史上最強のドラゴンポケモンになったけど弱すぎるので竜の心を知る娘に養われます   作:秋塚翔

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最近ポケモンレンジャーバトナージ買ってハマる時代遅れ。DPtの時点であのクオリティは凄いなと。たまたま配信ミッション取ってそのままの中古だったので、マナフィやダークライゲットできたのはお得感。


ヒウンシティにさよならバイバイ

 以降は原作ストーリーの通り。――正しくは、その裏側。

 

 引き続きアイリスがベルのボディーガード役を務め、ヒウンシティを色々と見て回った。奇跡的に買えたヒウンアイスに舌鼓を打ったり、セントラルエリアの噴水前で結成されたダンスチームの踊りを見物したり、アトリエでアイリスがイッシュ建国伝説のことをベルに語ったり……いたって穏やかな時間が送られる。

 俺はそんな少女二人を邪魔しないよう端で眺め、とても満喫させてもらった。これもポケモンになった特権だなあ。……ギリギリ有罪(ギルティ)な気がしないでもないが。

 

 それからその後。

 

「オノンド、ヒュラ! ほどほどに暴れちゃって!」

「お願い、ジャノビー! ムンナ!」

 

 ポケモン勝負が苦手だというベルのため、アイリスは彼女を鍛えてあげることに。

 相手を務めるのはオノンド姐さんと、レベル的に対等だろう俺。それでもまだまだ旅に出て間もない新米ポケモントレーナーがお相手なので、程よく手心を加えながら試合を行う。

 

 そうして経験と自信を付けさせて。別れの時は惜しみつつやって来た。

 

「ありがとう、アイリスちゃん……こんなあたしにここまで付き合ってくれて。お陰でこれからも旅を続けることができるかも」

「こちらこそ一緒に街の中を回れて楽しかったよ! ベルおねーちゃんならだいじょーぶ! ポケモン勝負だって全然下手なんかじゃないもん! だから、これからたっくさん旅を楽しんでね!」

「アイリスちゃん……」

 

 向かい合い、まっすぐな激励を送るアイリスに苦笑いを見せるベル。慣れない称賛にくすぐったそうにしている感じだ。

 でも実際、バトルの腕は言うほど苦手ってこともないからなあ。少し先の話だが、メインストーリー後は原作主人公やチェレンに匹敵する強さになるし。ここからが伸びしろだ。

 レベルの低いトレーナーは見限るツタージャの進化形であるジャノビーが、こうしてベルについてきているのがその証拠ってもんだろうな。

 

「ヒュラちゃんたちも、お手伝いありがとうねえ」

 

 ベルは特訓の相手をした俺とオノンド姐さんにも労いの言葉を掛けてくれる。

 俺けっこうベルも好きなんだよなあ。おっとり気弱な感じでありながら、その芯はしっかりしてるってギャップがいいのよ。俺ギャップに弱いのかもしれん。二年後のビジュも可愛いよね。

 

「――じゃあ、またねえ!」

 

 それからベルは次の町、ライモンシティ目指して去っていった。

 アイリスに鍛えられたこの後、原作主人公(トウコ)と勝負する流れなんだろうな。原作通り原作通り。

 

「あたしたちもそろそろ行こっ!」

 

 ベルに手を振って見送ったのち、アイリスがそう言いかけてくる。同意する俺。

 ヒウンでの滞在もそこそこに、俺たちは反対の道を進む。

 次に向かうのは――シッポウシティだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 アイリスの意向で、ここからは乗り物を利用せず進むことになった。

 

 ヒウンと繋がるイッシュで一番長い橋、スカイアローブリッジ――そこを自分の足で渡りたいという理由からなのだが、そこには俺も内心でまた同意しておく。

 いちいち原作持ち出すのもあれだが、ここもまた原作プレイしていて衝撃を受けたスポットだから是非とも直に行きたかったんだよなあ。アイリスは分かってるわ。

 

 恐らくは初めて来た誰もが感じたことだと思うが、ここのアングルの魅せ方がプレイ当時マジで度肝を抜かれたもんだった。こんなグラフィックの活用の仕方できるんだ!? と思ったよ。特に支柱部分を俯瞰視点で潜る時の音の変化。あれはいっそ変態的だったなあ(褒め言葉)

 

 などと、一匹(ひとり)懐かしむのは置いといて。あの感動そのままに壮観な橋をはしゃぐアイリスについていきながら渡り行く。原作知識抜きにしても人の技術の粋ってのを感じられたぜ……

 

 橋を渡り切り、遠く見えるヒウンの高層ビル群の影に感じ入って。

 俺たちアイリス一行はヤグルマの森に入った。

 

「わーっ、自然がいっぱいだー! 都会もステキだけど、森の中もやっぱりいいなー!」

 

 木々が立ち並ぶ森を見て一番、野生児っぽいこと言うアイリス。

 都会(ヒウン)でも楽しげにキョロキョロ見て回ってたが、こういう自然環境豊かな場所ではより生き生きするよなあ。

 

「もうすぐでシッポウシティだよっ。アロエさんいるかなー?」

 

 森の中を行き、俺たちは目的地を目指す。

 これは俺の知らないアイリスの動向だ。ヒウンで別れて以降は、訳もあってソウリュウに行くまで出会わないからな。まさかシッポウに行くとは。

 

 シッポウシティといえば、俺ことキュレムにとっちゃ無関係でない『モノ』がある。

 分かたれた半身の、さらに分かたれた片割れ。……あれな言い方すれば、強化アイテム。あいにくそれ扱うための専用道具ないから今は意味ないけど、せめて一目だけでも見ておきたいところだな。

 

 若干逸る気持ちを抑えて森を通り過ぎようとした、その時。

 

 

 

「バキャキャキャ!」「ヒキャキャキャ!」「ヤキャキャキャ!」

「く……っ! やってくれるじゃないか……!」

 

 

 

 正面に、複数匹のポケモンと対峙する女性の姿を認めた。

 

「あれっ!? ――アロエさん!」

「! アイリスかい!?」

 

 女性の素性にまずはアイリスが気付く。

 そう。それは紛れもなくこれから向かうシッポウシティのジムリーダーであるアロエだった。

 

「「「キキィッ……」」」

 

 そのアロエと相対していたのはバオッキー、ヒヤッキー、ヤナッキー――いわゆるイッシュ三猿と呼ばれる三匹だ。

 一瞬、サンヨウジムリーダーのエースポケモンが真っ先に思い浮かんだが、それとは別(ポケ)なのは見て分かる。やけにガラが悪そうだし。野生のイッシュ三猿ってところか。

 

 よくよく見れば、アロエの側には戦闘不能になったミルホッグが。こちらは良く知られるアロエのエース。どうやらアロエは野生のバオッキーたちと戦っていた様子だ。

 ……って、え? だとすると野生のイッシュ三猿にジムリーダーのエースポケがやられたってこと? どうなってんだそれ。

 

「よく分からないけど手伝うよ! ヒュラ! オノンド! クリムガン!」

 

 同じく状況は読めんが……とにかく助太刀はいるな!

 アイリスに応えて俺と、ボールからオノンドとクリムガンの姐さんが場に出る。

 

「バキャァ!」

「ヒキャァ!」

「ヤキャァ!」

 

 突然の増援に戸惑いを見せる三匹だが、すぐさまこちらに向き直った。

 リーダーと思しきバオッキーが目配せすると、応じたヒヤッキーとヤナッキーが示し合わせたように陣形を組んでこちらへと迫ってくる。

 先頭をヤナッキー、それに続いてヒヤッキーが、そして最後尾にバオッキーという、直線状に並んだフォーメーション。

 おい待てそれジェットストリームアタッ――!?

 

「キィ!!」

「ヒュラッ!?」

 

 俺()()を踏み台にしたぁ!?

 そのまま迫ってきた三匹の先頭、ヤナッキーが跳躍し、俺を踏みつけて飛び越える。

 続けて、その死角を利用してヒヤッキーが『みずでっぽう』を繰り出し、俺と並び立っていたオノンド姐さんを狙い撃つ。

 そこをクリムガン姐さんがカバーしようとするも、さらにその後方にいたバオッキーが身軽な体捌きでそれを阻害した。

 

 瞬く間の接敵。

 俺たちは見事に手玉に取られてしまう。

 

「「「キャキャキャキャー!」」」

 

 嘲笑う声を甲高く響かせ、野生のイッシュ三猿は森の奥へと逃げ去っていった。

 俺たち相手に真っ向から戦う気はなかったらしい逃げ足の早さ。

 

「逃げられちゃった……」

 

 余りの手際に呆然とする俺たち。

 ほんとに野生のポケモンだったんかあれ。こうもあっさり取り逃すとは。

 

「残念だったねえ。まあ仕方ないさ。ああいう連中なんだよ、あのポケモンたちは」

 

 戦闘不能のミルホッグをボールに戻して、アロエがやれやれと肩を竦める。

 

「とにかくここじゃなんだ。腰を落ち着けて話そうじゃないか」

 

 そう言って。

 アロエの先導で俺たちは森の出口まで足を運ぶのだった。




ベルいいよね…って再認識した今回。BW2のビジュがいいのよ(二度目)

アニポケでJSAといえばサンムーン編のナゲツケザルらしいですね。未履修晒してる。まあ同じ猿ポケモンってことでニアピン。

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