日本国 召喚獣管理省 関東庁 召喚獣総合事案即応科。 作:wakaba1890
無事、一年分の関連商品を購入した彼女は決済手続きをするためにルンルン気分で村役場の前へと着いた。
「ふっ..ふふーん...わぁ!...っと...危ない危ない」
すると、役場前のポストの陰で寝ていた子トカゲを踏みそうになった。
「ごめんくださーい。決済手続きをしたいんですが」
「はぁーい」
昔のタバコ屋みたいなカウンターから尋ねると、奥から涼んでいた役場の人が響く。
「決済手続きですね。こちらにサインと口座情報を記入してください。」
「...はいっ」
気だるそうではあるがよく通る声の主は、首元にがっつりドクロと地獄の門みたいなタトゥーと耳をピアスで串刺しにされまくっているパンク系の女性で、役場の人も元受刑者が働いているのかと少し呆気に取られながら渡された紙に記入をした。
「....ん...ふぅ」
「っ...はい、書けました。」
書いている間、飲み物を飲んでいるのか妙に色っぽい声にドキドキしながら書き終えて渡した。
「はーい...うん、間違いないですか?」
「はいっ!」
彼女は顔を斜めにして書かれた内容を再度確認すると、時雨はそのミステリアスな雰囲気に緊張しながら応えた。
「ふふっ...はい、承りました。」
「っ...あの、素敵なピアスですね。」
これ系の子はこの村にはいないため、その新鮮な愛くるしさに頬を染めながら執務を完了させると、まだ少しお話がしたかった時雨はずっと気になっていた芸術的なピアスを褒めた。
「あ、これ?へへ、ありがとう。」
「っ...ん...鼻のピアス取ったんですか?」
隠れていた八重歯が笑顔と共に現れて、キュン死しそうだった時雨は人中に残るピアスのスレ跡に目がいった。
「あ...あれ、ぇ...いつ取ったっけ...」
「あの...」
「はははっ、作業中に取れたんじゃないか?」
「そう、ですか....」
一瞬硬直して、目の焦点が定まらない彼女の肩を触ろうとすると、後ろからこの村まで案内してくれた駐在の警官が現れ、そういえば鼻にピアスしている人は見てないなぁと引っかかっていた何かは剥がすと痛いだろうとカサブタとなったままだった。
時雨と別れた才亮は午後の自由時間で釣りに耽っている人が多いらしく、川の方へと行くと金髪リーゼント男こと小金が釣りをしているのが目に入った。
「隣良いか?」
「....ん、また会ったな。好きにしな」
「あぁ」
何か考え事をしていたようだった小金の隣に座り、持ってきたクーラーボックスを側に置き、釣り糸を垂らした。
「....っ...っ」
「.....」
「...っ...っ...っ...っ...っ」
「....釣りすぎだろ、入れ食い加護でも付いてんのか?」
しばらく黙って釣りをしてたが、才亮が釣りまくってバケツ一杯にしていたため流石に突っ込んだ。
「まぁ、そんな所だ。」
「....ふっ、変な野郎」
頓着のない彼の人柄を気に入ったのか、彼の頬は緩みを見せる。
「おーやったなー?」
「おいっ、顔はやめぅ....hahaha」
「隙ありー」
川下の方でスキンヘッドの大男と首にタトゥーを入れた女、背中に十字架タトゥーを背負った男らと水鉄砲でキャッキャしてる声が背に沿う。
「ここの人らとは合わないのか?」
「ん....あいつら気味悪いぜ、昨日まで女に言い寄ってたり、仕事サボってた奴が、人当たり良くなって早起きして先に仕事始めてる。どっかのトモダチランドだぜ」
一人で行動している人が彼以外いない点からそう聞くと、川下の方をチラッと見て、小金は心地悪そうにぼやける。
「....何か共通点は?」
「共通点?」
まだ日が浅いためかそれを見出すだけのサンプルを持っていなかった小金はいまいちピンときていない感触のない顔をしていた。
「引っかかる点でもいい。耳裏をいくら拭いてもベトつきが取れない、ような」
「んぅ....そうだな....気質が変わったっていうよりかは....」
「....」
何か違和感が言語化されそうな所で水を差さないために釣り竿に意識を向けた。
「.....大人特有の取り繕いが、気質に癒着したみたいな?」
ーーーっ...ちゃぽん...
一度は釣り針にかかった魚は川下へと降っていってしまった。
( ^ω^ )<それからどしたの
「では、管理官殿の歓迎も兼ねて、かんぱーーいっ!!」
「「「「かんぱーい!!」」」」
食堂では、宴会が尊重の乾杯の音頭と共に開かれていた。
「ほら、これも食べな」
「熟成ポークステーキだぜ、嬢ちゃんおかわりもあるぜ!」
「漬物も美味しいわよ」
「わぁーありがとうございます!召し上がらせて貰います」
歓迎されて一日も経たずに皆に可愛がられて愛されている時雨を視界に、小金はその居心地の悪さに食堂から抜け出して昼間の喫煙所へと向かう。
「っ....!」
食堂の明かりに照らされた山道を歩き、どこかで彼がいないかと期待しながらトタン板の喫煙所へと着くと人影が見えた。
「才っ...っ」
「ん....小金くん?」
それに声をかけるが、思っていた人ではなく村長の若妻である茶髪女だった。
「っ....いや、なんでもない。」
「ふふっ、他の女の子だと思った?嫉妬しちゃうなー」
わかりやすく声のトーンが落ちたのが気に入らなかったのか、勝手に想像を膨らませてその中の女に妬いていた。
「っ...あ?お前村長の女だろ何いってんだ」
「ん?村長とはお金だけの関係。それ以上でもそれ以下でもないわよ...っどうぞ」
「っ...ども」
よくわからない事を言う彼女を怪訝な顔で見ると、彼女の言葉に嘘はなく夜風に遊ばれているライターの代わりに、彼女のマッチの火で彼のタバコに火が付く。
「ふふっ...前から、可愛いと思ってたんだよね...」
「っ...寄るな」
顔が近付いて少し頬を染めていた彼のウブさに、彼女は彼に迫り、彼はここの禁欲的な生活のせいで、どうしても腕に伝う柔い感触に抗えない。
「....溜まってるんでしょ?若いもんね」
「...違ぇよ」
胸に伝う彼女の柔いそれに何か理性が吸われているかのように、段々と離れようとする力が減退するが、彼はライターに貼付しているプリクラの縁に指を噛ませる。
「っ...最近村長の持続しなくなってきたから、満足できないんだよね」
「っ!....知るかよ...」
顎を掴まれてクイっと顔を茶髪女の方へと向けさせられ、白いタンクトップから肌ける谷間に吸い寄せられる。
「可愛い....子ゲット...」
「!!」
宴会で盛り上がる食堂の離れで、青年は柔く温かいそれに身を任せ悶絶しながら頼りないトタン板の軋む音が山に溶けた。