「んう?ここは…?」
私は目を覚ますと見知らぬ場所、いや恐らく見知らぬ国にいた
何故ならば今私は熱帯にいるからだ。正確には熱帯で横たわっている。
そして縛られている感覚もある。しかも声が出せない。どこかのマフィアにでもさらわれてしまったのだろうか。
そうして直近の記憶を思い出す。しかし最初にうっすらと思い浮かんできた記憶は私の中で最も忌々しい記憶だった。
赤い液体を景色に意識が薄れていく記憶。つまり自殺した記憶である。であるならば当然の疑問が生じてくる。それは何故ここにいるのか、である。答えは簡単、転生である。「転生で無双するのは必然、はっきりわかんだね。」
このときは馬鹿なことを考えていた。手足が自由に使えないので体を捻ってじたばた足掻く。このときの自分は滑稽だっただろう。
「あっ…ふーん(察し)」
なんとか動こうとしたところ水中に落ちてしまった。
まあどうせ死ぬ運命だったんだろうと諦めていたが何分たっても死なないどころか息苦しくもない。そして水面にはぼやけながらも小さい魚のシルエットが一つ、また横にはやけに大きい植物がある。このことが示すのは恐らく一つしかないだろう。また転生したという説を補強することにも繋がる。
恐らく私は魚に転生してしまったのだ。
こうして一つの解を出してしまった。
「クモとかスライムなら見たことがある、貴族でも分かる、しかし何故こんな小魚?これでどうやって無双すればいいんだ」
こいつはなにがなんでも無双したかったのであった。
「大体なんで魚なんだよせめて爬虫類にしてくれよ」といったふうに文句をいう。
しかし文句を言っていても何も始まらない。
潔く受け入れてこの体に慣れる方がいいというのは分かっているが。
ようやく自らの人生(魚生?)について理解してきた頃移動しようと体を横に捻る。
「体が軽い」
「そうだよな普通にあんなに早いのにいつもと同じくらいな訳ないよな」となんとなく魚に感心した。
そうしてやっと泳ぐのに慣れると移動しながらまた怨めしそうに水面を見る。
すると謎の物体が頭上にあるのが分かる。横になってるときには見えなかったので転生先の生物か何かかと思っていると一番大事なことと同時にあるものを思い出した。
「まってフェス限も当ててないのに死んでるじゃん。最後に全ホシノが欲しかった、もう一回転生したらもとの世界に戻れるかな」と人生最大の無念を思い出す。
そうしてずっと頭上の物体を引き剥がそうとフェイントをかけたり急降下したり高速移動をしたりして振り落とそうとするがどうしても一定間隔であり続ける。やはりその「あるもの」ではないかと考える。それはヘイローであった。
とはいってもヘイローは意識と連動して出てくること、個人で形が変わることしか分からないが。
「本当にここどこだろ」
水中から目だけを出しても文明の一つすら見えない
そうしてなにかすごい大きそうなところに来てしまった。流れが強い
急に周りが暗くなった。まだ昼のはずなのに、と考えていると直感で危ないと感じすぐ避ける。何かが閉じた時の振動がする
後ろを見ると自分より何十倍も大きい怪魚の頭があるのを察知する。
そうしてすぐに一定の距離を取り臨戦態勢をとる。
幸い逃げる方向に流れが味方している。
「さて、私の無双物語の始まりだ!」と大口を叩くが何をどうしてもビームのようなすごい物が出ない
さっき食べられる直前まで待っても何も起きなかったのを加味するといまここで何をすべきかを導き出せる。
逃走
すぐに逃げる。
早急に逃げる。
振り返らずに逃げる。取り敢えず怖かったので流れを味方に逃げ続けた。そうして身を隠しながら川を下っているとなんと海まで来てしまった。「あれ?淡水魚って海水でも生きれたっけ?」
疑問に思うがその答えは出ない。川に戻ろうとするが前に進めない
仕方がないので流れに身を任せるようにした。
…寝ていたようだ。何日眠ったのか分からないが今も上に光があるのが分かるように奇跡的に生きていたようで何かにあたる感触で目が覚めた。
「暑い」
それは砂だった。今にも焼き魚になりそうなぐらいの温度をしている。
そして何日も寝ていたはずなのに死んでいないしお腹がすいていないのを感じ困惑した。
がそんなことは今はどうでもよかったのである。今大事なのはブルアカの世界に転生したのか、である。
もしブルアカに転生したのならば自分の存在事態がチートなのである。またもしブルアカではない世界であれば頭の上の物体が怖すぎる。
今は安心が欲しいので証明できる人や物が見たかった。
ので頑張って知っているものを見つけようと旅に出たのだった。理屈は分からないが空腹で死ぬことは無さそうだ。
ここから私の大冒険が始まった!!!!
「詰んだ!!!!!」
そう、今目の前にあるのは巨大な壁、河口である。
恥ずかしながらも今の姿だとびくともしない。
すると直感で危機を感じ隠れる。その時見えたのが自分より巨大な魚が少しずつ川を上っている光景だった。何故あんなにでかいやつは上れるのに自分は無理なのか考えた。そしてやつのしている行動を思い出し結論に至った。
飛ぶことだ、ジャンプすることだ。
何故か勝ち誇った気分でいた。
この強敵をどうにかして上りきってやるといきり立っておりその後のことはとっくのとうに忘れていた。手段と目的が変わっていた。
「やったぜ。」
とうとう上りきりあまりの達成感に泳ぐことが出来なかった。
「もう一歩も歩けないってはっきりわかんだね!!!!!」
泳ぐことが出来ないのであれば結末は一つである。
「くそが。」
もとの場所に戻されてしまったのであった。
なんとかもう一度上りきるとこんなことを考える
「これ今回川も敵にならないか?」
「さすがにあれをもう一度繰り返したくはないよね」と。
なので一度隠密行動をするようにした。
物陰に隠れちょっと流れが遅いところで周りを確認する。
そんな日々が何日続いただろうか
砂漠の終わりが見えてきた。
なんとなく悲しいような嬉しいような気がする。
そしてその後に目に写ったのはなんと大きな都市だった
ぼんやりとしか見えないがきれいな四角柱が見える
これで知っている何かが出たら証明は完了する。
都市のなかには入ると何か人のようなシルエットが大勢いる
それに意識が集中しており吸い込まれていっているのには気が付かずそのまま地下に吸い込まれてしまった。
意識が戻る。すると頭の上の物体が点滅し浮かび上がる。
上からは水が流れてきておりちょっとだけ外の景色が見える
さてこれからどうしようか
外に戻る方法は何も思い付かない。
考えているとコツコツと足音が聞こえてきた。
「~ー~~※〒¥'%·*^÷'€」
何を言っているのかは分からないが三人いるようだ。
そうして少しだけ目だけを出した。
どんどん近づいてくる
シルエットが形を整えていく
見たことのある姿だった
白い仮面、白い羽織っているもの、白い帽子、金色のネックレス
キヴォトス旧時代の支配者"無名の司祭"だった
つまり何千年も最悪何万年も昔のキヴォトスに来てしまったようだ。
「突撃イイイイイ」
そうして私は司祭と話をしようと水から飛び出した。が、声が出せない。そもそも声帯すらないのにどうやって声が届くだろうか。
司祭は驚いたような素振りをした。しかし司祭の目に写ったのは頭の上に謎の物体を浮かべた謎の小魚が突進してきた姿であった。
そしてこいつのことを調べてやろうと司祭は考えた。
その事も知らずにこの呑気なやつは分かり会えたと馬鹿なことを思い込んでいた。
しかし近づいて自分を捕まえようとしてきたことで敵だと分かる。
急いで跳ねる。火事場の馬鹿力とはこのことをいうだろうか、水中に入るとすぐに滝のように流れ落ちてくる流水を駆け上がっていった。
こうして心に決めた。
「絶対にあいつらが旧時代になるまでは隠れる」と
展開早すぎない?