死霊軍団 作:(゚∀゚)
◻️カルディナ・コセイヤ 【大死霊】夜天
結局あの後は何もなかった。亜竜級以下のモンスターが襲ってきたりはしたが、俺以外の護衛の人達が素早く倒していた。
そんなこんなで目的の町コセイヤについた。
道中俺を乗せてくれたナイトメアはアンデッドな為町に入れるわけにもいかず、ワイルドハントに待機状態で収納した。
グラレンツさんの護衛依頼も片道だけとのことだったので完了。書類をギルドに渡せば報酬を受け取れる。
「それにしても町の雰囲気がおかしいな」
依頼達成の報告にギルドに向かっている最中に町の様子を見ていたが、どうにも全体的に沈んでいるように感じる。
その後、冒険者ギルドで報酬を貰うついでにこの町のことを聞いた所色々とわかった。
なんでも。この町の前市長は元々ドライフ皇国の犯罪者らしい、死霊術師系統のジョブに就いていたらしく、ドライフ皇国内で村をいくつも滅ぼすなどして特務兵に追われた結果、カルディナに逃亡し金でこの町の市長の座を買ったらしい。
さらに、市長になってからも人攫いなど好き勝手しては金で揉み消して多くの人から恨みを買ったみたいだ。
その後、恨みを持つ人達が金で戦闘系超級職を雇い、一ヶ月ほど前に前市長を暗殺したらしいが、前市長も【死将軍】に就いていて、大規模な戦闘になったらしい。
結果的には昼間での戦闘ということもあり、一体を除くアンデッドの軍勢を殲滅する事で、雇われた超級職が勝ったそうだが、同時に前市長を殺しきる事はできず【死将軍】のスキルと思われるもので残った一体のアンデッド、【ハイ・ファング・スケルトンドラゴン】と言う上位純竜級のアンデッドに憑依し砂漠へ逃走されて仕留めきれなかったそうだ。
そして、この町の雰囲気が沈んでいる理由は、三日前から夜になるとアンデッドの群れが町に攻めてくるようになり、町の住民たちは近いうちに前市長が復讐しにくるのではないかと怯えているらしい。
「なるほどねぇ」
ギルドを出た俺は、町を歩きながら先ほど聞いた前市長のことについて考えていた。
まず第一に、俺に前市長に対する哀れみなどは一切ない。
カルディナでは金さえあれば犯罪者でも市長の座につけるらしいが、前市長のやった事、特に村を滅ぼすなどは余裕でライン越えである。
となると、次はこの前市長を殺すかどうか、アンデッドが町に攻めてきている時点で前市長は生きているだろう。
本人が直接来ていないのは、自分と戦った超級職が町にまだいるかの確認か?聞いた所雇った超級職は既に町を離れているらしいし、二、三日もすれば問題ないと判断して滅ぼしにくるだろう。
「それは気に入らないな」
殺されそうになったから反撃したり、復讐したりと言うのは俺的にも納得できる。と言うかそれをして無ければ俺は今頃死んでいる。
だが、今回はそもそも前市長がクズの外道なだけの話。もしかしたら過去に何かあってそうなったのかもしれんが、既にラインを越えすぎているから問答無用だ。人の道を踏み外した外道にくれてやる慈悲などない。
「とりあえず今日は宿をとって夜どの方向からアンデッド来るのかの確認、明日は夜に確認したアンデッドの来る方向に向かって朝から砂漠を探索してみよう」
そうと決まれば宿を決めなければ。
そう思い宿のある方へ方向を変えると目に入ってきたのは、開いてるのか閉まっているのかもわからない寂れた小さな店とガラス越しに見える店内の隅に鎮座するガチャ。
………ガチャ?
「なんでデンドロ内にガチャが?」
そう疑問に思いながらも興味を惹かれた俺は店内に入っていく。
「おや、久しぶりのお客さんだねぇ」
店内は入った俺を出迎えたのはリアルだと田舎の駄菓子屋とかにいそうな150センチほどの老婆。
「ああ、面白そうなものが見えたから入ったが、営業中だろうか?」
「もちろんさね。まあ、こんな寂れた店に来る客なんて珍しいがねぇ」
「まあ、お世辞にも立派とは言いずらいが……」
「この店がボロいのは事実さね。それで、お前さんはこの店に何しにきたんだい?」
「いや、外からコレが見えてな。興味を惹かれて入ってきたんだ」
そう言って店のカウンターの横にあるガチャを指差す。
「それかい?それはガチャと言ってね。神造迷宮からの出土品さね」
詳しく聞いた所、ガチャは上限10万リルで金を入れて引くと1/100から100倍の価値の範囲でアイテムが出てくるらしい。
「へえ、なんとも面白そうだな」
「実際色々と出てくるよ。アタシが若い頃はコレで特典武具を引き当てた強運の持ち主もいたからねぇ」
なるほどそれはなんとも面白そうだ。
「それじゃあ俺も回してみてもいいか?」
「好きにしな。どうせここ10年は誰も引いていないからねぇ。ま、ガチャに取り憑かれて破産して奴隷落ちした奴もいたからそこら辺は気を付けることさね」
「わかった」
ふむ、ガチャに使えるのは50万くらいか。
所持金はもっと多いが、アンデッドの作成には死体が必要だからな。完全遺骸は高いし部位ごとに集めたとしても、亜竜級以上からは中々どうして跳ね上がってくる。
「それじゃ、上限金額で五回行ってみよう」
結果
一回目 【B】 【清浄のクリスタル】
二回目 【E】 【ミスリル】
三回目 【C】 【ジェム-《グリント・パイル》】
四回目 【F】 【レムの実詰め合わせ】
五回目 【S】 【死霊王の手記】
「これは当たり、なんだよな?」
「【S】があるんだから当然当たりだよ。酷い時だと十回引いてCが一度、それ以外は全部C以下なんて時もあったからねぇ」
「それはキツイな」
なるほど十分当たりらしい。
んじゃ帰るか。早くアイテムの詳細見たいし、宿も取らないといけないからな。
「それじゃ、ガチャも引いたし今日は帰るよ」
「おや、そうかい。気が向いたらまたおいで」
「ああ、帰る時によらせてもらうよ」
そう言って俺は店を出た。
【ファング・ドラゴン】純竜級の地竜種。STRとENDが高めで牙を使った噛みつき攻撃などの肉弾戦を得意とする。