デンレゼ過激派転生者   作:翁。弁当

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日間11位行ったのは嬉しいけどさぁ!
こっちはランキングに乗るたびにちょっと早く出すって縛りでポイント盛ってんだよ!(術式の開示)
他者との縛りを破ったらどうなるか分からないから大変なんだよ! マジで予想だにしないタイミングで上がるし!

嬉しいけども!!


RUN、GUN、FUN

「……凄かった」

「……おぉ」

 

 コンサート会場から歩き出す2人は、人種のサラダボウルたる米国にあっても希少な極東の出身者。

 本来異質で浮いてしまう様な2人だったが、それを気にする人間は今この場所にはいなかった。

 

 酔っている。

 

 生のマイケル・ジャクソンは、そして彼のパフォーマンスは、それぐらいの代物だった。

 たかだか異邦人2人など、誰も気に留めないほどの余韻。

 

「いや……正直舐めてたわマイケル・ジャクソン。人体ってあんなことになるんだな」

「絶対悪魔の力とかでしょアレ……」

「いや、アイツ完全に純人間だったぞ。俺みたいな武器人間でも無けりゃCGでも無かった」

「嘘ォ……?」

 

 ジョージはぶっちゃけ前世からマイケル・ジャクソンの事は半分ぐらいCGだと思っていた。

 だが、銃の悪魔に由来する圧倒的な感知能力の粋を結集してもなお、あの男は純人間であった。

 

「お、アサ。あっちに物販あるぞ。行こうぜ」

「行く行く」

 

◆◇◆◇

 

 ペナントとCDとTシャツを6枚ずつ買ってしまった……観賞用と保管用と布教用と……残りは何に使うんだこれ。

 やっぱ冷静じゃない時の買い物はしないに限るな。

 

 一旦全てのグッズをホテルに置いてから、ニューヨークの街並みを練り歩く。

 

 高度経済成長期が泡沫の夢と化して消え去り、銃の悪魔に東京を襲撃された日本から旅行者は眼に見えて少ない。

 しかし、それぐらいの頃の日本人旅行者といえば酷い物だった。

 

 当時の日本人のイメージは『下品な成金』って所だ。

 ポーランド人が『電球の代わりに自分達が回る様なマヌケ』だったのといい勝負である。

 

 そんな同郷人があらかた締め出されている現状は、正直に言ってしまえば嬉しい限りだ。

 もちろん悪いイメージが残っていないわけでもないだろうし、その上で少数でいるのは危険なのだろうが……折角海外に出たのに見渡す限りアジア面じゃあ、情緒ってもんがないからな。

 

 直接的な危害は俺が全部弾けるのだから、実質ノーデメリットだし。

 

「帰りの飛行機っていつ?」

「明日の朝の便に乗って、日本に着くのは夕飯時を過ぎた頃だな」

「……来るときは寝てたから実感ないけど、やっぱり遠い」

「ほぼ裏側だからなァ」

 

 この距離だと、流石に地獄を経由してもそれなりに時間が掛かるだろう。

 やってやれない事は無いと思うが……地獄に滞在するほど、根源的恐怖の悪魔に見つかる可能性も高まるからな。

 

 それもあって、地獄の仕様については『現世の8倍移動できる』以上の研究がろくに進んでいない。

 

 正直、その程度の研究が出来たことすらが意外だ。

 俺のイメージだとほぼ全域が連中の知覚範囲だと思ってたんだがな……?

 

 あいつらぐらいに『大きい』存在ともなると、こっちが視線を感知できないという事は無いだろうし、それが無いという事は、単純にうまい具合にスキマを縫って動けているのかもしれない。

 

 だが、その幸運も何時まで続くか分からない以上、延々と滞在し続けるわけにもいかないのだ。

 

 え? ナユタを迎えに行った時?

 アレはそうするだけの価値があるギャンブルだったね、実際。外したけど。

 

「勿論時差もとんでもねえことになってるからな」

「……ねえ、既に帰った後の事が怖いんだけど」

「なぁに、学校は最悪リセットして車で送ってやるよ。至れり尽くせりだろう?」

「恩着せがましい……」

「HAHAHA、だがお釣りが来るだけの物を見れたと思わんか?」

「……まぁね」

 

 そりゃあ月曜日からの学校を思えば、そしてその際の時差ボケを想像してみれば今からげんなりするのも分からないでもないが、『この時代で一番凄い奴(異論は認める)』のステージを生で見られたのだ。

 

 二(・)日(・)酔(・)い(・)まで楽しんでこそ、というものだろうて。

 

「折角だし残りも楽しもうじゃないか。後に払うツケは忘れてさ」

「……別に今日の内に帰ればいいんじゃない?」

「そうか? まあキャンセル料ぐらいしか掛からんが……」

「キャンセル料? いくら?」

「今からだと……額面の半額かな」

 

 ぴら、とアサは自分の半券を、正確にはそこに書いてある額面の値段を確認した。

 

「……」

「どうする?」

「明日にする……」

 

 金銭感覚が正常なようで何よりだ。

 

◆◇◆◇

 

「……さて、飯は済ませたし、次はどこに行く?」

「ただのファストフードだったけど」

「それがアメリカさ。全部なげうって仕事に倍プッシュするのさ」

「それ何が楽しいの?」

「仕事そのものじゃないか? 俺はゴメンだが」

 

 なんて話をジョージとしながら、アサは周囲をちらりと見回る。

 確かに、誰も彼もが忙しなく動いている様に思えた。

 

 その最中にヨルが話しかけてきたので、アサも声には出さずに応じる。

 

「アサ、射撃場に行け」

「またぁ? 今日のヨル、主張激しくない?」

「いいや、敢えて言わせてもらうがな、アサの主張が弱すぎるんだ。特に今日はな」

「そりゃ……色々あったから」

「そういう意味じゃない。もっとジョージをオトシに行けという意味だ」

「はぁ!? いきなり何!?」

 

 その言葉は、思わず声として出てしまった。

 

「うぉ。どうした。またヨルがなんか言ったのか?」

「う、うんそんな感じ」

 

 適当に誤魔化しながら、ヨルとの会話を続ける。

 

「冷静になって状況を考えてみろ。今いる状況だけじゃなくて、日本での状況もだ」

「……どういう事?」

「いいか? 日本にはナユタが居るだろう? 岸辺とかいうのに預けられているが、普段はお前達と一緒に暮らしている」

「そうだけど?」

「しかもお前とナユタは一緒に寝ていて、週に一回のペースでナユタとジョージが一緒に眠る状態が今の基本形だ。ここまではいいな?」

「ただのサイクルでしょ? なにが言いたいの?」

「お前、この生活でどうやってジョージと『一線』を超えるつもりだ?」

「いっせん……」

 

 ヨルの言葉を理解した瞬間、アサの顔が凄まじい勢いで紅潮していく。

 

「いやアサ。恥ずかしがってる場合じゃないぞ」

「え?」

「これはつまり、今みたいな状況でもない限りは確実にナユタに『見られながら』という事になる」

「あ、あ~……」

「まあそういう嗜好の奴もいるがな。私は嫌だし、アサだって望ましくは無いだろう?」

「だから、その……2人きりの今、ってこと?」

「そうだ。今からどんどん押して行かないと、ホテルまでにムードが完成しないぞ。ジョージがそういう事を全くしないのはお前だって知っているハズ」

「……こういうのって、男の方からするものじゃない?」

 

 アサは日和った。

 

 その尻をひっぱたくのが、今のヨルの役目である。

 

「……私の嗅覚だと、3人!」

「へ?」

「ジョージを狙っている……というか、狙う可能性がある女の数だ」

「そ、そんなに?」

「今は良い。今はアサが居るから遠慮しておく。そういう分別がある様だが……」

「……」

「もしも延々と一線を超えないせいで、『アレ? もしかしてこいつ等くっついて無くね?』と察した奴がいたら……」

「……」

 

 どこの誰とも知れない馬の骨が、今アサがされているようにジョージにエスコートされてデートに行く。

 そんな光景がアサの脳裏によぎり、その顔色は蒼白へと急転直下。

 

 どっちかと言うと父親が娘に対して行う様なイメージだが、それはさておき。

 

 そんなに顔を青くしたり赤くしたりしていれば、当然怪訝に思うのは人情というもので。

 

「アサ、大丈夫か?」

「ひゅいッ!? ど、どうしたのジョージ!?」

「いやさっきから顔色が信号機みたいになってるから……体調悪いのかなって」

 

 つまり、顔が赤くなったり青くなったりしていて、アジア人なのでデフォルトが黄色いという人種(アメリカン)ジョークである。

 

「先にホテル戻って休むか? 一応それなりの所だから、安心して眠れると思うけど。ホテルはホテルで見どころも多いだろうし」

「ほっホテ……ッ!?」

「ホタテ?」

 

 頓珍漢な聞き間違いをしているジョージ。

 考えてもみなかったことで動揺を隠せないアサ。

 

 結果起こる、何の生産性も無い会話。

 

 ヨルだけが、その会話のバカバカしさを客観的に観測していた。

 

「ほれアサ。射撃場に行ってみたいと言え」

「単にヨルが行きたいだけじゃない!?」

「いいか? まずは『私は貴方に興味があります』という事を行動で言外に伝えるんだ。銃を常用するデビルハンターのジョージと、銃規制の緩いアメリカ。だったら銃に興味がある事を示すことで、より芯を食った共通の話題が生まれるという寸法だ」

「……騙されてない?」

「そんなことは無い」

 

 無駄に堂々としているヨルだが、完璧に聞きかじりの知識を適当に組み合わせただけである。

 戦争にはハッタリも大事なのだ。ヨルの『耳年増の生娘』という正体を覆い隠すぐらいは造作も無い。

 

「い、いやぁ、私行きたいところあるから、ホテルはその後でも良いかなぁ」

「行きたいところ? どこだ?」

「に、日本じゃ銃とか撃てないから、射撃場に行ってみたいなァ……って」

「射撃場か。そこそこ土地要るし、ニューヨークにあるかな? まあガンショップの試射場ぐらいはあると思うが……」

 

 思い悩むジョージにヨルからの助け舟が入る。

 

「コンサート前に行った所にはあったぞ」

「コンサート前に入ったお店には無かったっけ?」

「あぁ、確かにあったな。VIPルームみたいであんまり見てなかったが」

「じゃ、そこ行くよ」

「OKOK……おっと」

「……どうしたの?」

「いや? 少し、粘ついた指があったんでな」

「……?」

 

 死角でジョージがひっそりを拭ったナイフには血と脂が付いていたが、アサがそれに気付くことは無かった。

 

◆◇◆◇

 

「おいおいおい! なんだこの店!」

 

 ヨルの嗅覚が特別に優れていたのか、改めて回ってみたその店でジョージはやたらとテンションが高かった。

 発作を起こしたりしない、健全なテンションの高さだ。

 

「な? こうして『趣味に理解のある女』であることを見せておくんだ」

「これ趣味なの?」

「あんな場所に実益のある道具は置いてないだろう。だから恐らく趣味だ」

 

 そうしてヨルが目線を向けたのは、ジョージがいるヴィンテージコーナーだ。

 密造銃(ジップガン)や軍用鹵獲品など、実際に使うにあたっては上位互換がいくらでも存在する様な、コレクター向けのコーナーである。

 

 もちろん、少し別の場所には実用するための銃が幅広く陳列されている。

 実用品とは別でコレクター向けのコーナーを設けられる辺りに、この店の品揃えが察せられる。

 

「三八式歩兵小銃、しかも菊の御紋付? 木製ストックの割に保存状態もなかなか……」

「それ何が凄いの?」

「ん? あぁ、これは……あー、なんつったら良いかな……」

 

 別に解説する事は出来るのだが、どうしても『第二次世界大戦』という存在しない記憶を参照しないと話の辻褄が合わない。

 そのため、ジョージはどうにかしてその辺に言及しないで説明しようとしているのだが、『天皇陛下より下賜された銃』なんて状況が第二次世界大戦以外で発生する訳もなく。

 

 結果、ジョージはただただ言葉に詰まるのだった。

 

「まぁ、とにかく珍しいもんなんだよ」

「ふーん……?」

「アサ、ここだ。ここでもっと興味がある事をアピールしてだな」

「ヨルのやり口ってなんか遠回りじゃない?」

「お前が直線でいけないからそうしてるんだろ」

「……」

 

 アサは何も返せなかった。

 

「出来れば実際手に取ってみたいが……まぁ、実用品と違ってショーケースの中だよなァ。もう絶版してる稀覯(きこう)銃だからな」

「あっちの実用品コーナーとか、こっそり弾を持ち込まれたらどうするんだろ」

「撃針が抜いてあったから、アッチの奴は発砲出来ないよ。手に馴染むかどうかを自分で検証して欲しいんだろうな」

「部品抜いてて分かるの?」

「撃針なら重量もそんなでも無いし、重心に近いからな。そう気にならないだろう。多分」

 

 その辺の機微について、ジョージはもうよくわからない。

 なぜならジョージはほぼほぼ銃の悪魔。全ての銃を理論値以上に扱えるため、重量誤差程度はカンだけで織り込めてしまう。

 大富豪が貧民の生活をイメージできないのと同じ様に、もはやジョージには『使いにくい銃』という概念を理解できないのだ。

 

「まぁ、俺たちは実用品コーナーに用事は無いから、あんまり関係無いけど」

「……そういえばそうだっけ」

 

 アサは内心でジョージ・ピストルズM95を思い出す。

 ジョージの全身をヨルの能力で武器化したこの銃はまさにオールマイティ。これだけで銃が必要な場面はすべてクリアできる。

 その上、虚空に消していつでも取り出せるため、盗まれることも奪われることも見つかることも無い。

 

 ましてやジョージはこの店に置いてある全ての銃を『自作』できるのだ。

 わざわざ金を出して買う必要が無い。

 

「ん? じゃあ別にジョージが自分で出せばいいんじゃないの? その……えーっと」

「三八式歩兵小銃」

「そう、それ」

「……お前はロマンってもんを何も分かっていないな」

 

 ピラミッドを消し飛ばしました。

 現代の技術で再建しました。

 全部一緒だから、これもピラミッドの歴史の一部です。

 さぁ同じ様に参拝しなさい。

 

 これでありがたみを感じる奴が一体どこにいるのだろう。

 ピラミッドが凄いのは、あんな原始的な石造りの建造物が4000年以上にわたって屹立し続けた『歴史』であって、『原始的な石造りの建造物』そのものにそこまでの価値は無いのだ。

 

 いくら精巧であろうと偽物は偽物。

 自分以外の全員を騙せようと、自分が作った以上自分だけは騙せない。

 

「クソ、男って生き物はこれだから……」

 

 ヨルが歯噛みしている。

 

「まいいや。じゃあ本題の試射場に行きたいんだけど……言葉がなぁ……俺出川イングリッシュしかできないんだよな……」

「でがわ?」

「なんとかなれー、って感じの英語って事」

 

 金網越しにこちらを監視していた店員に歩み寄る。

 万引きなどの犯罪者を確実に銃殺できるよう、位置関係が計算されている様だ。

 

「ハロー、チューマ」

「Fuck off,Jap」

 

 開幕からご挨拶であるが、適当過ぎる言い回しをした時点でジョージにもまあまあ非がある。

 とりあえず、ジョージは適当な拳銃を手に取って。

 

「Can I try this?」

「Use your ear. FUCK OFF」

 

 取りつく島もない。

 

「wait,wait. if I return, you will regret」

「huh?」

「you lost chance of looking my skill」

「……」

 

 店員は少し黙り込んでから、ジョージが手に取った銃の撃針と弾薬を持ち出した。

 

「do one hole by 10 ammo's」

「HAHAHA,a piece of cake......If I done it, can my pal use here too?」

「OK」

 

 使えるように整備された銃を手に取り、手早く弾薬を装填したジョージは気楽な足取りで試射場に入って行った。

 だが、その直前で立ち止まって振り返る。

 

「……アサ、どうした? 聞いてただろ? お前も来いよ」

「嘘つき!!」

「なにが?」

 

◆◇◆◇

 

 さて、ジョージが易々と条件を達成した事で、ひとまずフリーで射撃場が使えるようになった。

 拳銃10発でワンホール。ジョージからすれば朝飯前も良い所だった。

 

「……これ、私がやる意味ある?」

「まあ、いくらアサが良い銃持ってるとはいえ、ちゃんと銃の扱い自体を習得しないと宝の持ち腐れだからな」

「そうだけど、もうジョージが持てばよくない?」

「何を言うんだアサ! こんな特級の代物、次いつ作れるか分からないんだぞ!」

 

 ヨルはうるさいが、こと銃の技量という意味ではヨルよりもジョージが勝るのはなんとなく分かっていたし、それ自体はヨルも同様だった。

 

 ヨルとしては、だからこそ手放したくない、というのもある。

 そりゃあジョージが持てば鬼に金棒だが、それはジョージが常にアサとヨルの味方であり、また2人を守ってくれるという前提があっての事だ。

 ジョージが必要に応じてそうしない事は既に知っている。そうでなくとも、現実問題として、24時間ぶっ通しで守ってもらうなんてことできる訳がない。

 

 この辺りがアサとヨルで大きく価値観が違う所だろう。

 同じ人間の仲間として役割分担と専業化による能力の進化・深化を重視するアサと、同程度の武力や役割を有する事で敵対している隣国同士の様に対等であることを重視するヨル。

 

 どちらが正しいと言う訳ではないが、ある意味で相容れない考え方だ。

 

「確かに俺が持てばアサやヨルよりは上手く使える自信があるが……それだとアサが無防備になってしまうからな。せっかく綺麗な顔をしているんだし、傷でもついたら大ごとだ。自衛できるようになってくれた方が、俺は嬉しいかな」

「そ、そうなんだ……」

 

 基本的には現実志向のヨルに同意しつつ、感情論でアサも立てる。

 2人が一部では相容れず、しかし同居しているがゆえに両方を肯定しなくてはならない。

 

 ぶっちゃけ、ジョージとしては既に慣れたものだった。

 めんどくせぇなぁと内心で思いつつも、同時に『それでこそ』な感じもあるので、ジョージの感情は中和されてほぼ無である。

 

「じゃ、じゃあ……頑張る……」

「まぁ、今日は反動(リコイル)に慣れるだけで良い。的に当てるのはずっと後だ」

 

 そう言って、ジョージは店内から適当に見繕った拳銃をアサに渡す。

 初心者向けの拳銃として、軽量で反動が小さく、それゆえに殺傷力も低い対人向けの物だ。

 

「グロック19……装弾数15発、全長10㎝強、重量670g程度。各種セーフティも充実していて、信頼性も高いコンパクトな万能拳銃。オーストリア産の傑作だ」

「コンパクト? これが?」

 

 アサの手に掛かるずっしりとした重量感。

 実際の重量は弾薬の分も加算されて1㎏行かないぐらいだが、銃にまつわる恐怖がそうさせるのか、アサが感じている重みはそれ以上だった。

 

 まるで、進学したての高校生が電車の定期券を買うために、親から10万円以上の現金が入った封筒を預かった時の様な。

 

「これでも結構軽い方だぞ? 耐久性とかの兼ね合いで、どうしてもな」

「……」

「案ずるよりも産むがやすし、だ。ひとまず何も考えずに撃ってみな。おっと、ちゃんと両手で持つんだぞ」

 

 隣でジョージが見本としての構えを取ると、アサもそれを真似ておずおずと構えた。

 

「じゃ、セーフティを外して……よし、次は引き金だ」

「も、もう引いて良いの?」

「いいぞ。覚悟の準備をしておいてください」

 

 それを聞いて、アサが引き金を引いた。

 同時に破裂する炸薬のパワー。

 

「わっ!?」

 

 ジョージが使う銃と比べればあまりにも貧弱な反動だったが、今日まで未経験であったアサが衝撃を受けるには十分すぎる反動であった。

 思わず後方に倒れそうになるアサ。

 

 ジョージはそれを素早く抱き留めて。

 

「……要練習、だな」

「……ひゃい」

 

 苦笑と微笑ましさの混ざった笑顔で、そう言った。




英文は自作したので多分間違ってますが、出川イングリッシュは間違ってこそなので触れないで
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