それではどうぞ。
○
sideこいし
「うわ〜ご馳走だらけだね〜」
お進とメイドさんが作ってたのは見てたけど…それがここまで綺麗に並べられると壮大っていうか何ていうか…。
「ホントホント。咲夜は分かってたけどお兄様も料理が得意なんだね」
「あ〜ねぇ〜。それがさ〜バイトとか一人で暮らしてたらいつの間にか出来るようになってたらしいよ」
「へぇ〜!」
お進はそう言ってたんだけど…本当にそれだけであんなに上手くなるものなのかな?狐さんのとこでもそうだったけどセンスだとしても異常だと思う…。
「ふーん。咲夜だけじゃなくて彼も作ってたの…」
「ん?」
「あ!霊夢久しぶり!」
「ええ。……フラン?レミリアもそうだったけどあんたもどことなく変わったわね」
「え、そう?」
「良い方に変わってるわ…勘だけど」
「ふっふ〜♪それはお進のお陰だよね〜」
さっきまでは走り回ってたけど…制裁が終わったのかな?料理を取っていた博麗の巫女さんがそう言って私達に話しかけてくる。
でも、すぐにフランちゃんが変わったのが分かるって事はやっぱり博麗の巫女は凄いんだね。その道のプロって感じがするな〜。
「…あの人が何をしたのか少し気になるわね。……ところであんたは誰よ」
「わたし〜?わたしは古明地こいしだよ♪あそこにいるお姉ちゃんの妹なの」
「お姉ちゃん……ああ、地底の主人ね。……ってホントに姉妹なの?全然雰囲気が違うように感じるんだけど」
え?お姉ちゃんとわたしの雰囲気が違う?
…うーんそんな事言われても姉妹だから似てるとは思うけどそれが同じ雰囲気かって言われたら分かんないなぁ……。
「わたしは瞳を閉じちゃったからそう感じるんじゃないかな?それでもわたしはお姉ちゃんの妹だよ」
「…そう?よく分かんないけど悪いわね変な事聞いて」
ノープロブレム♪わたしだって瞳を閉じたからお進と繋がれた〜みたいなとこあるから全然気にしてないよ。
「ねぇこいしちゃん?私って変わった?」
「さぁ?わたしと会ってからはそんなに変わってないような気がするけど…」
「十分に変わってるわよ。あんた異変の時に初めて会った魔理沙に相当手を焼かせてたの忘れたの?…まぁ私じゃないし別にいいんだけどね…」
ふ〜ん、異変でって事はわたしがまだフランちゃんに会ってない頃の話なのかな?
……ん、ああそっか。
フランちゃんが、昔は誰かがたまに遊びに来てくれてたって言ってたけど…それが魔理沙だったってわけか。
「それで結局彼がフランとレミリアを変えた要因なんでしょ?……全く、私の稼ぎ――もといありがたみが薄れるじゃないの」
…うわ〜紅魔館の抱えていた問題の解決を喜んでるのかと思いきや自分の稼ぎって……貧乏巫女って噂では聞くけど流石にそれは――。
「…いや、でもこんなに美味しい食事が作れるならいっそウチの神社に引き取ろうかしら…。それなら私の代役で彼が活躍したら博麗の名が広まるし私も楽だし」
え?いやいやいや!?何言ってんの!?
「ダメだよ!!お進はわたしのなんだから!」
引き取ろうかしら…って、そんなお進を犬猫みたいにペット扱いしない――ゲフンゲフン!!
…ま、まぁそれは取り敢えず置いとくとして……流石にもうお進を渡したりはしないんだから!
「……え、あんたのとこ従者なの?あんな格好してるからてっきりレミリアが新しいのを雇ったのかと…」
「違うよ霊夢。お兄様はこいしちゃんの従者だよ」
「は?お兄様?」
「お進はわ〜た〜し〜の〜!!」
「……あぁ…なんかもういいわ。面倒そうだし…私は何も言わないから」
はぁ良かった良かった、紫に続いて博麗の巫女さんまでお進を狙ってるんだったらどうしようかと思っちゃった……。
「ふふふふ。こいしさんは一進さんが好きなんですね〜」
「あ、こあ。って…え?…どうしたの?」
「うふふふふ〜」
巫女さんと入れ替わる形でこあちゃんが来たんだけど…どうしたんだろう?妙に顔赤いしフラフラしてるしスゴいテンション高いし。
「私がこぉんなお偉い方達が集まる所に果たしていて良いものか考えて緊張していたんですよ〜。それで美鈴さんと勇儀さんの談義に耳を傾けていたんですが〜」
「うっ!何この匂い!こあ何飲んでるの!?」
………あ、なるほど。酔ってるだけか。
さっきまでは仄かに香る程度だったんだけど…こあちゃんが来てから確かにお酒の匂いが一段とキツくなってる。
「くふふふふ〜ジュースですよジュース!勇儀さんが優しくてでふねぇ!私みたいなのにもくれたジュースを呑んだらそんな考えもピューンって吹っ飛んでしまいましたぁ〜!ほ〜ら幸せのお裾分けです!フラン様もこいしさんもどうぞどうぞ♪」
「…え〜変な匂いするよ〜」
「大丈夫です大丈夫です!もーまんたい!ささっぐい〜っと」
いやそれお酒だって…しかもこあちゃんも絶対に分かって言ってるよね。
わざわざそんな騙すような事しなくても呑む人は呑むだろうし呑まない人は呑まな――。
「…ングッ…ングッ」
あ〜あ〜あ、フランちゃん一気に呑んじゃったよ…。勇儀がくれたって事は地底のだろうし、どーせかなりの強いお酒だと思うけど大丈夫かな?
「い〜呑みっぷりですねぇ!こうなったら盛り上げる為に32番こあちゃん歌っちゃおうかなぁ!」
何を?というかいつもの反動なのだろうかかなりはっちゃけてるねぇ…。
「ほらほら〜こいしさんも呑みまそょうよぉ。楽しくまりますよ〜」
呂律回ってないし…。しかも楽しくなるってさぁこあちゃん?それ思考が完全にドリンカーのそれだよ?
「ぷひゅ〜♪」
まぁでもやっぱりお酒は必要だよね!!
うんうん…しょうがないしょうがない。こあちゃんも言ってたけど宴会をもっと楽しむにはお酒が必要だから呑んだって構わないよね♪
「どーですかこいしさん!」
「…美味しいんだけど何か物足りない…こあちゃんそっちのも貰っていい?」
「どーぞどーぞ!私は幸せを届けるこあちゃんですから!」
そんな訳で大量の酒瓶を持っていたこあちゃんからいくつか拝借する。いつも地底で出回ってるお酒よりもキツくなくて呑みやすいとは思うんだけど……。フランちゃんは平気なのかな?
わたしは慣れてると言えば慣れてるから大丈夫だとは思うんだけど…フランちゃんは全然呑み慣れてなさそうだったし…。
「……ホワワ〜」
あ〜あ、案の定フラついてるよ…。これはしょうがないけど何処か休憩出来る所にでも連れてかないと……って、あれ?
…ん~?フランちゃんスペル使った?何で二人居るの?
………まぁ~そんな事もどうでもいっか~。
……………ヒック。
○
side一進
「おぉなんかスッゲェ嫌な予感がする…」
何か…こう背筋がゾッとした感じがしたんだけど大丈夫か?もしかして今日おうし座って最下位か?
「嫌な予感?あの惨状じゃなくて?」
「ん、いやいやあんなんじゃなくてさ」
パチェさんが向く方には盛り上がりに盛り上がってる四人の…いや、騒いでんのは実質三人か。
「それで一進に朝食を作ろうとしてキッチンを悲惨な状態に――」
「アハハハハッ!バカか?バカなのかこいつは?」
「あんただって作れないくせに笑ってんじゃないわよッ!!!」
「紫様!!宴の席ですからそれぐらい流しましょうよ!」
わぉ、紫さんがかなり虐められてる状況ですわ。
っていうか紫さん?俺ん家のキッチンを悲惨な状態って何してるんだよ…初耳なんだが…。
「いや、まぁあれもあれで知らなくて良かった事知っちまったけど…そういうんじゃないんだよなぁ。なんせ俺の第六感がキュピーンってなってる…」
「…あっそ」
あっそ…っておい……はぁ~あパチェさん?ちょっと前にも言ったけどよ~もう少し優しくっつーかしっかりコメント拾ってくれないか?
「お姉様~はい、あ~ん♪」じゃないとこっちもこっちで「ちょ、フラン!?ヤメガボボボ!」話題が広がらなくて困るんだが?
ついさっきのだってあれで話を切らないでさ、ツッコムなり何なりしてくれれば……って。
「何やってんだ?」
俺が少し考え込んでたスキにいつの間にか言い争いが終わっていて尚且つレミリアがぶっ倒れてる…。
な、何を言ってるのか分からね〜と思うが以下略)
「はぁ…貴方は何も見て無かったのね。今フランが――!……さて私は向こうに行ってるとするわ」
え、ちょい待って~や。そんな無理やり話し切られたら余計に気になるし俺も意味不明に陥るんだが?
「ねぇ~お進~♪」
「うお!?こいしちゃん!いきなりどうし……たぁ!?」
うぇ酒くさぁ!オイこの短時間でこいしちゃんどんだけ呑んでんだよ!!
「ゲホッ!こいしちゃん…一体何呑んでそんなんなって――」
「ハイ!
「うっ!ちょイタイイタイイタイッ!!」
どうやら酒が蒸発してんのか…顔に近づけられた目にしみってくる……って気化してるってどんだけ度数高い酒なんだよ!
つーかこれだぁ!!完全にこれだぁぁぁ!!!こんなもん呑んだら一発で出来上がるわッ!
「え〜…これじゃ呑んでくれないの〜…」
ふぃ〜アッブネェ…俺の必死の抵抗が実を結んだのかは知らんけどこいしちゃんはグラスを下げてくれる。
……ってかやってくれたなパチェさん…あん時こうなるのが分かってたから逃げたんだよな、あの行動はそういう解釈で取っても良いんだよな?
…いやまぁどの道俺は助かったから(レミリア?ドンマイ♪)良いんだけどよ…。
…それでさ、どうすんだよこの子供二人…酔い潰れ――てはいないから余計に面倒なんだけど…。
「〜♪」クピクピ
なんて思ってるそばからまたちびちび呑んでるし…。
はぁこうなりゃ翌日は地獄を見てもらう羽目になるけど…いっそ酔い潰した方が俺らは楽なんだけどな。
「ん〜」
「ん?」
そうして目を閉じてゆっくりと顔を近づけてくるこいしちゃん……。
…う〜ん、こうして近くで顔を見る事って無かったと思うけど…やっぱり可愛いな…
って待て待て待て待て!!あまりの事でつい解説に浸ってたけどそれどころじゃねぇ!
「こいしちゃんストップ!!お願いだから止まって!」
じゃないと俺は向こうで傍観を決め込んでる奴らに何て言われるか分かったもんじゃねぇ!
俺に酒を呑ませたいのは分かったけどさ、こんな所でマウストゥマウスは危険過ぎんだろ!つーかサラッとそんな行動が出来るこいしちゃんが漢らしくて惚れそうだわ!
「ん〜」
「うぐぐぐぐ…」
…オイオイオイこいしちゃん力強ッ!!全然離せないんだが!
「大丈夫ですよ一進」
お!?やっぱ流石さとりちゃん!リアルで俺の心の叫びが聞こえててくれて助かったよ。
まぁそれでも普通は妹が不祥事を起こしそうだったら止めようとするよな。
「貴方は手を出さない…信じていますから」
「助けないんかい!しかもそれ結局俺が自力で頑張るだけじゃねぇか!」
絶賛襲われてるのはこっちなのにどうしろと???ってか嫌だわ!そんな事信じられても――ってあれ?こいしちゃんの力が緩まってる…。
「コクッ……………ざ…」
え、なんて?こいしちゃんが何か言ったんだけど…いかんせん声が小さすぎて聞こえない……。
と言っても既に危機は脱したからあとは落ち着かせればどうにでも――。
「正座ぁ!!!」
何でぇ!?ここにきて何で正座を要求すんの!?
「せ・い・ざ!!!」
「えっと…ここ土足……」
「いいから速くッ!!!」
「ハイィ!」
あ、コレどうにもならねぇわ。
「アッハッハッハッハ!!フランもう一瓶持ってきなさい!」
「わ〜♪さっすがお姉様!」
「酔えば一進とキス…酔えば一進とキス…」
「絶対に
「ええい!ままよ!!」グイッ
「紫様ぁ!?絶対に止めて下さいって言いましたよね!?」
「パチュリー!?咲夜が倒れたんだぜ!?」
「…貴女達が煽ったか分からないけど同じペースで呑んだんでしょう。咲夜っていつも宴会は炊事場に居る事が多いから飲み慣れていないのよ……って劇物のアルコールじゃない!まさかこれ呑んだの?」
「煽りもしたしグラスすり替えてやったんだぜ☆」
「あんたねぇ!!」
「ちょっとどうしたんですか皆さん!少し目を離してたスキにこんな事に!」
「あれま…地上のやつらに気遣って店主が強さ変わらず呑みやすいって豪語してた新作のやつにしたんだけど…やっぱダメだったかねぇ?」
「一気に騒がしくなりましたね…」
「ん?…まぁ私は別に埃を立てずに声だけを立てるのであれば気にしないわよ」
「ふふっ上手いですね」
上手いですね。じゃねぇよさとりちゃん!?こちとら状況的にはだいぶ不味いんだわ…。
「お進!!こっち見る!!」
……あ〜あ、どうせだからもっぺん言っとくぞ…。
コレどうにもならねぇわ。
博麗の巫女さんが無関心や無気力キャラに片足突っ込んでるけどそこまで違和感無いからいっか!(開き直り)
あと出演メンバー多すぎて会話が回せてないですね…。
それではまた次回。