呪われ男の先生代行譚   作:一般人参

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【悲報】学校始まる【帰らせて】

よりによってエデン条約書いてる時なのマジできつい……まだ補習授業部編すら書き終わってないことをここに申告しておきます。

ついでに作者はロリコンではないことも申告しておきます。

カケルくんは知りません。


幕間:私はロリコンではありません②

ゲーム開発部の危機も乗り越え、いつも通りの日常が帰ってきた後のこと。

 

今日俺は、みんなとゲームをするために部室を訪れていた。

 

「来たよー」

 

「あ、先生がポップしました!」

 

「その言い方は違くない?」

 

「いらっしゃい、先生!」

 

みんな……と言っても、今日はモモイとアリスしかいないけど。二人に暖かく出迎えられ、座布団に座らされる。

 

「今日は一緒にゲームするらしいけど、何のゲームをやるんだ?」

 

「ふふ、先生。このゲームはわかるかな?」

 

モモイがとあるゲームのパッケージを見せてくる。

 

「ああ、アリスとモモイがよくやってる」

 

「そう!先生には今回これをやってもらうよー!」

 

「わかったけど……なんか、テンション高くない?」

 

「ふふ、気になる?それじゃあちょっと待ってね……」

 

モモイが部室の出入り口に近づき、その扉を閉めたら「ガチャリ」という音が……ん?

 

「それでは、題して!「全レイドボス倒せるまで出られない部屋!」スタートぉ!」

 

「は?」

 

瞬間、俺の座ってた座布団が変形し、俺に何か注射した。

 

「は???」

 

「それじゃあアリス、説明しちゃって!」

 

「はい!「全レイドボス倒せるまで出られない部屋!」は、文字通りこのゲームの全レイドボスを倒せるまで出られない部屋です!先生にはこれから条件をクリアするまで、この部屋から出ることは許されません!」

 

「……ちなみに、座布団関連の説明は?」

 

「その座布団は、お馴染みエンジニア部の発明品で、本来はペットとかを逃さずに、一瞬で予防接種とかするために作られたものらしいんだけど……今回は特別に、先生にこの部屋から離れたら警報がいく装置を注入するために使ったよ!」

 

「用意周到ー。部屋から出たのがバレたらどうなるの?」

 

「C&Cが一ヶ月間毎日シャーレを訪れて、先生を「お仕置き」するらしいよ」

 

「そうか。今回のことを計画したのは?」

 

「もちろん私とアリスだね!」

 

「二人ともこれ終わったら説教ね」

 

「ふっふっふっ……先生、私がそんなこと想定しないとでも思った?」

 

自信ありげに笑うモモイ。アリスも隣で同じように笑っている。可愛い。

 

「今回、先生が下手な動きをしなければ、私とアリスが協力するよ。逆に言えば、説教しようとしたりすると、私たちは協力しない!だから先生は私たちに危害を加えることはできないのだ!」

 

「な、なんだってー!」

 

で、いいのだろうか。実際その気になればソロで全部やれるけど……まあ、乗ってあげるとしよう。

 

「くっ、まさかこの俺が封じ込められるとは……」

 

「はっはっは!思い知ったか先生め!」

 

「今日のアリスたちのジョブは悪の大魔王です!わっはっは!」

 

すっごく悪い笑い方だぁ。怖すぎて体震えてきた。

 

「そういうわけて、先生。私たちといっぱいゲームしろ!」

 

「既に部屋は立てています!最初は一番優しいところからいきましょう!」

 

「わかったわかった。そんな急かさないの」

 

と、いうことで。本来1、2時間遊んだら帰るつもりだったのだが。急遽全レイドボスを倒すRTAが始まった。

 

「……ところで、なんでこんな強引なやり方したの?言えばいくらでも付き合うのに」

 

「分かってないなあ先生は。こういうことにこそ、面白さはあるんだよ!」

 

「サプライズパーティーは人を喜ばせる最も効率のいい手段の一つです!」

 

「言い方」

 

まあ、いいか。このゲームは初めて遊ぶが、はてさてどれくらいでクリアできるか……

 

 

 

三時間後

 

 

 

「よーし!撃破ぁ!後一体!」

 

「な、なにいぃぃぃっっっ!!!???」

 

最初こそ苦戦したが、中盤あたりから慣れてきて一桁回数の試行でボスを撃破できるようになった俺は、破竹の勢いで突き進み、ついに最後のボスだけとなった。

 

「先生の戦闘力、測定不能です!」

 

「くっ、スカウターが壊れてるに決まってるよ!」

 

「どうやら貴様らは俺の力を甘く見過ぎていたらしいな……この程度なら、最後のボスとやらも大したことなさそうだ」

 

「先生がベ●ータみたいになってる……!?」

 

「……まだです。今のボスは四天王の中でも最弱、というやつです!第二第三の四天王が先生のことを迎え撃ちます!」

 

「後一人しかいないけど!?」

 

珍しくモモイがツッコミに回っている。俺たちは止められないぜ!

 

「早速最後のボスを征伐に出かける。後に続けモモイ、アリス!」

 

「はい……」

 

「なんか聞き覚えがあるような……」

 

部屋を立てて、みんな入ったなら早速ボス戦スタートだ。出てきたのは、いかにも大魔王といった風貌のモンスター。

 

「よし、さっさと倒そう」

 

「うぐぐ、こうなったら足を引っ張ってでも……いやでも、ゲーマーとしてそれは許し難い……!」

 

「先生、まずあのボスには時間制限があります。ボスは段々とバリアを広くしていって、そのうちアリスたちを圧死させてしまうのです!」

 

「嫌な攻撃方法だなあ!対処法は?」

 

「高火力でさっさとバリアを破壊することです!」

 

「よーし終わった!俺の武器デバフ特化なんだよ!」

 

文句言ってもしゃーないし、攻撃はする。というか二人はちゃっかり攻撃特化にしてんなアレ。協力しろよ。

 

敵の攻撃を避けながらバリアを削る作業。最初は避けるのに苦戦してたが、そのうち簡単に避けられるようになってきたので少し暇になってきた。

 

「何で先生そんな避けられるのぉっ!?初見だよね!?」

 

「パターンじゃんこれ。じゃあ一つ一つ避けてくだけでしょ」

 

「それが難しいんじゃん!!」

 

「でもアリスも簡単に避けてるよ?」

 

「そのような攻撃……アリスには遅すぎます!」

 

「え、これ私がおかしいの!?」

 

必死に避けてるモモイを横目に、俺とアリスは雑談する。

 

「こういうバリアってよく見るけどさ。実際これって何なんだろうね」

 

「先生は作れないのですか?」

 

「エネルギーフィールド的なやつはできるけど、こういう物理的なのはできないんだよね。能力かなんかなのかなあ」

 

「アリスの知識によれば、エネルギーというのは物質に変換できるらしいです。だから、それを応用してるのではないでしょうか」

 

「へぇ、そんなことできるんだ」

 

エネルギーを物質……俺もできたりするのかな。試しに呪力をなんかいい感じに操作してみる。

 

……なんか違うなあ。プロセスを踏まないといけないのかな。こう、呪力を集めて、その塊から少しずつ滲み出す……

 

そうすると、俺の真正面に黒い壁ができた。

 

「うおあ見えねえ!?」

 

「先生!?何ですかそれ!?すごいです!!」

 

「うわあなにこれえ!?」

 

その後、全員が一時的にゲームを操作しなかったせいで初見突破はできなかった。その後四回目で倒した。ラスボスとしては期待外れだったぜ。

 

「くっ、まさか本当に全レイドボスを倒すとは……しかも三時間ちょいで……」

 

「モモイ。悪いけど早く出してくれ。俺は俺の新しい力を試してみたい」

 

「アリスもついていきます!」

 

「じゃあ私もついてく……それじゃあ、はい。警報装置は無効化したよ」

 

「よっしゃ我慢できないぜ行こう!」

 

「トレーニング場に移動します!」

 

「わあ、待ってよ二人ともー!」

 

ほどほどの速さで駆ける俺たち。走り続けて、誰も住んでない廃墟地帯にやって来た。

 

「よし、それじゃあもう一回試してみるか」

 

さっきのイメージを思い出す。一つ一つ、手順を踏んでいく感覚……

 

「バリアが出現しました!」

 

「おお……すごい、本当にバリアみたい!」

 

先ほどと同じ、正方形の形をした真っ黒な壁。

 

「まさかこんなことができるとは……」

 

言いながら、壁に触れる。

 

向こうも、アリスが興味津々のようで、これに触れようとして……

 

「わっ、すり抜けました!隠し通路の壁みたいです……」

 

「あれ?」

 

「先生は触れてるのに、アリスは触れてない?」

 

「アリスには、資格が無いということですか!?」

 

ガーンとなってるアリス。その横でモモイも試してみて、すり抜けていたので特にそういうわけでは無いらしい。

 

違いがあるなら……呪力を持ってるか否か、とか?もしくは神秘の方か?いや男女の差もある……なんで俺が出したものなのにわからないんだよ。

 

俺ならわかるはず……と、集中してそれを解析してみる。最初はわからなかったが、そのうちそれの成立に必要な条件とか、なんか色んな情報を理解できた。

 

これなら……こういうのもできるかな。形とサイズを整えて、条件を足し引きして……

 

「ほいっ」

 

オレの手の中に、ナイフ状のそれを出現させる。完全に真っ黒なナイフだ。

 

「わあ、ブラックシャードですか?」

 

「すごーい!形を色々変えられるんだ!」

 

「それだけじゃないよ……多分、これなら」

 

近くにあった廃ビルに投げつける。ナイフは直線に進んでいき……ビルの壁に当たって砕けた。

 

「え!?実体がある!?」

 

「やっぱいけたな」

 

呪力を持たない物に干渉できるが、呪力を持つ物に干渉できない。という条件で成立させてみた。

とはいえ元の硬さが足りないな……実戦投入はむずそうだ。

 

「先生!アリスもバリアを触ってみたいです!」

 

「はいよー」

 

正面にでかい立方体状のバリアを出現させる。

 

「見た目通り、ツルツルしてて冷たい……」

 

それからも色々と試してみた。めちゃくちゃデカくしたり、逆に小さくしたり。星の形を作ったり、彫刻を作ってみたり。

 

ちなみに彫刻はホシノとカイザーのなんちゃら、一つずつ作ってみた。どうやら形は完全に俺の想像に基づくらしい。酷い出来になったカイザーの彫刻を見てモモイがめっちゃ笑ってた。

 

『これ……ふふっ、ふはははは!豆腐、豆腐だよっ!黒いのに豆腐……あははははは!』

 

笑いすぎじゃない?

 

逆にホシノはすごく本物そっくりにできた。二人に写真と彫刻を比べさせたら、「一致率100%です!」とアリスから言われた。

 

話が逸れたな。形以外だと、条件とかも色々試してみた。その過程で気づいたのだが、バリアの条件に神秘とかは組み込めなかった。どうやら呪力にまつわるものしか条件付けできないらしい。

 

何となく、神秘は呪力と同カテゴリーかと思ってたのだが、どうやら違うらしい。もしくは認識に問題があるのかも。

 

鳥に翼があるように、魚にエラがあるように、キヴォトスの生徒には神秘がある……だから、呪術関係というよりも肉体関係に分別されるのかもな。

 

俺が神秘を全て失って、無制限の呪力出力を得たのもそれなら理解できるしな。

 

色々と考察していると、モモイが声をかけてくる。

 

「それにしても、先生はすごいね!天才だよ!」

 

「ん?そうかな」

 

「そうでしょ!だって、さっき習得した力をここまで使いこなせてるんだよ!?めっちゃ天才じゃん!」

 

「うーん。まあ、それはそうかもしれないんだけど……」

 

天才という言葉にあまり良い印象はないなあ。

 

「ま、いっか。十分にテストもできたし、そろそろ戻ろう」

 

「クエスト完了ですね!」

 

ということで、アリスとモモイを送ってから、俺はシャーレに帰る。

 

しかし、ただゲームをするだけだったのが思わぬ拾い物だったな。ゲームは、俺に足りない想像力をくれる……今回はアリスのおかげもあるけど。

 

「ありがとな」

 

「?」

 

頭を撫でてみる。アリスは最初こそポカンと口を開けてたが、だんだん笑顔になって「もっと撫でてください!」と言ってきた。

 

それを見てモモイも「私も撫でて撫でてー!」と寄ってくる。部室に帰るまで二人を撫で続けた。

 

そして部室前にたどり着いたのだが……

 

「お」

 

「あ」

 

「ひえっ、な、何でここに!?」

 

「ち、チビメイド様が現れました!」

 

「誰が!チビメイド様だ!!」

 

扉の前にネルがいた。二人は完全にトラウマなのか、俺の後ろに隠れてしまった。

 

「どうしたんだ?」

 

「いや、今日は先生が来るって聞いてたからよ。警報装置が切られたら、すぐ会いに来るつもりだったんだ」

 

「え、じゃあごめん。めっちゃ外出してた」

 

「んなこたぁ見りゃわかる。何してたんだよ」

 

「何というか……鍛錬?」

 

「……へえ」

 

ネルが好戦的に笑った。

 

「で、俺に用事があるってことは……ああ、なるほど」

 

前、呪力放出……ネルの場合は神秘の放出か。それを教えるって言ったんだっけ。

 

「じゃあ……そうだな。モモイ、アリス。ここでお別れだ」

 

「先生、死んでしまうのですか……?」

 

「違う違う。ネルに付き合うだけだから。また一緒にゲームしような」

 

最後にもう一回頭を撫でる。

 

「……」

 

「じゃあ、行く……どうした?」

 

「ん。いや、何でもねえ。さっさと行こうぜ」

 

「?」

 

よくわからないが、まあいい。モモイとアリスとお別れを告げ、ネルについていく。

 

そのうち、前戦った廃墟地帯……っつーかさっき俺たちがいた場所に戻ってきた。

 

「そんじゃ、早速教えてくれよ。ここなら何しても問題ねえはずだ」

 

「了解。それじゃあ……どうしよ」

 

普通、生徒は神秘を意識して操作することはない。無意識のうちに偏ったりすることはあるが、意識的に動かせる生徒となればホシノぐらいだろうな。

 

そのホシノも、最初は俺から神秘を知覚させられてようやくって感じだったし。まずは神秘を感じさせるところからだな。

 

とは言え、前は神秘を直に流し込んで知覚させたが、今回はそうもいかない。無いものは放出できないからな。となれば……

 

「ネル。ちょっといいか」

 

「?おう」

 

「じゃあ失礼して……」

 

その頭に手を置く。それから術式を──「おああっ!?」……手を振り払われた。

 

「おま、バッカ急に何してんだ!?」

 

「え、ちょっといいかって聞いたじゃん」

 

「急に頭撫でられるとか思うわけねーだろ!」

 

「?いや、俺の力を使うつもりだったんだけど……」

 

「あ?あー、そうなのか……ってなるわけねえだろ!じゃあ何で頭触ったんだよ!頭以外でもいいだろ!」

 

「……確かに」

 

「マジで言ってんのか……?」

 

別に頭じゃ無くていいな。盲点だった……

 

「……それじゃあ、腕を触っても?」

 

「……おう。ぜってーそこ以外は触んなよ」

 

今度はちゃんと確認したので、ネルの左腕に触れる。そして、術式をできるだけ小さい出力で発動する。

 

「……ん?なんか、何かが奪られてる感覚があるよーな……」

 

「その何かが、ネルが次の段階(ステージ)に進むために必要な力だ。その力を完全にものにする……とまではいかないまでも、意識的に使えるようにならなきゃいけない。ということで、まずはその力が出ていかないように制御してみて」

 

「なるほど……?」

 

それから、ネルが目を閉じて集中する。最初こそ何も起きなかったが、数分すると神秘を少し奪いづらくなった。

 

「……よし。一旦中断」

 

「っ、はあ……よくわかんねえな。上手くできてんのか?」

 

「ちなみにめちゃくちゃ才能あるよ。この速度で多少なりとも操作できるようになるのは結構ヤバい」

 

「ならいいんだけどよ……」

 

「何となく、自分の中にある神秘がわかるか?」

 

「神秘?」

 

「今使おうとしてる力のこと。で、わかる?」

 

「んー……微妙」

 

「じゃあもう一回」

 

何回か同じことを繰り返し、そのうち低出力の術式では奪えなくなるほど、神秘を操作するのも上手になった。

 

「よし。こんなもんか」

 

「おお……なんか、わかるようになってきたぜ」

 

「じゃあ、神秘を……そうだな。あっちの廃ビルに向かって放出することはできるか?」

 

「おう、任せろ!」

 

そしてネルは手のひらをそっちに向けると、神秘を操作し始める。手のひらに光ができ始めた。

 

「いくぜ!!」

 

そして、かなり太いビームが放出された。その一撃は見事に廃ビルの壁を消し飛ばし、廃ビルが崩れ落ちていく。

 

「おお。すごいな。マジでできるとは……ただ、大丈夫か?」

 

「……ヤバい。めっちゃ疲れた」

 

「だよな」

 

基礎は上々ではあるな。後は出力の調整や、より滑らかに神秘を回せるようになれば、一人前ってとこか。

 

「……先生は、こんなもんを動作の補助に使ってんのか……」

 

「正確に言えば、俺の場合攻撃に転用すると威力高すぎて人殺せるから、動作の補助にしか使えない」

 

「なるほどな……」

 

「怖気付いた?」

 

「バカ言うなよ。面白くなってきたところだろ……!」

 

……少し尻込みしたかと思ったけど、杞憂だったか。

 

「ただ、今日はここまでかな」

 

「は!?何で!?」

 

「気づいてないかもしれないけど、今のビームでざっと半分ぐらい神秘持ってかれてるよ。もう一回やっても同じ結果になるだけだと思うし、それなら別のトレーニングでもやってもらおうかと」

 

「別のトレーニングぅ?」

 

「そう。具体的に言えば、神秘を常時体の中で動かし続けてみて。そうすれば、より速く動かせるようになって、肉体強化や放出が素早く行える」

 

「ふーん?聞く分にゃ簡単そうだが……」

 

「まあやってみな」

 

言われるままに、ネルが体の中で神秘をぐるぐる回し始める。止まってる間は特に問題無さそうだったが、こっちに顔を向けた瞬間、その流れが大きく乱れた。

 

「っ!」

 

「今感じてると思うが、体を動かすのと神秘を動かすの、両方とも意識的にやるのはクソ難しい。ただ当然、これぐらいできないと話にならないから、まあ頑張ってね」

 

「……なんか、さっきから口調が粗暴になってねえか?」

 

「あー……悪い。少し昔の気分に浸ってた」

 

「別にいいけどよ」

 

いやー、本当に懐かしい。ホシノに教えた時は……あいつ本当にヤバかったな。

 

『そう、それじゃあ神秘を操作しながら体を動かせるか?』

 

『こうですか?』

 

『キッショなんでできるんだよ』

 

『は?』

 

『ちょっ、しかも普通に拳に神秘集中させてるし……え、マジでどうなってんの?』

 

『知りませんよ……できるものはできるんですから』

 

……マジで何なんだあいつ。異常にも程がある。

まあいい。

 

「じゃあ、そのまま学校まで帰ってみようか」

 

「……マジか」

 

「本気と書いて大マジだよ。大丈夫、隣にはついてるよ」

 

それから、しばらくは赤子のように一歩ずつしか進めなかったが……そのうち、慣れたのか普通に歩けるようになり、帰る頃には雑談しながら歩けるようになってた。この子も多分化け物側なんだろうな。

 

「……そういやよ、先生」

 

「ん?どうした?」

 

「さっきゲーム開発部の奴らと帰ってきた時、あいつらの頭撫でてたよな」

 

「やってたね」

 

「何で?」

 

「何で……?」

 

何でって何?

 

「……何と言うか、何だ?ありがたかったから?」

 

「ふーーーん……」

 

何か意味ありげなふーん、だ。一体何を考えてるんだ……ハッ。

 

「なるほどな。ネルも撫でて欲しいならそう言えばいいのに」

 

「は?」

 

「ほら、近くにおいで。頑張ったご褒美だ」

 

ちょいちょいと手招きする。

 

「いや、あたしは………………まあ、おう」

 

最初は何故か渋る様子を見せていたが、そのうちこちらに近づいてきたので目一杯撫でる。

 

「よーしよし。ネルはすごい子だ。この調子ならすぐにでもマスターできるよ」

 

「あんま子供扱いすんなよ」

 

「あれ、お気に召さなかったか」

 

なら……そうだな。

 

「……早く俺に追いついてこいよ?」

 

「!……おう、言われずともすぐに追い越してやんよ!」

 

正解だったらしい。いい笑顔を見せるネル。ずいぶん頼もしいことだ。

 

適度に撫でた後、手を離す。ネルも満足そうだし、よかったよかった。

 

「それじゃ、歩くのはもう大丈夫そうだし……今から俺とミレニアムまで競争な」

 

「おう、まずは一勝もぎ取ってやるぜ」

 

「やれるもんならな……それじゃ、よーい」

 

ドン、の声と共に二人で走り出した。

 

そうして、今日もまた過ぎ去っていくのだった……

 

 

 

 

 

ちなみに俺が勝った。

 

「だークソッ!次は勝つからな!」

 

「期待してるよ」




今日のゲーム開発部

「こんにちはー……あれ、珍しく誰もいない?」

「……こ、こんにちは」

「あ、ユズ。今日もロッカーは調子いい?」

「?」

「?」





「格ゲーか。ユズはこれが得意なの?」

「はい。ゲームの中では一番上手だと思います」

「ほえー。それは楽しみだな」

「えへへ……」





「???」

「ごめんなさい、先生……手加減はできませんでした」

「何だ今の。すごいびっくりした」

「……その。やっぱりこれやるなら、私以外とやった方が……」

「え、嫌だけど。ユズのテクニック教えて?」

「!……はい!」





「……」

「……」

「ただいまー……って、先生とユズ?」

「……」

「……」

「何してるの……って格ゲーか。二人ともガチだなあ」

「……あっヤベ」

「……!」

「あー。先生が……これでラウンド3に……ラウンド3?え、先生ユズから1ラウンド取ってる!?」

「モモイ静かにしてくれ。今初めて勝機が見えてる」

「かかってきてください」

「今度こそ勝つ」

「ど、どうなっちゃうんだ……!?」





「負けたー!」

「……私の勝ちです。対戦ありがとうございました」

「くっ……対戦ありがとうございました……」

「すごいものを見た……あ、今の動画撮ってミドリとアリスにも見せればよかったなあ」

「モモイ次やろ?」

「嫌だよ!?ユズから1ラウンド取れる人と戦いたくない!」

「所詮モモイは敗北者か……」

「カッチーン。誰が敗北者だって〜!?」

「口でカッチーンって言ってる……」





呪術のアニメすごく好きです(語彙力消失)直哉が一番よかった。

これからも楽しみだなあ。毎回感想書きたいし毎週金曜は必ず投稿したい……
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