死霊軍団   作:(゚∀゚)

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 少しテンポ上げていきます(上がるとは言ってない)


六話

 

 

 

 

◻️コセイヤ・とある宿 【大死霊】夜天

 

 

 

 あの後、老婆の店を出た俺はそこそこなグレードの宿を取り、ベッドに腰掛けていた。

 

「とりあえず、夜まで時間あるしガチャで出た中身の詳細を見ていくか」

 

 見るのはランクの低いものからにしよう。

 まずは【F】に入っていた【レムの実詰め合わせ】。これはアルター王国の特産品である【レムの実】が籠に20個入っている。【レムの実】が一つ50リルとただの果物にしては高級品で、それが20個は1000リルだから順当かな。

 

 二個目の【E】に入っていたのは【ミスリル】。逸話級金属で一キロ2万リルの素材アイテム。入ってる量は一キロだから価値も2万リル。

 

 三個目の【C】に入っていたのは【ジェム-《グリント・パイル》】。【ジェム】は魔法が込められた使い捨てのマジックアイテム。込められた《グリント・パイル》は上級職である【閃光術師】の奥義で、価値的には同じ上級職の奥義である《クリムゾン・スフィア》が込められた【ジェム】が市場価値で六桁みたいだし、当たりの部類かな。

 

 四個目は【B】に入っていたのは【清浄のクリスタル】。これは確か浄化系のアイテムで怨念や呪を浄化出来るんだったか?価値は【B】である以上それなりに高いのだろうが、【大死霊】である俺的には少し微妙かな。

 

 それでお待ちかねの五個目。これに入っていたのは【死霊王の手記】。アイテム名的には死霊術師系統の超級職である【死霊王(キング・オブ・コープス)】が書いたモノなのだろうが、正直老婆の話的には【S】は特典武具が出る事もあるらしいので、これがそれと同等の価値があるのか疑問に思ってたりする。

 

「めっちゃ内容気になるな。もう日が暮れてきたけど、完全に夜になるまでもう少しあるから軽く読んでみようか」

 

 そうで決まれば早速手元の【死霊王の手記】を開く。

 

 

………

………………

………………………

 

 

「なるほど、これはそれだけの価値があるわ」

 

 気になる部分以外は流し読みになってしまったが、正直この手記の価値は下手な特典武具より高いと言っていいと思う。

 

 まず、【死霊王】の就職条件である5000年分の命のアンデッド化と【怨霊のクリスタル】の作成が記されており、特に【怨霊のクリスタル】に関しては、手記を書いた【死霊王】が最適化した作成方法が記されている。

 また、怨念や呪・《死霊術》の扱い方についても書いてあり、手記を読む限りでは本来【死霊王】が不得意とする《死霊術》において同時代の【冥王】を凌駕していたらしいので、参考に出来れば強力なアンデッドを作る難易度がかなり減るだろう。

 他にも、【無銘の斧】と言う武器や当時の世界についても書かれていたりしていてとても気になるが、流石に外も暗くなってしまった。

 

 ギルドの情報に間違いがなければ、もう少しするとアンデッドの群れが町の外に来るだろう。

 

「正直全部無視して読み耽りたいところではあるが、前市長について気になるのも事実だからな」

 

 そうして泣く泣く手記を、念の為買っておいた貴重品用のアイテムボックスにしまい、装備を身に付けて町の外壁へ向かった。

 

 

 

◻️コセイヤ・外壁の上 【大死霊】夜天

 

 

 

 宿を出てアンデッド来た方向の外壁まで来て、そのまま上まで登ったが、途中で人と会うことは無かった。

 外壁の上から見下ろす町は歓楽街も含めて完全に静まり返っている。

 

「ギルドで聴いた時は、攻められてはいるが実害は出て無いとか言ってたから少数で様子見してるのかとも思ったが。この町の様子だと亜竜級のアンデッドが来ているのか?」

 

 まあ、実際に超級職がいるかを判断するのに【シビル・スケルトン】とかを寄越しても、衛兵に簡単に倒されてわからないだろうからな。

 その分、亜竜級なら勝てはしなくとも、いるかどうかの判断くらいはつくか。

 

「それに、昼に来た時から思ってはいたが、怨念が多すぎるなこの町」

 

 こっち(・・・)に来てから、なんか見れるようになった怨念を見ながらそう呟く。

 

 前市長に対する恐怖が町全体に広まっているのだろう。

 その恐怖により発生した怨念は町全体に広がっており、例えるなら一箇所を除いて薄い霧のような状態になっている。

 そして、残る一箇所は前市長の屋敷であり、おおかた地下室でも作ってそこで攫った人間をアンデッドにでも変えていたんだろう。怨念の濃さが異常と言えるほどだ。

 

 ヤバい。シンプルにそう感じた。今の前市長の状態は知らないが、前市長が死霊術師系統のジョブに就いている事は知っている。

 メインの【死将軍】以外のサブジョブは知らないが、聞いた限りでは本人は超級職との戦闘で奥義を使うまでは人間だったみたいなので、おそらく【死霊群師】と【高位霊術師】だろう。

 

 で、問題は二つの内【高位霊術師】の方だ。このジョブの奥義は【デッドリー・エクスプロード】と言い、内容は周囲の怨念を燃料にして、爆発燃焼させると言うもの。

 さらには周囲に漂う怨念が濃いほど威力と範囲が上昇するため、現在のコセイヤで使われようものなら魔法系超級職クラスの範囲と威力になる。

 それが狙いならば、あと数日放置する事で怨念を増やして、そこに【デッドリー・エクスプロード】を放てばコセイヤは文字通り消し飛ぶだろう。

 

「そこまで考えているのか。そもそも奥義でアンデッドに乗り移って正気を保てているのか。疑問は尽きぬが、無視する事もできん」

 

 はてさてどうしたものか。そうして考え込んでいると、つい先程まで読んでいた手記の内容が頭に浮かんだ。

 

「そうだ!【怨霊のクリスタル】!」

 

 そうだ、大量の怨念が問題ならば全て消してしまえば良い。

 【怨霊のクリスタル】を作るには【清浄のクリスタル】を用意し、それに大量の怨念を注ぎ込んで変質させる必要があるが、【清浄のクリスタル】ならばガチャ出てきたのがある。怨念は言わずもがな。作り方も手記に記載されている。

 

「しかも、【怨霊のクリスタル】の作成は【死霊王】の就職条件の一つでもあるからな。これなら一石三鳥だ」

 

 町の怨念を処理できて、死霊術師系統最高峰の触媒を手に入れられて、超級職の就職条件の一つを埋められる。最高じゃないか。

 

 問題は俺が【怨霊のクリスタル】を作成できるかと言う事。材料は揃っているし作り方もわかるが、俺自身の技量不足で失敗しましたはシャレにならん。

 

「とはいえやってみない事にはわからないからな」

 

 歴代最高峰の【死霊王】が最適化したレシピもあるし、少しとはいえMPやSP、怨念なんかのマニュアル操作も出来るようになったからやれるはず。

 

「《アウェイキング・アンデッド》」

 

 俺の言葉に合わせて【ワイルドハント】から収納していた待機中の身長2メートルほどの亜竜級アンデッド【アンデッド・オーガ】を放出され、スキル効果により起動する。

 

「俺は少しこの場を離れる。もし町の外にアンデッドが来たら手を出さずこの【魔法カメラ】で撮影する事、いいな?」

 

 俺はそう命令しながらアイテムボックスから取り出したマジックアイテム、【魔法カメラ】を手渡し、それを受け取った【アンデッド・オーガ】は頷いた。

 そうして、見張りを置いた俺は【怨霊のクリスタル】作成のために前市長宅へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




【アンデッド・オーガ】主人公が亜竜級のオーガを倒してアンデッドにしたモンスター。なお、オーガ系のモンスターは基本的に戦闘狂なため実力示し「従え」と言えば余程のことがなければ従う。忠誠心も高め。
あと紹介し忘れたのでこちらも。
【アンデッド・デミドラグホース】ナイトメア。【亜竜戦馬】の時に主人公と戦闘。他の個体に比べて才能がかなり高く、戦った主人公の強さ(槍の技量)に惚れた。念話で主人公と会話し、「アンデッドにしても良い」「むしろアンデッドにして」と言ってついて来た。なお本人(本馬?)はアンデッド化してからの方が一部しか目覚めていなかった才能が目覚め、体も馴染む模様。
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