課金の準備は済ませたか?神様にお祈りは?部屋の隅でガタガタ震えて天井拒否する準備はOK?
まあ俺はまだ本格的に引きはしませんが。リオ、ヒマリが推しの方は上述した準備をしておきましょう。
本日。合宿四日目。天気は大雨の雷付き。
控えめに言って最悪の天気だが、現在の状況はそれよりも最悪だ。
現在、俺の目の前にいる補習授業部四人は、全員水着姿。ついでに付け足すとここは体育館だ。
まあ待ってくれ。ヴァルキューレに通報するのは事情を聞いてからでも遅くない。なのでどうか通報しないでくださいお願いします。
ここに至る状況をできるだけ分かりやすく説明すると……まず、昨日洗濯物を外に出していたせいでみんなの服が濡れて全滅した。おまけに取りに行った時、パジャマとして着ていた体操着も濡れたので、全員服が下着類か水着しかない事態に。
とはいえ、急いで洗濯機を回せばいい……はずが、落雷により停電が発生。洗濯もできず、電力が復旧するまで水着姿で過ごすことになったというわけだ。
こんな状況では勉強しようにも集中できないだろう……ということで、現在は仕方なく雑談会……ハナコ命名「水着パーティー」をやっている。
なお、俺は後で洗濯するつもりだったのでいつもの仕事着のままだ。肩身が狭い。
本当は水着パーティーに参加するつもりはなかったのだが……ハナコから「先生ともいっぱい話したいです♡」という恐らく本音の発言を受け、仕方なくここにいる。
「先生は水着を着てこないのか?」
「いや、俺はいいって。せっかく仕事着が無事だったんだから」
「でも、それだと仲間外れみたいで……何だか嫌ですね」
「なんかこの流れ知ってるよ俺!初日にやったでしょって!」
「ヒフミちゃんもコハルちゃんも。先生の水着姿、また見たいですよね?」
「……見たい、です」「見……いや、違くて!私たちだけ水着姿なのが、不公平なだけだから!!」
「全会一致ですね♡」
「ちくしょうめ」
着替えました。
「じゃあ改めて……水着パーティー、始めましょうか」
そういうわけで、それから色んなことを話した。
「そういえばいまトリニティのアクアリウムで、「ゴールドマグロ」という希少なお魚が展示されるらしいですね」
「あ、私もそれパンフレットで見ました!「幻の魚」と呼ばれているんですよね?」
「はい、どうやら近くの海で発見されたとか。見に行きたいのですが、入場料も安くないので……」
……ホシノを連れてったら喜ぶな。間違いない。
「……先生、今誰のこと考えました?」
「え?」
「は、ハナコちゃん?いきなりどうしたんですか?」
俺なんかした?
「それで、とっくに潰れたアミューズメントパークなのにも関わらず、夜になると何やら騒がしい音が聞こえてきて……」
「そ、そんなわけないじゃん!聞き間違えよ!」
「まあ、私もそういう噂として聞いただけですが……先生?今お体が震えましたね?」
「さっきから俺のこと見過ぎじゃない???」
「もしかして……先生も怖いのですか?」
「はあ!?先生がこんなの怖がるわけないじゃん!」
「何でコハルが弁護してるの?」
「実際、どうなんですか?」
「……ちょっと怖い」
「!?」
「どうやらキヴォトスのどこかの無法地帯では、水着姿で覆面を被っている犯罪集団があるらしいですよ?」
「み、水着に覆面……!?ド変態じゃん!?なにそれ!?っていうか「犯罪集団」なんじゃん!そんなの何もしてなくたって、見た目からしてすでに犯罪よ!」
「……先生、今少し反応したな?」
「ハナコが変なことするからアズサが真似し始めた……」
「ヒフミも、何か隠していることがありそうな反応だ」
「えっ!?」
「……まさか、ヒフミちゃんが補習授業部に入れられた理由って……」
「ひ、ヒフミ!?もしかして、本当にそんな変態集団がいるの……!?」
「ち、違いますよ!?」
「え?」
「え、あ……」
「ヒフミ、動揺しすぎ。本当にそんな集団いるわけないでしょ」
「そ、そうですよ!ただの噂です!」
「そ、そうだよね……そんな明らかに頭のおかしい集団、いるわけないよね……」
「そういえばアズサ。最近、寝れてないって聞いたんだけど」
「……うん。実は、毎晩夜中に見回りをしてて」
ホシノみたいなことしてるなあ。
「先生」
「どうしたんだハナコ。そう言えば、ハナコが一番アズサを心配してたよな」
「……そうなのか?……ごめん」
「え、いえいえそんな……」
よし。
「実は、見張りは言い訳で……ブービートラップとかを設置してたんだ」
「待って、それで思い出したけど昨日のことまだ説教してなかった」
「でも先生。これは侵入者から身を守る上でとても大事なことなんだ」
「言いたいことはわかるけど、せめてトラップの位置ぐらいは俺たちに共有しよう」
「……それはそうだ。ごめん」
「ちゃんと謝れるのは偉い」
「私のせいで、先生とみんなが被害を受けるのは望むところじゃないから」
「本当にアズサはいい子だな。頭撫でていい?」
「なっ……こ、子供扱いしないで、先生」
「あれ?でも、アズサちゃん昨日先生に普通に頭撫でられてませんでしたっけ……?」
「あれは……先生が、速かったから……」
「というか!先生はどうしてすぐに人の頭撫でようとするの!?エッチなの!?死刑なの!?」
「いや、なんか……何だろ。癖なのかな……」
「……先生、私のあそこも撫でてみますか?」
「エッチなのはダメ!死刑!」
「コハルちゃん。あそこ、だけではどこか分からないでしょう?だからまだエッチとは限りません……」
「……じゃあ、あそこってどこなのよ?」
「それは当然……女性の敏感な「死刑!!!」
この二人は仲がいいなあ。相性がいいとも言える。見ていて微笑ましい。
……?
「アズサ?どうした、そんなに暗い顔して」
「いや……私は、本当にそんなのじゃないんだ」
なんか、空気変わったな。
「だってこの世界は、全てが無意味で、虚しいものだ。だから、もしかしたら……私はいつか裏切ってしまうかもしれない……みんなのことを、その信頼を、その心を」
……もしかして、アズサは……
その瞬間、ちょうど電気が復旧した。いつの間にか雨も止んでいる。
それから、改めて洗濯をして……今日ぐらいはいいだろう、ということです今日は休息日になった。
そして今日という日が終わ「いいえ、まだです!このまま一日が終わりだなんて、そんな勿体ないことはさせません!」字数的にもここで終わると困る。現在2500文字です
ハナコが突然叫んだ。一体どうしたんだ。何か見えないものでも見えてるのか?
とにかく、何やら物足りないらしいので……合宿所を抜け出して夜の散歩をすることになった。ちなみに校則違反。
「先生もいいですよね?」
「いやいや、校則違反だって。俺もついていくよ。そしたら弁解はできるでしょ?」
「流石ですね……」
ハナコが手を出してきたのでパァン!とハイタッチ。よっしゃ行くぜ。
「いやいやいや!先生!?ちゃんとルールは守らなきゃダメでしょ!?」
「コハル。人には動かなきゃいけない時があるんだよ……そして、それは今だ」
「そんなわけないでしょ!?」
「準備はできた。もうすぐにでも出発できる」
「アズサちゃん!?いつの間に着替えて……!」
「もう誰も止められないね」
「それでは行きましょう……深夜の、裸散歩……!」
「さりげなくすり替えないで!!服は着ろ!!」
ということでレッツゴーだ。
やって来ました。トリニティの歓楽街。
深夜帯ではあるが、開いている店はそれなりにある。思ったよりも活気があるな。
雑談をしつつ歩き続ける。今の話題は、正義実現委員会の副委員長、ハスミのこと。
何やら怒るとすごく怖いとは聞いている。一度ゲヘナに対してとんでもない怒りを露わにしたことがあるらしい。一体何があったんだろうと聞いてみる。
……ゲヘナとの会議の際、デカ女と言われたから?それ以来ずっとダイエットしてる?
「……女性って、難しいよな」
俺には理解できないよ。別にデカくてもいいじゃん。それも個性の一つでしょうに……
「……先生。今のうちに言っておきますが、女性と話す際は絶対に体重や体型に関して口にしてはいけませんよ」
「ハナコは俺を何だと思ってるの?」
それは一回痛い目見てるんでもうやりません。
『そういえばホシノって何でそんなに小さいの?』
『は?』
『え?あ、ちょっと待って何でそんな全力で振りかぶ──』
……妙だな。なぜか傷が痛む気がする。あれから二年経つし反転できるようになってから念入りに治したのに……
まあ、とにかく俺は本気で怒った女性の強さを知ってるのでそんな失言はしない。はず。
ちなみにハスミはそれ以来ずっと自分との約束を守れてるらしい。すごいね。
「あ、ここにもスイーツ屋が」
アズサがそう言って、ちょうどそこにあったスイーツ屋を指さす。
……なんかお腹減ってきたな。
ヒフミもここの限定パフェが食べたいとのことで、全員で入ることになった。
中はなかなか綺麗……というか、トリニティらしく豪華だな。
それから限定パフェを注文しようとしたのだが、どうやらもう無いらしい。残念。
「……あら?せ、先生……?」
「ん……?あ、ハス、ミ……?」
声をかけられた方を向くと、席に座っているハスミがいた。その机の上には限定パフェと思わしきものが三つ……
「ハスミ……?確か、ダイエット中じゃ……?」
「こ、これはですね、その……」
「はい、心中お察しいたします。真夜中に襲ってきた悪しき欲望に導かれて、ここまで来てしまったのですよね?」
「え……!?い、いえその……」
ハナコの追撃。ハスミにいっぱいダメージが入った。
「そうして欲望のままめちゃくちゃにしてしまった後、理性を取り戻した頃にはもう取り返しがつかないほどに乱れて……」
「ストップハナコ。それ以上はオーバーキルだ」
それ以上はヤバいと思う。
ハスミは一度こほん、と息をすると、自分のことを棚上げして補習授業部って合宿中の外出禁じられてませんでした……?と聞いてくる。
「実はスイーツ屋の資料が欲しくて……」
「テストにそんなものは出ないはずですが……」
「何だって。騙したなヒフミ」
「……え!?私ですか!?」
「ま、冗談は置いておいて。ここは互いに見なかったことする……でどう?」
「……そうですね。そういうことで」
交渉も済んだところで、ハスミがコハルに話しかける。いい先輩だなあ。
「コハルは最近すごい成績が良くなってるよ」
そう言えば、コハルは恥ずかしそうにしている。頭について羽が顔を隠すように動いた。何それすごい。
それから、ハスミがコハルを誉めまくり、それにコハルが顔を赤らめながら喜ぶ、という微笑ましい光景が見れた。
が、そんな折。ハスミの電話が鳴る。ちなみに俺は既に今日は電話するの遅くなるとメッセージを入れたのでセーフだ。
話が勝手に聞こえるので、聞いてみると……美食研究会が暴れている、ということらしい。
美食研究会とは。ゲヘナの中でもヤバい方の部活である。一度ゲヘナに訪れた際関わったことがあるが……クレイジーだったとだけ言っておく。
ただでさえ今ゲヘナとトリニティはエデン条約の諸々でピリピリしてるのに、こんな事まで起こされては結構まずい。更に言えば、例え美食研究会を鎮圧しにかかったとて、正実がゲヘナを攻撃したとかいう噂が流れるのもまずい。
ということで、俺たちも協力することになった。シャーレの名の下なら基本どんなことも許されるのだ。
改めて文字通り無法すぎるなシャーレ……
「そういえば、しっかり先生の指揮の下で戦うのは初めてか。遠慮はいらない、先生。私のことは存分に使って」
「そういえば俺も指揮するの久々だな……」
「ちょっと!?だ、大丈夫なの!?」
「ま、大丈夫だよ。信じてるからね」
「?」
シッテムの箱が淡く光った気がした。アロナもやる気満々だ。
「それじゃあ、行くか」
そういうことで、ハスミ含めた五人を指揮する。
美食研究会の元に辿り着くと、全員で一斉に攻撃を始める。圧倒的な火力を前に、彼女たちが手にしていたゴールデンマグロは天ぷらになった。
そのうち、美食研究会の四人は、応戦を不可能と考えたのかバラバラに逃げ始めた。
とはいえ、この戦いには正義実現委員会のほとんどが出てきている。そのうち捕まるでしょう。
予想通り全員捕まったそうで、本来なら正実が処遇を決めるらしいのだが……今は時期が時期ということで、ゲヘナの風紀委員会に渡されるらしい。
また、その際の受け渡し役は俺が務めることになった。そっちの方が政治的憂慮が減るとのことなので、当然快諾した。
と、いうことで。トリニティとゲヘナの境目である巨大な橋で風紀委員会を待つ。
そのうち、風紀委員会が……違うなあれ。救急車……何で?
救急車は、俺の目の前で止まった。そして中から人が出てくる。
「……お待たせしました、死体はどこですか?」
「死人ならいませんけど……」
というか死体を運ぶなら相場は霊柩車では?
「……失礼。死体ではなく負傷者でしたね。たまに混同してしまって」
「ええ……」
というか、見たことない子だ。風紀委員会ではないと思うけど……
納品リストを確認している彼女。新鮮な負傷者三名と人質一名と言ってるが、もしかして腐るタイプの負傷者とかもいるの?
「……ところであなたは?正義実現委員会ではなさそうですが……?」
「ああ、俺は──「その方は、シャーレの先生」……お?」
ずいぶん聞き馴染みのある声だ。救急車から出てきたのは、ヒナだった。
「ヒナ。久しぶりだな」
「ええ、本当に久しぶり……ところで、ここで何をしてたの?」
「この方が……よく風紀委員長が話題に──「セナ」
何か言おうとしたセナというらしい彼女を、ヒナが止めた。
「……まあ、実はかくかくしかじかというわけで」
「なるほど。政治問題にしないために……確かにそれはこっちも同じ。だからこそ、公的には今回風紀委員会ではなくこっちの「救急医学部」が来たってことになってる。私は基本的に、ただの付き添い」
「……救急医学部の部長、氷室セナです。以後よろしくお願いいたします、先生」
「ああ、よろしく頼む……しかし、互いに面倒だな」
「そうね……救急医学部はゲヘナの中でも、特に政治的な部分に関わりが薄い立場にいる。だから今回、こうしてお願いしたの」
なるほどね。とはいえ個人的な関係は二人にあるようだ。仲が良さそう。
「とにかく……美食研究会はこの中?」
「うん。じゃあそっち移すね」
ということで。トラックに乗せてきた美食研究会たちを救急車に入れていく。というかなんか一人足りてないような……まあいいか。
移送している最中、美食研究会の部長、ハルナが俺に挨拶をする。
「色々配慮していただきありがとうございます、先生。今度ゲヘナにいらした際には、何か美味しいものでおもてなし致しますね」
「それは嬉しいけど……あんま人に迷惑かけちゃダメだぞ」
「うふふふふ……」
「笑って誤魔化さないの」
そうして全員救急車に乗せ終え、向こうはいつでも発進できる。が、ヒナは俺に用事があるらしい。
「とりあえず、仮面を外してもらえるかしら」
「……」
と言うわけで取る。ヒナは最近ホシノと同じようになってきてるからな……
「それで、カケル先生……トリニティで、何をしてるの?」
「補習授業部ってとこの担任を……」
「それはもう知ってる。色々と情報は入ってきてるから……主に小鳥遊ホシノから」
「えなんて???」
「気にしないで……私が言いたいのは、この時期にトリニティにいると、まるでシャーレがトリニティに味方しているように見えるということ」
「あー……まあ、ね。何かしら声明は出すべきか」
「そうね。私みたいに先生と仲がいいならまだしも、あまり関係がない生徒は誤解するでしょうし」
「そうだな。ありがとう」
確かにそこら辺は考えてなかったな……周りからの見方、か。
「……ヒナ、少し質問してもいいか?」
「!……もちろん。何でも聞いてちょうだい」
今のトリニティの内情と、この先の展望について話した後、エデン条約をどう見てるのかについて聞いてみた。
……こんなこと、生徒に聞くことでもない気がするが……少し、不安になってるのかも。
わずかな期間のことなのに、だいぶ濃密だ。裏切り者。補習授業部。ミカとの対談。水着パーティー……おまけにその間一切寝てないしな。
「なるほど……結構複雑な状況に……待って。何か今辺な場面が混ざってなかった?」
「気のせいじゃないかな」
「なら、気のせいね……」
ちょろすぎません?将来が心配になる……
まあ一度置いておこう。
「それで、エデン条約なんだけど……アレは実際軍事同盟かな?」
「まあ、興味深い見方だとは思うけど……実際は違うと思う。少なくとも、私はアレをれっきとした平和条約だと考えてる」
「根拠は?」
「エデン条約によって生み出される
「権限が分割されてるから、か」
「ええ。万魔殿のリーダーであるマコトも、ナギサと同様の権限を持つことになるし……それに他のティーパーティーや万魔殿のメンバーもある程度の権限を持てる」
「だから個人の意思で暴走はできない……か。でも、全員が協力したらあり得ることではあるよな」
「理論的にはね。実際そんなことできるなら、わざわざエデン条約なんて締結しなくとも、両学園を統合すれば良い」
「あー、そりゃそうだ。結構頭鈍ってるかも」
「さらに付け足すなら、マコトは誰かと協力なんてできない質だから」
「……ん?じゃあ何でマコトはエデン条約に賛同してるんだ?」
「多分、何も考えてないだけ。ゲヘナ側でエデン条約を推進したのは、私だしね」
「それはまた……どうして?」
「……色々面倒だし、引退するのもアリかなって」
「……なるほどね」
ETOができたら、ヒナに頼らずともゲヘナの治安は良くなるだろう。そうなれば、ヒナが風紀委員長である必要は……まあ、だいぶ薄れる。
「その時は、もっとうちに来れるようになるな」
「……そうね。楽しみにしてる」
「俺も楽しみにしてるよ」
そう言えば、ふっと柔らかく笑ってくれる。少しでも気持ちを楽にできたならよかった。
その時、救急車の運転席でずっと待たせていたセナからとうとう声がかかる。
「風気委員長、まだですか?」
「……ええ、今行く」
そろそろ時間らしい。
「ありがとな」
「……大したことはしてないわ」
そう言って立ち去るヒナ……が、足が止まった。
「……」
そのまま振り向いてこちらを見てくる。
……何して欲しいのか分かった。
「おいで」
手を広げてみれば、待ってましたと言わんばかりの速度で突っ込んでくる。それを受け止め、思いっきり抱きしめてやる。
「本当に、よく頑張ってるよ」
「うん……」
セナがそこにいるからか、今日は控えめだな。
相変わらずのサラサラの髪を撫でて、目一杯甘やかす。
「一緒に頑張ろうな」
「うん……私がんばる……」
「良い子だ」
ちょっとの時間だったけど、充実した時間になったことを祈っておこう。
「……ありがとう、カケル先生」
「切り替えも早くなったよな……」
なんか感慨深いものがある……
「……最後に、先生。一つだけ聞いても?」
「いいに決まってるけど。どうした?」
「補習授業部のことは、カケル先生が守るのよね?」
「もちろん」
「……そう。じゃあ、またね……その、カケル」
そう言って車に乗り込むヒナ。そのまま彼女たちは去っていった。
……もちろん、俺が守るよ。
補習授業部だけじゃない。トリニティの生徒も……ゲヘナも、ミレニアムも、アビドスも。それ以外の、あらゆる学園に所属している生徒も。所属していない生徒も。
必ず俺が守る。
それが俺の役割だ。
次回は金曜日です。いくら周年とはいえ三日連続投稿は
後なんか最近伸び悩んで凹み気味なので性癖展開して自分にバフかけます。
カケルくんが先生と出会えなかった世界の話なんですけど。そしたら大体の場合カケルくんはホシノを幸せにしに動くんですよね。
ただ、この時点でそれやるとブレーキがぶっ壊れて助け方が「ホシノを不幸せにしかねないやつを全員ぶっ殺す」になるんですよ。
違法な借金かけてる奴も、正当な借金かけてる奴も、アビドスにちょっかいかけてる奴も、全員殺す。
ホシノからするとなんか襲撃が来なくなったし、借金も心なし軽くなった気がして、何で二人が死んでからとか、二人の霊が守ってくれてるのかもとか、色々考えて最初は複雑な気分なんだけどそのうち幸福を享受できるようになってくんですね。
そのうち
一方カケルくん。ホシノに害を与える奴、もしくは与えるかもしれない奴をとにかく殺し続けて、その果てにホシノが幸せそうにしてるのを見て彼も久方ぶりの喜びを得るんです。見届けた後何処かに消えようとするんですけど、運悪くホシノに見つかってしまうんですね。
そして逃げるカケルくんと追いかけるホシノ(+先生とアビドスのみんな)。多分数週間ぐらい追いかけっこして、その最中カケルが殺しまくった事実とかを知って曇ってくんですね。
カケルがユメ先輩の死をずっと引きずってること、ホシノのために生き続けていたこと、人殺しの自分を許すつもりがないこと。
それでもカケルを諦めきれなくて、追いかけ続けて、そしてそのうち追い詰めるんです。
自分が許せない故に逃げ続けるカケル。彼に対してどんな罪を犯していようとそばにいてほしいと伝えるホシノ。
一方先生も、罪を犯し続けてしまったカケルにどう向き合うかを考え続けて、一緒に罪を償い続けることで罪に向き合い、自分を許せるようになってほしいと伝える。
それでも折れないカケル。だが追い詰められた彼は勝負で自分を負かせば、認めると言う。
そうして戦いは始まる。
戦い続けて、いつしかカケルも追い詰められ、その希望を見たホシノが微かに先走ってしまう。
そのタイミングでカケルは自分からホシノの攻撃を肉体強化無しに受けて致命傷を負う。
それはカケルの最期の願い。やっぱり彼は自分のことを許せなくて、元から自分から死ぬことは決めていた。ホシノにやらせるような形を取ったのは、歪んでしまった願い事から。
「一生忘れないでくれ」
なんて、死にゆく最中ホシノに伝えて彼はこの世を去っていくんだ。
最期にホシノに
一生消えない傷を負わされたホシノは、その後どうするかな。引きずりながらも前に進んでほしい気がするし……一生動けないままでもいい。なんなら自責の念からもしかしたらテラー化するかもね。じゃあこれがアビドス三章だな。
ちなみにこのルートだと先生も当然えげつない傷を負う。目の前で生徒が死ぬことに先生は耐えられるかな。
カケルくんはIF話を結構多く用意してるんだよね。そもそも出身だって明確には定めてないから、ホシノに出会う前に他の誰かに会って救われてるルートもあるでしょう。いつか書けたら良いな。