一撃だ。
一撃で心臓か頭をブチ抜け。
人間と同じ様にやったら、人間と同じ様にしかできないぞ。
◆◇◆◇
『彼ら』は合理的だった。
薪をくべれば、火が燃え上がる。
雨が降れば、森が茂る。
海は蒸発して、雲になる。
そして全てが、海に流れる。
だから彼らは徒党を組んだ。
お互いがお互いを強める相性を持っていて、それを使えば一挙に格上を倒せる。
死から、飢餓から、戦争から、支配から。
そして何より、それらを冠する悪魔から逃れるために、彼らは徒党を組んだ。
ただの合理でしか無かった連れ合いは、やがてわずかずつ友情をはぐくみ、遂には刎頚の友と言えるほどにまで成長した。
だが、その4人組は既に2人が死んだ。
なんならその内の1人は2回死んだ。
2人を殺したチェンソーは、残された2人にとっての仇なのだ。
だから仇討ちの為に、2人は機を見計らって動いた。
幼子を抱えて動きが遅くなった所で、思考を許さない超物量でのぶっこみ。
その幼子が何やら妙な力を持っていたことは誤算だったがまあいい。
チェンソーが爆弾の悪魔を伴っていたこともギリ分かる。
だが『銃』がいるのは聞いていない。
「ほぉら、気張れよ! どうしたぁ!? 使い魔はいないのか!? 体の変形は!? 傷を癒して立ち上がれ!! Hurry! Hurry!」
こちらが仕掛けようとした物量での圧倒。
それをたった2丁の拳銃で全て押さえながら、楽しくてしょうがないと言わんばかりに声を上げる。
恐らくは全員に繋がっている鎖を通して、その意気軒昂が伝わっているのだろう。他の面々も動きに柔らかさが出てきた。
士気を削ろうにもあれではどうにもならない。
「ならば物量に、更に質さえも上乗せする!」
樹海の悪魔が印相を組む。
悪魔の力をより効率的に運用するために編み出した、彼らだけの
『自分自身と契約をする』ことで得られる、本来以上の出力と効率。
徒党を組んでの相乗効果と同様、足りない力を補うための創意工夫である。
「木人組手」
木の根が集まり、人の形を成していく。
眼が生まれ、口が生まれ、木製の傀儡人形が列を成す。
「これが人形の悪魔って奴かぁ~? 思ったより弱っちそうだぜぇ!!」
そう、弱い。
能力を工夫して無理くりそれらしく振る舞わせているだけで、本職ではないのだ。性能が低いのは織り込み済み。
これの目的は戦力ではない。
「おっと?」
ジョージが怪訝な表情で眉を上げた。
木の根から木人になったことで的が大きくなったが、その分だけ質量、ひいては厚みが増した。
それにより、拳銃では貫徹できなくなったのだ。
これはジョージの手による遠距離支援が半分以上無力化されたことを意味する。
ここで、ジョージにはいくつかの選択肢があった。
1つは主な標的を攻撃から悪魔本体に切り替える事。これは拳銃の火力を考えると余り意味が無いだろう。
2つは使う銃器をもっと大型に変える事。これはただの我慢比べになってしまって芸が無いし、何より『それができるなら最初からやれや』と言われてしまう。
ならば答えは第3の選択肢、味方を撃つ、だ。
「いっでぇ!?」
「デンジ君!?」
非殺傷のゴム弾。
攻撃ではなく鎮圧を目的とした特殊弾薬。銃が如何に普遍的な概念であるかを物語る弾薬だ。
その弾でどつかれたデンジがよろめくと、直前までデンジの体があった場所を木人の拳が突き抜けていく。
「ほれほれ~、ちゃんと避けろよデンジィ~!」
「お前マジで覚えてろよ!?」
チェンソーを振り回しながら抗議するデンジだが、避けれてるのなら良いだろうとジョージは続ける姿勢を崩さない。
実際、木人の攻撃を避けれさえすればジョージは撃たないので、デンジの回避力が低いのが悪いと開き直ることだろう。
しばらくしてから『頭数減らさない前提なら、別にデンジを撃つ必要は無くね?』という事に気付いて、妨害の射撃に切り替えた。
あとでちゃんと謝っておこうと思う。
◆◇◆◇
「隙アリ!!」
よろめいたデンジを見て動揺したレゼに、樹海の悪魔からの攻撃が放たれる。
致命傷こそ避けたが、手痛いダメージを貰ってしまった。
「くぅっ……」
3m自由落下しろ。
鎖を通して指示が飛んでくる。
指示に従って落下して見れば、丁度そこにジョージからの射撃が命中した。
注射器を思わせる形状……内容物は、血液。
麻酔弾の中に麻酔薬ではなく血液を封入して発射する事で、武器人間専用の万能薬となる。
輸血液が投与され、レゼの傷が一瞬で塞がる。
命のこぼれる感触がなくなり、思いっきり能力を使える。
「ぼんっ」
突如として脳裏に他人のイメージが閃くこの感覚は慣れないが、なるほどこれは非常に便利だ。
失敗や誤解の可能性が無く、所要時間は一瞬で、他者には絶対に分からない。
通信というより、意思疎通の概念全てにおける最適解だ。
あの魔女の……支配の悪魔の力をこんな風に使うとは。
こういう応用の発想って何をしたら身に付くんだろう。
レゼだって、そりゃあ爆弾の悪魔の能力についてはそれなりに突き詰めているつもりだが、これは長きにわたる研鑽と、科学者・研究者たちの視座があっての事だ。
他人の能力を自分だけの視点で観察し、ものの1週間でここまで使いこなす案が思い付くのは、それだけそうした能力に長けているという事だろう。
だったら……。
ジョージ君、なんかインスピレーション頂戴。
「……これでいいのかな?」
ここまでずっと自分で受けるばかりだったので、発信するのは初めてだが。
ちらりと下の方を見る。
「あぁ?」
怪訝そうな顔をしたジョージが、レゼの方を見上げていた。
そして。
普段使いの奴と決定打の奴な。
本当に草案が送られてきた。
「……わお」
正直ちょっと引いた。
しかし、確かにどちらも面白い。
強いかどうかは流石に使ってみないと分からないが、多少練習が必要だとしても『使ってみたい』と思わせる技だ。
ところで……技名を叫ぶという部分って、どうしてもやらないとダメなのだろうか?
◆◇◆◇
ジョージはレゼに向かって『ダメです』と念を送りながら、木人の拳を撃ち落し続けていた。
相手の攻撃を防ぐというだけならこれで十分だった。そのことに気付いたデンジが『お前……』みたいな顔でジョージの方を見ているが、努めて気にせず妨害を続ける。
「チィ……」
面白くないのは火山の悪魔だ。
最低限の体裁を整えるぐらいの力は戻ったが、それでもまともな戦闘ができる程ではない。
そこで樹海の悪魔に便乗してヒットアンドアウェイ戦法で削っていくつもりだったのだが、ジョージの視野が広すぎて自由に動けない。
能力を使おうとすると、即座に何かしらの妨害が入る。
それは跳弾を利用した死角からの一撃であったり、デンジに対して即座に注意喚起をしたり、レゼに爆弾を投下させたり、手段は色々あるが、なんであれタイミングが良すぎる。
能力発動の予兆をかなり高精度に感知されているとしか思えない。
元々がガス欠気味と言うのもあって、火山の悪魔は派手に動けなかった。
周囲の木人を燃やして力を増すことは難しい。
アレは『火山の悪魔』という存在を歪める行為だ。やり過ぎると『火の悪魔』に同化してしまう。
それは死ではなく、故に転生さえも許されない。
その顛末を本能的に察しているから、瀕死の重傷を一瞬で快癒させる性能であっても迂闊に頼れないのだ。
根源的恐怖の悪魔に近しいからこそ使える技だが、根源的恐怖の悪魔に近しいからこその縛り。
この体質が彼らの技術追求の手掛かりの1つとなったことは言うまでもないだろう。
火山の悪魔は少し考えて、気配を消しつつ木人の中に紛れ込み始めた。
◆◇◆◇
大量の木人に囲まれて袋叩きにされている中、ジョージからの『指摘』で回避に意識を振り始めたことで、デンジの動きはめきめきと洗練されていた。
元々デンジは素直なタチだし、その成長速度は驚異的なものだった。
やや粗削りながらも、チェンソーの生えた独特のリーチでのカウンターまで習得しつつある。
独学が返って功を奏したのか、尋常の格闘技ではカバーしていない範囲もなんのそのだ。
となれば火山の悪魔が再度動き出すまでデンジは良いとして、見るべきはレゼか。
ジョージが視線を上げた先では、レゼが錐揉み回転していた。
樹海の悪魔が攻撃の密度を相当に上げたのか、見た限りではレゼは防戦一方だ。あと単純に不慣れな技を試そうとして、普段のリズムを崩している可能性もある。
木人は地上にしかいないので、空中に対しては通常火器を使える。
しかしこの距離で拳銃を撃っても当たらない。いや、当てること自体はできるが、有効打にならない。針が刺されば良い麻酔弾は苦肉の策でもあったのだ。
「樹海! 強引でいいからそっちを落とせ!」
火山の悪魔が声を張り上げる。
頭数を減らしたい思惑は分かるが、それなら一番動いていないジョージに向かうはず。レゼから叩くというのは奇妙だ。
しかし思考がまとまるよりも先に、樹海の悪魔が行動を起こした。
両手を大きく広げ、掌から飛び出した根が周囲に張り巡らされる。
それはレゼを狙ったわけではなく、とにかく周囲にバラまいた感じ。
最初に気が付いたのは、デンジだった。
「あぁ~ッ!! 食いもんが!!」
その言葉を聞いて生鮮食品の棚を見ると、そこに乗っていた野菜がどれも凄まじい勢いで枯れ果てていく。
「テメェ~ッ!! 育ててくれた農家さんへの感謝の気持ちとかねーのかぁ!?」
「それを言うなら、
「殺し合いの中で何言ってんだおめーら」
やがては周囲の木人までもが枯れ、樹海の悪魔に力が集約されていく。
そしてその力が集まり、掌に光の弾が形成された。
「大仰だな。そんな大砲に当たる奴がいるとでも?」
「えぇ、この場にいる誰に対しても当たりはしないでしょうね。ですが……」
掌を明後日の方向に向ける。
当然その先には誰もいないが、それでもどこか自信ありげだ。
「動けない人間にならばあたるでしょう!!」
その一言で全員が標的を察する。
アサだ。
確かに彼女は頭を打ち、脚を火傷して動けない状態にある。如何に大袈裟な前振りがあろうと、動けないのであれば回避はできない。
大仰ゆえに地上からの拳銃で妨害しても誤差のレベルでしか無いだろう。
上空からの砲撃という射角の都合上、干渉できるのはレゼのみ。
だがここで射線上に身を挺して庇う様な真似をする程、レゼは愚かではない。
砲撃そのものへ干渉すると暴発の危険性がある。
故に樹海の悪魔の体に攻撃して不発に終わらせる。
爆発を起こして樹海の悪魔に接近し、レゼはその腕を思いっきり蹴り上げた。
「えぇ、そう来ると思いましたよ」
蹴り上げられた体勢のままで、樹海の悪魔は両手を合わせて印相を組む。
それを見たレゼは木人を放った時の経験から、何らかの大技の前振りと判断。
組まれた印相に飛び掛かって両手で包み込み。
「
ジョージから受け取った普段使いの技。
爆発を起こすだけではなく、恐らくはこの世で最も対爆性の高い物質であるレゼの掌で対象を包む事で、爆発の衝撃と熱量を一点集中させる。
部位破壊による相手の弱体化・無力化が主眼に置かれており、高すぎるレゼの殺傷能力を抑えながらも性能をフルに発揮できる技だ。
その破壊力は……消し飛んだ樹海の悪魔の両腕を見れば、一目瞭然。
「これでもう大したことは出来ないんでしょ?」
「えぇ、そうですね。この両腕ではもう印相が組めません……この両腕ではね」
意味深な一言にレゼの視界が樹海の悪魔の全身を舐める。
不審な所は何も……いや。
樹海の悪魔の腹には、木と血で描かれた紋様などあっただろうか?
「『領域展開』」
◆◇◆◇
木人が消えてむき出しになった火山の悪魔を割と楽に追い詰めていると、突如としてレゼのいる方向から凄まじいエネルギーの胎動を感じた。
デンジとジョージ、そして火山の悪魔までもが咄嗟にその方向に視線を向けた。
そこにあったのは、空中に浮かぶ暗黒の球体。
「んだありゃあ……なにやってんだ?」
「領域だと? コイツら、まさか深海の悪魔と関係でもあるのか?」
「えぇい、落とせというのはそういう意味ではないわ」
三者三様の感想が出揃う中、しかし即座に気を取り直して殺し合いを再開する。
趨勢は火山の悪魔が圧倒的に不利。
木人がいなくなったことでジョージからの射線が通りっぱなしだ。遮蔽物になりそうな存在と言ったらデンジだが、支配の悪魔のおかげで疑似的な十字砲火の角度を崩さないので、その方面での利用も不可能。
隠れ蓑がなくなったので派手に熱をばらまいてデンジが近づけないようにしているが、元々が虫の息だ。限度がある。
いっそ恥も外聞もなく命乞いでもしてみるかと火山の悪魔が考え始めた所で、樹海の悪魔の領域が崩壊した。
空中で悠然と屹立する樹海の悪魔と、全身から植物を生やして落下するレゼ。
勝敗は誰の目からも明らかであった。
「レゼ!」
「よぉしよくやってくれた! ちょっと想定とは違うが、これでずっと楽になるぞ!」
色んな意味ではしゃぐ2名を尻目に、ジョージは冷静にレゼの被害状況を推定する。
恐らくだがあれは死亡状態だろう。外部からピンを操作して蘇生する必要があるが、全身から生えている植物が根を張っているのであれば、輸血もしなければ戦力にならない。
輸血は射撃でどうとでもなるとして、問題はピンだ。樹海の悪魔と火山の悪魔を相手に、ナユタを担ぎながらレゼの元に駆け寄って、その間ずっとデンジ1人……どう考えても荷が勝ちすぎる。
ならピンを抜くのをデンジに頼むか……? いや、曲がりなりにもデンジは前衛の役割がある。距離を詰められると、それこそナユタが持たない。
いや、もういいか。
ひとまず輸血だけして、それ以降は流れで。
レゼに向けて輸血液を発射。
「かかったな銃の悪魔ぁ! これが我が逃走経路じゃあ!!」
発射した輸血液の前に火山の悪魔が飛び出してくる。
そのまま火山の悪魔が銃の悪魔の血液を獲得し、その力を増大させた。
「実に清々しい気分だぁ! 歌でも1つ歌いたくなるような良い気分だぞ、マヌケがァ!!」
「チッ」
そう来たか、というのがジョージの素直な感想だった。
確かにそうすれば力は戻せるが、その分だけ『銃』に寄る。インスタントに力を得られるが、同時に自らの存在を歪める行為だ。場合によっては取り返しがつかないことになる。
これほど知能があるなら、それも察しがついていると思うのだが。
だが、ひとまずはレゼを蘇生させなければと、輸血液を立て続けに発射する。
「うわははは! いくらでも見切れるぞそんなもの!」
「コイツ……ハイになってやがる」
火山の悪魔が全ての輸血液を奪い、そして自らに注入していく。
その度に火山の悪魔は存在感を増し、すぐに全盛期を超えた。
「この力で……まずはお前だ! ガキ!」
火山の悪魔の標的は、ナユタ。
全体の指揮と意思疎通を担うナユタを倒せば、それだけで統率が乱れ、全体の戦力が低下する。
実に正しい判断だ。
だが、それ以前に間違いを犯し過ぎていた。
ナユタが口を開く。
「『動くな』」
「な……」
火山の悪魔の全身がビタリと硬直する。
樹海の悪魔は未だ上空。
その隙をついて、ジョージが輸血液と実弾をレゼに叩き込む。
湯血液は胸に、実弾は首元でギャリンと金属音を立てて弾かれた。
レゼの首にバックリと開いた裂孔。
それはちょうど、ピンがあった部分に存在していて。
レゼの全身が、爆ぜる。
「ぷはぁッ!!」
凄まじい勢いで首を振り回したレゼは状況を把握。
樹海の悪魔の領域をスカす最高の結果となった。
レゼはもう一度爆発を起こして、空中にいる樹海の悪魔に猛然と襲い掛かった。
◆◇◆◇
「な、なに、が……」
火山の悪魔が呆然と呟いている。
必死になって体を動かそうと全身に力を込めているが、全く動かないままだ。
それを嘲るようにジョージが歩いて近寄る。
「食べ過ぎだ」
「……は?」
「お前は銃の悪魔の肉片を喰い過ぎた。それも心臓や脳といった重要部位ではなく、血液などというただの末端を。おまけに銃の悪魔よりも遥かに格下の状態で、だ」
与えるという事は、支配するという事。
震災で壊れた地域が、企業からインフラを与えらることで経済を支配されるのと同じ様に。
戦争で負けた国が、戦勝国からの『教育』を与えられることで支配されるのと同じ様に。
死に体であった人形の悪魔が、肉片を与えられて闇の悪魔の尖兵になったのと同じ様に。
奪うのは支配の結果。
与える事こそ支配の過程だ。
その権限を鎖を通してナユタに貸せば、あとは一言呪えばそれで終わりだ。
「ナユタ、よく見ておけ……これが『支配』だ」
ジョージが火山の悪魔の頭に掌を乗せる。
形からして噴火の様に火を打ち出せるのだろうが、火傷を起こす程の熱量すら出せない現実。
「『
もう一度、火山の悪魔を弾薬に変える。
今度は心臓も頭も残さず、クジラの様にまんべんなく使って。
◆◇◆◇
「火山がやられましたか……数十年連れ添った仲間が、こんな所で」
「アナタも同じところに行けば?」
「断ります。せめてあなたたちを道連れにしなければ」
とはいうものの。
状況はほとんど負け確と言っていいだろう。
ならばもう逃げる事だけ考えるが……それができるかどうか。
ひとまず援軍が来ないように、腹に魔法陣を描いて木人を生やし、地上戦力を妨害しておく。
こうなると空中でレゼを何とか退ける必要があるが……腹に描ける魔法陣は常に一つだけ。
木人を生やすのに使っている以上は領域をはじめとする他の大技が使えない。
だが、レゼはいくらでも大技が使える。
「一撃で……心臓か、頭!」
遥か上空へ飛び上がったレゼが掌で爆発を起こす。
それは反動でレゼの全身に回転運動を送り込み、フィギュアスケーターの様に高速回転をし始めた。
回転と爆煙で視界が悪くなるが、それは鎖を通してナユタの視界を受け取ることでカバー。
黒煙の渦を後ろに引きながら、高速回転するレゼは樹海の悪魔へ一直線。
そしてぶつかる直前に腕をミサイルに変えて、更に回転の勢いを乗せる。
ジョージから受け取った決定打の技。
「
もはや昼の如き光をまき散らし、レゼ史上最大級の爆発が樹海の悪魔を襲う。
頭は半分近く潰れたが、心臓は守った。
その衝撃で地面へと高速で落下していく樹海の悪魔。
逆にレゼは反動で滞空している。
チャンスだ。
このまま木人で目隠ししつつ、操作の為に木の根を張り巡らせた床に穴をあけ、地下から脱出する。
一応別の木人を増やして、地面に思いっきりぶつければ少しは攪乱になるだろう。
次の瞬間、樹海の悪魔の心臓が消し飛んだ。
「な……」
振り返る。
その視線の先では、アサの握る拳銃が煙を吐いていた。
一握りの火薬:これを生身でやる奴がいるってマジ?
榴弾砲着弾:視界と三半規管どうなってんだ