ダグバになっちゃった。   作:アゴン

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アニメはアニオリ路線に入ったか?

でもやっぱり面白い!

そんな訳で初投稿です。

所で、最近流行りの“超かぐや姫”

なんで“かぐや姫超“じゃないんやろ?

や、特に他意はないです。


Episode14

 

 

 

 翌日、急いで【ポレポレ】でのバイトを終わらせた俺は、ビートチェイサーとなった愛車を走らせ、東島さんの自宅へと向かった。

 

 モーフィングパワーでビートチェイサーへ変化した愛車のパワーは凄まじく、ちょっとでも加減を誤ればスーパーカー顔負けの速度を出してしまう為、気持ちを落ち着かせながらバイクを走らせた。

 

 東島さんの自宅はとある木造アパートの一室。東島さんや一葉さん、中尾さん達三人のオッサンに並ぶように正座して……彼はいた。

 

「こんにちは。はじめまして、僕の名前は東島夢三郎と言います

 

「………マジか」

 

 子供だ。東島さんの弟と言うから、てっきり年上だと思っていたのに、部屋で正座するその子は10歳に届くかも怪しい……幼いとすら言える少年だった。

 

 つーか、この年齢差は兄弟と言うより最早親子だろ。本来この年頃のお子さんがいても可笑しくない年齢だぞ東島さんは。

 

「っと、先ずは俺も自己紹介からか。はじめまして夢三郎君。俺は白銀白斗、君のお兄さんである東島丹三郎とは───」

 

「あ、はい。兄さんから聞いてます。僕達の第二の兄弟だとか」

 

「は?」

 

 なんか変なこと言い出したぞこの子。

 

「え、は? なんで俺東島さんと兄弟になってるの?」

 

「え? だって俺のベルトを創ってくれたじゃないか」

 

「なんでやねん」

 

 なんでベルトを創ったらアンタと兄弟になるんだよ。なんでさも当然のように兄弟認定にしてんだよ、夢三郎君てば困惑してるじゃないか。

 

「違うぞ。白銀は俺の弟になるんだ。魂で繋がる兄弟、ソウルブラザーズに」

 

「ならねぇよ。ややこしくなるから口を挟まないで下さい」

 

 前から思ってたけど、この人達は何かにつけて俺を兄弟にしたがるの何なん? そういう流行りなの?

 

 取り敢えず、兄弟云々に関しては後でキッチリと否定しておくとして……。

 

「……それで、夢三郎君。君はどうして東島さんと出会ったのか、その辺りの理由とか教えて貰っても良いかな?」

 

「は、はい!」

 

 夢三郎君はその見た目の幼さに不釣り合いな程利発的な子で、俺の言葉を齟齬なく理解してくれている。色々と本能的な東島さんとは対照的な子だ。

 

 それで、夢三郎君のこれ迄の経緯を聞かせて貰ったり、動画を見せて貰ったりしたのだが……。

 

「…………ウッソだろ、ウッソだろお前……え? マジでノンフィクションなのこれ?」

 

「あ、あの………白銀さん、大丈夫ですか?」

 

「まぁ、そういう反応になるよな」

 

「衝撃的過ぎるよな」

 

 何と言うか、アウトレイジな話が盛り沢山な内容だった。東島さんと夢三郎君の父である権三郎は既に借金が原因でショッカーなヤクザによって海に沈められ、夢三郎君はその借金をカタにショッカーが経営している施設に入り、命からがら施設を脱走し、空腹に耐えかねて東島さんの買ったたこ焼きを盗み食いし、腹違いの兄と再会。

 

 それが、昨日までに起きた出来事の全てだという。

 

 簡単にまとめたが………いやダメだ。簡単に消化出来ねぇよこんな情報、え? もしかして夢三郎君の人生北○武監督が脚本書いてたりしてる?

 

 つーか東島兄弟の父親、ガチのクズじゃねぇか。幼い頃の東島さんとその母親を捨てたり、他所で夢三郎君を外国の女性と作ったりと、一切の責任を負わず、やってる事がメチャクチャ過ぎるだろ。

 

 ある意味ショッカーよりも始末に負えないだろうが、二億三千万の借金を抱えたりしてるとか、人間の親と名乗るには剰りにもアレ過ぎる。

 

 そもそも、億越えの借金とか個人で抱えられるモノなのか? その辺りもショッカーが絡んでいそうだ。………絡んでるよな?

 

 ………いや、今大事なのはそこじゃない。問題は夢三郎君の今後だ。

 

「……それで、夢三郎君は今後どうするんだい?」

 

「はい。昨日も皆さんに言いましたが……僕は、全力で前向きに生きようと思います

 

「…………」

 

 言葉がでなかった。

 

 父親が殺され、ショッカーに追われ、一人でここまで生きてきて、怖かっただろうに………それでも眼鏡を通して、力強い眼差しで俺を見つめる夢三郎君に俺は心底格好いいと思った。

 

「そうか、強いな。君は」

 

「そう、在りたいと願っています」

 

「でも、今の君はまだ子供だ。子供らしく……なんて枠に嵌めたりしないが、今の君には俺達がいる。一人で悩まないで、周りの大人を頼りなさい」

 

「は、はい!」

 

「なんかカッコいい話をしてる~」

 

「カッコつけだ」

 

「カッコつけ~」

 

「うるせぇよオッサンども」

 

 人が真面目に話してるんだから茶々いれないの!

 

「あ、あの!」

 

「ん?」

 

「それで………その、白銀さんってダグバっていう怪人というのは本当なんですか? 丹三郎兄さんのベルトを創ったのも貴方だって聞いたのですが……!」

 

 興奮し、食い気味な夢三郎君の言葉を聞いて、俺は思わず東島さんを見る。そうだよな、夢三郎君と出会った時もショッカーがいた場面だと言うし、多分その時に変身したんだろ。

 

 創作の中でしか有り得なかった仮面ライダー。それが自分の兄だと知った夢三郎君の衝撃は……それはそれは計り知れないモノだろう。

 

 なら、次にこの子が言いたそうな事もまた予測出来る。

 

「お願いです! 僕にもベルトを創って下さい!」

 

「ダメだ」

 

「ッ!?!?」

 

 即答で否定されるとは思って無かったのか、物凄くショックを受けた顔をする夢三郎君。いや、申し訳ないがこれは仕方ないだろう。

 

「イヤ、何処の世界で幼子に戦わせる仮面ライダーがいるんだよ。普通にヤバイだろ、色々と」

 

「あぁ、俺も反対だ」

 

「俺も」

 

「俺もだ」

 

 まだ身体も出来ておらず、マトモに戦闘経験の無い夢三郎君に変身ベルトを渡す訳にはいかない。

 

 ただ東島さん達オッサンズも自分と同じ意見だった事が安心した。

 

「うぅ、そんな……丹三郎兄さんとで一号二号のタブルライダーを組みたかったのに!」

 

「え? …………い、いや、やっぱりダメだな。うん。嬉しいけどダメだ」

 

 おい、ちょっと揺れてんじゃねぇよ。

 

「それよりも白銀、お前に頼みたい事がある」

 

「一葉さん?」

 

「俺のベルトの事だ」

 

 いやこの流れでその話を持ち出すんかい。見ろよ、夢三郎君てば「いいなぁ~」って今にも言い出しそうな顔をしてんぞ。

 

 ………でも、実際俺もその話も含めてここに来た訳だしなぁ。

 

「……分かりました。実は俺もその件でお話があります」

 

「おおっ!」

 

 歓喜に震える一葉さんを一瞥し、皆に言う。

 

「これから、俺の家に案内する。付いてきてくれ」

 

 

 

 

 

 

 

 

「おぉ、結構広いな」

 

「良いところに住んでいるんだな」

 

「部屋、幾つあるんだ?」

 

 そんなこんなで東島さん達を我が家に招き、彼等をリビングまで通す。適当に寛いでくれと楽になることを促すと、東島さん達はソファーに座ったり、食事に使う椅子に座ったりしている。

 

「白銀の親御さんは?」

 

「両親共々海外に。俺もこんな広い所はいいと断ったのに、昔苦労を掛けたからと言って聞かなくて……」

 

 まだ俺が病弱だった頃、外に出ることなく病院と家を往復するだけの毎日。学校にも殆ど通えず、同年代の友達も出来なかった俺を、仕事でマトモに接してあげられなかった事も含めて、不憫に思った両親が大学に進む時期にこのマンションの一室を買い与えてくれた。

 

 現在両親の事業は良好に進み、現在は海外を拠点に活動している。一応時々二人も様子を見に来てくれる事から、時間がある時は掃除とかしている。

 

「そうか、良い親御さんだな」

 

「はい。自慢の家族です」

 

 中尾さんの言葉に俺は力強く頷いた。

 

「それよりも白銀、俺のベルト───」

 

「あ、そうだ」

 

 俺の家に連れてきた以上、中尾さんにする事があったんだ。

 

「中尾さん。ちょっと腕時計借りても良いですか?」

 

「え? あ、あぁ、別に構わねぇが……」

 

 少し困惑しながらも、快く腕時計を渡してくれる中尾さん。この時計も良いものだ。きっとかなり思い入れのある代物なのだろう。

 

 そんな中尾さんの時計に俺はモーフィングパワーで少しだけ中身を弄る。外観は変えず、あくまでほんの少しだけ中身を変える。

 

「東島さん、ちょっとお面被ってもらっても良いですか?」

 

「ん? 分かった」

 

 ソファーに座り、夢三郎君と談笑している東島さんにお願いをする。いや、こうして見ると本当に親子っぽいなアンタら。

 

「それで、そのまま額にあるボタンを軽く押して欲しいんですけど」

 

「これかな? おっ、なんか反応してる」

 

「じゃあ中尾さん、この時計を付けて」

 

「お、おう」

 

 ピピピと、騒音にならない程度の音量が東島さんのお面から鳴る。どうやらそっちの機能もちゃんと動いている様で安心した。

 

 次に中尾さんが腕時計を付けると、お面からの音が鳴り止む。ヨシ、どうやら成功したようだ。

 

「白銀君、今のは?」

 

「実は以前、ユカリスさんから話を聞きまして、何でもショッカーの戦闘員は戦闘員同士の波長に似た何かを互いに感知するのだとか」

 

「そ、そうだ。だから俺も以前東島の家に匿って貰っていた時に見付かって……」

 

「そう、だから中尾さんの腕時計にはその波長を打ち消す機能を追加で付けときました」

 

 俺の言葉にマジかと驚いている。変身ベルトを創ってから、どうやらモーフィングパワーも磨きが掛かっているようだ。

 

「それと……夢三郎君の腕時計にも護身用の仕掛けを付けておこっか」

 

「い、良いんですか!?」

 

 急に食い付いてきたね。気持ちは分かるけど。

 

「勿論だ。変身ベルトは創ってあげられないけど、君もショッカーから狙われている立場。いざという時の備えは必要だろ?」

 

「は、はい!」

 

 元気よく返事をすると、夢三郎君は嬉々として腕時計を差し出してくる。父の形見の品とされる腕時計、防水仕様で権三郎が唯一子供達に自慢できたと言う年代物の腕時計。

 

 それを包み込んで30秒、モーフィングパワーで改造した腕時計はやはり渡す前のモノと殆ど代わり映えがなかった。

 

 ただ、時計の針を回す突起部分がなんだか押せる様な気がして……。

 

「ワッ、蓋が開いた」

 

 押した瞬間、パカッと蓋が開き、照準マーカーが浮かび上がる。

 

「おいおいこれ、もしかしなくても……!」

 

 そう、俺が夢三郎君の時計に施した改造は某少年探偵に出てくるアレだ。まだ麻酔針は用意出来ていないが、後で練習として何回か撃たせてあげないと。

 

 因みに、麻酔銃以外の機能は中尾さんにも同様なモノを付けている。

 

「他にも懐中電灯とか通信機能とか、色々と付けといたから、後で中尾さんと一緒に操作の練習しといてくれ」

 

「「はーい!」」

 

 元気よくキャッキャと騒ぐ二人。眼鏡同士としてこちらの二人の方が親子っぽく見えるが……余計なことになるのは目に見えているので黙っておくとしよう。

 

 さて、これでこの面々での問題は粗方片付いた。後は……。

 

「お待たせしました一葉さん」

 

「漸くか。忘れられたと思ったぞ」

 

 最後に残ったのは自称V3の島村一葉さん。両腕を組んでスッカリ不機嫌になっている彼に俺は苦笑いを浮かべる。

 

「そんな事はないさ。さ、一葉さんは此方の部屋に来てくれ」

 

「? ベルトを創るんじゃないのか?」

 

 不思議そうに首を傾げる一葉さんを良いからと少し強引に押し通し、とある部屋まで案内する。

 

 そこは一見すればただの物置部屋。整頓され、若干埃臭さすら感じるその部屋に一葉さんを通す。

 

「ここは……物置部屋か?」

 

「えぇ、そして……アナタをV3にする部屋でもある」

 

 何の変哲もない普通の部屋、中に入る一葉さんの後ろで俺は部屋には無いはずのボタンを押す。

 

 すると。

 

「っ!?」

 

 ガシャンガシャンと音を立てて変形していく内装、間取りを変えない程度に変わっていく光景に一葉さんは驚いた様子で眼を見開いていく。

 

 音を聞き付けた三人も、変わり行く部屋に口と眼をアングリと開いている。面白っ。

 

 そうして、完成した物置部屋は近未来的な装置が幾つも備わった秘密基地へと変わっていた。

 

「さて、それじゃあ始めましょうか。一葉さんのジャケット───V3改造計画を」

 

 勿論、実際に人体改造をするわけではない。改造するのは一葉さんが今着ているジャケットそのものだ。

 

 当然、この事は以前から一葉さんにも伝えている筈なのだけれど……。

 

「よろしくお願いします!!」

 

 うん、これ絶対覚えていないな。つーか聞こえていないな。

 

 肉体改造じゃねぇ、ジャケット改造だっつってんでしょ!

 

 





Q.部屋改造して大丈夫なの?
A.ショッカーを片付けたら元に戻すからオッケーと開き直った模様。

Q,夢三郎君は仮面ライダーにしないの?
A,しません。少なくとも、今はまだ。

Q.主人公のバイクを見て、東島達はどう思った?
A.それはもうズルいの大合唱よ。因みに夢三郎君は予備のヘルメットを被せ後ろに乗せました。
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