5 years later〜エピソードZA〜   作:nami73

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 マスカットの漢気によりアンジュへの道は開けた。ユリーカは行く、プニちゃんとともに。ミアレの平和のために。
 ミアレを愛する者たちの命懸けの奮闘、その結末や如何に!?


最終話 メガプニちゃん大勝利!! ユリーカの願いごと

『仕留めにゆく! タワーへ取り付くぞ!!』

 

「ん!!」

 

 ユリーカが捕まる力を強めれば、プニちゃんは最大パワーで一気にアンジュへ距離を詰めてゆく。

 マスカットの捨て身の一手により、迎撃のためのケーブル根の動きが麻痺する中を突っ切った。

 

 

 

「ふぅッ!」

 

「ずッきん!」

 

 落下するジジーロンをメガスターミーが、マスカットをメガズルズキンがキャッチする。

 

「いけーッ! ユリーカちゃん!」

 

「決めてください! みんなのために!!」

 

 

 

「「おおおおおおおッ!!」」

 

 デウロとピュールのエールを受け、アンジュへ肉薄したプニちゃんは一気に高度を上げてゆく。

 ユリーカは、プニちゃんとともに雄叫びをあげていた。

 AZの運命に、ガイの勇気に、そしてマスカットの猛烈なガッツに応えるための一撃を叩き込む、その気合いに満ち満ちながら。

 ブワリ! プニちゃんはアンジュの先端部と正対する。

 両翼を前方に展開し、両手からエネルギーを最大まで生成。確実に致命となるルートをエネルギー越しに確認する。

 

「コア……パニッシャアアアアアアア!!!」

 

「でねぁ〜〜〜!!!」

 

 黄緑色のジガルデエネルギーがパッ! と煌めいた瞬間だった。

 プニちゃんは急降下し、その軌道からアンジュのボディに『Z』の文字を刻み付ける。

 

ドッゴオオオオオン!!!

 

 5年前、巨石を完全に消滅させた必殺の一撃が、アンジュへ叩き込まれた。

 

 

 

「やった! アンジュが止まった!」

 

 沈黙するアンジュの様子にガイはフラエッテと笑みを交わす。

 

 

 

「うッ……!」

 

「マスカットさん! ユリーカちゃんがやってくれたよ!」

 

「流石、ジガルデとともにあるトレーナーですね」

 

 ジジーロンに心配の眼差しを向けられていたマスカットが目を覚ませば、興奮ながらにデウロが報告する。

 続くピュールの言葉に、マスカットはニッコリと笑みを向けた。

 

 

 

 アンジュの沈黙により街中にあふれていた暴走メガシンカポケモンたちも沈静化しすみかへ帰ってゆく。

 ミアレの勇士たち必死の防戦が功を奏し、事務所周辺の住宅地への被害は最小限に留まっていた。

 

「こんなしんどいんはロケット団のシマ荒らし相手にした時以来やでホンマ」

 

 組員たちと一緒に最後まで奮戦し続けたカラスバは家屋の壁に背を預けて座り込む。

 スーツの胸ポケットからケースを取り出し、煙草を咥えてからズボンのポケットを弄る。

 

シュポッ……

 

 自前のライターを出す前に横からジプソが咥えた煙草に火をつけた。

 

「なんや」

 

 ジプソの瞳から、なにかしらの報告を持ってきたのをカラスバは察する。

 

「救助活動に行かせてた若い衆から、例の債務者のご家族を見つけた、と」

 

「ほーん……」

 

 カラスバは紫煙をくゆらせる。そしてすぐに火を地面に押し付けて消した。

 

「せっかくや。あちこちの被害の確認ついでにみんなでご挨拶しに行ったろやないけ」

 

立ち上がりながらポイと捨てた煙草はピンポイントにゴミ箱の中へ入る。

 

「はい。カラスバ様」

 

 サビ組の主従は、仲良く悪人面を見合わせた。

 

 

 

ガコン!!

 

 人々が安堵している時だった。

 ダラリと垂れ下がるタワーの先端、アンジュの頭部が息を吹き返し、ゆっくりと上空へまっすぐ伸びれば、まるで花の開花のように開かれるはフラエッテのえいえんのはな……その禍々しさのみをひたすらに倍増させ、眩い光をかき集めてゆく様は、見るものに恐ろしさ以上に、悍ましさを押し付けた。

 

「愚かな人間どもよ、助かったと思ったんテツか? 残念! 現実は非情であるッ! ジュウジュウジュウジュウジュウ!!」

 

 屋根上で小躍りしながらニチャニチャと下卑た笑みを浮かべるデフェール。アンジュの再起動もまた、ただ未来として見通していただけである。

 スクライアの民は全く何の関係もない。ただ見通した未来を振りかざして得意げになっているに過ぎないのだ。

 

 

 

「まさか……」

 

「だめだめだめ! フラエッテのはめつのひかりなんてヤバい技をアンジュによってパワーアップしている状態で放ったら……」

 

「ミアレシティが消し飛びますよ……!」

 

 声を震わせるもマスカットはもちろん、デウロもピュールもとうの昔に全力を使い切り疲労困憊。

 

 

 

「こ、このままじゃミアレが、みんなが……!!」

 

「きゅうる……」

 

 依然タワーの中より出られないままのガイとフラエッテにも打つ手なし、そんな中、

 

ギュオオオッ!!

 

 ユリーカはプニちゃんを飛翔させていた。

 

「ユリーカ、絶対諦めないもん!! だって……だって!!」

 

 脳裏に浮かぶ『目指すべき背中』が振り返る。

 兄も、トライポカロンの世界で競い合う約束をした姉のように慕う先達も、皆が熱い眼差しを送る少年は、あの日々と変わらず肩に乗せたピカチュウとともに笑いかけてくる。

 

「サトシも絶対、諦めないからッ!!!」

 

 ユリーカの絶叫。体の内から発せられる覇気が2つのものを作り出す。

 ポン、と胸から飛び出すエネルギーの塊は、まさしくユリーカの闘志の具現。すぐに塊は、黄緑色の模様が入った黒い球体へと変化する。

 そのフォルムと黄緑色の模様の間に差し込まれた蒼と紅のラインから、ユリーカはそれがメガストーンであると分かった。

 ユリーカはメガストーンを、ジガルデナイトをその手に掴む。

 もう1つ、確かに生まれた『願いごと』は、今はそっとしまい込まれた。

 

「プニちゃん!!! メガシンカ!!!」

 

『うおおおおおおおッ!!!』

 

 プニちゃんが虹色の繭に包まれ、体組織のジガルデセルが再構成されてゆく。

 巨大な砲台を頭上に掲げた『光の巨人』……メガジガルデの降臨であった。

 

ボシュウウウッ!!!

 

 プニちゃんのメガシンカと同時にアンジュは極大の『はめつのひかり』を天へ打ち上げる。

 打ち上げられたはめつのひかりは、そのまま真っ逆さまに落下を開始した。

 

ジャコン!!!

 

 プニちゃんは落ちてくる光へ頭上の砲身を前方に構え、セットする。

 ユリーカの姿は、砲身の上にあった。仁王立ちで構え、破滅をもたらさんとする極光を睨み付けるはユリーカだけではない。

 

「でね!」

 

「ごぁら!」

 

「げこ」

 

「ちるぅ〜」

 

「うおおおッ!」

 

 デデンネ、ガチゴラス、ゲッコウガ、チルタリス、ウォーグルのユリーカチームもボールから飛び出し、主人の側に勢揃いをする。

 砲身から、ニュルリと細い木の幹のようなものが6本生え出てくれば、この場の誰も一切迷いなくそれを掴んだ。

 

『我らはこれより先もこの世界とともに在る!! 秩序のための使命ではない……肩を並べる戦友たちと、新たな姿を授けてくれた、信じ抜くに値する主人と同じ道を行くために!!』

 

 プニちゃんがエネルギーを砲身へ集中させれば、ユリーカとデデンネら5体のポケモンたちも掴んだ木の幹から己が命の炎を燃やし、エネルギーの足しとして砲身へ注ぎ込む。

 これより放つ一撃は、ユリーカチームの総意たるものだ。

 

「XとYが交わった先の、終のZよ!! 今こそ遠きいにしえよりの宿命と破滅の哀しみを打ち払い、無に帰す光へと昇華せよ!!!!」

 

「でんねぇ〜〜〜!!!!」

 

「ごらおおおおお!!!!」

 

「げこおッ!!!!」

 

「ちるちるぅ〜!!!!」

 

「うおおおおおッ!!!!」

 

『我らが放つは『無に帰す光』!!!! 深き哀しみを打ち払い、命あるものたちの歩むべき道を照らさん!!!!』

 

バッヒュアアアアアアアッ!!!!

 

 プニちゃんは、迷いなく大砲を放った。

 放たれた無に帰す光がはめつのひかりと正面衝突を起こす。

 

「「「「「「「おおおおおおおおおッッッ!!!!!」」」」」」」

 

 無に帰す光は、ユリーカチームの魂の輝き。

 破滅の力を宿した極光は、魂の輝きの前にその禍々しさを消し去り、

 

パアアアアアッ…!!!!!

 

 ミアレの夜空を彩る光のシャワーとして降り注いだ。

 そこに、破壊の色は微塵もなかった。

 

 

 

「終わったか……」

 

 降り注ぐ光のシャワーがAZの視界にボヤけて映る。それでも、光が内包する優しさは肌を通して伝わった。

 

「ガイ……デウロ……ピュール……そしてユリーカ。心より感謝する……」

 

 頬を伝う涙の感触は、老いを通り越した巨躯が伝えるには既に過大だった。

 

「神よ、この咎人の最期の頼みを聞いてくださるならば……我が愛するフラエッテがこれより先歩む『永遠』に……どうか『安らぎ』を……!」

 

 天を向いていたAZの顔が、ガクリと項垂れる。

 

カラン……

 

 椅子に座り、膝の上にあった杖が主人の足元に落ちる。

 杖が主人の手に握られることは、2度とない。

 

 

 

「ちぇ、なんだ。つまらないテツなぁ。ま、ミアレジムのユリーカへの華麗なる復讐劇はこれからも続く! ということでどうか……」

 

「ようやっと見つけたでぇ。デフェールさぁ〜ん」

 

「てじゅッ!?」

 

 一部始終を高みの見物していたデフェールが立ち去ろうとした背後に、カラスバがジプソ以下組員たちと立っていた。

 既にデフェールが登っていた家屋周辺はサビ組により包囲されている。

 

「な、なんテツか!? スジモンどもがいきなりこんな!?」

 

「そないビビらんくてもええですやん」

 

 獲物を捉えた爬虫類の如き目をしながらカラスバはジプソに説明を促す。

 

「話としましてはですね。あなたのお兄様のフェルベートさんが、ウチがケツ持ちさせていただいてるガールズバー『聖(ヒジリ)』の看板娘アゲハさんに入れ込んでストーカー行為を繰り返した挙句、ウチの系列の金融会社から借金して逃げてしまいましてね。契約書にある連帯保証人の欄にあなたの名前があったのでその辺りのお話をしたいな、と」

 

 ゴシュウウウッ!

 

 ジプソが話し終えるより前だった。

 デフェールが背負っていたリュックからジェット噴射が起こり、肥満体を空へ打ち上げたのだ。

 

「ジュウジュウジュウジュウジュウ! 誰がお前たち如き薄汚いゴミどもと話などするもんテツか!! この世にある全ては、我ら現人神たるスクライアの民の思いのままなんテツ〜!! ジュウジュウジュウジュウジュウ!!」

 

「ジプソ」

 

「はい」

 

 カラスバに答え、ジプソはエアームドを差し向ける。

 シュッパ! と切れ味抜群な翼で切り付け、デフェールが背負うリュックの肩紐を外した。

 

「てじゅるッ!?」

 

 ジェットパックから体を切り離され、あえなくデフェールはカラスバたちの前に落下し、尻餅を突く。

 臀部の痛みを摩って和らげる猶予などはなく、見下ろされるプレッシャーから背筋が凍るのが先だった。

 

「おーおー、こりゃまたさっきぶりなことで」

 

 カラスバがデフェールの胸ぐらを掴み上げる。薄ら笑いは口元だけで瞳には怒気しか宿っていない。

 

「カラスバ様、お言葉ですがその方、神様だそうですが」

 

「神様ぁ? 確かによく見りゃふっくらしててご利益ありそうな、ってアホ抜かせ! こない脂ぎったキッショイ神様なんぞおるかいな! 豚ポケモンにしたかてこないな百貫デブと重ね合わせたら可哀想やろがい!」

 

「はっ、申し訳ありませんカラスバ様」

 

「だいたい神様っちゅうもんはみんなを幸せにするもんやろが、違うか?」

 

「「そうですよ、まったくジプソさんったらもう〜」」

 

 カラスバのノリツッコミに合わせ、周りの組員も乗っかりジプソは頭を掻く。

 一連の流れなどはデフェールの耳には届いていない。恐怖で口元がガタガタと震えるばかりだった。

 

「さてと、楽しい寸劇はこのくらいにして真面目なお話しましょか」

 

 カラスバは掴んだ胸ぐらを寄せ、至近距離からデフェールを睨み付ける。

 口元だけは綺麗に吊り上がっていた。

 

「バックれたオマエの兄貴が借りた借金1000万とその利息9000万!! オマエの兄貴が豚のくせして色気付いてからにウチのケツ持ちしてるバーの女の子に付き纏った迷惑料5億!! たった今バックれようとしてオレをムカつかせたんで4億!! 〆て10億きっちり払ってもらおうやないかい!!」

 

「ぶ、ぶひゅううう〜〜〜……!」

 

ジョロロロ……

 

 カラスバの剣幕にデフェールは涙と鼻水、涎で顔面ぐしゃぐしゃにし、さらに糞尿ともに失禁。

 そこにいたのは現人神などではない、ただの脂肪と砕け散った自尊心の塊だった。

 なお、数日後にデフェールの能力により逃走していた兄フェルベートも確保され、兄弟仲良くサビ組に詰められるのは別の話である。

 

 

 

 10月22日の朝日が照らされる中、ホテルZに帰り着いたMZ団が屋上で見たのは、すでに旅立ったAZの魂の抜け殻であった。

 デウロは膝をついて泣き崩れ、ピュールも嗚咽する。

 

「AZさん、やっと死ねたんだな……」

 

 ガイの視線の先、3000年歩き続けた巨躯に……愛する人の頬に隣り合うフラエッテに涙はない。

 AZとは違う道で同じく3000年の時を過ごす中でとうに枯れ果てているものだが、それがために彼女は泣かないのではない。

 AZが、愛してくれた人がこれより先に待ち受ける永遠を生きる自分のことを案じながら逝ったのを感じていたからだ。

 

「きゅる!」

 

 愛してくれた人が自分の笑顔を求めているから、フラエッテは笑っていた。

 ガイは、そんなフラエッテの気丈さに涙を止められなかった。

 そして誓うのだった。AZから託された彼女とともに、これからもミアレのために生きると。

 

 

 

 プリズムタワーを巡る一件の責任を取る形でジェット社長は辞任を表明。街中の復興作業が完了したのちに新たな社長を指名すると声明を出したが、当のミアレの住人たちは彼女の続投をクエーサー社へ訴えた。

 ことのあらましを聞き、当時のスタッフの対応から人々はクエーサー社の誠実な態度と、ミアレシティへの献身を高く評価し、そのトップにいるジェットをなおも支持することを決めたのだ。

 『ミアレを守る会』と名乗るクエーサー社へ不信感を積もらせていた勢力もいたことはいたが、その辺りの人たちの言は少数意見としてすぐに封殺された。

 企業内の人事の話に民間から待ったがかかるという事態にクエーサー社としても困惑を隠せなかったが、復興から再開発をする街の人たちの要望を聞き入れないというのも具合のよろしくない話だ。

 落とし所としてジェットは社長から会長職となり復興から再開発計画の統括を継続。社長の業務は当面の間重役合議の下行われることに決まった。

 

「じゃあマスカットさんは会長秘書ってこと?」

 

「会長からはそのようにしていただいてます。不謹慎な話ですが、会長がお亡くなりになるまではお仕えするつもりです」

 

「フーン」

 

 そんな顛末を10月29日、マスカットからメディオプラザに呼び出されたユリーカはAZの葬式周りが落ち着いたMZ団と一緒に聞かされていた。

 

「皆様。ご足労いただきありがとうございます。プリズムタワーの件に関しましてはユリーカ様、並びにMZ団の皆様大変ご迷惑をおかけいたしました。弊社の不手際にも関わらずミアレに暮らすポケモンや人々を救ってくださり心より感謝しています」

 

 先に現場入りしていたマスカットから少し遅れてジェットが合流をする。

 正直なところとしてはマスカットは一度バトルをし、アンジュとの戦いでも共闘したことで戦友という認識を持っていたユリーカだが、ジェットに関してはなんら思うところはなかった。

 今日初めて会ったばかりである以上『液晶画面の向こう側の人』というイメージが先行するのも仕方のないことだろう。

 

「かしこまりすぎだよ! タワーのことは誰のせいでもないって! 公表していたらもっと問題だったぜ」

 

「お兄ちゃんもきっと、クエーサー社の人たちなら信用出来るって思ってタワーを託したんだと思うな」

 

「でね!」

 

 ジェットの双眸が少し潤む。自らの慰留のため、同じような話を連日ミアレ中の人々からされてきたのだ。

 すぐに毅然とした眼差しに戻れる辺りが会社を預かる立場の人間としての器を表していた。

 

「そのように話していただけて少しは救われた感じです。それではマスカット、例の件を」

 

「はい。ZAロワイヤルにてランク:Aに達したトレーナーは、可能な限りの範囲で望みを叶えるという権利を得ます。もちろんクエーサー社に出来る範囲となりますが」

 

「ユリーカ、オマエはどうしたいんだ?」

 

「ユリーカからでいいの?」

 

「オマエからしかねえだろ。アンジュを相手に大立ち回りを演じた張本人を差し置いてオレの願いもないぜ」

 

「んー……」

 

 ミアレ中を走り回り暴走メガシンカポケモンの群れを相手に戦い続けていたバシャーモ仮面ことリモーネは、ユリーカが願うまでもなく電気屋をお休みにしてホウエン地方の温泉街フエンタウンへ出掛けてしまっていた。

 骨休めのためはもちろんのこと、ユリーカには自分自身の願いを叶えて欲しいという配慮だった。

 こうなってしまえば、望むことはたった1つだけ……。

 

「ユリーカの願いごとは……」

 

 

 

「全国のポケモントレーナー、ポケモンバトルファンの皆さんこんばんは!! ポケモン歴2002年の聖夜を華やかに彩るは熱き血潮を滾らせるバトルより他になし!! 本日はここ、カロス地方ミアレスタジアムにて、クリスマスイベントとミアレシティ復興記念を兼ねたスペシャルマッチが行われます!! こちら放送席から実況は私ジッキョー!! 解説にはポケモン評論家のナンテさん。去る10月に巨大隕石の接近からなる世界の危機に立ち向かう一連の破砕作戦……通称『オペレーション・Δ(デルタ)』において最大の功労者であるトウカシティのマサトさんを素敵なゲストとしてお送りします!!」

 

「よろしくお願いします」

 

「よろしくお願いします!」

 

 ジッキョーのトークに合わせ、ナンテは慣れたように、マサトは元気に挨拶をする。

 

 

 

 『さぁセンターサークルでは今宵のスペシャルマッチを戦う両名が視線をぶつけ合っております!! つい先日、PWCS4連覇を成し遂げたワールドチャンピオンサトシを前に、プリズムタワー暴走事件を解決に導いたZAロワイヤルの覇者ユリーカ選手が挑戦状を叩き付けたのです!!』

 

「ユリーカ、どれだけ強くなったのか見せてもらうぜ!」

 

「そのために呼んだんだもん!」

 

 ユリーカとサトシは、固く握手をしてからそれぞれトレーナーサークルに入る。

 

「これよりスペシャルマッチ、ワールドチャンピオンサトシvsZAロワイヤルランク:Aユリーカの試合を行います!! 試合方式はフルバトル!! 切り札システムはどれか1つを1度のみ使用可能とします!!」

 

「いくぜユリーカ!! ピカチュウ、キミに決めた!!」

 

「ぴっかぁ!!」

 

「サトシ、いざ勝負!! いくよデデンネ!!」

 

「でねね〜!!」

 

 サトシの肩からピカチュウが、ユリーカのポシェットからデデンネがそれぞれフィールドへ降り立つ。

 満員の客席の中から、自宅から、それぞれの環境でミアレの人々はもちろん全国中がこの試合を固唾を呑んで見守っていた。

 

「それでは! 試合開始ィィィッ!!」

 

 試合が始まる。少女の願いが叶う。だかそれは、決して旅の終わりではない。

 ユリーカの冒険はこれから先も続く。誰よりも強いチャンピオンを、誰よりも可愛いクイーンを目指す旅路は……続くったら、続く。

 

 

 

5 years later〜エピソードZA〜

 

 

 

 




 『ジガルデナイト』
 それは、ジガルデと、いや、プニちゃんと共に歩むユリーカの覇気と、絶対に諦めない心が生んだ奇跡。
 絆の巨人メガジガルデは秩序のためではなく、信ずるに値する主人のために覚醒を見たのだ。

 今回にて本編は終了。明日外伝を掲載致します。
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