日本国 召喚獣管理省 関東庁 召喚獣総合事案即応科。   作:wakaba1890

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築地ドーム。

彼女らが系列店の寿司屋へ向かい、日本酒を数本開けて飲み明けて二日酔いでグロッキーになっている中、築地跡地に建てられたドーム球場にて、伸ばしっぱなしの金髪の髪を全部後ろに結って、くたびれた水道橋産の帽子を被り贔屓チームのユニフォームを羽織った彼は列に並びながらをホットスナックのメニュー表を眺めていた。

 

(....何にすっかな。タコスは確定として、ホットドックも良いな....どっちに....すっかなぁ...)

 

基本は関東庁内の食堂が空いている間に質の高い食いもんを食えるだけ食う、1日一食の才亮のため、ドーム球場でのジャンキーな食い物に胸を躍らせていた。

 

「....次の方どうぞー!」

 

「....牛肉のタコス9個とマスタード抜きのホットドックを三つ、飲み物は烏龍茶LLサイズで」

 

「は、はい!わかりました!隣の受け取り口にて、少々お待ちください。」

 

それにしても食べ盛りすぎる才亮はキッチンが大慌てになっているのを申し訳なく思いながら、モニターに映る試合映像を眺めていた。

 

無事にホットスナックを買えた才亮は一階一塁側内野席へと向かい、チケットの番号と合致しているのを確認し早速タコスを食い始めながら、席に座った彼は黄色いハッピをきた隣の男に話しかけた。

 

「モグッ....そっちはどう見てる」

 

「あぁ、耳がはやい省は、情報保全もそうだが、どこも厳戒態勢を取り始めている。ソレが誰であっても良いようにな、おぉーいっ!今のは入ってるだろ!!」

 

普段の彼からは想像できないほど派手な格好をしている中、才亮からの質問に答えた。

 

「そういや、ロメロはキューバ帰ったんだっけか...」

 

「っ....あぁービザが滞ったらしくての......ほんま、帰ってくれてたら、Bクラスなっとらんわ!かはははっ」

 

サングラス越しにつり目を見開いた男は一瞬言葉に詰まったが、先までの調子に戻った。

 

「.....ふぅ...それも、そうだな。」

 

直接的ではないにしても宮内庁を指すそのワードを出すのは、才亮でも緊張を要し息を吐いた。

 

「.....なんか、今日櫻井調子いいな」

 

鬼気迫る表情でど真ん中スローカーブを叩き込む、今日の先発ピッチャーは5回まで無失点と、いつもよりもエンジンがかかっているように見えた。

 

「抜かせ、顔だけ覚悟決まっとるだけだろ、お前はどうやん?」

 

「ゾーン内に外角スライダーはないな、レベルスイングだとファールで粘られる。」

 

「.....根拠を示せぇい、コンキョヲ」

 

調子のおかしい黄色いはっぴを着たファンという体勢をとりつつ、メガホンを叩きながら聞いた。

 

「.....なんとなく?」

 

くたびれた帽子を被り直し、伸びた前髪も襟足も全て後ろに結った金髪を少し整えてから、今回の件が西側諸国からの工作ではない事をほのめかした。

 

ーーーーーそーんな、あなたにっ!これっ!ユンカルっ!99種類の生薬と有効成分が入った...

 

三振に抑えた守備側の関西のチームはベンチへと下がり、攻撃と守備が切り替わる間のCMが、スコアボートを写していたビジョンに流れる。

 

「....そっちのが厄介やなぁ」

 

黄色いサングラス越しに目を瞑り、考えられるこれからの状況を一考した彼はこれまでと同じように彼の直感を信じた。

 

「....あ、そうそう...これ、コミコンのおみあげとオマケ」

 

その線で取るべき方策を考え始めている時、本来の目的を思い出し、基本平和な科である召喚獣操法科が出したカワウソのゆるキャラのクリアファイルと、腕を十字にして変身ポーズをとっているフィギュアを渡した。

 

「お前....これちょっと、可愛すぎないか....」

 

「すまん....これしかなくてな...」

 

「娘の?」

 

「.....お前なぁ」

 

なるべくそういうプライベート領域は立ち入らない仲ではあるが、キャラの画風的と対象年代的にそれしか考えられなかった。

 

「いや、うちの娘もこれ好きだから、てっきりお前も...」

 

「え、お前、娘いんのかよ....」

 

「お、みるか?声、このまえの遊戯会でんなー」

 

立ち入らない仲としても、知ったところでという所から、黄色いハッピの男はノリノリで娘の動画を見せようとしてきた。

 

「....おい、やめろ、見たら欲しくなる。」

 

「っ.....はははっ!お前にも人間らしいところあるんだな。」

 

そこそこの付き合いにはなるが、こういった面は初めて見た嬉しさから黄色いハッピを靡かせていた。

 

「失敬な野郎だ....とかく、それは長く持つなよ。」

 

「あぁ、わかってる....おおーっ!回れまわれっ!」

 

「...あちゃー」

 

「おぉーいっ!!よぉ〜しっ!六甲〜お〜ろしぃ〜」

 

ぼんやりとしか見てなかった試合は、6回2死満塁で8番セカンド糸原田のホームランであっという間にリードを広げられてしまった。

 

「....ワンサイドゲームじゃねえか。....ぁあー」

 

「..つつましぃくぅぅぅーー...あ!....ちょ、おまっ!」

 

本当にそういうの展開はスポーツだけに収まって欲しいと思った才亮は腹いせに、気持ちよくなっている隣の黄色いハッピの男からポップコーンを取って全部食ってやった。

 

 

 

 

 

 

 

「.....才亮 勝馬。」

 

そして、東京ドームVIPルームの一室から、濃紺のスーツを着たオールバックヘアの男が一階1塁側内野席に座るくたびれた巨人の帽子を被った男を見据えていた。

 

 

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