そもそも2部で最終回と言うのは公式が勝手に言ってるだけなんですよ(無敵の理論)
1部はヒーローになる物語、2部はヒーローであり続ける物語だったので、3部はヒーローを止める物語だと思うんですよ。
そして2部を読んだ人には違和感があるハズです。レゼが再登場していないと。他の武器人間はみんな出てきたのに。
つまり再会して普通の暮らしを始めるデンレゼが公式から何の脈絡もなく供給されて成仏することになるから震えて待て。(啓蒙99)
兵庫県尼崎市にあるそのアパートは。
立地上ではやや東の神戸に近く、しかし同時に暴力団事務所が近くにあるという事から敬遠され、いわゆる訳アリ物件として売り出されていた。
家賃1万5千円。
1LDK。
築18年。
風呂トイレ別。
他の住人無し。
駅まで徒歩15分。
それが、デンジとレゼが用立てたひとまずの仮宿だった。
リサイクルショップで調達したチープなちゃぶ台を挟んだデンジとレゼ。
デンジの手で万札が並べられていく。
50枚、50万円。これが近所の暴力団の男を悪魔から救って手に入れた金額。
民間の、それもこういう非正規のデビルハンターとして活動していた経験があるデンジからすれば、相場よりも上乗せしてくれたもんだと感心する。
切り詰めれば2人で4か月から半年ほどは生きていけるぐらいの額。
「ま、意味があったかは知らねーけど……」
「ちょっとデンジ君、アレは最後の切り札だって決めたでしょ」
チラッとデンジが見やる先には、ジョージから渡された紙袋。
そこには普通に500万円が入っていた。現金という事は知っていたが、具体的な金額を数えてビビったのをデンジは覚えている。
あの日、ジョージが持ってきた船は、船というよりはボート。手漕ぎの遊覧船か何かだった。
これをビームに引っ張らせて東京湾を脱出し、そのまま沿岸を辿って大阪まで逃げてきたのが2日前の事。
その時の船の上で、ジョージからの手土産を精査していた。
新幹線のチケットはもう無意味としても、現金500万円に超特殊仕様の拳銃。
正直な所、ソ連に居た時の任務よりも手厚いサポートだ。実はレゼが忘れているだけでデンジを守れみたいな特務を受けていたりしないだろうか。
さておき、500万円あれば確かに新生活を0から打ち立てる事はできるだろう。
が、普通に怖かった。
あとから何言われるか分かったもんじゃねえという意味で。
拳銃は用心のためにも携帯するとして、この金を使う事は最後の手段にしようと2人で決めたのだった。
「これであと単発の仕事何個か受けて……」
「お金溜まったら更に西……山口県ぐらいまで行って、そこで暮らそ」
「おう!」
とまあ、そういう計画の腰掛けがこのアパートだった。
借りる時の身分証は、ソ連が偽造していたものを使った。
やはり銃の悪魔は祖国にも甚大な影響を与えていたようで、指揮系統の混乱や情報伝達の齟齬が頻発していた。指示を下す上司も報告を上げる部下も、自分の周囲以外は何も把握できていないような始末。
大阪に居た工作員はレゼの事をまだ同志だと思っていたぐらいだ。
おかげで随分スムーズに事が運んだが……ジョージの言っていた『ソ連の国家公務員を適当に虐殺しておいた』という話が冗談でも誇張でも気休めでもない事実と判明して、レゼはちょっと怖くなっていた。
「じゃ、行こっか」
◆◇◆◇
日本最大の電器街と言えば秋葉原だが、勿論それ以外にも同じ様な場所はちらほらある。
もっとも、街と言えるほどの規模があるのはそれこそ秋葉原ぐらいで、関西にあるものといったら商店街の随所にちらほらとそういった店が並ぶぐらいの規模感でしかないが。
ともかく、そうした場所にデンジとレゼの2人は来訪していた。
今回、2人がここを訪れたのはインターネットを閲覧するためだ。
さらに正確に言うなら、インターネット上に存在するらしい『ジョージ・スマイルズのブログ』を閲覧するためだ。
今の2人に出来る情報収集の手段がそれぐらいしか無いし、ジョージはジョージでそれを察してある程度こちらを意識した情報公開をしている可能性があったからだ。
ここまでの逃亡援助によって、2人のジョージに対する信用は結構積み重なっていた。
「マザーボード? メモリ? CPU? なんのなんの何?」
「ファン? こりゃあ、扇風機か? ……なんで?」
しかし2人の知識はこのレベルである。
インターネットがインフラの域にまで成長したのは、ドットコムバブル崩壊によってパソコン部品や配線などが市場に溢れかえり、極端に安くなったことに起因するという説がある。
それは2010年代のイベント。ともすれば20年近く未来の話だ。
1995年現在、インターネットは単なる
繋げてブラウジングできるだけでも上澄み。ブログを開設・運営するジョージはトップクラスの存在ですらあるのだ。
「うん……戦略的撤退!」
薄暗い電器屋に、レゼの可愛らしい声が響いた。
◆◇◆◇
しばらく外で作戦を練り、改めて店内に入る。
今度は2人一緒に行動するのではなく、ある程度レゼとデンジで距離を離して陳列を見る。
なんともいえない不安感もあってレゼをチラチラと横目で見てしまうデンジだが、その動きは特別に目立つという事は無かった。
なぜなら今店内にいる客は……何なら店員も、全員がレゼをチラチラと見ていたからだ。
当然の事だ。
レゼの容姿は、例えるなら『余所の学校まで噂が広がる様な学校のアイドル』だ。
そして技術オタクの巣窟の女っ気の無さと来たら、絶滅危惧種どころかすでに絶滅していて化石でしか観測できない様なレベル。
そもそも単純にオタクという概念に対する風当たりが強い時代である。
令和の世であればオタク趣味に理解のある女性も居ない事は無いが、この時代の風当たりの強さと間口の狭さ、そしてレゼの顔面偏差値まで考えれば、その存在は
要するに、今のレゼは『オタクに優しいギャルの上位種』みたいなものだ。
「あの~」
「うぁいッ!?」
で、そんなのに話しかけられたら上擦った声も出てしまうというもの。
大抵の場合、彼らは如何に電脳世界において無敵の存在であっても、現実世界においては単なる弱者男性であるからして。
「私ってこういうのあんまり詳しくないんですけど……これは、どれとどれが何なんですかね?」
あまりにもふわふわが過ぎる質問の仕方だったが、実際レゼが今持っている知識はこれぐらいだった。
「あっ……っと、っとねぇ~……まずこのCPUって奴があるんだけど」
◆◇◆◇
「だから理想を言えばこれとこれとこれとあとこのへん買っといたら大体大丈夫だと思うけど実際には結構高いから現実的な所で言えばこっちの方が良いかもしれないけどそれでも折角入門するって言うんだから最初から良い機材に触っておくことは良い事なんじゃないかな目を養う事にも繋がるし」
「はい……はい……なるほどォ……」
ソ連で鍛え上げられたマルチタスクのスキルを存分に活用して、レゼはそのギークの話を何とか理解しようと努めていた。
早口でしゃべる割には滑舌が悪くて聞き取り辛く、話が寄り道を繰り返して文脈が取っ散らかり、助詞や接続詞の用法が下手で分かりづらく、網羅的に説明しようとしすぎて初心者には専門的な話になりすぎている。
原因が不慣れにあるのか不出来にあるのか知らないが、ともかくこれを『報告』としてあげたら折檻を喰らう事請け合いなぐらい下手な説明だった。
メモも取らずにこれを理解しようとしているのだから大変である。
しかもその上で愛想笑いや相槌は欠かさないのだから、レゼが諜報員・工作員としていかに優秀であるかが伺えるというものだ。
有難いご高説をたっぷり20分かけて賜ったレゼは、その男から目を離して陳列を見る。
「えぇっと……じゃあ」
そしていくつかの商品を手に取り、集めた籠を相手に見せて。
「これだけあれば、後は配線だけで大丈夫って事ですか?」
「……あ、あぁ、うん。それだけあればブラウジングぐらいならできる」
レゼが求めている答えだけを抽出すれば、10秒とかからず終わる様な話だった。
咀嚼しきった今だからコンピュータアーキテクチャの知識が増えてよかったなんて言えなくもないが、別に欲しい知識でもない。
「だがここからの配線と言うのがまた問題で結構難しいというかややこしいというか紛らわしいというか……」
また始まった。
レゼは小綺麗で可愛らしい作り笑いの下で、小さくも重い溜息を吐いた。
それが対面する男に伝わることは、幸か不幸か無かったが。
◆◇◆◇
結局、その男の解説は更に20分続いた。
TCP/IPが優れた通信方法なのは分かったから、具体的にどのような配線をすればいいのかを教えて欲しい。
という風なことを遠回しに伝えてさっさと切り上げようと思ったら、今レゼ構築している環境を見ないと確たることは言えないから、設置したい場所……つまり、レゼの家に上がり込もうとまでしてきた。
当然、固辞した。
それなりに薄ら暗い背景を持つ身である以上は拠点の場所を詳らかにする相手は選びたいし、それを抜きにしても単純に嫌だった。生理的に、と言う奴だ。
別に趣味は好き好きだとは思うが、それはそれとして清潔にはして欲しいというのがレゼの本音である。
「じゃ、これください」
実に三往復という手間暇をかけて、レジカウンターに商品を積み上げた。
単純な重量もそうだが、体積がとにかくかさばってしょうがない。
「……その、大丈夫?」
「え? これでも結構お金持ちなんですよ」
「それもだけど、もっとこう、運ぶの大変じゃない? 台車とか使う? 明日にでも返してくれればいいよ」
「良いんですか!? よろしくお願いします!」
「じゃあ……これが料金だから、今の内に出しといて。その間に台車持ってくるから」
「はい!」
元気で快活。明るくて、少し間が抜けた声。
ソ連で身に着けた、『男』をくすぐる魔性の声。
特に意識して出したわけではない。
だがレゼは対人コミュニケーションの際、無意識にこのような人心掌握術を行使してしまう。それは彼女が、特に優れたる諜報員であるがゆえに。
百聞は一見に如かずとはよく言ったもので、デンジを相手に実践練習を積んだことで、座学段階とは精度も威力も比べ物にならない。
なんかヤだな、自分のこういう所。
諜報員からは足を洗ったというのに、今なおそのように振舞ってしまう。
田舎の鼠になりたいレゼには、『裏』の残り香が疎ましくてしょうがなかった。
なにより、誰彼かまわず色目を使っているような状態なのが嫌だった。
ハニトラ要員で派遣されておいてなんだが、レゼはアサからの影響で貞操観念がしっかりしていた。
アサは本当にいい子だと思うのだが、ジョージは割と爛れていそうだとレゼは思っている。偏見である。
レゼが財布の中から丁度の金額を取り出した時、丁度のタイミングで店員が台車を持って来てくれた。
しかし台車には何か積んでいる様だ。段ボールが乗っている。
「あの、何かに使う予定があるなら……」
「あぁ、大丈夫大丈夫。そういうんじゃなくて、なんだかんだで高い商品でしょ? むき身のままじゃあ物騒だから、目隠しだよ」
「なるほど、お気遣いありがとうございます!」
「いいのいいの! ロープとブルーシートもあるからね、荷崩れしないようちゃんと固定した方が良いよ。高いし、精密機器だしね」
「はい!」
「じゃあお金を……はい、ちょうどね」
絵巻物みたいな長さのレシートを受け取り、台車の上に商品を積んでいく。
段ボールで梱包材の様に覆い、ブルーシートとロープで固定。
手慣れたものだ。
精密機器は流石に初めてだが、重い物を運ぶときに台車を使った経験はそれなりにある。勿論物騒な意味で。
少し台車を動かして、荷物が固定されていることと台車自体に不具合が無い事を確認。
「うん、大丈夫……じゃあ、ありがとうございました!」
「明日返しに来てね」
「はい!」
そういってレゼは台車を押して店外に向かう。
そんなレゼを見守ってくれていたデンジに向けて、上手く行ったよとイタズラ気な笑みを浮かべた。
◆◇◆◇
2人が立てた作戦は単純で、自分達には知識が無いのだから知識がある人に見立ててもらおう、というだけの事だった。
総合的な対人能力を考えてレゼが実行役。デンジは話が拗れた時に場をリセットするための伏兵役だ。
作戦の成否は御覧の通り。
若干の予想外こそあったものの、デンジが乱入する必要もなく概ね順調に終わった。
しかし、レゼの本当の予想外は終わった後だった。
「ちょっとデンジ君、歩きにくいよ~……」
ゴロゴロと台車を転がして住宅街を歩いていくレゼに、デンジは後ろから抱き着いていた。
一応人気が無い場所に入ってからだったので分別は付いていると思うのだが、それはそれとして歩きづらいし恥ずかしいし。
「いーだろ……今日の分はまだだったんだし……」
「そーだけどさぁ」
語気が弱いので、デンジとしてもイマイチ真っ当な行動では無い事の自覚はありそうだった。
それでも敢えて続けているのは、やっぱり理性よりも衝動という事なのだろう。
まあレゼはそういう所が好きなのでそれはそれでいいのだが。
デンジがぐりぐりと頭を押し付けてくる。
同じシャンプーと汗の匂い。そしてデンジ特有の、濡れた犬みたいな匂い。
「もー、犬か君は~?」
「……そーかも」
「ふふっ、なんじゃそりゃ」
◆◇◆◇
デンジとレゼ、ついでに庭に住み着いているビームも総動員して部屋の中に機材を運び込んだ。
他の住人が居ないのでやりたい放題である。
特に食べ物を与えたりはしていないのだが、ビームがどうやって生きているのかは不明だ。
鼠とか食べているんだろうか?
というか、枠としてはペットに該当するのだろうか?
「じゃーデンジ君、そこに直りなさい」
「へ? なおれ……って?」
「……こう!」
レゼが両腕を体に沿わせ、全身をまっすぐ伸ばす、いわゆる『気を付け』の姿勢を取る。
それを見たデンジも、まねるようにして同じ姿勢となった。
「よろしい」
すると、レゼはデンジの両腕を敢えてフリーにするような形で抱き着く。
「え、レゼ?」
「今日の分。デンジ君はやったけど、私はまだだったでしょ?」
「あぇ? あぁ……そうなんのか?」
確かに、抱き着いていたのはデンジだけで、レゼはずっと台車を押していたわけだが。
「だからデンジ君は抱きしめ返したら駄目だよ? 今日の分はもうやったんだから」
「えぇ~!?」
残念そうな声を上げるデンジを無視して、その胸元に耳を当てる。
少しだけ息を吸えば、先程も感じたデンジの匂いが香り……そしてその中でわずかに揺れ動く悪魔の匂い。
心臓がとても激しく拍動しているのが伝わってくる。
それはそのまま、デンジがレゼをそのように意識していることの証明。
レゼの意志を無視して吊り上がる口角を、胸元に顔を押し付ける事で誤魔化して。
「ダメだよ?」
「んぅ……」
抱きしめようとしていたデンジを咎める。
不意にお預けを喰らったデンジがまた可愛い顔をしているが、今回はお仕置きなのだ。外でいきなり抱きしめるなんて不躾な真似に対するお仕置き。
だから、我慢しなければならない。
「はい! 終わり!」
パッとデンジから体を離して、努めて淡々とインターネット閲覧環境を組み始めた。
◆◇◆◇
「えいっ!」
レゼが気合を入れて電源ボタンを押すと、重々しい起動音と共にOSのロゴが表示される。
しばらく待っているとデスクトップ画面が映し出される。
「……これで、大丈夫かな?」
マウスをぐりぐり動かしてポインターの動きを確認すると、標準搭載のブラウジングソフトをダブルクリック。
検索バーと思しき所に『ジョージ・スマイルズ』と入力する。
「……出た」
『ジョージ・スマイルズのデビハン日記』。
質素ながらも品を感じる、見ていて疲れない落ち着いたデザインのホームページだ。
載っている写真が殺伐としているから、せめてもの中和という事だろうか。
さて、ひとまずは最新の記事を確認。
どうやらジョージはあれ以降もなかなか精力的に動いていたらしく、なんと今は中国にいるそうだ。
「これって、今日の日付?」
そのことに気付いたレゼは記事を読み込み始める。
◆◇◆◇
今日はお仕事とは関係ないけど中国に来たぜ!
本場の中華料理と中華美人が俺を待っている、とか思ってたらクァンシ様に捕まったぜ!
死んだぜ!
と思ったらクァンシ様がキャバクラを奢ってくれました。
やっぱり最初のデビルハンターは格が違う。オイ聞いてるか狂犬。いつまでそんなしょぼくれた煙草吸ってんだ。
で、色々あってクァンシ様が観光案内してくれるんだってサ。
中華美人の目標が秒で片付いてしまって少し呆然としています。順調なら何でもいいって訳でもないと思う。
まあクァンシ様が本当に中華美人なのかは議論の余地があるけど、この際美人なら何でもいいや。
と言う訳で香港の繁華街をバックにクァンシ様と一枚。
リンク→《http://******》
◆◇◆◇
「ジョージ君、ネットだとキャラ違うな……」
いや、キャラが違うというよりは、不安定と言うか……そのキャラブレも、なんとなく意図的にやっていることの様に感じる。
人間性を推し量らせないための狂言、という事だろうか?
正直、ジョージはそこまで素性を隠すことに本気ではないように思われたが。
むしろ、ある程度はバレてもいいと思っている様な……。
「銃、かな?」
ジョージが持っている本当の秘密。
心臓が『銃の悪魔』のモノになっているという事。
二枚腰。
素性というある程度の秘密を敢えて暴かせることで、満足させる。
これがコイツの秘密か、という納得によって、それ以上の追求を打ち切らせるというトリック。
「ジョージ君はジョージ君で、結構苦労してるよね……」
続きを読み進める。
◆◇◆◇
で、観光中に聞いたんだけど、なんか日本の電ノコ男……『チェンソーマン』を生死問わずで持ってこいって話があるんだってさ。
情報漏洩ヨシ!
ってのは冗談。どうも政府から特務を受けたとかではないらしい。
クァンシ様曰く、ネット上でそのチェンソーマンに懸賞金が掛かってるんだって。
ソ連とアメリカと中国が出してるっぽいね。
結構大金だし、本拠地の日本にいるっぽいし、正直こりゃたまらんわいが止まらないよこりゃ。
涎ズビッ! っつーよーな案件だぜこいつぁ~!
昂る気持ちをクァンシ様とぶつけあって発散(意味深)して、中国観光を続行します。
いやこの段階でとんぼ返りとかする訳ないだろ。
具体的な所在も分かってないのに何をしろと。
まあでも奪われたらシャクなんで、まずは競合他者を潰すところからだよなぁ~?
と考えてクァンシ様と一戦交えて(意味深)返り討ちにされたので、大人しく麻婆豆腐を啜るだけの機械になります。
なんだよクァンシ様電ノコ狩り行かねえのかよ。
ちなみにクァンシ様は明日も付き合ってくれます。
もしかしてお金とか払った方が良い?
◆◇◆◇
コメント欄には「うるせぇ死ね」だの「羨ま死ね」だの、主に嫉妬に由来する罵詈雑言が並んでいた。
爛れていそうというレゼの偏見が肯定されてしまったが、そんなことよりも。
「ジョージ君と……『銃』と戦うかもしれない?」
恐らくは無いだろう、しかしもしあればあまりにも絶望的な未来。
そんな不安の種が、レゼの中でわずかに芽吹いていた。