手を変え品を変え、勉強というよりは勉強に必要な素地を作ることに重点を置いた1日を終えて。
俺とレゼは、アサが淹れてくれたコーヒーを飲みながら、お互いの進捗状況を共有していた。
ちなみに、デンジとアサとナユタは、息抜きがてらにスーパーへ買い出しに行っている。
若干不安の残るメンツではあるが、まあ問題あるまい。
「……とまぁ、俺の方はこれぐらいかな。デンジもそこそこ頭良いとは思うが、同時にナユタのポテンシャルはそれ以上だ。正直な所、あの2人を纏めて生徒と扱うのは色々と悪影響が強そうだから、ここからは比較や競争の側面を最大限排除した構成にするつもりだ」
「うん、それでいいと思う。長期的に二人三脚するのは私の役目だし、嫌われがちで退屈な基礎をジョージ君が担当してくれるのは嬉しいかな」
「2泊3日じゃ基礎なんぞ身につかないとは思うがね」
「それはしょうがないよ」
「まぁ、俺の事ならいくらでも悪者にしてくれて構わんから、とにかく合格できるところまでなんとか仕上げてくれ」
「もちろん。私もデンジ君と学校行きたいもんね」
と言う訳で、ひとまず本日持って来た百マス計算ドリルはレゼに譲渡することにした。
まあこっちの漫画たちは違うがね。これは初版であることを差し引いても、大切な俺のコレクションだ。
いそいそと漫画をしまい込んだ俺を見て、レゼが問いかける。
「……ジョージ君さぁ」
「うん?」
「なんでそんな大荷物持ってきたの?」
「大荷物?」
「漫画」
「あぁ……勿論、デンジとナユタに、漢字の勉強がてら読ませるためだが」
「それだと時系列おかしいでしょ。ジョージ君がデンジ君とナユタちゃんに教えるってなったのはこっち来てからじゃん」
「そうなるだろうことはなんとなく予想が付いてたからな。能力的にも適性的にも妥当だし」
「えっ……じゃあなんで一旦私にパスしようとしたの?」
「……よかれと思って?」
「何が?」
冗談はさておき。
「昨日……いや、今日か? ともかく、最近『未来の悪魔』と契約してな。能力の仕様を把握するのに、ちょっと利用させてもらった」
「そもそも未来の悪魔の能力って何? 未来視とか?」
「未来視であってるぞ。基本的には戦闘中に数秒先を……って使い方なんだが、俺はもっとずっと先の未来まで見れるようになった。だが数秒先ならともかく、それぐらい先の未来となると『分岐』する可能性がある。その分岐に必要な……なんというか、要素の閾値を探っている所だ」
「……つまり『どこまでやったら予知した未来を変えられるか』を確かめてるって事?」
「おぉ! まさにそういう事だ。100点満点」
『はなまる~』と言いながら空中で指をぐるぐると回すと、レゼは溜息を吐いた。
「どうせ何かしら狙いがあると思ったけど、相変わらず予想だにしない角度からくるよね……」
「そうか? 手に入れた力の仕様を把握したいのは人情だと思うが。それに『銃に未来視』ってのも順当と言うか、ありきたりな強化パーツだろうに」
まぁ本当の狙いは
理論もクソも無い狙いなので、予想も推測も絶対にできないだろうが。
「……前も思ったけど、よくそういう併せ技みたいなの思い付くよね」
「男の子はこういうの考えるの大好きだから……」
まあこういうのって、基本的に思いついた段階が一番楽しくて、実行するとなると最初の数回以降はマジで虚無だけど。
これにしたって、もう『中る未来』が見えたら引き金を引くっていうモグラ叩きめいた作業になっちまうしな。
いや、別に銃も銃撃も結局は道具で、そこに喜悦も矜持も無いけどさ……電卓で1つ1つやってた作業がExcelで一発解決した時の、あの虚無感に似ている。
「とはいえ結局は契約悪魔だ。契約破棄の可能性を考えて、あんまり濫用はしないつもりだが」
「他の契約悪魔っているの?」
「銃以外だと、今は戦争と支配だけだな」
「え、意外。あの2人と契約してるんだ」
「そんなに意外か?」
「なんか……実益とは無関係の部分に、実益を絡めたくないタイプだと思ってた」
「意外だな。まさか俺の解像度がそんなに高いとは思わなかった」
「そうなの? じゃなんで契約してるの?」
「まずナユタがな。『実益を提供してないと切られそうで嫌』ってことで契約したんだ」
「あぁ……」
物凄く身に覚えがあるかの様な、しみじみとした表情だった。
考えてみれば、確かにレゼからすれば実体験を伴う話か。
「じゃどっちかというとナユタちゃんの為の契約なんだ?」
「そういう事だな。お互いに最低限というか、言い訳の様な内容だったよ」
「どんなの?」
「週1で添い寝したら、支配の力を鎖一本分貸してくれるってさ」
「……添い寝?」
レゼが目を白黒させている。
『そんなんでいいの?』という副音声が聞こえてきそうだ。
「悪魔の契約なんて、ぜーんぶ当事者の胸先三寸だからな」
「それは知ってるけど……」
「で、それ聞いてたヨルが『私を歓待して楽しませられたら、その度に一回だけ武器化の力を使わせてやろう』って言いだしたから、それとも契約した」
「ん?」
「ん?」
どこに引っ掛かる要素があったのだろうか。
「……ちなみに、その契約の対価ってもう払ったの?」
「おう。ナユタとは昨日添い寝したし、ヨルとも昨日、半日だけだけどデートしたしな」
「うん、やっぱりそれデートだよね?」
「俺もそう思ってるんだけど、ヨルだけは頑なにデートじゃないって言い張るんだよ。男女がサシでどっか出掛けたら大体全部デートって判定にしている俺が悪いのかもしれないけど」
「そうだね、確かにジョージ君が大体全部悪いね」
「……うん? 今なんか」
「ところでアサちゃんの進捗なんだけど」
すっげえ雑な話題の変え方だが、まあ良いか。
なんかもっと包括的な意味合いで俺が悪いかのように言われたが、まあ気のせいだろう。
大方言い回しをミスったとかそんな所だと思うので、そう気にすることもあるまい。誰にだって間違いはあるものだからな。
「実際のところどうなんだ? 正直、アサの処理能力が俺にはよくわからんのだが」
「私も手伝うし、自由研究と読書感想文さえなんとかなればって感じかな」
「っと、それもあったか……」
完全に忘れてた。
「課題図書は後で調達するとして、今は自由研究の方を考えた方が良いかな」
「まぁ、この際クォリティは最低限で良いとして……何にするか」
「そこは流石にアサちゃん任せかな。テーマをアサちゃんが決めて、研究部分は私たち。それで結果をアサちゃんが課題のフォーマットに揃える感じ」
「分かった。その方針はアサにも?」
「共有済み」
「Good。だったら、ひとまずは待機だな」
少しだけコーヒーを口に含んで一息。
「しかし、ジョージ君は愛されてるねぇ」
「俺が? 一体何を根拠に……」
「聞いたよ、アサちゃんとのデートの事」
「あぁ……」
ヨルよりも凄いの、とかいうクソアバウトなリクエストに基づいたデートは、まあするつもりではあったのだが。
しかし夏休みの宿題が終わってないならそんなことやってる場合じゃねえ! と言う訳でそれは一旦お預けという運びになった。
とはいえ、それで完全に立ち消えとなっては後味の良くないものを残すだろうという事で、『夏休みの宿題を全て期日通りに提出できたら』という条件付きで、計画だけはしているのだ。
アサにはパスポートを作らせたので、海外に行くことは察しがついているだろうが、どこにいくかまではまだ話していない。
「発奮していたか?」
「相当ね。ちょっと入れ込み過ぎだとも思うけど、短期的には良いんじゃない」
「3日の勝負だからな。この際、達成さえできればいいさ」
ひとまず、やる気を出してくれていたのならそれでいい。
「とはいえ、愛されているって話ならお前も大概だと思うがな」
「私? そりゃあ、まあ、ある程度は自覚あるつもりだけど……」
発言こそクールぶっているが、顔を赤らめて目を逸らして指を空中で振っている。
お前本当に元ハニトラ要員かよ。
「ああやってデンジが机にかじりつく姿。それ全部お前のためなんだぜ?」
「えぇ~? そーかなぁ~?」
「だって、アイツ本人は別に学校に興味ないだろうからな。レゼが興味あるからってああやってんだ」
「まぁ~、確かに? デンジ君も学校行きたいとは言ったけど、『レゼとなら』って枕詞あったしねぇ~」
友達から『これ面白いよ』って勧められた映画を、翌日に履修している人間などそう多くはない。
よっぽど好感度が高くないとその行動力には至らないのだ。
デンジがやっているのは、それよりも遥かに難しく、また面倒臭い事だ。
それは計算で出来る事ではない。もはやある種の献身とすら言える。
まさしく『愛の成せる技』といった所か。
「全く、言動の端々から幸せそうで何よりだよ、果報者め」
「……」
「……? どうした、何を身構えている」
「いや、なんか……なんとなく……?」
よくわからん奴だな。
「まぁ、ひとまずはこの平和を謳歌しようじゃないか」
◆◇◆◇
「ッスゥーーーー……フゥーーーー……」
「んだよアサ。とっとと入ろうぜ」
デンジとレゼの仮宿。
その部屋のドアの前で、鍵を構えたアサが深呼吸をしていた。
後ろに控えるデンジはいくつもの食材が詰まった袋で両手が塞がっており、一部はナユタにまで持ってもらっているぐらいだった。
ので、唯一鍵を開けれるだけの身長と手隙があったアサが開錠を任されたわけだが。
そのアサが、全然中に入ろうとしない。
デンジとしては、いつジョージがレゼを口説きにかかるか分かったものではないので、できるだけ速やかに部屋に戻りたいのだが。
「前にも……」
「あ?」
「前にも、こういう事あったでしょ? ジョージとレゼ先輩が2人で話してた時」
「あぁ……まああったけど」
「その時、ジョージはなんか血の海に沈んでたじゃん?」
「やけに安らかな顔でな」
「だからその、また同じ様な事が起きてるんじゃないかと思って……あんまり開けたくない……」
「いやいやいや、もし同じ事が起きてるんなら、それこそ片付ける為にさっさと入った方が良いだろ」
「分かってるけどなんか怖いの! わかんないこの気持ち!?」
普通にアサのトラウマになっていた。
デンジのスケールに直すなら、以前にレゼが突然の死を遂げたシチュエーションにもう一度遭遇している訳だ。
気が滅入るのも仕方が無いだろう。
「んじゃあ鍵だけアサが開けろよ。俺がドア開けっから」
が、デンジはその辺の想像力を働かせることがまだできなかったので、共感を示すことなく冷淡なまでに最短経路を提案した。
「……わかった」
アサが鍵を開け、デンジの荷物を半分受け持った。身軽になったデンジは片手でドアノブを開け、いつも通りに玄関を通り抜ける。
「帰ったぜ~」
「おかえりなさ~い」
気負った様子の無い、手慣れた風の発声。
2人がこの手のやり取りを幾度となく繰り返してきたことが容易に察しがついた。
「ふんっ」
「いでっ……なんでスネ蹴ったんだよ」
「さぁね!」
そんなやり取りがありつつも、デンジがリビングに入って目にした光景は。
「お帰りデンジ。うん? それだけで足りるのか?」
「アサちゃんとナユタちゃんも持ってるんじゃない? 5人分には少なすぎるし」
「あぁ、なるほど」
1つの安いちゃぶ台を囲んだジョージとレゼが、コーヒーを飲み干してデンジとアサを迎え入れた光景だった。
飲み干したマグカップをテーブルに置き、ジョージが立ち上がってアサとナユタから荷物を受け取りに行った。
「……大丈夫だったか?」
「そりゃあ、ジョージ君もいたし……?」
「いやなんか……そのジョージがいきなり発作とか起こしてねえかなって」
「あぁそれね。いや、私もちょっと心配だったんだけど、今日は特に何もないよ」
「そうか……」
「? ……あ」
レゼがデンジの方に近付いて、耳元で囁く。
「心配しなくてもー……私はデンジ君一筋だよ?」
「うっ……俺も、レゼ一筋、だぜ……」
「イェーイ、やったぁ!」
ぱっと笑顔になったレゼは、『あっち手伝ってくるね』と言ってから廊下へ向かった。
それを呆然を見送ったデンジは、ぼそりと一言だけ零す。
「……超クソ可愛い」
◆◇◆◇
「おっかえり~! 外暑かったでしょ」
「アイスの誘惑がしんどかったです」
「分かる。でもすっごく太っちゃうんだよね」
「そうなんですよ!!」
「ふふ……あれ? ジョージ君どうしたの?」
「そういえば、さっきから全然喋らな……」
一瞬の静寂。
「……立ったまま死んでいる」
「!?」
◆◇◆◇
とまぁ、そんな
ちなみに、本日は特に貸し借りとかのアレは関係ないので、買い出しの費用は割り勘である。頭割りなので俺の方が若干多く払うが、まあ特に問題はない。
引っ越しの資金も必要なのだが、まだまだ余裕はある。
少なくとも、こんな食材の買い出しでケチケチする必要が無いくらいには。
「……このラインナップは、ハンバーグか?」
「おう。あとポテサラと米とみそ汁だ」
「なんともまあ、和洋折衷な」
適当に役割分担して、全員で調理に取り掛かる。
必要性の話をするならアサだけは宿題をするべきだが、そうするとアサのモチベーションがマジで落ち込むだろうということでやめた。
アサは相応に追い込まれてもらうが、それはそれとして追い込まれる方向性を間違える必要は無い。
まあ本人が望んで宿題に取り掛かるというのなら話は別だが、特にそういう訳でもなさそうだったし。
……だからこんなことになってんじゃねえの? という疑問はさておき。
「おぉ~」
卵、小麦粉、たまねぎが混ざったミンチ肉を、興味深そうに捏ねるナユタ。
この辺の危険でなく力も要らない作業についてはナユタに任せることにしたのだが、その監督役が俺と言う訳である。
ナユタの手の中で棒状になっている肉を見て笑顔になりつつ、ボウルの中に氷を放り込んでいく。
製氷皿で作られていたものだが、特に決まった用途はないとのことだったので使わせてもらった。
「ほらほら、手の温度が移っちまうだろ。さっさとこねてこねて」
「はーい」
床に置いた1つのボウルを2人で囲み、中のミンチを4本の手でこねていく。
「水になっちゃうけどいいの? 薄くならない?」
「焼いてる時に飛ぶから大丈夫」
「とぶ?」
「蒸発するって事」
「じょうはつ?」
「お風呂の湯気みたいになるの」
「なるほど」
そんな会話をしながら、タネをこねこね。
「……これ、私いる?」
「なんでだ?」
「だって、ジョージの方が力も強いし、手だってこんなに大きいよ?」
そう言って、ナユタは俺の手と自分の手を合わせるようにして比べて見せる。
確かに、その気になればそのままナユタの手を指諸共に握りこめそうだ。骨を破壊する前提だが、それができるだけのパワーがある事もまた事実。
それらが合わされば、肉だねを捏ねる効率はナユタの5倍か10倍か。
効率だけを見れば、確かにナユタがいる意味は薄い。
「いいかナユタ。こういうのは『投資』って言うんだ」
「とーし?」
「確かにナユタよりも俺の方が早い。けどな、ナユタは今日ハンバーグの作り方を覚えただろう?」
「うん。玉ねぎみじん切りにして、卵と小麦粉と塩コショウを入れて、捏ねて、焼くんでしょ?」
「焼く前に空気を抜く必要があるが、概ねその通りだ。じゃあナユタが大きくなって、火も包丁も扱えるようになったら、作ってくれる?」
「うん。チーズも乗っけたげる」
「もうアレンジまで……ともかく、その時に作り方を覚えていたら、すぐに作れるだろう? こうやって今の内に手間やコストをかけておくことで、将来もっと大きな利益を得ようとするのが『投資』なんだ」
つまりは、『出世払いで頼む』って奴だ。
今はバブル崩壊直後という事もあって、日本全体に『投資なんてとんでもない』という風潮が蔓延しているが、別に投資と言うのは株式投資に限った話でもない。
極論すれば、体に良い食材を食べるのだって投資なのだ。
「ジョージは、私がおっきくなるまで一緒にいるつもりなんだ?」
「独り立ちがしたいならそれはそれで好きにすればいいけど、それができるようになるまでは一緒にいさせておくれ」
「ふーん……私って、おっきくなったらどうなるのかな?」
そりゃまた、難しい質問だ。
まあ支配の悪魔である以上、肉体の成長は悪魔としての成長にも繋がるだろう。ナユタという存在の根幹なのだから、どんどん支配の悪魔らしくなっていくのは間違いない。
しかし、支配の悪魔の極致こそがマキマであっただろうことを考えると、俺としては余り望ましくない。
この際デンレゼにちょっかいをかけさえしなければ別に良いのだが、さりとて支配のためにはチェンソーマンの力が有用すぎることも事実。
である以上は支配の悪魔『らしくない』成長をしてほしい所ではあるが、ではそれがどのような形なのかと聞かれれば返答に困る。
分からない、というよりは絞り切れない、という意味だが。
「そうだなァ……未来は沢山あるから、何とも言えんが。どんな姿に成長しても、ナユタはずっとナユタのままさ。そしてどんな姿になっても……まぁ、大抵の場合、俺はお前の味方だ」
「大抵……?」
「うん、まあ、これは渡世の基本なんだが」
肉ダネ塗れになった手で、ナユタの手を包む。
「お前は自由で何をしてもいいが、お前以外の奴だってみんな自由で何をしてもいいんだ。誰かを踏みにじるのも自由だが、それに歯向かうのも自由なんだ」
「……人に迷惑をかけちゃいけませんって事?」
「いいや。相手と場所と程度を考えて迷惑をかけろってこと。どうせ生きてりゃ迷惑はかけるんだ。反発が少ない様に『支配』していけ」
本当に小さい手だ。こんな手が、マキマの様にどこまでも届くようになる日など本当に来るのだろうかと、つい考えてしまう。
だが、それは俺が思っているよりも、遥かに実現可能性の高い未来なのだろう。
「なに、俺への迷惑ならいくらでも掛ければ良いさ。どうせ不死身の武器人間だ、いくらでも付き合ってやるよ」
「……あったかい」
「おっと、そりゃ不味いな」
また氷を追加して、肉ダネを冷やす。
両手は生肉を触った後なので、ちゃんとテレキネシスを使っている。清潔だ。
ビニールとかで保護しとけばよかっただろ?
それはそう。
「ほれ、さっさと仕上げないと、手持無沙汰のレゼが魚を焼き始めるぞ」
「焼かないよ!? なんでここからメインディッシュ追加するの!?」
「だって油引いたフライパンをずっと加熱してるから……」
一瞬シーズニングでもしてるのかと疑ったわ。
「もう混ざったでしょ。空気を抜くってどうするの?」
「こうやって……ちょうど、あの樹海の悪魔を翻弄するかのようなイメージで、掌に叩きつけるんだ」
「翻弄……?」
柏手の様に、パンパンとな。
ハンバーグを作る東堂葵のFA、いつ見ても笑っちゃう