二人の少年ハンターが異世界から来るそうですよ?   作:すてぃ~る

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初陣の決着

ガルドは仮にも百獣の王だ。

この間は遅れを取ったが、相手のギフトが自分に通用しなくなった今、自分が負けることなどあり得ない。

 

確かにもう一人の女も確かに優れた身体能力を持っている。だが、それだけだ。

見ただけでわかるほどに、剣を扱ったことがないのが伝わってくる。これでは自身に対して唯一の脅威である剣もあってないようなものだ。

 

故に、ガルドが負ける要素など皆無に等しい。

 

だがここで逃げられては面倒だと思っていたところ、何を思ったのかこのまま応戦するようだ。

 

なにやら作戦を立てているようだが関係ない。今の自分は吸血鬼の力も手に入れ、全盛期を遥かに越えた強さを持っているのだから。

 

今仕掛ければ確実に勝てる。だからこそガルドは仕掛けない。

百獣の王たるものはそのような無粋なことはしない。

 

知恵を絞り

策を講じ

全霊を持って

強者を打倒する。

 

ならばこそ、その知恵を、その策を、その全霊を、真っ向からねじ伏せる。

 

それこそが本物の強者。王の姿である。

故に、百獣の王たる自分はその体現者であらねばならない。

 

だからこそガルドは、弱者の挑戦を受け真っ向から打倒することを決めていた。

 

 

 

 

自信の裏に慢心が入っていることも知らずに

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

「頼んだわよ!春日部さん!」

「任せて」

 

その声と共に耀は無手でガルドへ接近する。

 

「GAAAAAAA!!!!!」

 

耀は雄叫びをあげるガルドに対しヒットアンドアウェイを仕掛ける。

攻撃よりも回避を優先する立ち周り。だがガルドは耀の動きが陽動だとわかりきっていた。だが非力な飛鳥よりも、自分に迫る力を持つ耀に剣を持たれる方がガルドにとって厄介なのは間違いない。

何よりこのまま好きにウロチョロされるのもガルドにとって不愉快だ。

故にガルドはヒットアンドアウェイを繰り返す耀に狙い定め先に殺すことを決めた。

 

「っ!」

 

ガルドは耀の拳を敢えてまともに受け、思い切り両腕の爪で耀の右腕を掴んだ。

そのまま腕を噛みちぎろうとするが、それよりも早く耀が無理矢理右腕を引き抜き、そのまま窓際へ退避する。

 

だが無理矢理右腕を引いたことで右腕の肘から先が深く抉れてしまっており、余りの激痛に動きが止まってしまった。

しかし無情にもガルドは耀に向かって追撃を加えんと耀へと飛び掛かりーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「"木々よ、ガルドを拘束なさい"!」

 

 

 

 

 

 

唐突に、窓の外から何本もの木がガルドに向かって伸びていた。

 

「GA?!」

 

何が起こったのかわからないままガルドは自身に向かって伸びてきた木々に数秒と掛からず拘束されてしまった。

 

「春日部さん、無理をさせてしまってごめんなさい。今終わらせて、すぐに治療して貰うわ」

「うん…。大、丈夫…。やっちゃえ、飛鳥」

「ええ」

 

飛鳥は剣を持って五体の全てを拘束されてるガルドに向かう。

 

「GA、GAaa…!」

「あり得ないって顔ね。でも残念、これが現実よ。そしてさようなら」

 

 

 

飛鳥は剣を構えて思い切りガルドの体を、貫いた。

 

 

 

 

 

 

 

ゲーム終了 勝者"ノーネーム"




ガルド編は終わらせなきゃなと思って書き切りました。

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