二人の少年ハンターが異世界から来るそうですよ? 作:すてぃ~る
「GAOOOOOOOOO!!」
「来るわよ春日部さん!」
「うん…!」
二人が部屋に入った瞬間、ガルドと思われる虎の猛獣が飛びかかってきたが既に二人は左右に跳び、ガルドの不意打ちを見事回避した。
ガルドは吸血鬼のギフトを手に入れ、更に力を得たことによって慢心し、避けられるとは思ってなかったことで動揺しそのまま廊下の手すりに頭から強打し怯んだ。
その隙を見逃す程甘くない飛鳥は耀に指示を出す。
「春日部さん、今のうちに剣を!」
「わかった!」
耀はその細い足から放たれたとは思えない瞬発力で一瞬の内に剣まで到達し、野生の力が宿った右腕で思い切り引き抜いた。
「やった!後はこれでーーー」
「っ!春日部さん危ない!」
「GAAッッ!!」
しかし堕ちたとは言えガルドとて元は百獣の王、いつの間にか体勢を立て直していたガルドは壁を蹴りつけ耀に向かって頭突きを食らわせて壁に叩きつけた。
飛鳥が叫ぶがあまりの衝撃に受け身すら取れずに落下した。
当然その隙を逃すはずもなくガルドはすぐさま体勢を整え、剣奪った耀を串刺しにせんと鋭い爪を立て、常人では認識出来ないスピードで追撃を加える。
(っやばい!)
しかし耀は寸でのところで辛うじて回避し、その勢いで入口近くまで距離を取る事に成功した。
「春日部さん!大丈夫!?」
「少し当たっちゃったけど大丈夫。それにほら、剣はちゃんと取ってきたし」
「やったわね!取り敢えずこのまま一旦引いてーーー」
「っ!飛鳥危ない!」
耀は目の端で剣を持った飛鳥にガルドが飛び込んで来るのを視認し、飛鳥を引き寄せ回避した。
「Gruru…」
「やっぱそう簡単に逃がしてくれないよね」
「春日部さん…」
下手に動けば必ず襲いかかってくる状況。まともにやりあっても勝ち目が薄い相手。かといってこのまま何もしないわけにはいかない。とすれば
「飛鳥、剣を渡したら全力で城の外まで走って。大丈夫、そっちには絶対に行かせない」
誰かが囮になるしかない
「っ!春日部さんを置いてなんて行けないわ!」
「これが最善だよ。それにさっきは不意討ちでやられちゃったけど、あれくらいの虎なら楽勝だよ。理性がないなら余計ね」
「でも…」
「大丈夫必ず戻るから」
飛鳥はわかっている。自分が居るせいで満足に戦えないことを。
しかし仲間を置いていくことなど飛鳥が許容できるはずもない。なら
「なら、私も戦うわ。そしてここでガルドを倒すわ」
「そんなの無茶だよ!とにかくここは引いて一度体勢を!」
「大丈夫、ちゃんと作戦はがあるわ。簡単なものだけれどね」
「でも…」
強情な飛鳥に押され気味な耀だが、ここで引くわけにもいかない。かといってこのまま口論してる暇もない。
「…わかった。じゃあその作戦が失敗したら即離脱。それでいい?」
「充分よ。じゃあその作戦だけれどーーー」