(Ζガンダム異伝)エグザべ・オリベ戦記別伝   作:ガンダム初心者のミリオタ

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時間軸的にはストーリー完結後、エグザベくんがアムロくんと水どう的釣り番組やった後。

元投稿スレ:カミーユ?なんだ…14【完走】
https://bbs.animanch.com/board/5897175/ 151-153


光る海と硝子の浜

「わぁ、海!

 みてみて、カミーユ!すっごい!」

はしゃいだファさんの声が広い砂浜に明るく響く。

「カミーユ、知ってた?

 ここの海、泳げるんですって!」

「うっそ?! 海って泳げるの?」

「水質基準特Aランクなんですって、すごいわよね。

 ね、カミーユは海で泳いだことある?」

キラキラした海をバックに、こちらを向くファさんの笑顔を眩し気に見ながらカミーユが答えている。

「いや、ないなぁ…海で泳ぐなんて考えたこともないや。

 エグザベさんは前になんか…へんな番組のゲスト出演で釣りしてましたよね?

 あの時に泳いだりとかしました?」

「…ああ、アムロ大尉との。

 あの時は港から船に乗せられて洋上まで一直線だったし、それ以外の場所には寄ってないから」

唐突にこちらに話を振られて、一瞬油断していたのを気取られないように思いだしつつ、という態で答える。

あの後しばらく肌が赤くなってひりひりして大変だった。

見た目的にもあまりにひどかったらしく、エマさんが化粧水を分けてくれたり、肌の手入れ方法を教えてくれたりしたのには感謝している。

あの番組は僕がゲストで出演した回が好評だったせいか、あのあと数回場所や釣る目的の魚を変えつつ、釣りシリーズをやっていたが、特に沼地のようなところで釣り上げてた大きなナマズはすごかった。

ナマズを釣った後に頑張って捌いて…いや、どうみてもナマズの惨殺死体だったけど…食べてたが、放送後にヤザンに聞いてみたら、魚を食べ慣れてない人にはナマズはすこしきつい風味がする、とのこと。

「ナマズなんぞ玄人向けの魚を素人が捌いて美味く食えるわけがないだろ、俺が本当に美味い魚料理を食わせてやるよ」

と、なんとわざわざヤザンが出向いてきて自ら魚を捌いて調理してくれた、と後日アムロ大尉から聞いた。

相変わらず面倒見がいいよな、そういうとこが部下に慕われるところなんだろう。

地球にある連邦の駐屯地で行われたとある式典に参加したときに、スケジュールの都合で少しできた空き時間を使って、観光にいこう、とカミーユとファさんに誘われてきたここは、会場からもそこまで離れていない浜辺だ。

ここまでは免許取りたてのカミーユがエレカを頑張って運転してくれた。

正直ちょっとハラハラしたのは一生黙っておこうと思う、けど帰りは道もわかったことだし僕が運転しようかな…連れて来てくれたお礼だといえば代わってくれる気はする。

比較的有名な観光スポットなのか、他にもちらほらと観光客が見えた。

今は遊泳可能な時期ではない(地球の海は泳げる期間が決まってるらしい)そうなので、泳ぐ人はいないものの、水際ギリギリで遊ぶ人はいくらかいるようだ。

…その観光客に混じって僕らの護衛や監視役もちらほら見えるのは、とりあえず無視することにする。

荷物の中に準備されてたサンダルに履き替えて、浜辺に出る。

波の音の合間に、足元からさくさくと砂を踏む音がしてくる。

良く晴れた日差しに、真っ青な海と、海水に濡れた色とりどりの艶やかな砂粒が輝いていた。

「見てください、これ。

 一見砂っぽく見えるけど、実は廃棄ガラスを砂状に加工してるのを撒いているんですって!

 だからこんなにキラキラして見えるんだそうですよ」

「ガラス?

 角が危険なんじゃないのかい?」

砂を掬い上げながら言うファさんに、小さいころ、うっかり落として割ってしまったガラスのコップの尖った角で怪我をした記憶がよみがえる。

「角は丸く削ってあって、怪我しないようになってるんですって。

 だから大丈夫なんだそうですよ、あ、ほら、小さいカニもいます」

言いつつひょい、と砂ごと掬ったカミーユの手のひらの中に、豆粒みたいなカニがいた。

一丁前に威嚇するかのようにハサミを振り上げてるが、サイズがサイズなので可愛らしいことこの上ない。

「ふふ、怒ってる。ごめんよ」

謝ったカミーユがそっと砂の上に戻すと、カニはあっという間にどこかに潜り込んで見えなくなってしまった。

「一緒に写真撮りましょう、カミーユ、エグザベさん。

 あ、すみませーん、ちょっと写真撮りたいんですけどシャッターお願いしてもいいですかー」

と、ファさんが一番近くにいた護衛の人に呼びかけた。いや、度胸がすごい。

あと護衛に囲まれてることに対する順応の早さもすごい。

護衛の人も苦笑しながら近寄ってきて、ファさんからカメラを受け取る。

「ほら、エグザベさん、カミーユも!こっちこっち。

 海をバックにして撮りましょう!」

「ファがめったに見ないくらいはしゃいでる…」

「海にテンションが上がってるんじゃないかな。

 カミーユは意外とおとなしいね?」

「…正直に言います、遠くから見る海は好きなんですけど、間近だと波がちょっと…あとクラゲが…」

どうやらカミーユは浜辺に打ち寄せる自然の波のくる大きさやタイミングが読めなくてしり込みしているらしい。

事前のブリーフィングで言われた海にいる毒のある生物として、クラゲについては念入りに注意されたから余計に腰が引けてるのかもしれないな。

クラゲはともかく、切り取られる枠のない視界いっぱいに広がる水の塊の迫力に圧倒されるのは僕もわかる。

この国は古来、そういう自然を神として崇敬してきた文化があるのだともそのときに聞いた。

カミュが知ったら喜んで調べそうだな…いや、もう調べたことはあったのかな?

僕が聞いたことがないだけで…

「エグザベさん?」

「ん?ああ、何でもない、ちょっと前のこと思いだしてただけ」

ぼんやりしながら黙ってしまってた僕を振り返ったカミーユに気にするなと返す。

「はぁ、まぁいいですけど…いくら真夏の時期は過ぎたからと言っても、日の当たるところにずっといるとこの季節でも熱中症になることもあるそうですから、気を付けてくださいね」

「大丈夫だよ、カミーユたちも水分補給はしっかりね」

「はい、撮りますよー」

護衛の人の呼びかけに、ファさんを真ん中に僕とカミーユも並んで

「わぁ?!」

シャッターが下りた瞬間に足を波が撫でていって、三人でびっくりして飛び上がってしまった。

「ありゃ…撮りなおしますか?」

護衛の人が申し訳なさげに尋ねてきたので、ファさんが寄っていて撮影した写真を確認する。

「すみません、ちょっと見せてもらっていいですか?

 …いいです、これ、残しておいてください。もう一枚お願いします」

「ファ、なんかちょっと悪いこと考えてる顔してない…?」

僕らの腕をとって間に収まってにこにこしているファさんに、カミーユが笑いかける。

自分も二人を見ながら自然と顔がほころぶのを感じていた。

「ふふ、こういうハプニングも観光の醍醐味だなって思って。

 さ、カミーユ、エグザベさん、笑って!」

 

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ハプニング版3人の写真は、ファちゃんもカミーユくんもしっかりロックかけてアルバムデータに永久保存してあるそうです。

 

ナマズはちょっと川魚独特の泥臭い風味がするのですが、そういうのが平気な人ならイケます。美味しいです。

日本人は比較的魚を食べ慣れてるので大丈夫な人が多いんじゃないかな。

埼玉の郷土料理の一つらしい。あと琵琶湖周辺とか、茨城の霞ケ浦周辺とかそのへん。

海外だとベトナムとか、中国南部地域あたりが有名。意外とアメリカやヨーロッパでも食べる。

ガラスの砂浜は実在します。砂浜の環境や海の水質改善のために廃ガラスのリサイクルもかねて砂浜に投入されているのだとか。

コロニー落としの所為で海岸線がだいぶ変化してそうなんですけど、ここは内海(内湾)なので多分大丈夫だろう…的な感じで参考にしました、自分は行ったことはないです長崎は遠い…

コロニーでもこれを参考にしたガラスの人工砂と人工波のビーチ風プールが作られてるところもありそうだけど、多分潮風や磯の匂いみたいなものまでは再現できないし、何より広さが段違いだろうから、カミーユくんたちはびっくりするんだろうなあ。




130さんのカミーユ君たちがアムロくんと会いにオダワラに行く話(『水の星どうでしょう! 海岸清掃 編』)よりこっちの話のほうが時間軸的に後だよな…と思ってちょっとその辺だけ微修正しておきました。
スレの投稿時は残りが少なかったので、とりあえず思いつきを書いてそのまま確認もそこそこにうりゃーっと勢いで投下してたもので…
スレではライブ感をお楽しみください。
参考にしたガラスの砂浜はこちらのことです
https://www.nagasaki-tabinet.com/blog/tabibu/miyako/202211

ちなみにヤザンが作ったのはハラースレーという裏設定。
ハンガリー版魚のあら汁って感じの料理です。
ぶつ切りにした魚とスパイシーなスープがすごくおいしい。
ハンガリー料理だとグヤーシュが有名だけどこっちもお勧めです。
https://www.visiteurope.jp/gastronomy/halaszle/
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