未来改変〜本編開始前から始めるダンまち生活〜   作:と、くめい超かぐや姫ロスにより執筆不可中

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土日に書こうと思ってたんですけど。
サッカーとバレーが2日間どっちもあって、時間が取れませんでした。


地獄の足音

少女は走った、地獄を見て、光の消えた目に、父との約束を思い出し、もう一度その目に光を宿した。

 

夜な夜な走り続け、町についたのは早朝頃、十二歳ほどの少年少女達に生きて行く術などあるはずもない、だから少年少女達は大人を頼った、それぞれ親が仲の良かった家に住まわせてもらうことにしたのだ、14歳になったらオラリオに行く、と言う約束をして。

 

 

 

14歳になった頃、オラリオに行く、と言ったのはエフィナだけだった、ほかの子供たちはずっとこの村で暮らしていく、と言って聞かなかった。

 

仕方なくエフィナは一人でオラリオに向かった。手当たり次第に人にオラリオに行くかと聞いて回った。そこで見つけた商人にオラリオに乗せていってもらうことにした。

 

そうしてエフィナはオラリオに来たのだ。父の言ったオラリオに行け、とはエフィナに強くなってほしかったのか、それとも数々の英雄の集う都で安全に暮らしてほしかったのか、今となってはわからない、だが、エフィナは前者を取った。

 

おそらく死んでしまった父と母に立派になった自分を見てもらいたい。というのが理由だった。もちろん復讐をしようと考えたこともあったが、誰が父と母を殺したのかなどその場にいなかったエフィナに分かるはずもなかった。

 

だからエフィナはオラリオに来たのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これが、私がオラリオに来た理由です。」

 

そのエフィナの言葉を最後に三人が口を噤んだ。ライはとても悲しそうな顔をしている、俺がどんな顔をしていたのかわからない、怒りに満ちた顔をしていたのか、悲しみにあふれた顔をしていたのか。

 

「すいません、こんな空気にするつもりじゃなかったんですけど…」

 

手を振りながら前に出し、気にしないでほしい、とアピールする。

 

「じゃあ、立派になった姿を見せてあげないとな。」

 

俺がぎこちない笑顔でそう言う。

 

「そうだね、明日からはもう少し探索の強度を上げようか」

 

ライがそれに続いて話し出す。

 

「はい!」

エフィナが満面の笑みで答える。もう暗い空気はどこにもない、その日は夜が明けるまで三人で笑いながら、楽しく過ごした。

 

 

 

 

 

 

 

 

年が明けてからは俺は盾を持つようになった。

あの後もう一度役割を見直そう、ということになって話し合ったところ、エフィナは後衛で確定、ライは前衛、中衛ができるが、俺は魔法を持っていないため前衛しかできない。だが、普通に前衛をするのならライに劣る、ということで壁役(ウォール)をやってみよう。ということになった。

 

そのため今の俺の装備は片手剣に胸の下ほどまでが隠れる大盾になっている。盾の素材は一般的に使われる鉱石と同じだが。

盾は恩恵のおかげでよほど重い鉱石を使わなければ重くて持てないなんてことは起こり得ない。

 

壁役(ウォール)をするに当たってライとの訓練もライに攻撃する。というよりも後ろに誰ががいると仮定してその人を守る動きをメインで習うようになった。もちろん守ってばかりではなく、攻めに打って出ることもある。

 

この訓練で気づいたことがある。後ろの仲間をより効率的に守る方法だ。

 

もし、少し後ろの仲間と距離があり、敵が右前方、正面、左前方にいたとして、右前方から魔法がとんできたとしよう、その時、俺は右に移動して防御するべきか、否か。

 

答えは否だ。なぜなら、もし、右に移動して防御した時、左と正面は防御ががら空きになってしまう。正解の行動は直ちに後ろに下がり、三方向の魔法が集まる点で防御する。というものだ。そうすればどこの防御の穴も埋める事ができる。

 

だが、出来るなら余り中途半端な距離にいるのは良くない、剣戟に持ち込めるほど敵に接近するか、仲間の近くにいるか、この二択だ。

 

この気付きはヘルハウンド等のモンスターを相手にするときに役に立つことだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

忘年会から半年ほどが経過した。俺達は探索階層を中層に移していた。最初に中層に足を踏み入れたときは流石にゾッとした。話は聞いていたがモンスターの出現回数が上層とは比べ物にならなくなった。

 

だが、このパーティーにはライがいる中層には少しだけ行ったことがあるらしく『間違い』は起こらなかった。『間違い』が起こり得ないように長い時間をかけて探索をしていった。その日の俺達は14階層にいた。

 

この階層には来てからまだ数週間ほどしか経っていない。

だが、その数週間でヘルハウンド等のモンスターの対処はできるようになっていった。

訓練での気づきが役に立ったのだ。

 

だが、その日は違った。怪物進呈(パスパレード)が起きたのだ。普通の怪物進呈(パスパレード)なら対処はできないことはなかっただろう。

 

場所が悪かったんだ。そのひと言に尽きる。一本道の通路だった。下から来たのなら上に逃げればいい。だが、上層に続く道からモンスターが押し寄せて来た。

 

モンスターの大群なんてものじゃない。多すぎた。七十体ほど倒してから数えるのは辞めた。生き残ることに必要な脳のリソースを底の見えないモンスターの数に絶望するために使うのは明らかに不正解だったから。

 

レベル1でも上澄みと言えるほどステータスが上昇してきた俺にとってモンスターを抑えるのは、出来なくはなかった。

ライやエフィナの援護で危ない場面は助けてもらったから。

 

俺達は戦いながらも後退し続けた。そしてついに十五層の連絡通路まで来てしまった。

 

「ライ!どうしますか!?」

後ろに聞こえるように残り少ない体力を振り絞って指示を待つ。

 

「…下るしか無い!十八階層まで走る!」

 

「「了解!」」

その指示を聞いて俺は戦うのをやめて後ろを向き走り出した。全力で。

 

「ライ、体が疲れて動かないので、運んでもらえますか?」

 

十五層に降りながらも戦い続け、やっとモンスターを殲滅した後、俺の体はピクリとも動かなかった。

 

「分かった、休憩できる場所を探そうか。」

そう言いながら俺を担ぐ。

 

エフィナもライも魔法を撃ち続けていたためマインドダウンが怖いところだが、ライはレベル2の魔法剣士。おそらく魔法なしでもこの階層なら戦い続けられるだろう。

 

俺はその思考を最後に意識を手放した。




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