ブルーアーカイブWithシンダー・カーラ   作:qeqe

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感想、評価ありがとうございます。気がついたら赤がついててとても嬉しいです。
早くカーラにミサイルカーニバルしてほしい…でもこのままのペースでいくとあと10はかかる気がしてます。


07

 歩くこと数十分、川沿いの住宅街の中で簡易的なバリケードが見えてくる。有事の際に即座に閉鎖できるように十字路の左右に配置されたであろう、今は道を遮ることなく鎮座している。

 

 そこにはキーキーヘルメット団のエンブレムとは異なった、楕円の中に四芒星が数個、楕円に少し被るように羽と翼があしらわれたそのマークはこれから向かうであろう通り道に誇示されている。不審に感じるカーラに対し、他の3人は気にすることなくバリケードの内に入っていく。

 

「あのマークはなんだい?」

「ああ、あれか。一言で言えばうちのケツ持ちだ。うーん少し違うか?あー…企業で言うホールディングスのシンボルマークか?幾つかの地域に点在したヘルメット団が集まってできた互助組織みたいなものだ。まぁ要するにあのマークの内側はうちのシマみたいなもんで、ここまで来たら帰ってきたって思える場所ってわけだ。」

 

 その言葉に違わず歩いて数分のところに彼らの拠点があった。それはあるもので補修したのだろう壁が悪目立ちするボロいと思わせる平屋だった。

 

「とうちゃーく!カーラ、歓迎するよ!」

 

 カーラに振り返り手を広げる日向。それを横目に2人は家に入っていく。

 

「ただいま〜っと。」

「………。」

「ほらカーラ!行こう!」

「はいはい、邪魔するよ。」

 

 玄関には土間がある。…が、誰も靴を脱がずに入って行く。カーラはそのまま部屋に案内される。一体型LDKの空間は窓はガラスは1枚を残して板に変わっていたり床に追加で板を打ち付けていたりフローリングが剥げていることを除くのであれば整っていると言えるだろう。

 

「好きなとこに座ってくれ。と言っても床はおすすめしないぞ。箒で掃いたがガラスが割れてたからな。」

 

 カーラがソファに座ると日向も横に座る。赤羽はキッチンで飲み物を注いでおり、刻田は工具箱を手にリビングに入ってきた。思い出したように赤羽が口を開く。

 

「そういえば例の悪食、もう少し着くんだと。まぁあいつは時間にルーズなところがあるから1時間くらいは覚悟しておいてくれ。」

「そういえばその子の名前を聞いてなかったね?」

 

「言ってなかったか?…言ってないな。そいつは進藤、進藤アスハだ。もともとミレニアム出身のやつなんだが、あそこは知ってると思うがセキュリティがキツくてな、店に出禁くらった後も何度も出没して手配までついた。まぁ指名手配された理由は他にもある。新製品を手に入れるために倉庫襲ったりトラック襲ったり、んでめでたくミレニアムから追放されたってわけだ。そんな生粋の新しい物好き、ある意味ジャンキーと言えるぞ。」

 

「なかなかご機嫌なやつもいたもんだね?それが今では悪食まで言われるなんて見境がなさすぎないかい?」

 

「好奇心旺盛なのはある意味ミレニアムらしいだろう?ミレニアムに比べたら他の地区の機械なんてどっこいどっこいでそこで手に入る新製品なんて見劣りするだろう。だからあいつはミレニアムで手を出さなかった保存食やらに片っ端から手を出してるんだ。」

 

「…少しいいか?お前たち、銃を出せ。整備の時間だ。」

 

 刻田が道具を机の上に広げ終わったようで、話しかけてくる。赤羽がARを、日向がSMGをそれぞれ手渡す。

 

「ああ、今日もよろしく頼む。」

 

「いつもありがと~」

 

「…カーラも。」

 

「気持ちは嬉しいんだけどね。私は自分でできるようにしておきたいんだ。よければ教えてくれるかい?」

 

「…説明ができなくてもいいなら。」

 

「私は見て覚えるのも得意な方だよ。」

 

「…なら先にカーラのをしよう。こっちにきてくれ。」

 

 そうしてカーラの分解整備が始まる。といってもかつてルビコンで機械弄りを生業にしていたカーラには朝飯前のことだった。構造を把握してからは刻田も目を見開く手際の良さを発揮した。

 

「…本当に初めてか?」

 

「似たようなことをやったことはあるけどね。これをぶっ壊すわけにはいかないから様子見してたってわけだ。」

 

「……日向?お前のやつをカーラに任せていいか?」

 

「カーラがしてくれるの?やった〜!」

 

 手放しで喜ぶ日向をジト目で見る刻田に苦笑を浮かべるカーラと赤羽。ネットから拾ってきたのだろうSMGの取説をカーラに渡し、赤羽のARの整備を始める。

 

 カーラが確認も逐一取りつつ整備が佳境に入る頃に玄関から大きな音と声が響く。

 

『おっじゃっまっしまーす!!!』

 

「着いたみたいだな。相変わらずうるさいやつだ。」

 

 直後にドタドタ音を立てリビングのドアが開け放たれた。

 

「いやー、遂にお前たちもチャレンジ精神に目覚めたか!仲間が増えて嬉しいぞ!いつも俺が分けるばかりで寂しかったんだ!」

 

「盛り上がってるとこ悪いがそういうわけじゃない。今日知り合ったばかりのやつがお前と同じかそれ以上に変なやつなだけだ。ほら、そこに見ないのが座ってるだろ?」

 

「赤羽、変なやつとは結構な挨拶じゃないか。」

 

「そうだろ?少なくとも砂を口にして平気だ、いけるなんて評価できるやつが変じゃないわけがないだろ。」

 

「あれ普通に食べたのか?これは心強い!ならこれからはこいつに頼もう!…ところで名前は?」

 

「カーラだ。よろしく頼むよ、進藤アスハ?」

 

「よろしく、カーラ。俺は進藤アスハ、好きなように呼んでくれ!それで?例のものは?」

 

「少し待ってくれ。カーラが今整備してんだ。終わってからな。」

 

「わかった。おい赤羽!俺はコーヒーが欲しい!」

 

「自分で入れろ。お湯はある。」

 

 キッチンの赤羽と入れ替わりで入る進藤。赤羽が盆を手にカーラの近くまでやってくる。

 

「ほら、カーラ。コーヒーは飲めるか?シロップと砂糖は自分で入れろよ。」

 

 カーラと刻田にマグカップを渡して赤羽も向かいに座る。ソファでスマホを弄っていた日向もこっちにくる。コーヒーを淹れ終わった進藤も隅に避けられていた椅子を手に合流した。

 

 整備が終わり、道具を片付け机の掃除をした後、机の上に1つのパッケージが置かれた。仰々しく皿の上に置かれ、すぐに覆えるように刻田は蓋を構えている。

 

「…刻田はなにをしてるんだい?」

 

「カーラが知らないのは当然だな。だが一度大惨事になったことがあるんだ。本当は外ですべきなんだが今は暗いからな。」

 

 表面には「アディク04 プロトタイプA」の文字。裏面には製造所の場所と企業名「フェルズーフ」の文字が確認できる。

 

「…じゃあ開けるぞ?」

 

 赤羽がまずナイフで確実に中身が露出するように切り込みを入れる。…特に臭いが充満する様子もない。しばらく様子見を続けた赤羽が完全に封を開け、中身を晒す。プラスチックの容器に満ち満ちに詰まった乳白色の固体。それがアディク04の正体だった。

 

「…ひとまず汁気がなくてよかったってところか。」

 

「見た目は…ゼリー?プリン?バター?そんな感じだね?」

 

「さっさと切ってくれ。俺は待ちきれないぞ。」

 

「わかった。まず容器から…?」

 

 赤羽が容器をひっくり返しても中身はぴくりともしない。仕方なく容器ごと切り分ける。手応えで一番近いものは羊羹である。端から5mmほどを2つ切り分け、片方を進藤に渡し、片方を4分割して4人に分ける。

 

「…よし、覚悟は決めたぞ。」

 

「たかが食い物だろ?あんたの言ってた泥団子より美味そうじゃないか。」

 

「見た目でマイナス以外の判断はできないぞ。味なんてどれだけ努力しようと想像できない。以前食ったやつはカレーの臭いが…」

 

「長い!俺はもう食うぞ!いっただっきまーす!」

 

 進藤の声を皮切りにそれぞれが口に含む。咀嚼にかなりの時間をかけ、最初に飲み込んだカーラが口を開く。

 

「…悪くないね?ちょっと噛むのにコツがいるけど美味い方じゃないかい?」

 

 しかし問いかけに誰も声を返さない。かろうじて頷きは返すがまだヘルメット団の誰も飲み込めていないのだ。特に進藤は凄まじい雰囲気を発している。カーラがどうしたものかと悩んでいるとようやく飲み込んだ日向が声をあげる。

 

「やっと飲み込めた〜。これなに?形の変わらないガムか餅を噛んでるみたいだったよ?ご飯食べるのに疲れるってあるんだね〜?」

 

「…同感だ。」

 

「これだけでこんなに疲れるなら進藤は…。」

 

 食べ終わった刻田と赤羽も同調する。進藤は今も悪戦苦闘しているようで今もモゴモゴしている。

 

「カーラは平気だったようだが、私たちが食うにはなにかしないとな。定番のお湯に浸けてみるか。あとは期待できないが焼いてみるか。」

 

 赤羽は先程と同じように4等分して2つをキッチンに持っていく。カーラは残りをつまみながらスマホを弄ることにした。俗称AMコーポ、これに悪寒を感じたカーラはこの企業の正体を確かめたかった。

 

(ガイスト、責任者名、斎藤ジェイミー…関係ないね。例のホールディングスの代表者は…ケイト・マークソン?どこかで聞いてような…どこだったか…。)

 

『ケイトという名の独立傭兵を洗ってほしい。』

 

(そうだ。ウォルターに頼まれた名前がそれだった。結局ウォルターが共有してきた情報以上のものは手に入らなかった。乗ってる機体はどこの企業にも情報がなかったしただの独立傭兵ではないのは覚えてる。それで…それで………?私も老けたか?それとも記憶が混乱しているってのかい?……ダメだ、まったく思い出せないね。)

 

(でもわかったこともある。少なくともこいつらは黒だ。ウォルターが疑った相手、活動歴が極端に少ない独立傭兵…ルビコンで生きてた独立傭兵がオールマインドを知らないわけがない。AMに拘った企業戦略から見ても無関係や偶然の一致とは考えにくい。)

 

(なら灰かぶりの名義を変えないとか?だけどもう名乗っちまったしねぇ…。ルビコンの灰かぶりと気づかれないようにできるか?幸いカーラの名前を知ってるのはこの子たちだけ…。だが他に名乗る名は持ち合わせてない。)

 

「あーやっと飲み込めた!すっごい疲れた!!」

 

「おーい焼けたぞ?」

 

(やっぱり灰かぶりの意味を変えるのが手っ取り早いか。となると一回派手にアピールしないとか。灰かぶりに相応しい戦い方なんてあるのか…?)

 

「カーラ?カーラってば!」

 

「…ああ、悪い。考え事してたんだ。なにかあったのかい?」

 

「カーラのつまんでるそれが焼けたんだって。食べてみて?私はおすすめしないけど…。」

 

 出された皿には溶けたように皿に張り付くなにかがあった。隣にはコップに1/4ほどの嵩に同じ色の液体が入っている。前者は口に運ぶのに一苦労し後者は味がよくない。

 

「…悪化してないかい?」

 

「私もそう思う。溶かしてジャム入れたらマシになるかな?」

 

「揚げてみてもいいかもな。少なくとも皿に張り付くことはなくなる。あとは…干す?さすがにリスキーか?」

 

「乾燥させて今度こそゴムになったら誰も食えないぞ。揚げるのも強靱な歯ごたえには有効とはいえない。」

 

 結局カーラが半分を平らげ、残りを明日に回すことにする。やることを全て済ませた頃にはすっかり夜も更けもうすぐ朝日が昇る時間になり4人は寝ることにする。進藤は当番のようで帰宅した。

 

 寝室は二段ベッドが左右に配置されており、枕元には戦闘用の装備を置く場所が設けられ、壁にはガンラックが用意されている。

 

「服のサイズは大丈夫か?使ってないベットがあるからそれで寝てくれ。ガンラックを使うならドラムは外してくれ。…ドラムじゃなくても外すべきだが。こんな場所に忍び込むやつらはいないしいてもだいたいは気づけるから安心してくれ。見回りもいるしな。」

 

「何から何まですまないね。」

 

「気にするな。爪弾き者の私たちには必要なことだ。」

 

「そうそう!それじゃ、おやすみ〜。」

 

 全員で挨拶を交わして眠りにつく。こうしてカーラのキヴォトスでの一日は幕を閉じた。




持ってる銃はそれぞれ
カーラSG SAIGA12 赤羽AR SG556 
刻田HG M1911 日向SMG MPX 進藤AR SCAR−L
のイメージです。
…私武器の描写してましたか?あとで確認してなければ武器種くらいは加筆しておきます。

原作介入ってどこまで見たいですか?参考までに

  • 先生にほぼベッタリくっついて介入するべき
  • アビドス第一章から全てに個別で顔出すべき
  • 偶然遭ったなら手伝うべき
  • メインストーリーには非干渉を徹底するべき
  • なんでもいいからエタらないよう完結すべき
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