ドMだからついでに仲間庇ってたら全員病んでた   作:恒例行事

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131 闇

 いやぁ……やっぱり本物の女王様って、全てが違うんだな……。

 かつて俺は妄想の中で不敬砲を発射し王都に名を馳せたが、この度ついに本物の王女殿下に不敬砲を発射することに成功した。

 露見すれば待ち受けるのは死。

 断頭台への綱渡りは興奮のスパイスだ。

 マリアンヌッアリアッごめん俺ここで死ぬ! 王女殿下に手ェ出してSMプレイされてるから不敬で処刑されちゃうッ!!

 

 俺が死ぬとこ見ててくれッ俺如きの死で暫くの間引き摺っててくれぇっ!!

 俺はそれを見て絶頂しながら逝くからッああイク逝くッ!

 

『死は救済ではないですよ』

 

 え、そうなんだ。

 じゃあなに、死んだ後も普通に世界は続いてく感じ?

 

『ええ、まあ。人によっては死後モンスターになったりします』

 

 どういうこと?

 じゃあ俺が普段からぶっ殺しまくってるモンスターも元々人だったりすんの? そもそもモンスターって何なんだよ。あ、でも確かに女の人は犯されたりしてることもあるし割と納得できるかも……?

 

『負の感情が強い者ほど闇に堕ちやすいので、そういった生態になりがちですね』

 

 へえ、そうなんだ。

 じゃあもしも俺が死んでモンスターになったらドマゾのキショすぎ孕ませモンスターになるのか。興奮してきたな。死ぬまでも気持ち良くて死んだ後も気持ちいいとかこの世界は極楽か?

 

『フィンさんの死後はもう予約されてるので心配しなくても大丈夫ですよ』

 

 なにが大丈夫なの?

 怖ぇよ!

 自分の死後を売り渡したことはないんだが!?

 一体誰だよ俺の死後を勝手に競売にかけたのは! 

 

『結構良い値で売られてましたよ。手強かったですが、私とて神の端くれ。得意分野で負けるわけにはいかないわ……!』

 

 最近闇のマリアンヌも隠さなくなってきたな。

 まあ面白いし可愛いし実害ないから何でもいいけど。

 目の前でシュッシュッとシャドーをする黒髪のマリアンヌをボケッと見ていたら、隣に腰掛けたシャルロットに頬を摘ままれた。

 

 無論、その身に衣服は一切ない。

 生まれ落ちたままの姿、王女様が誰にも見せたことがない美しき身体を惜しげもなく晒していた。

 

「フィン殿、どうした?」

「少し、この世とは何なのかと自問自答をしていたところだ」

「は、はあ……なぜ今そのようなことを……」

「フッ……甘いなシャルロット。そなたはまだまだ男のことを知らぬ生娘よ」

 

 ムッ巨乳剣士の気配!

 背中に柔らかい感触が二つも!?

 こッこれはッすさまじい! 果実、いや、瓜に近い!? なんたる巨峰! 剣聖は剣だけではないということか……!

 

「男はな、精を吐き出した後、著しくアホになるのだ」

「い、著しくアホ……!?」

「うむ。フィンを見ろ。真剣で憂うような表情をしているが、心の中では私の胸の感触を楽しんでいると思われる」

「エッ……な、なぜわかった」

「目は口ほどに物を言う。目以外にも口と同じくらい素直なモツがあるではないか」

 

 アッ、た、確かにね。

 全く隠しておりませんし、さっきと違って元気だからな。

 シャルロットが赤い顔をして見ている。

 く、くううっ王女殿下に見せつけるなんてッ、なんて不敬なんだ! やっちゃいけない行為であればあるほど興奮が止まらない! 俺ってやっぱり犯罪者の素質あるのか……? 禁じられた行為であればあるほど興奮するだなんて、師匠の弟子として、唾棄すべきことだ。

 

『今更ではありませんか?』

 

 なッ…………

 …………。

 ……。

 

 ~~~~~~ッ!!

 

「…………ねぇフィンくん、これ以上はダメだからね? もう夜になるんだから、帰らないとマリアンヌちゃんがかわいそうでしょ?」

「む。……そうだな。マリアンヌに一人で飯を食わせる訳にはいかん」

 

 マリアンヌを持ち出されると弱い。

 決して仲間外れにしてるつもりはないのだが、どうしてもこう、肉体関係に進むってなると俺の立場はあまりにも不純すぎる。

 

 彼女は孤児院で育ち神殿に入り今は聖女として崇められている娘だ。

 

 政治にも口を挟めて力もある、そんな純朴で可愛らしい娘にさァ、『ドマゾなのバレて肉体関係結びまくってるからマリアンヌも参加しない?』なんて言えるわけねーんだよな。

 

 ぶっ殺されるわ、ありとあらゆる方向から。

 ていうか俺も増やしたくて増やしてる訳じゃなく、事故で増え続けてると言うか……。

 アリシアさんくらいだろ、俺が積極的に動いたの。

 後はもう、本当に事故だと思ってる。

 棚から牡丹餅って奴だ。

 

『正体現しましたね』

 

 グフフッ、幸福だとは思っても不幸だとは思わんよ。

 

 カルラ、アストレア、アリーシャ、シャルロット……ぐふっ、ぐふふふっ、俺がずっと近くに居たけど手が届かなかった美しく強い女達。アリシアさんの妹にして王女のアリーシャ、貴族社会の頂点にいるシャルロット……むほっ、うほほほっ!

 

 こんないい女とスケベ出来るだなんて思ってなかったから最高としか言いようがない。

 

 例え明日死ぬとしても俺は幸福だったと言い残せるくらいだ。

 

 まるで夢みたいな日々だ。

 俺みたいな奴が、こんな幸せでいいのだろうか。

 それとも、これ以上の幸せがあるのか?

 想像が出来ない。

 俺にとっての幸せってのは所詮、いい女を抱いて、いい飯を食って……それくらいだ。これ以上の理想がない。師匠の教育でもそれ以上を知る前に置いて行かれた。だからわからない。冒険者で学がない俺には、これより幸せな日々が想像できない。

 

 そんなバカな俺が、彼女達を抱いて喜んでいていいのか?

 

 もっといい男が居るんじゃないか。

 もっといい選択があるんじゃないか。

 バカな冒険者の男なんかじゃない、国や世界を動かせる賢い男が……

 

「フィンくん? また変なこと考えてるでしょ」

「ぐえ」

 

 頬をギュッと掴まれ、そのまま抱き締められた。

 

「まったくもう。フィンくんってそういう闇深いところあるから余計目が離せないのよ」

「……へふひ、ひゃひふはふはひほ(別に、闇深くないぞ)

「はいはい。隠しても無駄だから黙ってお姉さんに慰められてなさい」

 

 抱き締められたまま頭を撫でられてる。

 

 …………あー……。

 なんか久しぶりに変な感じだったかも。

 なんつーか、ほんと、それこそ魔王軍を名乗ったアイツにぐちゃぐちゃにされてる時以来か? あん時もこんな感じでダメダメになってたっけ。

 あとは、師匠に置いてく宣言された時?

 

 まあなんでもいいか。

 今はただ、アリシアさんの胸で……ぐふふ、アリシアママ~。

 チュッチュッチュパッジュルルッチュッ!

 ぬふふっ温もりたまらんでござる!

 これが人の愛! これが人の胸!

 

「…………」

「ウアッ!!」

「!!!!??!? あ、アリシア殿、なぜ急に平手打ちを……?」

「あっ……つ、つい手が……まぁ悦んでるみたいだしいっか」

 

 手痛い快楽を得たことで、一つわかったことがある。

 

 俺は、精神がどん底っぽい状態でも、物理的な痛みを与えられると悦べてしまうらしい。

 

 なるほどね。

 尖兵にぐちゃぐちゃにされてた時はとにかく無力さ、歯がゆさ、苛立ち……これらの感情で心臓が張り裂けるかと思った。まあ物理的に心臓破壊されて気持ち良くなってたんだけど。

 

 師匠の薫陶を受けた戦士としては、精神の未熟さに嘆かざるを得ない。

 もっと大人に、強くなりてえもんだ。

 

『くっ……女より痛みとかどうなってんのよ……!』

 

 ん? 

 闇のマリアンヌ、何か言ったか。

 

『何も言ってませんよ』

 

「むう……フィン殿の心を全て理解するのは、まだまだ時を要するな」

「我らも理解しきれておらんのだ。アリシア殿がずるをしてるだけで、人の心を理解しきることなど到底出来やしないだろう」

「ちょっと、ズルってなによ」

「ズルはズルだ。なぁフィン」

「丸裸にされてるみたいで興奮するぞ」

「……うむ。それでこそ、フィンだな!」

「……カルラ、あんたそれでいいわけ……?」

「他にどうしろと言うのだ……」

 

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