それではどうぞ。
○
side一進
ワンピース娘のチルノが勝負をしかけてきた!
たたかう どうぐ
ポケモン →にげる
ダメだ! 勝負の最中に相手に背中は見せられない!
……バカやってないでさっさと進めるか…。
〜〜〜〜〜
さてさて、どうやらこの寒さは青い子―――チルノちゃんの方が原因みたいなんだけど……。
「あ〜、あれ妖精だね」
「妖精?…へぇ〜、あれが妖精ね。なんか…飛んでるのと羽を除いたらただの子供に見えるんだけど…」
こいしちゃんが教えてくれたから納得しそうになったけど……なんていうか、こう…俺の予想では妖精ってもっと小さくて悪戯好きの『ピクシー』って感じのを期待してたんだけどな。
後、最初のやつに引っ張られて勘違いしてる人がいるかもしれないから言っとくけど……断じてポケ○ンじゃ無いぞ。ピッピin月の石じゃ無いからな。
なんてアホみたいな事考えてるわけなんだが…そろそろ俺も我慢も耐えかねて自然と身体が震え始める。
「マジでさっむい!!!」
さっきまで何ともなかったのに急に何度まで下がったんだよ!なぁ、見てみこれ!ついに息まで白くなってるぞ!!
……はい、今『いや、息吐いてるのなんか見えねぇよ!』ってツッコミをしてくれた人は挙手。
君たち…こんなわけわからんボケを拾ってくれてありがとう。うんまぁ…別にツッコんでくれたからって何かあるわけでは無いけどね。
「…どしたの?」
「…どうもしてないっす」
ちょっとこいしちゃん?悲しいから『…何考えてんのこの人』って心配そうな眼で見るの止めてくれないかな?
「まあ、取り敢えず『五分間寒さを拒絶する』…フーあったけ〜」
「あ、賢い」
「まぁね。確かに万能で有能なんだけど…ただ発動すりゃいいわけじゃ無いから難しいもんだよ。それよりこいしちゃんは大丈夫なのか?」
「うん!全然へーき♪」
…子供は風の子元気な子って事でホントに妖怪は丈夫で羨ましい限りですっと。
そんじゃ、そろそろ考え事なんてしてないで上空でゴチャゴチャしてる二人をどうにかするか…。
「ほ、ほらチルノちゃん早く謝まろうよ!」
「フフン、だいじょーぶだよ大ちゃん!相手は弱そうな人間みたいだし、何かあったらあたいが守ってあげるから!」
「ほほう、弱そうな人間で悪かったな」
「そうだよ!前にもそう言って魔理―――ってわぁ!?!?」
せっかく能力付与じゃない状態で飛べるようになった事だし…と話し合っている二人の下まで飛んで行って話しかける。
まぁ向こうが油断しきっていたみたいで俺の接近に気付かず、緑っ子が驚いて空中で器用に飛び退いた。
「大ちゃん!あいつ飛んでるよ!」
「だ、だから早く謝ろうって言ったのに、きっと魔理沙さんみたいな強い人なんだよ!」
「なに!そうだったのか!それならあいつに勝てばあたいがサイキョーという事がショウメイされるな!」
「そういう事じゃ無いよ…それに証明だとしても多分出来ないし…」
必死に話しているのにことごとくその意思が伝わっておらず、ややアホな娘に振り回されて苦労する
……あの子たち見てふと思ったんだけど……苦労とアホでお燐とお空思い出したわ。
「フフン、これでやっとあたいがサイキョーに…」
「チルノちゃ〜ん、話聞いてよ~」
え〜と…うん、安心しなよ緑っ娘…俺の知り合いに地底で君と同じぐらい苦労してるのがいるからね。
だから大変な思いをしてるのは君だけじゃ無いよ?お燐の事紹介しようか?君たちはきっと話が合うと思うんだけど。
もう片方のペアについては当然ほっとくよ。巻き込まれたやつが苦労するのが目に見えてるからね。
取り敢えずそんな事は置いといて……残念だったな青っ娘…もといアホっ娘。緑っ娘の言う通りだよ。
最強の証明…確かにそれは実に凄い称号だろう。
しかし、俺を倒す事で最強を証明する為には、まず第一に俺自身が最強である必要がある。
言っちゃ悪いが俺はそこまで強くないぞ。
人間だけならまだしも、神や妖怪が
例えば紫さんや藍さん、勇儀は言わずもがな…。
下で休んでるこいしちゃんとかだって力―――筋力値でおそらく勝てても紫さん曰く実力では負けているみたいだしな。
故に弱い俺を倒したところでそこまで強さの証明にはならないんだ!
………うん、自分で言ってて少し悲しくなってきたわ……。
ていうか疑問なんだけど大丈夫か?緑の方―――大ちゃんって呼ばれてたから大ちゃんでいいか。
俺は拒絶してるから分からんけど多分寒さの所為なんだよなぁ…かなり震えてるんだけど…。
……あ!…う〜ん…いけるかな…よし。
「…ていっ」
「きゃあ!?」
「大ちゃん!」
おろ?子供ぐらいって思ってたけど…こいしちゃんよりさらに小さいな。……大ちゃんなのに小さいとはこれいかに。
あ〜あ、それにしても予想してたとはいえ大分血色が悪い…相当な状態なのによく我慢してたな…。
「は、放してください」
「コラー!!大ちゃんをどうする気だー!!」
うんうん、腕力は完全に俺の方が上…と。
まぁ、そりゃ妖精だもんな…妖怪とかならまだしも、妖精の女の子にまで負けてたら幻想郷内で人間のヒエラルキーが絶望的になるからな……。
ああ、えっと少し状況が分かりづらいよな?今どんな感じなのか説明すると……。
→俺から完全に注意を逸らしていた二人。
→大ちゃんがチルノちゃんの冷気を受けてる。
→どうやったら解決するか思いつく。
→俺が大ちゃんを後ろから抱えて距離を空ける。
→俺との力の差がある為、大ちゃんは拘束から逃れられない。
……何かこれだけ見たら俺が変質者っぽいけど……そんなやましい気持ち一切無いことだけは信じて欲しい。
「この〜!大ちゃんを放せヘンタイ!!」
「グハァッ!!!」
こうかはばつぐんだ!一進の精神に⑨⑨⑨のダメージ!
「…わ、分かった分かった…んじゃまずはその冷気を止めてもらおうか、そしたらこの子を解放するよ」
……子供に言われるとダメージがえげつないのな…。ま、まぁ、想定外に深手を負ったけど俺がやましい気持ちが無いってのはこれで分かってくれただろう。
俺は冷気を食らってなく、それでいて寒さは受け付けてないから別に冷気を止めさせなくてもいいんだけど……それだと、大ちゃんが一人だけ寒さに震えてるのはいささか可哀想だからな。
それに、大ちゃんが冷気の影響を受けてるって直接言って止めさせるのでも解決するんだろうけど……そんな事言ってもしかしたら、チルノちゃんが自分の所為で大ちゃんがそんな思いを――ってなっちゃったらこれから二人の関係がギクシャクしそうだしね。
「大ちゃん今助けるからね!『アイシクルフォール』!」
そうそう、そうやって冷気を抑えてくれれば大ちゃんを解放す――ってばかやろう!何で攻撃してんだよ!話聞いてたか!?それにこちとらお前の友達抱えてんだぞ!?
なんて焦ったところでチルノちゃんが作り出したであろう氷柱は既に飛んできているし……。
「だぁもう!併用はしたく無いがしょうがねぇ!『飛来してくる氷柱を……』ん?」
そして俺はある事に気付く。
……明らかに大ちゃんの震えがさっきよりも増えてる…そんなに飛んでくる氷柱が怖いのか?
「え〜と、ちょっとした判断ミスがあったからこんな事になっちゃったけど、大丈夫だよ……絶対に守ってあげるから」
取り敢えずは前で抱えている大ちゃんを安心させるように声を掛けたつもりなんだが……大ちゃんの息を見て
そして、眼下に広がる湖の一部が凍りかけてるのを見つけてしまった…。
「ゲッ!そういう事かよ!!」
そのお陰でチルノちゃんが先ほどよりも強い冷気を放っている事を理解する事に至る。そこから俺が抱えている大ちゃんへの影響を考えると……。
「…だったら『俺の周囲の温度の低下を拒絶する』……よし!」
んでもってチルノちゃんの攻撃は気合いで避ける!
こうする事で大ちゃんはダメージを受けずに済む……と思ったけどくそっ、一人抱えてる分思ったより動きづらいけど…避け切れるか?
……あ…ゲッ!―――しまった!?
氷柱を作り出してくる分前方しか注意していなかったのが完全に下策だった。
チルノちゃんが考えて攻撃しているかは分からないが…おそらく空気中の水蒸気の凝結…。下が湖面だった事や急激な温度低下により行き場の無くなった水分子からも氷柱を作り出していた。
「囲まれたか…」
移動速度が限定されている事もあり完全に逃げ道が無くされる。
そして避ける事が出来ないと気づいた時には、全方位にある氷柱がすぐ近くまで迫っており、俺はある決断をして瞬時に決行をするしかなくなってしまった。
「せーの!」
……背面を霊力で強化完了。後は大ちゃんを抱きしめてして後ろに向かって飛ぶ。
―――ッ割と痛ったぁぁ〜!!
俺の背中にいくつかの氷柱が砕けているのが分かる。
そりゃ留まって攻撃全部食らうぐらいなら俺は自ら攻撃を食らいに行くさ。
それだったら
さらに後ろに飛ぶ事で、俺はともかく前で抱えてる大ちゃんは無傷で済むからあの行動は一石二鳥の判断だったってわけだ。
「…………」
「ん、大丈夫だったか?」
取り敢えず氷柱の範囲外へ脱出出来た…。攻撃は止んで不思議そうな顔をして俺を見てくる大ちゃんに声を掛けたはいいけど…どうやら戸惑っているように見える。
まぁ、確かに完全不審者だし突然わけも分からずあんな事されれば怪しく見られてもしょうがないか。
予定ではチルノちゃん自らが冷気を抑えて解決するつもりだったんだけど……結局のところ能力で抑えちゃったしな……。
「くっそー!待てーー!!」
「ダメだあの子マジで話聞かんな。…え〜と……それじゃあね大ちゃん!」
やる気満々なチルノちゃんを一瞥して意識を切り替える。
ここまでくると俺がこの場に居る方がチルノちゃんの冷気が悪化すると考えられるからな……。それだったら早めにここを去った方がいいだろと思い、俺は大ちゃんを解放して即刻2人から距離を置くために急いで紅魔館まで飛んで行った。
………………。
…………。
……。
「良かったの?」
「まぁ、良かったかって聞かれたら答えづらいけどさ。何か残って話する方が余計拗れそうじゃね?」
そして割と急いだってのに後ろから悠々と俺に追いついてきたこいしちゃんの飛行力を羨ましく思いながらも、俺は自分の能力の変化について考察していた。
「それにしても『俺の周囲の温度の低下を拒絶する』で能力が発動して良かったわ」
「色々と特訓で試行錯誤したけど結局発動のボーダーって言うのかな?それがイマイチ掴めなかったもんね」
「いわゆるピーキー性能ってやつだな」
本当にこいしちゃんの言う通りである。咄嗟にやったから指定があやふやだったし、最初に使ってた能力が続いてる分二つを併用してた状態なんだよな
……まぁそれでも俺に不調は見られない。多分だけど、発動し易くなってるところを見るとこれにも紫さんの恩恵が働いてるみたいだな…。
「それにしてもお進はやっさしーね。わざわざ今後の二人の関係まで気にして動いた挙句…妖精を庇って自分が攻撃を貰ってるんだよ?」
考察中に突然こいしちゃんがそんな事を言ってきた為驚いた。
それは、突然話しかけられたからでは無く…休んでいたように見えてその実よく俺たちを見ていたからだ。
「……気づいてたのか、ま…けれど後悔はしてないよ」
「ふ~ん」
もとより俺が上手くやっていればあんな状況にもならなかったわけだしね…。それに痛かったっちゃ痛かったがあれくらいのダメージ一つで守れるんだったら安い安い。
「あの!」
不意に後方から大きな声が響く…。
振り返ると相方を引っ張りながら止めている大ちゃんの姿が映る。
「ありがとうございましたぁ!!!」
遠くからだが、確かにそんなお礼を言ってるのが聞こえてきた。
……………。
「良かったじゃん♪分かってもらえてて」
「……ああ、そうだね」
別に最初から感謝なんて求めてはいなかったけどさ……いざ口にされるとなんていうか……。
「あれっ!?お進照れてんの!?」
「普通気付いてても口に出しちゃいけないものだと思うなぁ……」
一人の妖精のお陰で、俺の中で紅魔館に抱いていた複雑な気持ちがすっかりと晴れやかなものになっていた。
「たださぁ〜……」
「へいストップこいしちゃん!?」
何で!?今何かいい感じで終わりそうだったじゃん!何で延ばそうとするの!?
「わたし的にはあの子に抱きついたのはいただけないと思うの」
「え〜と、こいしちゃん?俺の腕をとって何したいの?」
笑顔で文字通り両手で俺の腕を掴むこいしちゃん。
その数瞬後…。
「悪いのはこの腕かぁ!!!」
そして巷で言う雑巾絞りの刑が始まった。
「うに〜!」
ふっふっふ、そんなに頑張ったところで強くなった俺に力で勝てるわけ―――ッ゙!?
「痛い痛い痛い!!!」
ps…どうやら俺は力でもこいしちゃんに勝てないようです。
単話で出番無くなったけどまぁそのうち出てくるべ。
それではまた次回。