PAINFUL HEARTS ージョジョの奇妙な冒険よりー 作:関野カエデ
ぶどうヶ丘高校の丈浄と蟲原の隣のクラス。そこの学級委員としてクラスの皆に親しまれている生徒がいた。
学級委員であり、生徒会にも参加。成績優秀で周りへの当たりも良いため、非の打ち所がないと評されている。
「東城君、前に出された数学の課題…もうできた?」
「うん。もうできたよ」
「よかった!あのさ、もしよかったら教えてほしいな」
「いいよ」
「ありがとう!」
なんて、学生らしい会話をしている東城。
しかし、その夜。東城の自室。
「なるほど……次の数学のテストの答えは……」
「ふむ……2年の高橋のスマホのパスワードは……」
「そして……今のあいつは……おお!入浴中じゃあないか!いい体してる!」
真っ暗な部屋の中でひたすら『何か』を見ながらメモを取る東城。しかし、東城は『何も』見ていない。
ある日の丈浄の教室。丈浄が自分の机で寝ていると、同じクラスの女子が声をかけてきた。
「丈浄君…ちょっといい?」
「ああ…どうかしたのか?」
「実はね…あのさぁ…丈浄君のお父さんって警察官でしょ…それで頼みがあるんだけど……」
一瞬どもりながらも、勇気をもって丈浄に語る。
「実は私…ストーカーを受けてるの!」
「ストーカー!?どういうことだよ!!」
「実は最近…私のロッカーが勝手に開けられて…その…下着とか…体操着とかがなくなるの…それから…最近学校からの帰り道で…後ろから誰かがついてきているように思えて…それで…私…怖いの」
「わかったぜ!親父にちょっと話してみるよ!」
その日の夜。仗助が帰ってくると丈浄は仗助に相談する。
「あのさぁ…親父…実はクラスの女子からストーカー被害の相談を受けてよぉ…親父警察でなんとかできねぇか?」
「ストーカー?それって犯人わかってんのかよ?」
「いや…まだわかんないけど」
「んじゃ、警察ではなにもできねえな」
「え!?なんでだよ!」
「警察っちゅうのはな、犯人が分からなきゃできるのは、相談かパトロールの強化ぐらいしかできねぇんだよ。犯人が特定できれば、犯人に対して警告や逮捕が初めてできるんだよ」
「なんだよ!じゃあ犯人を捜すしかねぇじゃねえか」
「あんまり深入りすんなよ」
「じゃあよ親父…どうやってストーカーを追跡すんだ?」
「ストーカーを追跡するには、張り込みが一番だな。被害者の導線から少し離れたところで待つ。そして、怪しい奴をマークすることぐらいだな」
「よし!やってみるぜ親父!」
「言っとくがなぁ。誤認逮捕だけはすんなよ」
「わかっとるよ」
こうして、丈浄はストーカーの張り込みを始めた。翌日の帰り、女子生徒に許可を得て後ろを離れてついていく。しかし、
「クソーッ!毎日毎日張り込みしているのに全く手掛かりがねえよ!」
実際、張り込みは頓挫していた。何日も女子生徒の後をつけてくる人を細かく探しても、怪しい奴はいない。しかし、ストーカー行為は日に日にエスカレートしている。
「丈浄君…これ…」
「!?」
丈浄は女子生徒が持ってきた新聞やチラシを切り貼りして作ったであろう手紙を見た瞬間。丈浄は鳥肌が立った。
「きミノこトをずっト見テいル」
君のことをずっと見ていると書かれた手紙。明らかにストーカーが送った手紙であろう。さらに手紙の下には…
「オまえもダじょウセい」
お前もだ丈浄。つまりこの手紙は犯人に今までの張り込みが完全にばれていたということを表していた。
(どういうことだ?彼女の家中、盗聴器やカメラの類は完全に調べた。張り込みを知っているのは俺と彼女だけ。誰にも話さないと約束した。でもばれた)
思考を巡らせ、なぜ張り込みがばれたのか考える。しかし、どんなに考えても確信が出ない。ここでとある仮説が頭をよぎる。
(まさか……スタンド使い?)
一方、視点は東城に移る。東城は上機嫌だった。
(この僕の尻尾を握ろうなんて無駄なことを)
そう思いながら、ロッカー室に入る。目的は当然、女子生徒のロッカーである。
(ええと確か暗証番号はっと…)
そう考えながら暗証番号が書かれたメモを取り出し、開けようとする。
(その前に、ロッカー室周辺の人間の有無を確認しよう)
そう思った瞬間、彼は発動した。自分の『スタンド』を。
(
そう思うと、東城の視界に他人の視界が映る。
(この部屋の周りには人がいないようだな…よし…できる!)
そして、女子生徒のロッカーを開け、中を物色する。
(おお!これはパンティー!彼女のパンティーだ!)
パンティーを見つけるや否や急いでそれをポケットにしまう。
(大当たりだ!今日はこれを使って…)
と期待を膨らませる東城。
その後、放課後の東城の自宅にて、東城は自身のスタンドを使うことで他人の視界を盗み見して、暇をつぶしていた。
「なるほど…こいつにこんな秘密があったなんてな」
「うわっ!これは見なければよかった…」
「ん?なんだ、この視界は?空を飛んでるぞ!」
東城が見ていたのは、蟲原の視界だった。蟲原が羽を生やして飛んでいたのだ。そして、東城は気づいた。こっちに向かっていることに。
「何だこいつ!?こっちに…この家に向かってきているぞ!」
チャンネルを変えて他の視界も見る。すると今度は犬のように地面に顔を近づけている視界を見つける。しかししばらくすると、走ってこっちに向かってくる。丈浄だ。
「なんだーッ!こいつらッ!こいつら、こっちに向かってきているぞ!」
慌てて家を出て走り出す東城。2人の視界を盗み見て離れる。しかし、盗み見している間は自分の前を見ることができないのだ。
「痛っ!」
通行人にぶつかってしまう。
「気をつけろ!」
また、ちょっとした段差につまずいたり、電柱に当たったり、犬の糞を踏んだりしながらも、視界を盗み見して2人から逃げる。しかし、
「こいつら!?明らかにこっちに向かってきている!!」
そう思った瞬間、頭上を蟲原が飛ぶのが見えた。焦る東城。しかし、周囲の通行人に紛れて何とかごまかそうとする。
(蟲原は僕の正確な位置まではわからないようだ。このままどこかへ!)
「ついに見つけたぜ!ストーカー野郎!!」
背後から声が聞こえる。丈浄だ。焦りがマックスになる東城。しかし、このまま一般人のふりを続けてやり過ごそうとする。
「テメーだよ!テメーッ!」
そういって東城の肩に手を置く丈浄。東城は完全にばれていると悟った。しかし、とぼけ続ける。
「なにをいってるのか…わからないんですけど…僕がストーカー?何を言ってるんですか?」
「ほう…とぼけんのかい…テメーッ…まだ逃げんのかい?」
「ぼ…僕がストーカーだという『証拠』があるのかッ!?」
「『証拠』?あるんだなぁーッ!こいつがよぉ!」
そういった瞬間、ペインキラーを出し、東城に殴り掛かる。
「や…やめろぉーーッ!!」
東城は後ろに倒れる。しかし、ペインキラーの拳は東城には当たらなかった。いや、当てなかった。目の前で寸止めしたのだ。
「一般人ならスタンドは見えない…だがお前はスタンドを見てビビった…これでスタンド使いであることは確定だな」
「そして、決定的な証拠が…こいつだ」
そういうと、東城のポケットからパンティーを取り出す。
「このパンティーに結構匂いの強い香水をかけた。そして、俺は自分の嗅覚を過敏にすることで香水の匂いをたどった。それから蟲原は体の一部をミツバチに変化させて羽を生やして香水の匂いをたどった。テメーはパンティーを盗った時点で敗北が確定したんだよ。ちなみに、このパンティーは新品でな、女子生徒は使ってない」
「へぇえ!?」
すると、蟲原が降りてきて東城を挟み撃ちにする。
「こいつがそのストーカーってやつかい?」
「ああ…スタンドに反応したこと、そしてこのパンティー。こいつがストーカーで間違いないな。そんでこの感じ、どうやら攻撃型のスタンドではないらしい」
「待ってくれ!ストーカーしたことは謝るからさ!見逃してくれよ!」
「ほう…見逃してほしいと…そんな都合のいい話があると思うのかい?」
ペインキラーを出す丈浄。
「ひぃぃ!!」
しかし、丈浄は殴らなかった。その代わりに東城の頬をつねり痛覚を過敏にする。
「イッタタタタターーーッ!!」
「いいか…今後テメーのスタンドを悪用したり、あの女子生徒に近づいたりしてみな…その時はぶん殴るぜ!」
「は…はい」
こうして、東城はストーカー行為とスタンドを悪用することをやめた。
その日の夜、東城のパソコンに一件のメールが入る。
「情報提供の報酬について」
「差出人:滝沢剛」
⇐To Be Continued
スタンド名-
本体-東城透視(15歳)
破壊力-なし スピード-なし 射程距離-B(半径1km)
持続力-A 精密動作性-C 成長性-C
半径1km以内の他人の視界をテレビのように盗み見ることができる。視界を変更するには手元のチャンネルダイヤルを回してチャンネルを変える。寝ているもの・気絶しているものの視界は見えない。