死霊軍団 作:(゚∀゚)
◻️王都アルテア・冒険者ギルド 夜天
「さっきの高高度落下は他のプレイヤーだと高所恐怖症とかになるんじゃねーかな」
冒険者ギルドで適職診断カタログを借り、自分に合った職業を探しながらさっきのことを思いだす。
まさかのスカイダイビング。あまりにもリアルすぎるから現実と同じ感じで空気の面とか蹴り飛ばしそうになったわ。肉体が追いつかなくて無理だったけど。
「いや、にしても本当にリアルだな。普通に空気の面を知覚できるとかステータス画面とかゲームっぽいところ無かったら異世界転移かなんかだと勘違いするわ」
そんなこんなでジョブの一覧が出てきた。ふむふむ戦闘系は【指揮官】に【従魔師】、【召喚師】など見事に仲間を増やす系。んで【死霊術師】か。
正直迷うな。こっちに来てまだ少しだが、NPC…いやティアンか、彼らとの交流を通してこの世界の生物はおそらくファンタジー要素を除けばリアルとほとんど変わらないと言える。
つまり、配下が生物であれば食費やら何やらで金がかかる。その点【死霊術師】はアンデッドを従えるみたいだから食費などは要らないだろうし、他に比べたら維持費は低コストと言える。リアルでも軍は金食い虫だからなコストを無視することはできん。
まあ、そもそも今の所配下を増やす系につく気はない。こういう系統は本体が貧弱なことが多い、それは俺の最前線で突撃する将軍像とかけ離れていると言っても良い。
まあ、何にせよまずは最低限前衛系の戦闘職でステータスを上げてからだな。
「てなわけで【騎士】につくか」
色々考えてる最中に、前衛系に絞って見つけた【騎士】に就くことに決めた。
だいぶ心は【死霊術師】に就くことに傾いているが、まずは【騎士】のレベル上げをして、あと情報収集をしてから決めることにしよう。
「んじゃ、早速騎士系のジョブクリスタルの場所聞かないとな」
◻️アルター王国・イースター平原 【騎士】夜天
「シッ」
「ゲッ」
あの後無事【騎士】のジョブについた俺は初心者用狩場である〈イースター平原〉でレベル上げをしていた。
「んー、弱いな」
うん弱い。今倒したリトルゴブリンもそうだけど、初心者用狩場だけ合ってステータスは貧弱だし技を使うような個体もいない。
「いやまあ、それ言ったら俺もそうなんだけどさ」
下級職一つ目、しかもレベル上げし始めたばっかでリトルゴブリンとどっこいどっこい。まあ弱い。
ただ、こっちはリアルで異能力バトルに巻き込まれたり、カルトが召喚やら製作やらした悪魔やキメラ相手に死闘を繰り広げたりでそれ相応に技は極まっているわけで。
「作業感が抜けない、なっ!」
「ギョッ!?」
倒しながら別のことを考える余裕まである。
ふむ、どうせならこのままレベル上げしながらどの系統のジョブに就くか決めようか。【騎士】に就いた後に【従魔師】ギルドや【死霊術師】ギルドなんかを回って情報も集めたわけだし。
んで、まずは指揮官系統。これは無しだな。配下を強化というのはシンプルだが、少し範囲が広すぎる。配下を人間だけとかモンスターの特定種族だけとかにする気はないが、生物だけでなく物品まで強化するのは幅が広すぎる。
次に従魔師系統、これは候補の一つだな。実際にギルドでも鬼や魔獣、ドラゴンと様々なモンスターを連れている人も見たし、販売されているモンスターも見たが、中々に楽しそうだ。ただ、あくまでモンスターを率いて強化すると言ったものだから人間はその範囲外なのがな。どうせ軍勢を率いるなら人間の配下も欲しいところ。
そして本命である死霊術師系統。正直かなり魅力的だ。軍勢がアンデッドに統一、もしくは大幅に偏るのは少し不安だが、アンデッドという括りにしてしまえば鬼も魔獣もドラゴンも人間も極論関係なくなる。それに聞いたみた所、上級職や先着一名の超級職には【死霊群師】や【死将軍】などの軍勢を率いる系のジョブがあるとのこと。まあ、倫理観や道徳を試されることもある気がするが、そこら辺はゲーム内だろうが馬鹿をやろうものなら師匠や世話になった人たちに地獄を見せられる事が確定するので問題ない。(白目)
あと、どうにもこのゲーム…本当にゲームか?まあ良い。このゲームはどうやら死人の魂やら幽霊やらもいるらしい。
あいにく霊媒師だのでは無いから姿を見たりちゃんとした会話などはできないが、そこに居るというのは感じられるし、ある程度存在がしっかりしていると簡単な会話や意思疎通ぐらいは出来る。
それで一部の霊と話してみた所、何でも天地出身らしく、死んでも未だ戦い足りぬという修羅らしい。しかも天地には同類がゴロゴロいるとも。
これは…イイ。確かアンデッドの作り方には魂を基にゼロから肉体を再構築する方法があったはず。難易度は高いらしいが死んでも戦いたがる戦士を蘇らせて配下に加えるというのは何とも心躍る。
「これは【死霊術師】に決定か?」
その後、レベルが上がって〈ノズ森林〉に狩場を移動してからも【召喚師】や生産系の【戦像職人】なども候補に挙げてみたが、【死霊術師】以上に魅力的なジョブは見つからず、そのまま狩りを終えるのだった。
主人公は空中ジャンプできるようになったのは高二の夏に化け物との死闘の最中です。あと、霊を知覚できるのもベネトナシュみたいに天然の《観魂眼》を持っているわけでなく、死にかけすぎて知覚できるようになっただけです。空気の面と同じ。
ちなみに主人公はシュウと同い年。