“アッ……オジャマシマシタ……”

 

その一言だけ呟き、ゆっくりと扉を閉めた。教師としては助けたほうがいいのだろうが、それ以上に他のメンバーの圧が怖くて助けにいけなかった。

命からかがら逃げ出してきたアヤト君をとりあえず私の後ろに匿って5人を落ち着かせたあと、アヤト君に謝らせた。全員反省していたので、きっと大丈夫でしょう!多分!!まぁ流石にアヤト君もフラグ発言なんてしn「ったく、チョーカーぐらいはつけてやるからそんな感じに追い詰めないでくれ」

……このクソボケ、なんでフラグ発言をするのかな?こんなの自分から猛獣の檻に生身で突っ込みに行っているものだよ?ほら、目の前のみんなの目がしっとりしてて湿度を被ってるよ?

私はこのクソボケ君の無事をまぁ祈りつつ、今日する予定の会議を始めるのだった……




後日談(先生視点)

あの件から数日経った。今日はたまたまアヤト君を当番に指定していたので、近況報告も兼ねて聞いてみた。

“ そういえばアヤト君、あれから何かあった?”

「うへへ……あれ以降着せ替え人形みたいにされてます……チョーカーとか服自体はデザインが良くて着るのは楽しいんですよね。あの5人の目が怖いってところ以外なら、まぁ……なんとかやれていますよ……アハハ……」

“うーん、だいぶ重症かもね”

顔も以前より少しだけげんなりとしている。恐らく、連日着せ替え人形のようにされているのだろう。
どんまいと声をかけてやりたい所だが、そもそもとしてあんなクソボケ発言をしたアホな子(アヤト君)が悪いので助けずに観察しておくとしよう
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。