デンレゼ過激派転生者   作:翁。弁当

35 / 39
失礼だな、純愛だよ


永遠なんていらない

 1日……時間が止まっているのに1日というのもおかしな話だが、とにかく1日経過した。

 

 時計は止まっているが代謝は止まっていない様で、それ即ち餓死のリスクが存在する事を意味している。

 それが3人の共通認識になった訳だが、傍目から見ていても分かるこの事態になっても永遠の悪魔からの接触は無い。

 何かしらの交渉を持ち掛けるなら頃合いだろうと踏んでいたジョージだったが、見事にアテを外された形である。

 

 こうなるといよいよ粘るぐらいしかやることが無い。

 

「……」

 

 ジョージは瞑想をするようになった。

 その姿は一見するとお手上げとばかりに神へ祈りを捧げているようでもあり、アサを少し不安にさせていた。

 

 それでもアサが正気を保ったままでいられるのは、これまでにジョージが積み上げ着た信頼と、『たとえフリでも狂うのは止めておけ』と事前に言い含められていたからだ。

 そのまま戻ってこれなくなるから、と。

 

 もう1つ。アサ自身が脱出方法らしきものを知っているという事だ。

 いざという時に縋れる糸がある希望と、羞恥からそれを黙っている罪悪感が、アサの正気を繋いでいた。

 

 『ジョージ君とセックスするまで出られないよ』

 

 ふざけるな、とアサは思う。

 

 いや、別にジョージ相手にそうすることが嫌な訳ではない。

 そういう意味では無くて、こういうシチュエーションで初体験を終えたくないという意味だ。

 

 どうせならもっとこう……1日通しのデートの終わりに、ホテルが一部屋だけ取ってあって……とか。

 そうじゃないなら……花火大会の締めで一際大きい花火が打ちあがった所に不意打ちで……とか。

 

 なんというか、あくまでもジョージの方から来て欲しい。 

 それも何かしらの理由があってとかじゃなくて、純度100%の欲望だけで来て欲しい。

 純粋に『三鷹アサ』という存在を求めて欲しい。

 

 あの自称・飢餓の悪魔は道理がどうとか言ってたが、道理じゃなくて希望(せいへき)の話である。

 

 アサは乙女(めんどいおんな)だった。

 

 そして、一番アサの正気を保っている要素がさらにある。

 『もしかして、飢餓の悪魔が言っていた脱出条件をジョージは知っているのでは?』という邪推である。

 

 考えても見て欲しい。ジョージという男は定期的に未来予知染みた行動を起こすことがあるし、一体どこで仕入れたなんの情報なのかもわからない様な事を平然と知っていたりする。

 

 そんな男が『アサに負担を掛けてしまうから』という理由で却下した脱出案。

 

 じゃあその『負担』とは一体何なのかという話だ。

 自分で言うのもなんだが、アサはこの状況でなにか有効な手立てを持っていない。

 その自信がある。

 

 そんなアサが負担を掛けられることで脱出できるとすればどういう理屈なのか。

 

 脱出と、アサの負担。

 この2つが完璧に繋がってしまうのが、飢餓の悪魔が提示した脱出条件だ。

 

 つまり状況次第では、このままこの場所で『致す』ことになってしまうのではないか。

 

 打算込みであったとしても仮にジョージから、即興であんなに手慣れた様子で女の敵ムーブができる男からモーション掛けられたらどうなってしまうのか。

 確かに、このシチュエーションでそうなるのは嫌だけど、嫌だけどそれはそれとして多分そのまま雪崩れ込むように最後まで持って行かれてしまうと思う。

 

 そこで抗い切れない弱さに心当たりがあり過ぎる。

 

 そんな堂々巡りの葛藤が、まるで『千引く七』の様に延々と続くことで、アサの正気は当分の間担保されるのである。

 

 そしてこれは同時に、ジョージの意図していた水族館槍(アクアリウムスピア)のフラグ立てが完全に空振りに終わっていることを意味していた。

 今のアサは、自分が戦争の悪魔の武器化が使えるなんて完全に忘却の彼方であるからして。

 

◆◇◆◇

 

 2日が経った。

 

 ジョージは瞑想だけに留まらず、定期的に周囲をうろうろと徘徊し、きょろきょろとループ空間を観察するようになった。

 そして一通り見て、気が済んだらまた瞑想に戻るという流れである。

 

 生存のための仕事を手早く済ませて、それ以外はずっとそうしている。

 

「……アレはなにしてるんだろう?」

「……何かを探してる、とか?」

「だったら瞑想はしないでしょ」

「んー……?」

 

 そんなことを小声で話し合ったりもしたが、分からずじまい。

 物理的には聞こえているハズなのに集中しているのか反応は無く、何かに全力で没頭していることしか分からない。

 

 ジョージは眠りもせずにそれを続けて、この日は終わった。

 

◆◇◆◇

 

 3日目。

 

 やはり永遠の悪魔からの接触は無い。

 これはもう完全に干上がるのを待っている、粘り勝ちの構えであろうという推測がジョージから出たが、その推測を出した本人は早々にルーティンに戻ってしまった。

 

 かと思いきや、徘徊のついでとばかりに大量の石を水槽から拾って来て、魚を焼く時の焚火に放り込んだ。

 

「焼き石? サウナでも作るの?」

「正解。今回の意図としては蒸し風呂って感じだけど」

「お風呂」

 

 ここで会話にナユタが合流。

 

「蒸すだけ? 浴槽は?」

「水槽を流用して作ってもいいが、ちと手間がな」

「大丈夫、私が作るから」

「アサが? まあ、好きにすればいいと思うが……」

 

 ジョージとしては完全な気遣いだった。

 代謝が消えることなく持続しているという事は、餓死の末路があるという事と……老廃物も出てくるという事。

 

 この永遠の悪魔は、その前世と比べて強大だ。

 

 前回の永遠の悪魔はあくまでも閉じたループ構造を作るだけだった。

 しかし今回は違う。閉じることなく無限に発散、永続する水族館を生成している。

 

 一番外側はやっぱり元の水族館を外殻にしているので、『キャンバスを用いず空に絵を描くが如き神業』なんてものではないが。

 

 さておき、このような仕様のおかげで水と距離に関しては無限に活用することができる。

 そのため、毎日の拠点移動にいくつか遅れる形で排泄物等の集積所を設け、そこに放置する形で回している。

 

 これで最低限の衛生環境は整いはしたが、やはり肌の角質や垢などは放置されたままだ。

 曲がりなりにも女の子2人に対してあまりにも惨い仕打ち。

 

 故に身綺麗にできるように……という気遣いである。

 

 だがアサとしては完全に『臨戦態勢』を整えるように誘導されているとしか思えなかった。

 

 となれば中途半端は一番良くない。

 ただ蒸されて出した汗で拭い去るだけで一体何が清潔になるというのか。よしんば清潔になったとして、それを他人様にお出しできるのか。

 

 或いは本当にただ事務的に業務的に『事』を済ませるだけだとしても、だったら出来るだけ悔いが残らないようにしたいじゃないか。

 

 そんな思いもあってアサは浴槽の設置に乗り気だった。

 ぶっちゃけジョージはずっと瞑想してるし、ナユタは魚で遊んでいるし、アサだけやることが何も無いという状態が居た堪れなかったというのもある。

 

 しかしアサは気付いていなかった。

 否、気付いているのに気づかないふりをしているのかもしれない。

 

 本当に『言い訳』を欲しているのはどちらなのか。

 

◆◇◆◇

 

 幸運なことに排水・注水の機構は生きており、また淡水のブースがあったことで清掃さえすれば入浴できるというおあつらえ向きの環境だった。

 こういう細かい所で『脱出条件』の説得力が増している。

 

 装飾用の砂や石を撤去し、内側を新聞紙で清掃。

 後は注水した後に焼き石を相応の数だけ放り込めば、即席の湯船が完成する。

 

 前面ガラス張りの湯船とかどこのAVって話だが、背に腹は代えられない。

 

 それに、今ここにいるのは同性のナユタと、言動が概ね誠実なジョージだ。覗きの心配はまずしなくていい。

 むしろここで覗きに来てくれるような精神性ならどれだけ話が早いか。

 

「じゃ、お前が先にはいれ。俺はサウナで良いわ」

「ダメ。後からジョージも入って」

「えぇ? 俺まだそこまで気になる段階じゃねえんだけど」

「入って」

「……そんなに言うなら、まあ入るけどさ。武器は持ってるな?」

「まあ、持たなくても持ってるようなもんだけど」

 

 アサは手元にジョージ・ピストルズを呼び出し、即座に消す。

 そんな皇帝(エンペラー)のスタンドみたいなことができるのは初めて知った。

 

「武装が出来てるんなら良いが……まあ、アサなら適当なもんを武器に出来るか」

「武器……? あっ」

「お前……自分の能力を忘れてんじゃねえよ」

 

 なんて会話の後、アサとナユタは風呂に向かった。

 

◆◇◆◇

 

 戦力という観点で見て、アサとナユタがセットで扱われることはアサも理解していた。

 

 なにせ悪魔の作った異空間に閉じ込められるという緊急事態。

 作業効率と安全性を両方担保するためにはどうしてもそうなる。

 

 が、そうなると『脱出条件』を満たせない。

 

 物理的な話では無くて精神的な話だ。

 いくらその必要があるからって、流石に『見られながら』で恙なく済ませられるとは思えない。よしんば可能だとしても、そういうのはもっと後にやることだとアサは思う。色んな意味で。

 

 ならば必要な状況はアサとジョージが行動して、ナユタが単独で待機するという形になるわけだが、確かにこれではいくら何でもナユタが危なすぎる。

 ここは悪魔の腹の中。いつ永遠の悪魔が襲い掛かってきてもおかしくは無い。

 

 そもそもナユタだけを隔離できたとして、その非合理をナユタが気づかないはずがない。

 であれば『全員の安全』を確保するために、ナユタは善意100%で合流を目指すハズ。そうなれば当然鉢合わせることになってしまう。

 

 つまりジョージのさりげない誘導を上手く捉えたうえで、更にアサ自身もさりげない誘導を施さなければならない。

 

「えーっと……ここから入って……」

 

 焼き石を水に放り込む過程は既にジョージが完了している。

 冷蔵庫から引っぺがした扉を横に寝かせて焼き石の上に敷くことで、五右衛門風呂の亜種の様な形になっているため火傷はしない。

 

 しかし水槽に出入りするための梯子などは用意できなかったので、ナユタが出入りする際はアサが補助することになる。

 

「じゃ、服脱いで」

「ん」

 

 ナユタは何ら恥じらった風もなく服を脱いだ。

 生まれて1週間経っていないという話だし、そもそも悪魔だしで羞恥心が薄いのは分かるが、決してプライベートとは言えないスペースでの脱衣に抵抗感を覚えないのは如何なものか。

 

 ナユタは現時点で大体8~10歳程度の外見。ちょうど初めて出会った時の、そして再会した時のジョージと同じぐらいだ。

 思考や情緒のレベルと外見年齢が不釣り合いなのは2人とも同じだが、その方向性が真逆。

 運命的と言うか、計算ずくというか……奇妙な縁を感じずにはいられない。

 

 脱いだ服を畳んだナユタが、微動だにしないアサを見て首をかしげる。

 

「……アサお姉ちゃんは入らないの?」

「……一緒に入りたい?」

「うん」

「分かったもうお姉ちゃんと入ろう!」

 

 アサは色んなものに弱かった。

 

◆◇◆◇

 

 案の定何事もなく入浴を済ませた2人はジョージがいた元の部屋に戻る。

 ジョージはなぜか銃の武器人間に変身した状態であり、何故か延々と壁を殴っていた。

 

 瞑想と徘徊を繰り返していた時よりも遥かに意味不明である。

 

「……これ話しかけていいのかな?」

「お湯が冷める」

「そうだけど……」

 

 折角風呂を準備したのだから、可能な限り楽しんだ方が良い。

 なにせずっと薄暗い水族館の中なのだ。寝床は寝苦しく、食事は魚ばかりで、楽しみなんて碌にないのだから。

 

 話しかけるべくアサが近づくと。

 

「ダメだ、足りない……時間が無い。しかしそんなもの出る訳がない、当然だ。当然だが出てもらわないとどうにもならない。突破口、突破口の入り口……だとすると」

「怖」

 

 なんかブツブツ言っていた。

 『たとえフリであっても狂うのは止めておけ』とか言ってた男の姿か、これが……?

 

 意を決して話しかける。

 

「ハ、ハァイジョージィ」

 

 まるで排水溝の底から呼びかける様な言い回しで声をかけると、ジョージは凄まじい勢いでこちらに顔を向けた。

 思わずビクッと体を強張らせてしまったのは仕方がない。ジャンプスケアとはそういうものだ。

 

「……あぁ、アサか」

「その、お風呂……」

 

 といった所で、アサの両肩が掴まれる。

 

「いった……何?」

「アサ、『できる』って言ってくれ」

「はぁ?」

 

 支離滅裂。そうとしか言えない。

 或いは本当に頭がおかしくなってしまったのか。

 

 だが。

 

「何の話か知らないけど……ジョージならできるでしょ」

 

 求められれば、即座に是を返すだけの信頼があった。

 たとえ本当に狂っているのだとしても、それでもそう答えるだけの信頼が。

 

 そしてその無上の信頼は心を打つ。

 人の能力を一段上に押し上げるパワーを持つ。

 

「……ありがとう」

 

 そう言ったジョージが付き物が落ちたかのように清々しい表情をしていて、先程までの消耗した様子が嘘のようだった。

 

 ジョージは構える。

 手刀を前に掲げて、胸元に握り拳を寄せ、そして高らかに『心臓』を打ち鳴らす。

 

 何かが起こる。

 

 アサとナユタは直感的にそう思った。

 今目の前にある……なんというか、前提の様なものが崩壊する予感。

 

「『領域展開』」

 

◆◇◆◇

 

 理屈としては簡単だ。

 

 永遠の悪魔は俺たちを異空間に閉じ込めてきたわけだが、実はこれ、永遠の悪魔の専売特許と言う訳ではない。

 

 一番明確なのは『老いの悪魔』だ。

 老いの悪魔は根源的恐怖の名を持つ悪魔の一角であり、『決して老いない』という異空間を生み出して人間を閉じ込めていた。

 これだってやっていること自体は永遠の悪魔と同じだ。むしろ上位互換かもしれない。

 

 原作にはいなかった監獄の悪魔もそうだったな。

 

 さて、永遠と監獄は、まあそう言う能力なのだろうと名前から分からんでもないが……老いの悪魔はどうだろうか。

 老いを取り払うことができるのは良いとして、ではそのルールを敷いた異空間を生み出すことと老いには一体何の関係があるというか。

 

 更に言えば、このように異空間を生み出している疑いがある悪魔が他にもいくつか散見される。

 例えばアサの中からヨルだけを隔離した死の悪魔。地獄を塗りつぶした闇の悪魔。外界から隔離された白い世界で料理を出していた落下の悪魔。あとはチェンソーマンの胃袋もその一種か。

 

 これらの名前が異空間の創造に関連しているとは考えにくい。

 

 つまり『異空間を生み出す』と言うのは悪魔にとっての汎用スキルなのだ。

 特化型であれば割と簡単にできるし、根源的恐怖の悪魔であれば基礎ステの暴力で発動できるような、再現性のある技術。

 

 なら銃の悪魔にもできる……はずだ。

 

 問題は、どうやったら異空間を生み出せるのか。

 

 手掛かりはあった。

 なにせ俺が今いるのは、永遠の悪魔の異空間という『お手本』の中。そして監獄の悪魔の異空間を見た経験もある。

 それらの差異を洗い出すことで異空間の共通項を見つけ出し、自分流にアレンジする。そうすれば、恐らく異空間を生み出すこと自体は可能だ。

 

 言うは易し。俺も今までできたことねーよ。

 

 時間を掛ければ何とかなりそうではあったが、水が傷み魚が腐りつつある現在、その余裕はもはや無い。

 燻製や干し魚もあるし、燃料があるので煮沸消毒もできる為、後1日2日は何とかなるが。

 

 そこで最悪の切り札として、意図的に発狂して常識を再構築することにした。

 

 (タガ)を緩めて容積を増やし、増えたそこに新しい概念をねじ込む。

 やるたびに箍が緩んでいる実感があり、繰り返すと多分本当の意味での発狂をしてしまうだろう。

 

 アサに言った『狂人の振りは止めておけ』と言うのは実体験なのである。

 

 だがそれでも足りなかった。

 俺はどうしても理屈に縋ってしまう。なぜなら、俺のルーツは全てが理屈で説明できた世界だからだ。

 

 その理屈が、俺に『できない』とささやいていた。

 この一線を越えるために、俺には『できる』という確信が必要だった。

 

 これを更にアサに外注する事で補填。

 一時的狂気は普通に見苦しいので見られたくなかったが、見られた以上はしょうがない。

 

 理屈で言えばナユタに支配させて認知を書き換えた方が良いのだろうが……弱々しい直感がアサを選ばせていた。

 

 その全てが集約され、ついに俺は『異空間の創造』の会得に至る。

 

 異空間の中で異空間を生み出すという事は、銃の悪魔のルールと永遠の悪魔のルールが衝突するという事。

 ここまで持っていければ、後は出力の勝負。そして純粋な馬力で銃の悪魔が永遠の悪魔に劣るわけもなし。

 

「射程距離内に……入ったぜ、永遠の悪魔!」

「クソが! 飢餓の奴ゥ~……話が違うじゃねぇかぁ~~!」

 

 永遠の悪魔が生み出した異空間は一瞬で塗りつぶされ、今度は永遠の悪魔が俺の異空間に取り残される。

 

「俺に全て捧げるって契約するんなら、命だけは助けてやるぞ?」

「うるせぇ死ね!」

「テメエが死ね」

 

◆◇◆◇

 

 やはり正面衝突の土俵に立てば簡単だった。

 搦め手を使ってくる奴を基礎スペックでボコるのが、一番気持ちいいんです。

 

「う~ん、やっぱり駄目だった」

「で、何が目的でこんなことを?」

 

 異空間から脱出したら馬鹿でかい悪魔の気配を察知したので偵察してみると、そこにいたのは自称・飢餓の悪魔だった。

 

「こんにちはジョージ君」

「こんにちはシーちゃん」

「……何で知ってるの?」

 

 多分普通に抵抗もできずに殺されるぐらいの戦力差があるだろうが、それはそれとしてムカつくものはムカつくので、最初に一発かましておく。

 飢餓の悪魔を偽名に使っている『死の悪魔』のコイツなら、俺の『素性』を察している可能性もあるが……たとえそうだとしても、前世の内容までは分かるまい。

 

「さあね。世の中には不可思議な事が色々とあるものさ。で、こっちの質問は?」

「お姉ちゃんが妹を応援する事に理由が必要?」

「応援、ね……俺には監禁にしか見えなかったが」

「見解の相違かな」

 

 仮に本当に応援なのだとしたら、それが何に対する応援であっても、あそこからヨルが隔離されていた事実と矛盾する。

 ま、最初からまともな答えを期待してたわけでもないけどさ。

 

「それにしても……」

 

 シーちゃんはなぜかじろじろとこちらを見てくる。

 

「……なんだ?」

「我が妹ながらイイ男を捕まえた」

「もしかして口説いてる?」

「ここまで火と血と死とで、満たされた男はそうそういない」

 

 なんだそのディーゴ総帥みたいな……褒めてるのか?

 無表情なのも相まってよくわからん。

 

「携帯持ってる? 連絡先交換しよう」

「ぐいぐい来るな……まあいいけど」

 

 かちかちと連絡先を交換しながら、自分の何がシーちゃんの琴線に触れたのか考える。

 ガチの死を経験しているから? だとしたら悪魔もそうだろ。

 

「安心して、私は分別があるから横恋慕はしない」

「俺が安心してないのはそこじゃないんだよなぁ……」

「味見してもいい?」

 

 その瞳に宿っていたのは、食欲。

 

 いや怖いわ。この流れだと完全に無限食糧の判定だろ。

 もしかして一目ぼれ、みたいな俺の純情を返して欲しい。

 

「……もうちょっと仲良くなってからな」

 

 なんか毒気が抜かれた俺は、それだけ言ってアサの方に身を翻した。




ちなみに壁を殴っていたのは黒閃を出そうとしてました。どう考えても戦わずに無機物を殴りまくってる方が早い(RTA並感)

ジョージ君の領域名ですが
・超銃戯画:ありきたりで面白みに欠ける。没
・銃々身矢(ガンバレルーヤ):面白に走り過ぎだしそもそもパクリだし。没
・第47天魔王:ドカ盛り過ぎてピンと来ねーわ。没
・銃の別名『種ヶ島』関連で:ナルキッソスかテメーは? 没
・魔弾の射手関連で:お前銃だろ。没
などなど考えましたが妙案が浮かばなかったので無名です。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。