シャーレのむくろ君(不死身)   作:脱力戦士セシタマン

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 ストラッシュマウンテン



 本当は10時に投稿するつもりだったが忙しかったんだぁ…………しかもまた忙しくなるから更新厳しいよ……赦してくれ……赦してくれぇ…………

 それと前話、前々話の誤字報告感謝しますlightacenoah様。




C&C

 

 

 私は説教を受け、アリスがスーパーノヴァをぶっ放したりオートマタに襲われたりエンジニア部で色々とあった。

 

 私はどういう訳か少し疲れた気がしたが、気にせず先生について行った。

 

 

「むくろ様、寄りたい所があるのですが良いでしょうか?」

 

「いいが…………今すぐか?」

 

「出来れば」

 

「分かった」

 

 

 本来はシャーレの職務に当たらなければならないが、先程貰い受けた義手でフォルトゥナが何をしようとしているのか何となく分かった。それを判断する材料はない筈だけれど。

 

 

「先生、少しフォルトゥナがやりたい事があるみたいなので離れます」

 

「うん、分かった。フォルトゥナはむくろ君の事を守ってあげてね?」

 

「私が守られる????」

 

「勿論です。むくろ様、これは確実に記憶をロストした事がトラウマになっている奴ですよ」

 

「トラウマですか?」

 

「勿論」

 

 

 再生能力と怪力を取ったら私には何も残らないと言うのに、それを振るわせてくれないのは些か悲しい物だ。だが先生の指示故従う事にした。

 

 

「フォルトゥナ」

 

「はい」

 

「これは……」

 

「私た……いえ、私の仲間の形見です。墓に彼女の物として置いておきたかったのです」

 

「そうだったのか」

 

 

 私はそれを()()()()()。忘れている筈なのに、これはやらなければならないことな気がした。

 

 

「つきました。ここです」

 

 

 陰鬱とした地下道を進んだ先に、AK-47が立てかけられた石の墓標があった。とても簡素な物だが、手入れがまめにされているのか比較的綺麗だった。

 

 フォルトゥナは無言で墓標の前に義手を置き、手を合わせた。

 

 

「これは貴方のものです。どうか、ゆっくり眠っていて下さい」

 

 

 私はフォルトゥナのその言葉を聞きながら手を合わせ瞳を閉じた。ここに誰が眠っているのか、どうして私もいるのか、私が悲しくも、何処か嬉しくもある理由は分からなかった。

 

 そう、分からない。その筈なのだ。

 

 なのに私は、ここに誰が眠っているのか、どうして私もいるのか、私が悲しくも、何処か嬉しくもある理由を知っている。

 

 非常に奇妙な感覚に包まれながら、私は瞳を開き墓標を見る。何か書いてあるが私は見ようと思えなかった。きっと名前なのだろうが、その名前が何なのか分かりたくなかった。

 

 ただ一つ分かるのは、私の頬を涙が伝っていた事だけだった。

 

 

「…………忘れているのに墓参りに付き合わせてしまって申し訳ありません」

 

「いい。私もここに来るべきな気がしていたから」

 

 

 以前の大将との会話を思い出した。『もしかしたら、頭では忘れていても体が覚えてるんじゃねぇか?』だったか。私の体は、記憶を失って尚この墓標の主に会いたいと思ったのかもしれない。

 

 

「さて……先生の元へ向かいましょう!」

 

「そうだな」

 

 

 今はその事は気にしない事にした。今は気にしたとて仕方がない。私には私の仕事があるのだ。

 

 先生達と合流すると、廃墟に再び潜るという話だった。

 

 

「フォルトゥナちゃん、案内よろしくね」

 

「私が?…………私は余り廃墟に来た事がない人ですよ?」

 

「でもあの時迷いなく進んでいたじゃん!」

 

「あれは…………機械共を湧き潰しするつもりだったので」

 

「さらっと凄い事言ってない?」

 

「ご安心下さい。私は強いので」

 

 

 そんなこんなで私達は廃墟へ向かった。

 

 

ダダダダダダダダダ!!!!

 

 

 相変わらずフォルトゥナは2丁の短機関銃で超連射していた。あれだけの連射は制御不能になりそうなものだがフォルトゥナが人造人間だからなのか綺麗にオートマタに当てていく。

 

 そもそもフォルトゥナの2丁の短機関銃は魔改造されており、給弾ベルトで腰の左右につけられた箱から給弾されるようになっている。どんな考えをしたらそんな改造が思いつくのか分からなかったが戦えているならもうそれでいいだろう。

 

 

 負けじとアリスもスーパーノヴァを放ち、ゲーム開発部も援護する。

 

 

「あっぶなっ!」

 

「あっ!ごめん!」

 

「気を付けて下さいね!」

 

 

 フォルトゥナはそう言うがフォルトゥナのトンデモ立体機動に当たらないように援護しろという方が無理がある。それでもアリスがデカブツを狙いやすくしたり、フォルトゥナなりに気を使っているのだろう。

 

 そして先生に飛んでくる流れ弾に警戒しつつ、フォルトゥナが暴れている後ろをついて行くと以前ついた工場に辿り着いた。

 

 

「……ここは……なぜでしょう、見慣れた景色のような……こっち……ですか?」

 

「アリス?どうしたの?」

 

 

 私達はアリスについていく。

 

 

「アリスの記憶にはありません……でも、まるでセーブデータを持っているみたいです……この身体が……反応しています」

 

「…どういう事だ…一体何が…」

 

「体が覚えている…………というものでしょうか?」

 

「はい、そんな感じです」

 

 

 フォルトゥナは私の方を見ながらそう言った。どうやら私が涙を流していた所は見られていたようだ。

 

 

「……あれは…なんだ…光っている?」

 

「あれ?これコンピューター?しかも電源ついてる」

 

「Divi:sion Systemへ、ようこそお越しくださいました。お探しの項目を入力してください」

 

 

 確かこれがアリスの従者たる『key(ケイ)』だろう。私は警戒を最大限強め、何時でも散弾銃を振りかざせるよう手を掛けておく。どうやらフォルトゥナも同様なのか短機関銃を持っていた。

 

 しかしkey(ケイ)はこの場では戦力を振りかざす様子を見せずそのままゲーム機にデータが移植された。やはり暫くは様子を見るつもりなのだろう。これは私としては好都合だ。もしもの時に確実に仕留められる物が用意出来る猶予があるという事だ。

 

 まあ、そうでなくとも私一人でも神秘を持つ人間は殺せるだろう。神秘を持つ人間を喰らう必要のある存在が殺せないなど、言語道断である。

 

 

「待っててねミレニアムプライス……いや、キヴォトスゲーム大賞!私たちの新作は今度こそ、キヴォトスのゲーム界に良い意味での衝撃を与えてやるんだから!!」

 

「はぁ……余計な事を……」

 

 

 そう言ってフォルトゥナは工場の外の方を見る。

 

 

「先生、後ゲーム開発部の皆さま。私に乗ってください。強行突破します」

 

「えっ??…………ってオートマタ!?」

 

「早くしてください」

 

 

 そしてゲーム開発部と先生を乗せた私は先頭で道を切り拓くフォルトゥナにどうにか追いつけるよう、全力で走り続けた。

 

 

「はぁ……はぁ…………」

 

「むくろ君!大丈夫!?」

 

「はぁ……流石にこの人数を乗せてフォルトゥナに追いつくのはしんどいですね」

 

「すみません、調子乗って速度出し過ぎました。切符切られますかね?」

 

「それはないと思う…………」

 

「てか、むくろさんアリスと一緒にスーパーノヴァも担いでたよね!?」

 

「はい……それが何か?」

 

「えっ……?」

 

「私の力ならそれぐらい持てます」

 

 

 そう言って、置いてあったスーパーノヴァを持ち上げる。少々重たいがまだ持てる範疇だ。

 

 

「す、凄い……」

 

「まさか!」

 

「ど、どうしたの?…………」

 

「むくろさんは勇者の資格を持っているのですね!」

 

「それは……」

 

 

 フォルトゥナはその言葉を聞いて複雑な表情を浮かべるが、私に隠れていたからか追求はされなかった。私としては勇者と言う言葉は似合わないと思っている。

 

 少なくとも人を喰い、麻薬を吸い、体内の無念達に苦しめられながらただ散弾銃で殴る怪力の化け物には相応しい称号ではないだろう。

 

 

「私は勇者ではありません。私は先生の補佐官です。そう言うジョブに就いているので勇者にはなれません」

 

「そうなのですか……」

 

 

 アリスは何処か残念そうだったがこれぐらいしか誤魔化し方が思いつかなかったので許して欲しい。

 

 

「それより!……これをヴェリタスに持ってこう!」

 

 

 どうやらG.Bibleの解読を依頼するようだ。私達は部室を出た後ヴェリタスの部室へと向かった。

 

 

「パスワードを直接解析はできないけど、セキュリティファイルを取り除いてコピーする……それなら多分行ける。そしてそれを行うのに必要なツール……Optimus Mirror System……通称『鏡』が必要なの」

 

「全然何言ってるかわかんない…」

 

「詰まるところその鏡があればいいのね?」

 

「うん、さっそく解析……といきたいけど…………実はその『鏡』生徒会に押収されちゃった!」

 

「…………えぇ……」

 

 

 つまり、生徒会へ襲撃を仕掛けるのだろう。そしてそれはミレニアム最強戦力との戦闘が避けられない事も意味していた。

 

 

「でも……C&Cに対抗できる戦力なんて…………」

 

 

 …………何故か私とフォルトゥナに視線が集められる。どうやらやり合うのは私達が適任と言うことになりそうだ。

 

 

「…………お任せください」

 

「ちょっ、むくろ君!?」

 

「私もいいです。が、むくろ様を前線に出してください。これが私が協力する条件です」

 

「幾らむくろさんが怪力で再生能力持ちでもC&Cは流石に…………」

 

「分かった」

 

 

 珍しく、先生が承諾してくれた。恐らくフォルトゥナと言う超戦力を生かしたいのはよく分かるので、私はありがたく暴れさせて貰う事にした。

 

 それからエンジニア部に協力を仰ぎ、生徒会襲撃の手筈は整って行った。因みに私は先生が土下座で足を舐めたりしないか内心心配だった。

 

 

「……私は正面からの荒らしですか…………」

 

「私達は私達のするべきことをするだけだ」

 

 

 結局私の役割も先生の護衛のような状態だが、暴れさせてもらえるだけ感謝するべきなのだろう。

 

 

「むくろ様…………」

 

「……時には、我儘を言うべきだと思います」

 

「…………?」

 

「むくろ様は何処か…………ずっと昔からやらなければいけない事に対し諦めてやっていますが……やりたくないと思っているならそれを押し殺し過ぎるのは良くないと思います」

 

「…………出来る限り改善は目指す」

 

 

 私とフォルトゥナは短い会話を終え、生徒会襲撃は幕を明けた。

 

 

 大まかに作戦を説明すると、アリスとヴェリタスの部員、フォルトゥナが陽動作戦を行っている間、ミドリとモモイ、私は先生と共にセミナーに向かい正面突破を試みる、と言うものだ。

 

 

ガシャン!!!!ガシャン!!!!

 

 

 私の怪力は強行突破にかなり向いている。シャッターが閉まる通路も私が先行して破壊している為シャッターがないも同然な速さで進めている。勿論シャッターは強度がおかしい私の散弾銃によって見るも無残な姿になるが、個人的には散弾銃の殴打に負けるはシャッターとしての意味をなしていない気がするので、後で強度を上げるよう言っておこう。

 

 

「ヒエッ…………」

 

「もうあいつ一人でいいんじゃないかな?」

 

「駄目だよモモイ。むくろ君一人じゃ何しでかすか分からないから」

 

「えぇ!?」

 

 

 先生が誤解を生みかねない発言をしていた気がするが、気にせず道を切り拓く。

 

 しかし、何かおかしい。カリンは私のせいで狙撃する地点が大幅に変わって準備に時間がかかっているとしてアスナが来ないのはおかしい。

 

 

「避けて!」

 

 

ドカアァン!

 

 

 その言葉に反応して私は天井に届かんばかりの跳躍で飛んできた弾丸を回避する。ようやく狙撃手が動き出したようだ。

 

 

「うわあああ!?なんか撃たれなかった!?凄い威力の銃弾が飛んでこなかった!?」

 

「これ……対物狙撃用の13.97mm砲!?私達ですらとても痛いと感じる銃弾がむくろさんに向けて撃たれた……!?」

 

「成る程…………先生、モモイさん、ミドリさん?」

 

「何?」

 

「スモークを炊いて先行します。私は弾丸を回避するので先生方は後ろから付いてきて下さい」

 

「ほ、本当に大丈夫?」

 

「最悪撃たれても大丈夫です。急ぎますよ」

 

 

 私はそう言ってフォルトゥナから貰ったスモーク発生装置を手に持ち、起動する為のピンを引き抜く。

 

 

「一応口元は袖で押さえておいて下さい。行きますよ」

 

「おっけー!」

 

 

 私は先生がついてこれる程の速さで出来る限り回避機動を取る。地面を、壁を、天井を蹴って不規則に動き回る。スモークも相まって狙撃は不可能に近い筈だ。

 

 

 その筈だった。

 

 

ドカアァン!

 

「っ!?」

 

 

 足元を狙ったと思われる弾丸がたまたま地面に着いていた私の左腕が穿たれ、左腕は吹き飛ぶ。だが先生や才羽姉妹は撃たれていないと信じているのか反応を見せない。私としてはそれ自体は好都合なのでそのまま進む。

 

 今度は全力で地面を蹴り、機動の速度を上げる。ここまで上がるともう残像にしか見えない筈だ。まさか狙撃されるとは思わなかったが、カリンを見くびり過ぎていたのかもしれない。

 

 

「お、お姉ちゃん!ハレ先輩から連絡!アカネ先輩がシャッターを爆破して脱出したみたい!おまけにロボットを大量に引き連れてるって!」

 

「ええっ!?」

 

 

 これはまずい事になった。本来ならアカネはシャッターに封印されている筈だが突破されてしまったらしい。爆破されるのは私と相性最悪だ。木っ端微塵にされてしまえば戦線復帰は不可能だろう。

 

 スモークも携帯用の物だからか効果は切れてしまい煙は薄くなっていた。

 

 

「っ!左腕が!」

 

「っ!?」

 

 

 先生と才羽姉妹は私の左腕の損傷に気づいたようだ。ミシミシと軋みながら骨と筋肉が構成され直されていく様子に才羽姉妹は青ざめた顔で口元に手を抑え、先生も何処か苦い顔をして見ていた。

 

 

「この状況なら、諦めた方が賢明だけど思いますけどね」

 

「うぐっ!ユウカ!」

 

 

 想像より早く私達の元に生徒会は来た。陽動係はフォルトゥナがいたはずだが…………そう言えばフォルトゥナの短機関銃は連射速度が速すぎて弾切れが早そうだと思った記憶がある…………まさか弾切れで戦線離脱したのだろうか?

 

 

「どうにかして突破しないと!」

 

「……へぇ、突破?私たちを?」

 

 

 すると前方からアカネと共に大量のロボットが入って来た。私はまた頭に反芻する無念達の声を堪えた。どうやら詰みに近い状態まで追い詰められているらしい。

 

 

「私が相手します。皆さんは目的の物を」

 

「そんな事しなくても大丈夫だよ。私達にはまだ仲間がいる」

 

「そうですか…………まあ折角の機会なので私の体質について明かしておきましょう」

 

「…………どういう事?」

 

 

 ユウカは興味を示す。私は先生に何らかの策か何かがある事を信じ、時間稼ぎに徹する。恐らく準備か何か必要だろうから。私は残りが皮が出来上がるだけまで直っている左腕をちらつかせてこう言った。

 

 

「私の身体は再生能力が卓越していますが、脳が物理的に破壊されると記憶を幾つか失ってしまいます」

 

「えっ?……」

 

「どう言う事でしょうか?」

 

「実際何度かそれで記憶を失っているので、出来る限り頭は狙わないで頂けると嬉しいです」

 

「えっ……ちょっ!?」

 

「…………」

 

 

 未だに飲み込めていないユウカと閉口したノアが出来上がったが、一先ずこれで良い。本当は明かさない方が良かっただろうが、誰かここでやられるよりかはここで秘密の一つを明かしたほうがましだ。

 

 

「ターゲット確認……魔力充電、100%」

 

 

「え?今の…」

 

「お姉ちゃん!伏せてぇ!」

 

「あはは!やっぱり!」

 

「……?」「え?」

 

「……あっ、嫌な予感がする……みんな避け「光よ!!」

 

 

ドカアアァァァン!

 

 

 轟音と共に光の弾丸が通り、アカネに直撃する。私が貰っていたら上半身は正しく消滅していただろう。アカネは気絶で済んでいたが、その丈夫さがつくづく恐ろしいと改めて私は感じた。

 

 

「あ、アカネ!?……嘘!ロボットも半分くらいやられてる……」

 

 

タッ……!!!!

 

 

「えっ?」ゴスッ!!!!

 

 

 私は驚いている隙に地を蹴りユウカをぶん殴る。今まで力の調整は上手く行った試しがなかったが珍しく気絶させられる程の威力で殴れた。これはよい傾向としておくべきだろう。

 

 

「後はロボットだけ!」

 

「でも、なんか少なくない?」

 

「少ないに越したことはないんじゃ?」

 

 

 きっとアスナが来ていない事に違和感を覚えているのだろうが、あれは策略に長ける方ではない筈なので気にせず先へ進み私達は差押品保管庫に付く。『鏡』は此処にあるはずだ。

 

 

「……静かに、ミュートでお願いします」

 

「ん?」

 

 

 『鏡』を探す最中、アリスが何かを聞き取った様にそう言う。

 

 

「ちょ、ちょっと待って!ハレ先輩から連絡!『逃げて!いや隠れて!早く!今すぐqaws@¥#』……最後の方はなんて読むの……?」

 

「……ハレがそこまで取り乱すなんて……」

 

「接近対象を把握、生徒名簿を検索……対象把握」

 

 

 アリスが喋る。私には残念ながら探知能力が欠片もない。攻撃など喰らってもどうにかなる為に別に不意打ちには対処する必要性はない。

 

 

「身長146cm、武器は2丁SMG、メイド服の上から龍柄のスカジャン……?」

 

「!!!!」

 

「隠れてぇ!」

 

 

 ミドリがそう喋り4人は机の下に隠れる。どうやら美甘ネルが来たようだ。正直戦っても勝ち目がない訳ではないが、閉所は不利だ。出来る限りここでは戦いたくない。私は近くの棚の上へ跳び乗って隠れる。

 

 

「……ふーん、めちゃくちゃだなぁ……」

 

 

 私は不意打ちの機会を伺いつつ、息と共に無念達の呻きを押し殺す。

 

 

「……妙な気配が……机の下か?」

 

 

 私はまずいと思い、壁を蹴って殴りかかろうとする。しかしユズが突然現れてこう言った。

 

 

「あ、あの!」

 

「あん?」

 

「ね、ネル先輩!大変です!」

 

「……あんたは?」

 

「せ、生徒会セミナー所属、ユズキです」

 

 

 ユズキ…………そういえばユズキは餓死していないだろうか?餓死されては食料(ドナー)がいなくなってしまうから困る。ネルを見ながらそうぼんやり考えていると、突然私に銃口が向けられる。

 

 

ガシャーン!

 

 

 私は驚いて棚を蹴って弾丸を避け、天井を蹴った後に散弾銃を振り下ろす。

 

 

ドゴーーーーン!!!!

 

「ヒッ……」

 

 

 やはりと言うべきかネルは後ろに跳んで回避する。力が入り過ぎて地面がクレーターの如く抉れてしまった。その威力にユズが恐怖を覚え震えていた。これはトラウマを植え付けてしまったかもしれない。

 

 

「オメェ、殺気がダダ漏れだぜ?」

 

「左様ですか……残念ながら私は不意打ちはするのもされるのも苦手なようです」

 

「なぁ、お前だろ?戦闘ロボを暴走させたってやつ」

 

「……何の話ですか????」

 

 

 私にハッキング能力は皆無なので戦闘ロボを暴走させることなど不可能なはずだ。

 

 

「成る程ねぇ……じゃ、『掃除』するしかねぇな」

 

「…………」

 

 

 ……これは戦闘が避けられなさそうだ。仕方がない。せめて先生が無事であれるようにこの場から離れておくのが無難だろう。

 

 

「すみません、一旦この場は逃げさせていただきます」

 

「え?おい!待ちやがれ!」

 

 

 そして私は大広間へ向け走り出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…………………………………………………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おい……どうしたアスナ…………」

 

「ネ……ネルちゃん!…………」

 

 

 ネルが任務を終えて様子見に来たが、アスナが頭を抱えて蹲っていた。道中アカネがのびてたり中々酷いやられようだった。

 

 

「情けねぇなぁ……何があった?」

 

「あ……あれはヤバいよ!」

 

「あれ?……」

 

「う、うん!シャーレの補佐官とか言う人!あの人だけは近づいちゃ駄目だよ!」

 

「……そんなにか?」(シャーレっつーと確か最近消えた連邦生徒会長の代わりに面倒事を解決するっつってる奴か)

 

 

「うん!兎に角あの中に入っちゃ駄目だよ!」

 

 

 その言葉に、ネルは興味を示したのかアスナの静止も聞かずに建物の奥へ向かった。倒れているロボットを辿って行くと差押品保管庫へと辿り着いた。

 

 

「……ふーん、めちゃくちゃだなぁ……」

 

 

 中に入りそう呟いたネルは上を見る。

 

 

(…………!)

 

 

 すると棚の上から恐ろしい何かがネルの方を見据えていた。その本気で殺そうと思えば殺しに来るような瞳に、若干の恐怖を覚えた。

 

 

(あれはなんだ?……兎に角オーラでやべぇってのが丸わかりだ。ありゃアスナが怯える訳だ…………机の下にもいんな)

 

「……妙な気配が……机の下か?」

 

「ね、ネル先輩!大変です!」

 

「……あんたは?」

 

「せ、生徒会セミナー所属、ユズキです」

 

 

 赤髪がそう言ってネルの後ろに現れた。ユズキと名乗る赤髪の説明によると、どうやらロボットが勝手に暴走したらしい。

 

 

「ほう?……」

 

 

 ネルは気付いていた。彼女は今回の襲撃犯の一人であり捕らえなければならない相手であるということを。だが、ネルは自身のような強者を前に、仲間の為前に出るという姿勢を評価し、見逃そうとした。

 

 

「覚えときな、戦いで一番大事なのは、経験でも武器でもねぇ。度胸だ」

 

「……は、はい?」

 

「その点で、あんたに素質がないとは思わねぇ。自分がどう思われてるかくらい、あたしにも分かってる。それに、あんたが結構ビビりなこともまあ分かる。それなのに、初対面でこのあたしに声をかけるなんてのは、それなりに度胸がいることだろうからな」

 

「は、はい!ありがとうございます!」

 

「ああ、じゃあな、またどっかで……と言いたいとこだがなぁ」

 

 

 ネルはツインドラゴンを怪物の居座る棚へ向ける。

 

 

ガシャーン!ドゴーーーーン!!!!

 

 

「ヒッ……」

 

(……おいおい、どんな威力だよ…………)

 

 

 発砲する前に銃口が向けられていることに気付いていたのかネルには分からなかったが、むくろはとんでもない速さで跳び、ネルに向け、殴りかかる。それをネルは躱すが、その威力はネルでさえ若干の恐怖を覚えさせた。

 

 

「オメェ、殺気がダダ漏れだぜ?」

 

「左様ですか……残念ながら私は不意打ちはするのもされるのも苦手なようです」

 

「なぁ、お前だろ?戦闘ロボを暴走させたってやつ」

 

「……何の話ですか????」

 

 

 ネルは探りを入れるつもりで質問するが、案の定というべきかむくろは知らばっくれる。少なくともネルにはそう映った。

 

 

「成る程ねぇ……じゃ、『掃除』するしかねぇな」

 

「…………」

 

(こいつはやべぇな…………アタシですら勝てるか分からねぇ……)

 

 

 むくろのその佇まいに嫌な予感を感じていたが、むくろが話した言葉はネルにとって予想外だった。

 

 

「すみません、一旦この場は逃げさせていただきます」

 

「え?おい!待ちやがれ!」

 

 

 そして猛者同士の戦いは、幕を開いた。

 






 フォルトゥナちゃんはアスナ相手にしてたら弾切れで消えました。ACの如く僚機って信用出来ないっすねぇ。

フォルトゥナのビジュ!描くのだるい!あと女子描くの苦手!

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