シャーレのむくろ君(不死身)   作:脱力戦士セシタマン

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 珍しく筆が乗ったので投稿します。

 むくろ君、前回の損傷でゲーム開発部の名前がぶっ飛んでます。やってんなぁ(満面の笑み)




ゲーム作成

 

 

 次の日…………

 

 

「おはよー……」

 

「おはようございます」

 

「おはようございます、ユズキさん。朝食の支度が出来たので」

 

「んー……」

 

 

 ユヅキはとても眠たそうに起きた。彼女が起きる前から私とフォルトゥナは朝早く起き、朝食の支度をしていた為に部屋にはベーコンエッグのいい匂いが漂っていた。

 

 

「………………なんであんたがいるの!?!?」

 

 

 どうやらユヅキはフォルトゥナがいることに驚いているようだった。そうなる気はしていたが、やむを得ない事情がある事を伝えなければいけない。

 

 

「色々深ーい事情があるのです」

 

「彼女とある組織に身柄を狙われているようなので……」

 

「契約を結んじゃいましたー!」

 

 

 そう言ってフォルトゥナはポケットから取り出して広げた契約書を口で咥えてユズキにひけらかす。器用に盛りつけしながらやっているので危なっかしくて見ていられなかったが零すことなく盛りつけ、契約書を咥えたままリビングの食卓へ朝食を運んだ。

 

 私も追いかけるように米とスープを乗せたお盆を運び、机の上に乗せていった。先程の発言は言い方的に『私達、結婚しちゃいましたー』みたいなノリだった気がするが、余り気にしない事にした。と言うか気にしたくない。気にしたら私は駄目だと思った。

 

 

「はぁ……むくろさん?そんな契約ポンポン結ぶもんじゃないよ?」

 

「大丈夫です。きちんと考えた上での行動なので」

 

「……ユズキさん信用出来ますか?こう見えてむくろ様は馬鹿ですよ?」

 

「うーん……付き合いが長そうなフォルトゥナさんが言うなら…………」

 

「!?!?!?」

 

 

 私はユズキからも馬鹿認定されそうな事に焦った。そうなってしまえばショック……とまでは行かないが、悲しくなるのでやめてほしかった。

 

 

「フォルトゥナ、やめてくれ」

 

「すみません。からかうのが楽しくつい………」

 

「てか、フォルトゥナさんにはタメ口なんだー…………ふーん……」

 

「…………ユズキ……でいいでしょ……いいか?」

 

「……それで良し!」

 

 

 ユズキは満足そうに手を洗いに洗面台に向かった。どうしてご満悦なのか分からなかったが、喜んでいるならもうなんでも良かった。

 

 

「それでは…………」

 

「「「いただきます」」」

 

 

 

 

 私は二人と朝食を楽しみ、フォルトゥナとシャーレへ向かった。因みに朝食は鮭の塩焼きだった。

 

 

 

 

 

「おはようございます」

 

「おはよう。むくろ君」

 

「私の編入手続きは……」

 

「これからだよ。フォルトゥナちゃんも手伝ってくれるかな?」

 

「勿論です」

 

 

 そう言ってフォルトゥナにシャーレに編入する為の紙を渡し必要な項目を書かせ、私と先生はデスクに向かい今日こなすべき仕事を始める。

 

 

「これでよろしいですか?むくろ様」

 

「それで大丈夫。後は私達が何とかする」

 

 

 そう言って私は記入された内容に目を通して印鑑を押し、先生に渡す。

 

 

「……よし!これでシャーレに編入出来た筈!」

 

「ありがとうございます。ゲーム開発部には行かなくて良いのですか?」

 

「行きたい気持ちは山々だし連絡も来てるけど、やるべき事は終わらせないとね」

 

「なら私も手伝います。パソコンの扱いなら多少心得がある

ので」

 

 

 そう言ってフォルトゥナも加わり私達はシャーレの仕事を進めて行く。

 

 

 

「……そろそろ時間だね…………行こうか!」

 

「分かりました」

 

 

 先生のその一声に応じ、私達は      に向かった。どうやらG.Bibleの解析が終わったのを起動せず待ってくれているらしい。

 

 

「お!やっと来た!」

 

「むくろさんとフォルトゥナ先輩と先生がパーティーに合流しました!」

 

「それじゃあ先生達が来たことだし早速G.Bibleを起動しよう」

 

 

 そう言ってミドリがゲーム機を起動する。皆が食い入るように画面を覗く中私は遠くでその様子を見守っていた。ふと地面に目をやると血の跡が残っていなかった。私達が来る前に掃除されたのだろう。

 

 そうこう考えているとG.Bibleが起動された。そして画面に表示された文言、それは…………

 

 

ゲームを愛しなさい!

 

 

 ゲームのよりよい作り方でも何でもなく、ただのメッセージだったなど皆は思いもしなかっただろう。恐らく私もブルーアーカイブの記憶がなければキレていた。

 

 

「うああああん!終わった!私達はもう廃部なんだ!」

 

「なんかこう無いの!?このシステム使えば神ゲーになるとかさ!」

 

 

 それはまあ、そう言う反応にもなるだろう。なるだろうが、流石に喚きすぎだと感じた。

 

 

「いっそ嘘だって言われたほうがマシだった!」

 

「ぐすっ、ごめんねアリスちゃん。私たちじゃいいゲームを作れない」

 

 

 その言葉を聞いた時私は苛立ちを覚えた。なぜかは分からなかったが、どうしようもなく腹が立った。だが私はそれを抑え、アリスの言葉に耳を傾けた。

 

 

「……いいえ、アリスは『テイルズ・サガ・クロニクル』をやる度に思います。あのゲームは面白いです。沢山の想いが込められたあの世界で旅をすると胸が高鳴ります。仲間と一緒に新しい世界を旅し、夢を見るというのがどういう事なのか。その感覚をアリスに教えてくれました。だから待望のエンディングに近づくほどに、あんなに苦しんだのに思ってしまうのです。この夢が、覚めなければいいのに……と。アリスは思うのです」

 

「アリスちゃん……」

 

「G.Bibleが駄目でもゲームなら作れる筈です。『テイルズサガクロニクル』もそうでしょう?」

 

「でも結局クソゲーランキング1位取っちゃったし……」

 

 

 私はその言葉を聞いてどうして腹が立っていたのか分かった。私は出来ないから諦めると言う姿勢が嫌いなのだ。私の戦い方がそうなのだからそう思うのかもしれないが、初めから諦めて泥臭くやろうとしないのは容認したくなかった。

 

 

「…………だから何だというのですか?そうやって不可能と決めつけ逆境に膝を折るのは見ていて腹が立ちます」

 

 

 その瞬間部室に静寂が訪れる。まるで私が言う事などない言葉だと言わんばかりに、皆驚いた顔をして私をみていた。だがそんな事どうでもいい。

 

 

「そうやって蹲って無理だと喚いたとて現状の何が変わるのですか?現状を変えたかったら行動しなければいけません」

 

 

 私の語気は強くなっている事が自分でも分かる。だがきっとこの感情から来る言葉は      の背中を押せる言葉だと思えたので、率直に言葉にすることにした。

 

 

「『前を向き、歩みを進めろ。私達に出来るのはそれだけだ』」

 

「…………」

 

 

 私の声は脳に響く誰かの無念の声と重なった。誰の声なのか、分からなかった。でもそれはとても聞き慣れた、大切な人の声だと直感した。

 

 皆は閉口したままだった。だが、こう言う時に声を出せる人間は強い人間だ。

 

 

「……作ろう」

 

「……え?」

 

「私の夢は……私が作ったゲームを、みんなに面白い、って言ってもらうこと」

 

 

 ユズが喋る。彼女は臆病ではあるだろうが、仲間の為なら勇気を出して戦える人だ。私はそれは素晴らしい事だと思う。

 

 仲間の為と言う感情は、私が失って久しいものなのかもしれない。

 

 

「……最初に作ったプロトタイプのT.S.Cは……とても酷い評価ばかりだった。でも……」

 

「……2人が、ミドリとモモイが……一緒に面白いゲームを作りたいって…………そう言ってくれたの。まぁ、完成したT.S.Cは結局クソゲーランキング1位になっちゃったけど……」

 

「「……」」

 

「でも、アリスちゃんが来てくれて……面白い。そう言ってくれて……私の夢は叶ったの…………心の通じ合う大事な仲間たちと、一緒にゲームを作って、それを面白いって言ってもらう……すっと一人で思い描いてるだけだった、その夢が」

 

「これ以上は欲張りだろうけど……私は、この夢が、まだ終わらないで欲しい」

 

 

 夢……私に夢なんてなかった。いや、あったのかもしれない。でももう夢を見ていられないのだ。私の中に渦巻く無念達を晴らす。それに理由もいらないしまたキヴォトスを救う防衛装置として役割を全うしなければならない。

 

 だが、ユズの言葉は私の心に刺さった。はっきりとは分からないが、そんな気がした。

 

 

「ならば……やるべきことは一つですね」

 

「アリスちゃん!ミレニアムプライスまであとどれくらい?」

 

「6日と4時間38分です」

 

「なら十分……さぁ、ゲーム開発部一同!」

 

 

 モモイが立ち上がり、大声で喋る。

 

 

「『テイルズ・サガ・クロニクル2』、つくろう!」

 

「「「うん!」」」

 

 

 これが青春であり、若かりし輝きなのだろう。そしてまだ仲間といたいと言う意地を通す戦いが始まったということでもある。

 

 私から渡せる言葉はない。あったとして、ありきたりな応援になってしまうだろう。だがそのありきたりな物でも彼女達を押せる言葉だと信じ、私は口を開く。

 

 

「頑張って下さいね…………そして……」

 

「?」

 

「…………いえ、何でもありません」

 

 

 私のようにはならないでほしい。何処からか湧き出たその言葉は、今の彼女達に渡すには相応しくない言葉だと思い心の中に留めた。この呪いのような、悲しく寂しいと言わんばかりの言葉はこの場に於いて余りに不釣り合いだ。

 

 私達シャーレはこれ以上口出しするのは余計だと判断し、シャーレのオフィスへと帰った。私はシャーレのデスクに付き、パソコンを開いた。

 

 

「それでは、この山積みの仕事を終わらせますよ」

 

「うわぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

「キチゲ解放しないで下さい。こんな事があろうかと助っ人を呼んでおきました」

 

 

 先生が発狂している横でフォルトゥナはまたも仁王立ちに腕を組みドヤ顔でそう言う。もしかしたら褒めてほしいのかもしれない……が、その助っ人が誰かによるので今は褒めない事にした。今は、なので後で褒めまくるつもりでいた。

 

 

「助っ人さーん!入ってきていいですよー!」

 

 

 フォルトゥナがそう言うとシャーレのオフィス、その内の一室に繋がる扉が開く。

 

 

「やっほー」

 

 

 現れたのは見覚えのありすぎる銀髪で淡い青緑色の瞳を持つ少女…………白銀ユズキがそこにいた。私は衝撃のあまり目を見開いてしまう。

 

 

「ユズキ?…………」

 

「むくろさんの家の居候1号、『白銀ユズキ』さんです!」

 

「居候1号て……」

 

「因みに私が2号です」

 

 

 私は思わず天を仰いだ。昨日あれだけ同棲がバレたら面倒だという話をしたのにも関わらずカミングアウトされるなどとは夢にも思わなかったのもあり、私はフォルトゥナは褒められなくなってしまった。正直褒めてやりたい気持ちも無くはないが、やってる事が私からしてみれば戦犯そのものである。

 

 

「へぇ~!」

 

「…………私は彼女にシャーレの書類仕事をある程度手伝ってもらっていたのですよ。私が書類仕事を終わらせるのが早かったのはそう言った理由があっての事です」

 

「よろしくね〜」

 

「よろしく〜」

 

 

 そのまま私達は雑談も交えつつシャーレの書類仕事を進めて行った。一応書類仕事はユズキがここに来ているからかフォルトゥナがパソコンでツールを作って時間短縮に努めているからか、仕事はいつもより早めに片付いていた。

 

 早めに終わった以上はフォルトゥナを褒めなくてはいけないだろう。私はフォルトゥナに書類を渡すついでに褒める事にした。

 

 

「これをスキャンしてくれ……それとフォルトゥナ」

 

「はい、どうされましたか?」

 

「ユズキを呼んでくれたのはナイスだった。ありがとう」

 

「今更ですか〜……今更なのでもっと褒めてください」

 

「厚かましいからフォルトゥナを褒めるのはこれまでにしておく」

 

「褒めてくださいお願いします。後頭を撫でて下さい」

 

「よくやったぞフォルトゥナ」ナデナデ…………

 

「むふー」

 

 

 フォルトゥナとの実質的な付き合いはそこまで長くない筈だが、このやり取りは何故だか慣れ親しんだ物のような感じがした。遠くから先生とユズキが私達を見て話しているが気にせずフォルトゥナの頭を撫でる事にした。

 

 フォルトゥナを暫く撫で続けていると、今度は先生の元を離れたユズキがこちらに向かって来た。

 

 

「私も書類仕事頑張ったし…………褒めて?」

 

「…………?」

 

「困った顔しないで!ちょっと恥ずかしくなってくるじゃん!」

 

「なら始めから言わなければ良かったのでは?」

 

「むぅ………」

 

「…………ふふっ」

 

 

 赤面したユズキが頬を膨らませて俯いてしまうが、その様子が面白く笑いが溢れてしまった。そして私は私の様子を見て驚いた顔に変わったユズキの頭を撫でる。

 

 

「むくろ君が笑った!笑ったよ!」

 

「カメラ何処!カメラ!」

 

「私は赤ちゃんか何かですか…………」

 

 

 そんな下らないやり取り込みの仕事がミレニアムプライスの応募締め切りの日まで続いた。勿論時折ゲーム開発部の状況を見るために差し入れに行くこともあったが、特段何かあったわけでもなかったのでここでは省略させていただこう。

 

 そしてミレニアムプライスの応募締め切りの日、私達はゲーム開発部の部室で彼女達の様子を見守っていた。

 

 

「お姉ちゃん、まだ!?」

 

「ま、まって!これやれば終わり!」

 

「あと2分しかないんだよ!!そりゃ急かすよ!」

 

「正確にはあと96、いえ92、91……」

 

「わ、分かった!もうできたから!」

 

 

 そう言ってモモイがパソコンの入力を終える。

 

 

「こっちは簡単なテストだけして……エラー無し、モモイ!」

 

「おっけー!アップロード!完了予測時間……15秒!アリス、残り時間は……」

 

「残り19秒です……」

 

「お願い……」

 

 

 一同が見守り、数秒した時、モモイが呟く

 

 

「転送……完了……」

 

「……ってことは!」

 

『ミレニアムプライスへの参加受けが完了しました』

 

 

 モモイのPCにその文字が大きく書かれていた

 

 

「間に合っったぁぁぁぁ!」

 

「ギリギリ……心臓がバクバクしてる……」

 

「あとは発表を待つだけ……」

 

 

 どうやら山は越えたようだ。結果がでるまで残り3日あるが、彼女達はそわそわしていた。やはり評価が気になるのだろう。

 

 

「モモイ!ミドリ、ユズ!アリスはモモイに提案します!」

 

「え?アリスちゃん、提案って?」

 

「先にwebバージョンでT・S・C2をアップロードしてみましょう!」

 

「え?」

 

「そ、それはどうして……?」

 

「お、それはいいねぇ……3日は長いし、審査員よりユーザーの意見が聞きたい!」

 

「で、でももし低評価が来たら……」

 

「大丈夫だよ、ミドリ。どんな作品にも低評価は付き物さ」

 

「そうそう!だから気にしなくていいの!自信を持って、見て貰おう!私達はベストを尽くしたんだから!」

 

「……」

 

 

 ベストを尽くせたから……と、喜べるのはきっと今のうちだろうと私は思った。大人になれば結果のみを求められ、過程はその為の道でしかないのだ。

 

 

「……うん、アップしよう」

 

「え?」

 

「……ゲームだけじゃない、作る物は見てくれる人、遊んでくれる人がいてようやく完成するの。私は、私たちが作り上げたこのゲームを、完成させたい」

 

「ユズちゃん…」

 

「……大丈夫、もし前みたいに低評価の嵐が来たとしても……全力で頑張って……みんなもいるし、きっと受け止めれる……私はもう、大丈夫」

 

「……」

 

「そんじゃ今すぐアップロード!」

 

「え!?ちょ、まって!心の準備が…」

 

 

 モモイがパソコンのエンターキーを押す。すぐにパソコンの画面にはアップロード完了と表示された。

 

 

「転送完了!」

 

「みんな、お疲れ様。ダウンロードして遊ぶのに時間がかかるだろうから、一旦休みにしよう?」

 

「差し入れのお菓子です」

 

 

 先生と一緒に買ったお菓子が入った袋を見せる。

 

 

「お!差し入れじゃん!ありがとう!」

 

「先生、むくろさん、ありがとうございます」

 

「い、いただきます」

 

「アリスはチョコが食べたいです!」

 

「ちょ、落ち着いて。全員分あるから!」

 

 

 その後『テイルズ・サガ・クロニクル2』の評価はそれなりに良いものである事が確認でき、ゲーム開発部が喜んでいる様子を部屋の端の方で見ていた。

 

 

「っ!?」

 

「どうした、フォルトゥナ」

 

「皆さん伏せて!」

 

 

 その言葉に反応して皆しゃがむが私は先生を庇うべくフォルトゥナが驚いた瞬間に見た方角に、先生を背にする様に立っ。私の安全は二の次、最も喰らってはいけないのは先生だ。

 

 先生はキヴォトスを救うためには欠けてはならない存在。仮に頭が吹き飛んだとて、私の記憶はキヴォトスの命運の前には駄賃に過ぎない。

 

 

ドガァァァン!!!!

 

 

 そして私は、突然の轟音と共に意識を失った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…………………………………………………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………何が起きて……!」

 

 

 私こと先生は頬にこびり付いたドロリとした何かに気付き、手を触れる。それは赤黒い塊であり、先生はそれが何か理解したくなかった。だがここで伏せたままでいる訳にも行かず、私は体を起こし音のした方を見る。

 

 

「っ!!!!」

 

 

 そこには頭が弾け飛んで首のないむくろ君が倒れていた。抉られた首の根元からは赤黒い血液が溢れ出しており、それは元が何であれ目を背けたくなる物だった。

 

 

「ひっ……」

 

「むくろ……さん?……」

 

 

 才羽姉妹は青ざめて顔を手で抑えている。アリスは何が起きたのか分かっていない表情で、その様子を見ているだけだった。

 

 

「むくろ…………様…………」

 

 

 フォルトゥナは揺れる緑色の瞳でむくろ君の様子をまじまじと見つめ、フラフラと首のないむくろ君に近づいて、首から未だ溢れ出る血も気に留めず抱き寄せた。

 

 

「ごめんなさい、むくろ様…………私はむくろ様を……守れませんでした…………」

 

 

 フォルトゥナはそう言ってむくろ君を置いて立ち上がった。一瞬こちらを見た瞳は光を失い怪しく青緑色に光っているように見えた。

 

 そしてフォルトゥナは外へ出て押し寄せるロボットを破壊し、廊下へと消えて行った。

 

 

「…………追いかけよう!」

 

「……うん」

 

「……そう……だね。むくろさんの事は悔やんでも仕方ない」

 

「むくろさんはどうして起きないのですか?」

 

 

 フォルトゥナの何処か見覚えのある瞳に嫌な予感を覚えた先生は皆にそう呼びかける。だがアリスは未だにむくろの事を気にかけているように頭が未だに再生しないむくろにしゃがみ込んで見つめていた。

 

 

「むくろ君は…………」

 

「むくろさんは……えーっと……大ダメージを受けてダウン状態なの!でも時間が経てば起き上がるから!」

 

「そうだったのですね!ではむくろさんの敵討ちです!」

 

 

 アリスはそう言って立ち上がる。先生はほっとしながらゲーム開発部を連れてフォルトゥナを追いかけ始めた。

 

 

ダダダダダダダダダ!!!!ドガァァァン!!!!

 

 

「フォルトゥナちゃん……速い…………」

 

 

 追いかけるとフォルトゥナは双眸から緑の残光を出しながらとんでもない速度でロボットを破壊していた。私達が戦っている最中に見られなかった手榴弾や閃光弾が飛んでいた。私達が来たことには気付いているだろうが、気にも留めずロボット達を蹂躙し続ける。

 

 

ドガァァァン!!!!

 

 

「そこですか」

 

 

 フォルトゥナは対戦車ライフルが向けられるが当然の様に躱し向けられた主に向けて走り出す。

 

 

「安心してください」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「きちんと殺します。確実に」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「っ!?まっ!!!!」

 

 

 先生のその声が届く事などなく、フォルトゥナはその主の元へ跳び去ってしまった。

 








 おまけ(バレンタインだからちょっとやりたかった)




「今日はバレンタインなのでチョコを用意しました!」

「むくろ君どーぞ」


 そう言われ2人から箱を受け取る。フォルトゥナからは簡素ながら紙に包まれており、ユズキから渡されたのはコンビニで売っているチョコにリボンがつけられた物だった。


「ありがとうございます…………フォルトゥナは手作りですか?」

「はい!」

「ユズキさんは…………」

「……ごめん、私なんも作れないしお金なくて」

「いえ、十分嬉しいよ。ありがとう」

「本当はゴ◯ィバにしたかったんだけど……」

「いえ、そこまでしなくていいです……」


 私はユズキが実は金遣いが荒いのではと疑ってしまったのは、きっと間違っていないだろう。








…………………………………………………………







 むくろ君はバレンタインチョコもらえます、多分。むくろ君よく忘れるから覚えてないとかあり得るけど…………

フォルトゥナのビジュ!描くのだるい!あと女子描くの苦手!

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