ドMだからついでに仲間庇ってたら全員病んでた   作:恒例行事

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177 木漏れ日の中で、エヴァと

「うふふ、なんだかわたくし達、夫婦(めおと)にでもなった気がしますね」

「それは光栄だ。エヴァみたいな美人にそんなことを言ってもらえるとは」

「木漏れ日の中、柔らかい草の上に殿方と二人きりで座って、ゆっくりとした時を過ごす……まさかこんなことが出来る日が来るなんて、思ってもいませんでしたわ」

 

 そう言って、エヴァは照れ混じりの、しかし清々しい笑みを浮かべた。

 

 確かに、理想的な夫婦生活……それも休日のピクニックと言ってもいい過ごし方だ。

 

「最近よくやってるんだ。ここまで理想的なシチュエーションには中々恵まれないが、日の当たる場所で昼寝したり、庭でアストレアが育ててる巨木に登って寝たり……そういう日々を過不足なく過ごせることを大切だと思ってな」

「素晴らしいですね。わたくしはどうしても立場もありますし、迂闊に人と接触するわけにもいかず溜め込んでたものですから」

「仕方ないさ。ここ数日は落ち着いてるみたいで何よりだよ」

「それはもう。フィンさまにたっぷり注いで頂きましたし、注ぎましたので」

 

 ──エヴァが拠点を襲撃(?)してから早くも数日が経過した。

 

 師匠に資材を提供してもらい簡易的な住居を組み立て、魔道具を利用して彼女が問題ない生活を送れるようになってからというもの、俺は毎日朝から日が暮れる頃までエヴァの下を訪れている。

 

 理由はいくつもある。

 まず、闇マリと旧知の仲であること。

 数千年越しに出会った二人、それも神と人の主従だ。たった数年離れていただけの俺ですら積もる話があったんだ。数千年苦痛を耐え忍んだ二人、話したいことはたくさんあるだろう。

 

 だと言うのに、互いに自由に過ごすわけにもいかない身だ。

 

 闇マリは俺に憑りついてるし、エヴァは念のためこの祠周辺から離れられない。

 

 それはあまりにも、あんまりだと思う。

 

 だから監視の意味も込めて俺が毎日足を運ぶことにした。

 これにはマリアンヌとアリア、あとアニカからも反対意見があったが師匠がこちらの意見を支持したことで最終的に肯定された。

 

 あと単純にエヴァの性欲が多少軽減されたとはいえ、ちん○んついてるからね。

 

 ちん○ちんついてる人(男女の見境なし)と肉体関係にある女を一緒にいさせるほど俺の器は広くないし、アリアや師匠、マリアンヌを送り込むことも許容できない。

 

 決してエヴァが嫌いだとか信用できないとかじゃなく、こればっかりは俺の弱さが原因だ。

 

 そりゃ妄想は沢山したが、実際にそうなって欲しいと思うかは別であって……

 マゾバレだってするつもりは全くなかったからこそ愉しんでいたのだ。

 もうマジで、アリシアさんにバレた時は絶望したね。

 〈深淵の森〉からの帰り道からアリシアさんと二人で民家に入るまで本当に鬱だった。もうどれほど尊厳を踏みにじられるかと覚悟していたんだ。

 

 当の本人には『私をどんな鬼畜だと思ってるの……?』と悲しそうな顔をされてしまったが、実際、アリシアさんが底抜けに優しくていい人だったからなんとかなっただけにすぎない。

 

 結果的に複数人の女性とエッチなことをするに至ったが、一歩間違えればパーティーが瓦解するような事態に発展してた可能性もあるんだ。

 

 それを考えると、いかにエヴァのことを個人的に信じていたとしても、ち○んちんに俺の女を差し出す事だけは避けたかった。

 

 まあ、その、なんと言うか…………見張りと称して、まあ、うん、ヤることはヤっているので、俺の危惧は正解だった。

 

「そうだな。おかげで満腹だ」

「わたくしもお腹いっぱいで、正にお昼寝にはちょうどよいと思いませんか?」

 

 そう言って、エヴァはペチペチ自分の太ももを叩いた。

 

 ムッ、これは……膝枕だな。

 三本目の足があること以外は全く不満がないので、遠慮なく頭を乗っける。

 

 ムニュッ……

 

 うん……

 柔らかい……んだけど……間違いなく、柔らかいんだけど……これは……うん……。ちょっとこう、もうちょっと……なんか無いか? せっかくの美女の膝枕がち○ぽ枕になってるんだが!? 流石の俺も嬉しくない!

 

「…………んっ、その、もぞもぞ動かれるとっ……」

「す、すまん。どうにもその、当たってしまって……」

 

 エッチな声だけどさぁ!

 あんまりエッチに感じないんだよねぇ!

 なんでかなぁ闇のマリアンヌ!!

 

「あらあら我が使徒、浮気?」

 

 建てた住居の窓からひょっこり身体を乗り出してきた闇のマリアンヌ。

 

 その手には豆菓子が握られていた。

 ポリポリ音を立てて味わいながら愉快そうに煽って来たがそれどころではない。

 

「浮気じゃない。それにな、闇のマリアンヌ。今俺は非常にまずい立場にあるんだ」

「そんなの前からでしょ。……ああはいはい、わかったわかった。聞いてあげるから呪詛やめてね」

 

 呪詛なんて失礼な。

 俺はただ、すっかり熟年夫婦みたいに俺のことを適当にあしらって前の女に現を抜かす闇マリの姿に興奮していただけなのに……っ!

 

「うんうん、そうね、そうだったわね。それでなにがまずいの? 言ってみなさい」

「おほほぉっ! 簡単に言えば、エヴァは好きだがち○ぽは好きじゃないってことだ」

 

 前にも言ったかもしれないが、俺はあくまで美女にち○んぽがあるのは許容範囲なだけで、○ちんぽ単体だと全く守備範囲ではないのだ。

 

 まァ手に持った棒によって穴を穿たれた時は興奮のあまり器具に奉仕をしそうになったが、一足先に正気に戻ったアリシアさんの決死の静止(子種のことではない)によって醜態を晒さずに済んだ。

 

 だがあれはあくまで気持ち良くしてくれたことへの“お礼”であり決して俺が愛情を抱いてしまったわけではない。

 

 だと言うのに……

 

「このまま毎日エヴァと身体を重ねていたら、本当はお○んちんが好きなんじゃないかと疑われかねないだろう。もし師匠やアリア、マリアンヌにそう思われたら、俺は、俺はもう……っ!」

 

 い、嫌だぁっ!!

 大切な幼馴染と師匠、それにマリアンヌにそんな風に思われたらもう生きて行けないッ!! もしそうなったらカルラやアストレア達エッチ常連組も『もしかして……』と疑うようになって、やがて『お尻の穴をほじくられて悦ぶような男はやめときましょ』と離れていき……オゴゴゴォッ!! ぐふっ、げひひっ!!?

 

「えぇと……そうはならないのでは……?」

「どう考えてもそうはならないけど、我が使徒はそう思うのね?」

「ああ。今はまだ身体を捧げている健気な弟子として見てくれるかもしれないが、時が経つにつれて『こいつなんか愉しんでないか……?』と思われるようになり、やがては……く、ふふっ、捨てられちまうんだな俺はッ! ああッ、これだけ頑張って来たのに! ちん○ぽに負けて捨てられるんだ! くううぅ~~っ……たまらん!!」

「…………さ、流石はわたくしを負かした殿方……業の深さがわたくしに匹敵しますわ……」

 

 エヴァの顔は豊満な巨峰で見えないが、引かれている気がする。

 

 それが更に興奮を煽るスパイスだ。

 何千年も凌辱され脳がおかしくなってしまった女性にすら引かれてしまうほど俺は気持ち悪い。この事実が、耐えがたい苦痛とこらえきれない快楽を齎してくれる。

 

「お゛っ…………しかし、実際、対策しなくて大丈夫か? 俺の不名誉はどうとでもなるが、エヴァへの反感が溜まることは避けたい」

 

 何を言われても事実だから基本どうしようもないのだが、俺達は合意の上で行為に励んでいる。

 

 そりゃまあ褒められたことじゃないけど、しょうがないんだ。

 

 エヴァ自身もどうにかしたいがどうにもならない。

 

 神に長年虐げられた結果がこれだ。

 

 それを緩和するために身を捧げているだけで、決してこれは趣味を前面に出した俺のやりたいことではないのだ。仕事の上での趣味、やらなければいけないことが偶然俺の性癖にマッチしていただけに過ぎない。

 

 あくまで仕事をしているだけで、エヴァも不可抗力。

 

「……わたくしとしては、事実ですので構いませんわよ?」

「俺が構う。せっかく状況が好転したのにそれを台無しにするようなことは起きて欲しくない」

 

 これ以上苦しむ必要はない。

 俺如きでは想像すら出来ないような悲惨な目に遭って来たんだ。

 これからは女神に縛られず、まあこの領域に縛られてはいるんだが、出来る限り安堵して生きて欲しい。

 

「フィンさま……」

「それに、これから長い付き合いになるんだ。女神の加護が外れたら闇マリが祝福を施すだろう。そうすれば俺には同僚が新しく誕生するし、エヴァとの関係を良くする打算もある。なにも欲がないわけじゃないんだぞ?」

「んもう、そんな風に言わなくていいではありませんか。わたくし、身も心も捧げたいと思っていましてよ?」

 

 そう言ってエヴァは俺の頭を撫でる。

 

 エヴァンジェリンママ~。

 ハッ……!! あ、アリシアさん以外で俺を赤ちゃんにさせる力を持つ者がいたのか!? この包容力! 数千年の温かみに包まれてイくっ!!

 

「……ね、ねぇ、エヴァ。我が使徒、結構狂ってるからね? そんな目で見る相手ではないからね?」

「……ふふ。多少やんちゃな殿方の方が魅力的に見えますので」

「うっ……ううっ、闇森人の気持ちが少しわかる……!」

 

 えっ師匠の気持ち?

 それってどういうこと?

 ついに闇マリも師匠に理解を示す時が来たのか!?

 それは、素晴らしい。

 師匠は神的に良い人だから。

 邪神に神的とか言ったら怒られるけど本当に素晴らしい人だから。

 あの人がいなかったら今の俺はないからね。

 

 子供の頃、一緒に入ったお風呂……今でも思い出せるぜ……。

 

「それ、言ってあげましょうか?」

「すまない。それだけはどうかやめてくれ。師匠に蔑んだ目で見られることを考えるだけで絶頂するから」

「……あらあら、まあ。妬いてしまいますわ」

 

 ムクッ……

 グググ……

 

 後頭部が押されて持ち上がっていく。

 

 お、俺の頭を軽々と……っ!?

 なんて力だ!

 

「……ごめんなさい、フィンさま。わたくしに慈悲をくださいませんか?」

「……言葉はとても興奮できるんだが、流石に恐怖を感じるぞ」

「うふふ。そう言っていつもわたくしを好き放題するではありませんの」

 

 そりゃ、負けるなんて男としてプライドが許さないからな。

 

 やれやれ。

 これは決して趣味じゃあないんだ。

 好きでもないんだよ。

 でもそう、彼女のためには仕方ないことだから。

 俺の今の仕事はエヴァを鎮めることだ。

 だから、うん、仕方ない。

 仕方ないって奴だ。

 

 しかし、師匠が賛成するとは思わなかったな。

 

 反応的にすごい嫌がってると思ったが……

 

 まさか……俺を拠点から追い出して、男を連れ込んでるんじゃ……!?

 

 い、いやっ!!

 イヤイヤッ!!

 信じない!

 師匠はそんなことしない!

 師匠はそんなひどいことするわけないッ!

 

 闇の俺、消えろッ!!

 

「あの、どうしてフィンさまは一人で表情を変えているんですか?」

「ああ、今寝取られる妄想で忙しいから」

「ま、まあ、そうなのですか。…………実際にやるべきかしら……?」

「やめときなさい。ほんとにしたら悲しむのよ」

「……難儀な方ですわね」

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