ドMだからついでに仲間庇ってたら全員病んでた   作:恒例行事

160 / 160
160 邪神の使徒⑤

 深淵の森を歩くことおよそ三十分程度。

 

 闇のマリアンヌの本体がある祠に到着した。

 

 俺とマリアンヌ、あとカトリーナとミューズは来たことがあるが他のメンバーは初めて訪れる場所だ。邪神とは言え神様のいる場所だし神秘的と言いたいところなのだが、巨豚人の蔓延る森に鎮座する邪神の祠である。

 

 どう考えても神秘的とは言えない。

 

「へぇ。これが祠……」

 

 一方、アニカは興味津々といった様子。

 

「これに女神様は封印されていたらしい。居心地は悪いそうだ」

「まぁ、どう見ても小せえもんな。デビュラは祠ぶっ壊したのか?」

「いや、そんなことはしていないが……壊すまでもなく普通に現れたぞ」

「それはそれで怖ぇな……」

 

 封印されてた割には当たり前のように使徒作ったり魔を拡散したりと色々やっているので、やはりそこは神の力というべきか。

 

 なんとなく両手を合わせて拝んでいるアニカに場の空気がほんのり和らいだタイミングで、エヴァンジェリンが口を開いた。

 

「……ここにずっと封じられていたのですね」

 

 そう言いながら、彼女は祠に手をかざす。

 何かしようとしているわけでもなく、ただ単純に、その掌でそっと触れた。

 

 元々は闇のマリアンヌの使徒だったエヴァンジェリン。

 恐らく皆目麗しい女子同士、キャッキャウフフ、胸おっき~もうエッチやめてよといった具合に素敵な日々を過ごしていたのだろう。そんな中現れた侵略者ことちん○の女神エスペランサによって彼女は文字通り寝取られ、その絶望と屈辱に血涙を流しながら闇のマリアンヌもまた凌辱を受け……ウッ、ウウッ、くそっ、許せねぇぞエスペランサ!

 

 闇のマリアンヌ(闇のマリアンヌじゃない)がエッチな目に遭うなど、絶対に認めん!!

 

 あの絶技も過去に磨かれたものなんだ!

 ううっ、胸が苦しいッ!

 そんな過去があっただなんて悲しすぎるッ!

 でも悔しい、気持ち良くて感じてしまう。

 舌の動きがまるで別の生き物みたいに絡みつくの凄すぎて俺も練習して出来るようになった。  

 ジュルルルズゾッ! 

 啜る! 

 闇マリにはやめろって言われるけど。

 男ができるのは気持ち悪い、変な顔するな、殺すぞとの評価を頂いている。

 

「当たり前でしょ……」

 

 あ、顕現した。

 

 場の空気が重くなる。

 だが前の様に攻撃的になっているわけでもないので、これが彼女の本体と言うか、神の持つ風格というものなんだろう。威圧しようと思っていなくてもいるだけで圧を発せられる、正に人智を超えた存在だ。

 

「改めて……久しいわね、エヴァ」

「はい。ルルクス様も壮健で……壮健ですか?」

「見ての通りよ」

 

 微笑みながら闇のマリアンヌは俺の背中から抱き着く。

 

 闇マリそれ好きだよね。

 俺も包まれてる感じがして好きだけどさ。

 あと背中に闇のマリアンヌのおっぱいが付いて柔らかくて興奮するのと同時に、マリアンヌの身体を弄んでいる邪神をどうにかせねばという気持ちに駆られてしまうのだ。

 

「俺は女神様にオモチャにされる日々だが、そちらはどうなんだ?」

「わたくしはもうとっくに飽きられていますので、直接何かをされることはもうないですわ。その代わり弄ばれる中で植え付けられたモノが多く、もう狂ってしまっていますの」

 

 困った表情でエヴァンジェリンはそう言った。

 

「みなさまご覧になったでしょう? わたくしには男性器が付いておりますが、これは女神エスペランサ様に植え付けられたモノの一つになります」

 

 一瞬、彼女は己の衣服に手をかけて、ハッとした表情になり手を離した。

 

 ううむ……こんなに美人でスタイルもいいのに、股間には明らかに異物が浮き上がっている。

 ローブ越しに見えてるんだよなガッツリと。

 マリアンヌは頬を赤らめて気まずそうに顔を逸らしており、アリーシャは先程のことを思い出して不快になったのか空を見ている。

 

「ふ、ふたなり……!? マジかよ、リョナエロゲとはいえ何でもありすぎんだろ……!」

 

 アニカが呟く言葉の意味は大半がわからん。

 だがエロという単語だけはわかる。

 きっとエッチな話だ。

 

「それと、数千年単位でたっぷり仕込まれてしまいましたので、性の昂りがどうしても抑えられなくなりました。今も、興奮しているんですよ?」

 

 そう告げるエヴァンジェリンの頬は赤く染まり、瞳もギラついている。

 

「……それでいて不死身か。なるほど、気が狂って当然だな」

 

 彼女の境遇全てが本当かどうかはさておき、闇マリも女神エスペランサによって陵辱され魔を生み出す邪神に墜ちた。その過去を考えればそれくらいしてもおかしくはない。

 

 何より、今こうして魔を撒き散らし世界を塗り替えようと壮大な計画を目論んでいる闇マリでさえ元々民は慈しんでいたと言う。それはカルラやアストレア、マリアンヌへの態度である程度信用出来るものだ。

 

「長寿と不死は似て非なるもの。わたくしも何度も何度も自刃を試しましたが、死ねません。昔は痛みで泣き叫んでおりましたが、喪ってしまいました。かえって残っていれば、正気を失えたかもしれませんのに」

「なっ……」

 

 い……痛みを喪失した、だと……!?

 

 そ、そんなの、辛すぎるッ……!

 痛みというのは生きている証でもあるのだ。

 人は痛いと感じるから危機を察知し次に生かせるのだと師匠が昔教えてくれた。俺はマゾだったので熱湯に突っ込んで火傷を負い師匠に何してるんだと説教されることが度々あったが、普通はあそこで『熱湯に手を突っ込んだら痛いんだな』と避けるようになる。

 

 それに痛みがあるから悦びもひとしおなんだ。

 

 それだというのに、痛みを、人から剥奪するなんて……ッ!

 

 しかも何度も死を目的として自傷してしまうほど追い詰められている女性の痛みがなくなってしまえば、それは、そんなのは、人生が灰色どころか暗闇に閉ざされたようなものだ。痛みだけじゃなくもっといろんなものを喪失しているだろう。

 

「おにーさん……」

「ん? どうしたアリーシャ」

「……んーん、なんでもない」

 

 ジト目のアリーシャに声をかけられた。

 

 ムッ、な、なんか変なことしたかな。

 

 もしかしてエヴァンジェリンの身体ジロジロ見てるの見抜かれた!?

 ま、俺は見抜きさせてもらいますがね。

 お○んちんが付いていようがエヴァンジェリンは美女だ。

 そなたの傷、俺が埋めて見せよう。

 さ、俺の穴に飛び込んでおいで。

 

「死ね」

「ごあああああっ!!」

「!?」

「!?」

「!!?」

 

 ぐ、グフフッ!

 突然不意打ちとは卑怯なり、闇のマリアンヌ。

 だが幸いなことに他人の目があるためいやらしい部分へのいやらしい口撃ではなくシンプルに俺の目が片方潰れただけで済んだ。

 

「フィ、フィンさんっ! 女神様、一体なにを!?」

「ちょっ、おにーさん大丈──」

「ぐ、うううぅううぅっ♡」

「──あ、うん。そっか、そうだよね……」

 

 し、しまった!

 悦んでいることも見抜かれた!?

 アリーシャは心底呆れたと言わんばかりの冷たい視線で俺を見下ろしている。それがまた更に俺の興奮を煽るスパイスとなって全身を駆け巡った。

 

「お、おいおいっ! 大丈夫か!?」

「へ、平気だ。こんなもの、屁でもない……」

 

 片目を抑えながら勃ち上がった。

 

 フゥッ、ハァッ、フッフッ、ホォッ、ヒィッ、オホォッ♡

 

「ふぃ、フィンさん、今すぐ治癒を……」

「……いや、マリアンヌ。今はやめてくれ」

「えっ……」

 

 手を離せば、真っ赤に染まった掌。

 んー……肉の感じからして、眼窩は砕けてなさそうか。

 でも肉が弾けてるな。

 闇マリ、目ん玉爆発させた?

 

「ひっ……」

「お、おにーさん……それ……」

 

 マリアンヌは手で口元を抑え目を見開き、俺のマゾっぷりを知っているアリーシャですら引いている。【超滅】は言わずもがな、エヴァンジェリンも僅かに驚いた気配だ。

 

 気を抜いたら抜いてしまいそうな状況。

 必死に堪えながら、震える声で話し始める。

 

「そちらの事情はある程度察した。俺はあなたを尊敬するよ、エヴァンジェリン」

「えっ……は? い、いきなり何を……というか治療を……」

「子供の頃から俺は痛みとずっと付き合って来た。アリアに轢かれ、師匠にしごかれ、骨を砕かれ肉は弾け痛みで気を失いそうになることは日常茶飯事だった。俺の人生は、苦痛と常に隣り合っていた」

 

 望んでその道を歩いて来たとも言う。

 俺は弱いからな。

 これしかなかった。

 

「女のように身体を犯されたことはないが、尊厳を投げ捨て無様に媚び諂い醜くもがいて生を繋ぐことの重さはわかっている。だからこそ、そのような目にあって、逃げることすら許されず、ひたすら神に弄ばれながらも己を喪失しなかった貴女を尊敬する」

 

 俺が同じ目に遭ったらおそらく速攻で快楽マゾ墜ちする。

 だからといって自我を喪失するかはさておき、間違いなくこんな強固に耐えようとすることはできない。アリシアさんへの対応を自覚しているからな。速攻で堕ちると思う。

 

 俺の言葉を聞いて、エヴァンジェリンは一瞬目を見開き、すぐに戸惑った表情になる。

 

「そ、んな……わたくしは、負けて、犯され…………何も出来なかった無様な女ですわ。そんな、尊敬などと……」

「確かに、過去はそうだったかもしれない。女神様を守れず、敵に犯され、屈してしまったのかもしれない。だが今はどうだ。そんな敵に囚われ弄ばれながら、旧主を見つけ抗っているじゃないか。エヴァンジェリンは狂ってしまったのかもしれない。おかしくなってしまったのかもしれない。壊れてしまったのかもしれない。それでも、今ここにこうしてやってきた。それでいいだろ?」

 

 闇マリもなんだかんだ責めたりしないしね。

 裏切りものとか全く言わないので、闇マリとしても思う所はあるっぽい。

 闇のマリアンヌは素直だが、女神ルルクスは素直じゃないのだ。

 上のお口も素直な時はあるんですけれども笑

 

「ごああああぁああぁっ!!」

「!?」

「!?」

「!!!!!?!?!?」

 

 残っていた片目が爆発して目が見えねェ!

 

 ああっ目から俺の命が溢れ出てイクッ!

 このままじゃ死んでしまう!

 暗闇の恐怖と痛みのダブルパンチで気持ち良くなってイっちゃうよぉ!

 おっと、死なないんだったな。

 次は口でも爆発させるか?

 いいだろう、俺は決して邪神には屈しない。

 この程度の快楽で、決して墜ちたりなんかしない!

 

「うざ……」

「え、えっと、ルルクス様? あの……いくらなんでも、やりすぎでは……」

「エヴァ。今、私は使徒と愛情を育んでいるの。口を挟まないで?」

「えっ…………わ、わかりましたわ……」

 

 震えた声で呟くエヴァンジェリン。

 俺の周りから人の気配が遠のいた。

 マリアンヌ、お前もか!

 マリアンヌにすら見捨てられるのだけは無理だっ!

 闇のマリアンヌ、どうか考え直してくれッ!

 

「我が使徒。あなた、我が巫女がいながら、なに敵を口説いてるわけ?」

「エッ……いや、口説いてはいないが……」

「じゃあなんでエヴァがあんなもじもじしてんのよ!」

「エッ……せ、性欲が抑えきれなくなってきたとか?」

「エヴァがそんなふしだらな女なわけないでしょうがッ!!」

「ウゴオオオオッ!!?!?」

 

 あ、あひいいぃぃいぃっ!!?

 

 頭が潰れるッ!

 地面と闇マリに挟まれて潰れるッッ!

 このままでは大地に咲く真っ赤な果実になってしまう!!

 

「ま、まあまあ、ルルクス様、そのへんで……わたくしには何もございませんから。あまりその、人前でやらしいことをするのはよろしくないですのよ?」

「やらしい!!?!?!?」

 

 うわっマリアンヌ声デカッ!?

 

 まぁ確かに全くやらしい行為には見えないので、その驚きも当然か。

 

「えぇ……こ、これがやらしい……? リョナエロ……この世界、終わり過ぎだろ……」

「……いや、アニカ。こんなの普通じゃないから。これを標準だと思うんじゃないよ?」

「お、おう。でもリョナエロゲ世界だしこれが案外普通なのかも……てか、デビュラやっぱそっち系か……?」

「あっ……んんっ! ね、話進まないし、一旦止まろ? ね?」

 

 アニカの呟きを聞いて何かを察したアリーシャが、これ幸いと助け船を出す。

 

 目ではみえないが、先程凌辱されそうになったとは思えないほどだ。

 

 本当、頼れる子になったな。

 

 アリーシャが必死に闇のマリアンヌを宥めこの場が落ち着くまで、およそ五分の時を要した。

 

 その間俺はずっと足で踏まれ大地へ顔をめり込ませていたので、目玉が弾けて肉がむき出しになった部分と眼窩に土が詰まりそれを見たアニカが吐くハプニングが起きたが、ちゃんとほじくってマリアンヌに治癒してもらい事なきを得た。

 

 やっぱり俺も治癒手段欲しいよなぁ。

 不死身の対策法の一つを学んだよ。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

お荷物追放された俺に、バグキャラみたいなメスガキの弟子が出来ました。(作者:歌うたい)(オリジナルファンタジー/冒険・バトル)

 なおメスガキ以外にもバグみたいな弟子は増え、それぞれ脳をこんがり焼かれる模様。▼以下弟子共(順次公表)▼・弟子その1『持ち上げムーブは描く未来予想図の為の確信犯。激重感情搭載型の小悪魔系チートメスガキ』▼弟子その2『──現在閲覧不可──』▼弟子その3『──現在閲覧不可──』▼弟子その4『──現在閲覧不可──』▼※本作品はカクヨム様にて別タイトルで公開してお…


総合評価:9491/評価:8.47/連載:31話/更新日時:2026年02月06日(金) 12:11 小説情報

鬱ゲーの全滅イベントで年上ヒロイン達を庇ったら【暴食の魔人】になって生き残った。――「理性が消える前に殺して」と頼んでも、曇った彼女たちが許してくれない。(作者:菊池 快晴)(オリジナルファンタジー/冒険・バトル)

ダークウェブソウル通称【DWS】』▼最悪の鬱ゲーにして最高の泣きゲーと名高い、狂気のダークファンタジー。 ▼その世界に、モブ・雑用係のレイとして転生した俺は、ゲーム知識を駆使して最愛の年上ヒロイン」たちと家族のような絆を育んでいた。▼しかし、このゲームには回避不可能な「全滅イベント」が存在する。 ▼シナリオ通りなら、俺の師匠も、先生も、聖女も、みんな魔人に殺…


総合評価:6424/評価:8.77/連載:27話/更新日時:2026年03月07日(土) 10:02 小説情報

【書籍化】男女比1:30の貞操逆転世界で身を挺して女の子たちを守ったら愛が重くなりすぎた(作者:一森 一輝)(オリジナルファンタジー/冒険・バトル)

女が男を守るべき、みたいな価値観が根付いた世界で、男が身を挺して女を守ろうとしたらどうなるんだろうか?▼旧題:男女の価値観が反転している貞操逆転世界で身を挺して女の子を守ってみた場合▼※カクヨムとマルチ投稿中です▼https://kakuyomu.jp/works/16818792435932689728


総合評価:35312/評価:9.15/連載:72話/更新日時:2026年06月03日(水) 12:03 小説情報

貞操逆転世界で湿度高めヒロイン達を無自覚に沼らせる転生者~死にゲー世界で鬱エンドを迎えるヒロイン全員救う、全員が曇る(作者:しば犬部隊)(オリジナルファンタジー/冒険・バトル)

死にゲーに転生した主人公(男)が遺伝子的に湿度が高く重い女達に囲われていく話。▼なお、主人公は自分に価値を見出していないので、自分を犠牲にしたりする。▼だが それが逆に重い女の琴線に触れた!▼無自覚にヒロインを沼らせていく、ただ平穏に生きたいだけの男。▼書籍化決定 5月20日 オーバーラップノベルス様より発売! ▼


総合評価:31128/評価:8.9/連載:48話/更新日時:2026年05月28日(木) 21:53 小説情報

あべこべ逆転異世界で孤児院の頼れるお兄ちゃんになるため奮闘する(作者:あに)(オリジナルファンタジー/日常)

身体がちょいとガタつくけど、大丈夫。▼僕はみんなのお兄ちゃんだからね。▼カクヨムの方にも投稿してます


総合評価:3324/評価:8.31/連載:20話/更新日時:2026年05月16日(土) 17:04 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>