カードが人を選ぶのだ   作:亜零

11 / 12
いつもより短めと今回もバトルシーンはないです。誤字・脱字があれば報告して頂けると嬉しいです!


始まりのホイッスル

 ここレフュースタウンのエアローンスという建物でアルカナの大会が開催される。各地区から最大2名まで参加可能であり、優勝者には賞金と強力なカードが与えられる。ライアートは大会に優勝してカードを手に入れることができれば、ライアート及び、その仲間たちの反逆行為を水に流すというボスとの取引のために大会に出場することになったのだが。

 

「ここが今回の会場よ……事前に手続きはしてあるから、自分の控室で待っていて」

 

 フレヤに言われた通りに控室では各地区から選ばれた参加者たちの控室が用意されており、ジンジャー地区のライアートと書かれた控室のドアを開ける。中はイスとテーブルに荷物を置くスペースがあるだけだ。

 

「…………」

 

 コアケースからデッキを取り出して何も喋らずに無言で見つめるライアート。視線の先は自分が組んだデッキである。ライアートは念のために大会中でもデッキを調整できるよう入れ替え用のカードを持ってきていたが、ライアートはデッキを調整することなくそのままコアケースに戻した。

 

「よく考える……だめだ全くわからない」

 

 フレヤに今の自分では優勝できないと言われて、よく考えるようにと言われたが、ライアートはその答えを見つけることができていなかった。フレヤの言うことがただの冗談とは思えず、一週間アブソート内で実戦経験を積んだ今は前よりも確実に強くなっているはずだ。

 

「俺は強くなっているはずだ……デッキを組む時のモンスター、マジック、サポートカードのバランスも考えている……大丈夫なはずだ」

 

 自分以外誰もいない控室で自分に以前よりも強くなっていると言い聞かすように喋るライアート。それが終わるのは大会を運営している係員がドアをノックするまで続いていたのであった。

 

★★★★★

 

 係員に着いていくと対戦部屋に案内された。そこには10人近くの人が集まっており、その中にはフレヤの姿もあった。今この場にいるのは大会の参加者であることがライアートにはわかった。係員が参加者よりも前に進み、マイクのスイッチを入れる。

 

「これで今回の大会参加者16名が揃いました。それでは今よりポール=スタレット主催の大会開催宣言をさせていただきます……まず始めにこの対戦部屋には音声付きカメラが設置されており、ここには大会関係者のみとなっております」

 

 大会には観客がいるのが一般的であるが、今大会は音声付きカメラを通じて別の場所で観戦するというスタンスである。

 

「そして今大会で優勝された方には賞金とポール=スタレットから頂いた強力なカードを贈呈しますので皆さま優勝を目指して頑張ってください。では、早速トーナメント表を作ります」

 

 対戦相手を決めるのはくじ引きである。箱には1から16までの番号が書かれたくじが入っており、一人ずつ手を入れて、その数字でトーナメント表を作るのだ。各参加者は係員の指示に従い、中のくじを取っていく。

 

「それでは1番と2番が書かれた番号をお持ちの方はあちらの対戦スペースに移動してください」

 

 ライアートが手に入れたくじには1と書かれており、今大会のトップバッターを引いたのであった。そして、ライアートの対戦相手は同年代の赤髪の見知らぬ少年であった。

 

(よかった……対戦相手がフレヤじゃなくて……)

 

 ほっと息を吐くライアート。今回は優勝賞品のカードを入手するのが目的であるため、できればフレヤとは決勝戦で当たるのが理想だ。対戦スペースに入るのはライアートと、赤髪の少年。そして周りを囲うように参加者らがその戦いを観戦する。

 

「ジンジャー地区代表のライアート選手と、ピーナット地区代表のアラサカ選手。それでは両者デッキを取り出してください。今より第一回戦を始めたいと思います!!」

 

 係員はホイッスルを取り出す。この音が鳴った時がアルカナを始める合図である。そして数秒後にホイッスルの音が聞こえて、両者は宣言する。

 

「「デュエル」」

 

 こうしてライアートにとって負けられない第一回戦が始まる。しかし、今のライアートには気づいていなかった。大会が始まるでの一週間の中で、ある変化が起きていたことに。




ここまで読んでくれてありがとうございます!もし良ければお気に入りをして頂けるとモチベが上がって大変嬉しいです!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。