ちんち○が一本、ちん○んが二本、ち○ちんが三本、○んちんが四本、ち○んちんが五本、ちん○ちんが六本…………
『…………あの、呪詛を奏でるのはやめてくれませんか?』
ハッ……!!
す、すまん闇マリ。
なんかここ最近、妙にちん○ちんについて考えさせられるから自然とちんち○んについて唱えていたんだ。決して闇マリを困らせようとか、そういう意図があったわけじゃないんだ。信じてくれ。
『その…………無理のしすぎは、担い手も悲しむわよ?』
む、無理なんてしてないさ。
だって俺は元々えっちをしないまま十九年間生きてきたんだぞ?
そりゃあ、一人でコッソリすることはよくあったよ。
カルラが風呂に突撃してきた後とか、野営で女の生の体臭に当てられた後の個人依頼とか、性処理自体はしてきたんだ。
でも別に女体を知らないまま長年過ごせてたからね。
今の俺はたるみ過ぎている。
金等級冒険者として、立場のある人間として、肩書を背負った男として、今のままであることはとても容認できないんだ。
だから今しばらく俺は禁欲する。
ついさっきカルラに誓ったばかりじゃないか。
確かにカルラの身体はエッチすぎるしなんかいい匂いしたし服自体がエロくて服の下の味わいまで知っているせいで余計に興奮してしまったが、それでも俺は耐えられた。ギンギンのバキバキに奮い立ったフィンフィンをカルラが目を見開いて見ていたが、俺は何事もなかったかのように振る舞うことで性欲を凌駕することに成功したんだ。
性行……!?
な、なんてすけべな単語なんだ。
性行為の五文字のうち四文字が含まれている。こんなのもう実質セッ◯スみたいなものだろ。エロすぎる……。
『……カルラ呼んでこようかしら』
あいや待たれよ!
闇マリ、俺は今必死なんだ。
君からすればバカみたいな取り組みかもしれない。それでも俺は、本気で今の状況を打開したいと思っているんだ。ヒモを脱却するために、女性陣を養う力を得るために、冒険者としてのステップアップをするために、まずはエロいことを考えるのをやめる。
そうすることでハーレムそのものに責任を持てるようになる。
言うだけじゃ、願うだけじゃダメなんだ。
俺は、俺がみんなを養い守れる責任のある男になりたいんだ……!
『そう…………』
アッこれ興味ない時の反応だわ。
闇マリっていつもそうですよね!
俺が必死になってる時に嘲笑ってばっかり! もっと使徒を労ってよ!
『はいはい』
んほおおぉぉおおぉおおぉぉキクううぅぅうぅ!!!?
フーッ、フーッ、フーッ……!!!
た、耐えたぜ、俺ェ……!!
いきなりデザートの快楽には抗い難いものがあるが、それでも俺は、耐えたんだ……! ちょっとだけ、うん、先っちょくらい、絶頂ラインを爪先分くらい超えちゃったかもしれないけど、それでも俺は、耐えたんだ。
この調子だ、フィン・デビュラ。
絶対真人間になるぞ!
──コンコンコン。
ドアをノックする音に意識を向けた。
「誰だ?」
「私です、カトリーナです」
カトリーナ?
彼女が俺のことを訪ねてくるとは珍しい。
ぶっちゃけ俺と彼女の接点は互いに神の使徒であることくらいのもので、闇マリに好き放題してもらってた時期を知られているため嫌われていると思っていた。
──あ、そうか。
アニカと関わったからその件だな?
ドレイクが一緒にいたから俺が何かふしだらな行為を働いたわけではないと言うことは理解してもらえているだろう。じゃあ一体どんな要件なんだって聞かれると……わからん。
立ち上がってドアを開けると、そこにはトレードマークの三角帽子を被ったいつも通りのカトリーナが佇んでいた。
「突然ごめんなさい。アニカのことで話があって」
「ああ、やっぱりそうか」
「……やっぱり?」
怪訝な表情で彼女が言う。
うーん、怪しまれてるな。
ドレイクの様子からもわかってたが、アニカは愛されている。
だけどまあ、ああやって初めて泣いて悔やんだ姿を見せたのが俺相手となるとやや複雑な気持ちにもなるだろう。もし【払暁】の三人が俺以外の相手に心のうちを晒していたら、俺も嫉妬でおかしくなる。
「やましいことをするつもりはないんだ。ただ、アニカが望むなら俺は受け入れるつもりでいるよ」
結局、心の底から後悔してることってのは人生にいつまでも付き纏ってくる。
俺がそうだったから良く分かる。
気にしないようにしても心のどこかでささくれのように痛みを生むんだ。
それを解決するには忘れ去るか、後悔を取り除くしかない。
「それは……どうして?」
「どうしてって言われてもな。頼られたら応えるのが男だろ」
そう答えると、カトリーナは眉を顰める。
……エッ、な、なんか変な回答したか?
これはもしかして、勘違いされてる?
いや、でも他に何と勘違いするんだ?
アニカの故郷に行こうぜって話しかしてないぞ。
ドレイクもその場にいたし勘違いのしようが無いはずだ。
「……では、あくまでデビュラさんがやりたくてやっているわけではない、と?」
「……そうなるが、だからと言って何も関わらないわけじゃない。望まれなくてもやった方がいいと思ったら手を出すぞ」
ヴィオレットの時はそうだった。
あの娘は自分を犠牲にして生き延びてくれって言ってきたけど、良いとこお嬢様を預かってる以上命を賭けて守り抜く必要がある。見捨てるなんて論外で、傷一つ付けさせるつもりはなかった。
それと一緒だ。
手を出して欲しくなさそうなら何もしないし、俺が助けないとダメそうなら手を出す。アニカは、どうだろうな。俺は手を差し伸べるべきだと思った。あのままだと潰れるかもしれないと思った。
ただ、それはあくまで俺の主観だ。
「っ、で、でも、だからって……!」
「もちろん、余計なお世話かもしれない。それでもその手を伸ばさなかったことを後悔したくはないんだ」
「そ、そんなの勝手すぎます! 女をなんだと思ってるの!?」
「エッ……お、女?」
「そうやっていろんな女に手を出して……! 次はアニカ!? 私達は、あなたの玩具じゃない!」
なんの話!?
なんで怒られてるの!?
そんな琴線に触れるような話題だった!?
闇マリ! なんで怒られてるかわかる!?
『日頃の行いでしょうね』
ハーレム作ったら手助けもしちゃいけないのかよ!!
「お、落ち着けカトリーナ。何か、勘違いをしてないか?」
「勘違い? あなたは隠してるつもりかもしれないけど、私は知ってるのよ。女神様に変なことをさせてきたことを……!」
ギクギクギクゥッッッッ!!!
い、いや、あれは違うんですよ。
俺がやってくれって言ったわけじゃなくて、闇マリが急にやり出したっていうか……。
『あら、お掃除してくれって言ったのは誰だったかしら』
アッ、す、すみません、俺かもしれないです。
で、でもさァ!
ところ構わず俺にエロい悪戯するようになったのは闇マリの意志じゃんか! 神様にも非はあると思うな!
『神に逆らうのですか?』
オゴッがああああぁぁぁぁ!!!
「そんな顔しても無駄よ! 私は他のみんなと違って絆されたりしないから!」
「ぐ、ぐううっ……!」
ち、ちがっ、これは痛くて、気持ちよくてついっ!
ていうか闇マリッ、わざと見えないようにやったな!?
「アニカはね、女の子なのに女じゃないって言いたげな顔してるし、そのくせ可愛いし、おしゃれな格好させたら恥ずかしがるし、なのに男への警戒心ばっかり強くて……! あなたみたいな男を一番警戒してなくちゃいけないのに、絆されて……!」
俺は何もしてないんだけどな!?
なんなら被害者でもあるよ。
ただみんなでハーレムえっちしてただけなのに……!
なんか覗き見されてただけなのに……!!
しかし、共同生活している場で性行為するなというのはもっともだ。
甘んじて謗りを受けるしかない。
くっ……屈辱だ……♡
理不尽すぎる……♡
喜ぶな、俺!
喜んではいけないんだ!
それは性欲だ!
必死に耐えていると、彼女は憤りながら叫んだ。
「アニカにも、神様にさせてたようなことさせるつもりでしょ!? そうはいかないわ!」
そう言って、カトリーナは俺に指を突き付ける。
「もし、あなたがあんな変態みたいなことをアニカにさせるって言うなら──……」
「……言うなら?」
「アニカに言い付けるわ。あなたがしてきた変態みたいなことの内容を」
「あー……その、なんだ。こないだアニカは俺が複数の女性と交わってるのを覗き見してたぞ」
「……………………え?」
カトリーナは固まった。
あっ、それは知らなかった……ていうか言わなかったんだ。
確かにそれを知らなかったらアニカに俺がちょっかいかけてるように見えるよな。
「その時に、こう、当てられたみたいでな。本人も戸惑ってるんだとさ」
「……え……い、いや……そんなわけ……」
「……信じたくない気持ちはわかるが……」
そう告げると、カトリーナの顔つきが変わる。
「……じゃ、じゃあ、私……一人で空回りしてたの……?」
「……ついでに言えば、さっきの会話も変な感じになってたぞ。俺はアニカに手を出してないし、手を出す予定もない。単純にアニカの故郷に行く時に手助けするってだけだ」
「こ、故郷に? 手助け? え? えっ……?」
そう呟いて、カトリーナはその場に膝をつく。
アニカ……お前、絶対全部説明してないだろ。
その場にいなかったからわからんが、一体どんな説明したんだ?
「どうやら、齟齬があるみたいだな」
「……………………」
カトリーナは押し黙ったままだ。
まあ、怒って気持ちよくしてくれた礼もある。
ここは一つ、お茶でも馳走しよう。
『……新しい女増やしていいのかしら?』
……?
どう考えても増えないでしょ。
さっき言ってた通りカトリーナは俺と闇マリのアブノーマルプレイ見てたんだよ。俺が変態なのはわかってる。変態で気持ち悪い男に惚れる女はいないよ。
『…………そうね……』
頭の中に、黄昏る闇マリが映った。