ドMだからついでに仲間庇ってたら全員病んでた   作:恒例行事

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77 聖女二人

 

 闇のマリアンヌ、ちょっといいか?

 懺悔したい。

 

『えっ……拾い食いしたらダメだとあれほど言ったではありませんか』

 

 俺を野犬か何かと勘違いされている?

 まあ確かに将来全員寝取られて捨てられた時はアリーシャのペットとして過ごすことが決まっているが、そこまで尊厳を捨てたつもりはない。童貞は捨てたけどね笑

 

『黙れマゾオス』

 

 んおおぉぉおおぉ!!?!?

 おほおぉぉおおぉぉぉ〜〜〜♡

 

 マッママママっマゾオス!!!?

 

 き、効くゥ〜〜!

 あまりの衝撃に全身から汁という汁を漏らすところだった! なんて素敵な言葉を使うんだ……闇のマリアンヌ……! 

 

 マゾオス、か……

 

 いいね、それ。

 本当に情けないオスが言われてる感あって素晴らしい。

 アリシアさんに今度言ってもらおっと。

 

『で、何を懺悔したいのですか? 聞いてあげますよ』

 

 それがさ、今の状況は見てわかる?

 

『今の状況……周りの女性の好意全て見て見ぬふりして自分の欲望を満たせそうでめんどくさくなさそうな女性と肉体関係を持った今の状況、ですか?』

 

 なになに急になに!?

 それは一体どんなハーレム男の話?

 俺とは全く違う人間のことを言われても困っちまう。好意って、そりゃまあ、五年も一緒にいるんだぞ。

 

 これで嫌われてる方がおかしいだろ。

 その前に解散しとるわ。

 

 足手纏いの自覚はあるがね、我がパーティーメンバーは心優しく強い聡明な女性たちなのだ。足手纏いの肉盾一人、共に暮らしても気にしないくらいの度量がある。

 

『で、あのエルフは?』

 

 アリシアさんには見抜かれちゃったし……

 もうさァッどうしようもないんだよ俺がマゾバレしちゃったのは。

 だからヤケクソになって全部ぶちまけたんだ。

 あの瞬間、とんでもない快楽が俺の中にあった……。

 アリシアさんはそれもわかっていたんだろう。

 俺の中に渦巻く莫大な快楽を見てドン引きしていた。

 気絶して記憶を失ってなかったことにしようだって?

 そんなことはさせない。

 俺の秘密を暴いたんだ。

 死ぬまで付き合ってもらう。

 手放すわけがないだろ。

 

『男のヤンデレはウケませんよ』

 

 ヤンデレ……?

 

『女性に執着して嫉妬深く思い込みの激しい人です』

 

 へえ、そんな奴がいるのか。

 人のふり見て我が振り直せ、明日は我が身だ。

 ありがとう闇のマリアンヌ、俺は未来の自分の嫌な姿を一つ消すことができた。

 

『今そうだって言ってんだろ』

 

 ひええっ!!

 怖いよ闇のマリアンヌ!

 俺のどこが執着してるんだ? そのなんだ、ヤンデレというのは、俺みたいに寝取られる妄想して興奮して特になんの対策も取ろうとしないのか? それは執着していると言えるのか?

 

『あのエルフを手放すつもりは?』

 

 ないけど。

 あるわけないじゃん。

 逆に聞くが、なんでどこかに行こうとするのを止めないんだ? 他の女性陣と違って俺の秘密も知ってるし、目の届かない場所に置くわけがないじゃんね。

 

『ふふ……そうですね、その通りです。失言でした。それで、何を懺悔したいんですか?』

 

 いや、目の前にいるじゃん。

 青い髪をした豪華な服着た女の人が。

 優しそうな表情で微笑んでいるこの人に見覚えがないか?

 

「お初にお目にかかります。マリアンヌ・ハイレンディーヌです。枢機卿からもお話はよく伺っております」

「こちらこそ初めまして。ご挨拶に伺うことが出来なかったこと、お詫びいたします。大変優秀な後輩ができて、常々お会いしたいと思っておりました」

 

 マリアンヌと、青髪の女性が挨拶を交わす。

 

『ふむ……なるほど。わたし(マリアンヌ)と同じ聖女で、フィンさんがお尻の穴を恥じらい喜びながら見せつけていた方です』

 

 罪を述べてくれてありがとう、闇のマリアンヌ。

 その通り、目の前にいるのは懇意にしている神官のセラさん。

 いつも神殿で治癒業務に勤しんでいる彼女は、なんと正体を隠して(※別に隠してはいない)活動する聖女様!

 

 マリアンヌと同じ聖女の一人、セラフィーヌ・ユドラグセル様その人だったのだ!

 

 おい……

 聖女様に直腸貫通プレイさせてたのかよ、俺は!

 誰か言えよ……! 聖女様にそんなことさせるなってさァ! 俺わかんないんだからァ! 偉い人の顔とか滅多に見ないからわかるわけないじゃん!

 

 どうすんだよ!

 尻穴の皺一本一本に至るまで見られてんだぞこっちは! 聖女様に! あんなに優しい女性に尻穴見せつけて杖突っ込ませて喘いでんだぞ! 

 

 うはははっ、もう人としておしまいだな。

 今度アリシアさんにも頼むか。

 もういっそのこと腸内を風で掻き回すとかさ。

 そういうプレイしてもらおっかな〜!

 ウヒョオオオオッ!

 アリシアさんっ血まみれで逝く俺のこと見てて!!

 

『あの、それは流石にやめてあげて……』

 

 あ、はい。

 闇のマリアンヌが冷静に止めるってことは相当だな。

 

 反省します。

 

「こちら、【払暁】のパーティーメンバーであるフィン・デビュラです。〈不浄領域〉の実地検証で付き添われる、盾を担当していただきます」

「よろしく頼む、聖女セラフィーヌ殿」

「よろしくお願いします、フィン・デビュラさん」

 

 ニコリと彼女は笑みを浮かべる。

 

 残念ながら、セラさんに俺の事情はベラベラ喋っているので気がついていないわけがない。

 

 その笑みはなんなんですか?

 お前の尻の穴の皺を一つ残らず知っているぞ……バラされたくなかったら言うこと聞きなさい………別にバラされたところでなんのダメージもないな……。

 むしろ聖女様が尻穴突貫工事をやらされている事実の方がダメージあるだろ。

 

 と言うことは、これは……黙っててのサインだな。

 

 もちろん黙る。

 聖女様に尻穴を掘られていることはもちろん、内臓痛めてて定期診療行かないと死ぬとバレたくないから。まだカルラにしかバレてないからな。

 それにまあ、最近調子いいし? 

 診療も検査して終わりって感じだったから、そろそろ頼る機会も減ってくるんじゃねーかな。

 

 セラさん背後には鎧姿の騎士が立っている。

 

 顔を覆うフルフェイスヘルメット。

 これが教団の装備なんだろうか。

 あんまり見たことないけど、割と無骨な感じだな。

 かっけぇ……

 俺もあんな感じの装飾つけたい……

 頭の毛、いいよな。

 憧れる。

 

「ああ、こちらは私の護衛です。あまり気になさらないでください」

「護衛……ああ、何度か打診されたことがあります。断ってしまいましたが」

「あら、そうなんですか?」

「ええ。仲間に頼れる方がいますから」

 

 そう言ってマリアンヌは俺の方を見る。

 

 かわい〜。

 頼ってくれていいんだぜ、マリアンヌ。

 童貞を捨てたただのマゾオスこと俺に死角はない。

 夜も頼ってくれよ。

 熱いナイトを過ごそう。

 昼は清廉夜は淫乱聖女様は性女にクラスチェンジ! ベッドの上で絡み合う二人は互いの体液も気にせず入り乱れ、獣じみた声は明け方まで響いた……主に俺の声が。

 

『きも』

 

 あんっ♡

 やっぱこれだね。

 

 しかし、そんな俺たちを見てセラさんは一瞬眉を顰めた。

 

 ほんの一瞬のことだ。

 すぐ元に戻ったからマリアンヌは気が付かなかっただろう。

 

 頼れる男が、尻穴晒して喘いでることを知ってるのはセラさんと神殿の人だけ。

 

 なんとも言えない顔になるのは理解できる。

 あんな情けなく喘いでる男が頼れるなどと、言いたくなってしまったんだろう。

 うぅ、セラさん……俺にとっての天使……

 アリシアさんを除けば唯一俺の尻を虐めてくれる女性だったのに……あ、あくまであれは治療行為だから! SMじゃないから!

 

「……そうなんですね。羨ましいです」

「うふふ、あげませんよ」

「別に要らないだろ……」

 

 マリアンヌ、恥ずかしくなるからやめて。

 

 セラさんは俺の正体を知っているのだ。

 そんな相手に『私の盾すごいでしょ〜?』と言っても『この人尻穴杖で掘られて喘いでますよ』とカウンターが飛んできて色々と終わってしまう。

 頼むからこれ以上深堀しないでくれ……!

 掘るだけにね。

 

『黙れ』

 

 はい。

 

「……こほんっ。聖女様方、挨拶はそれくらいでよろしいのでは」

「そうですね。失礼しました」

「いえ、仲がよろしくて……素晴らしいと思います」

「金等級ですから。仲が良くないとなれません」

 

 互いを嫌い合うようなパーティーはいないってことだな。

 

 上に行けば行くほどそれは顕著になる。

 金儲けだけを考えてるような奴は銀等級になれるかどうか。

 命を賭ける相手が信用できなかったら満足に戦えもしないんだ。当たり前の話さ。

 

「それでは、〈不浄領域〉の調査についてですが────」

 

 マリアンヌが話をする中、ふと視線を感じる。

 

 それの送り主はセラさんではなく、護衛だった。

 

 フルフェイスメットで顔は見えない。

 ただ、明らかに俺を見ているのはわかる。

 身体は動いてないが、目で俺を捉えているな。

 

 なんか用かな。

 休憩で話しかけてみるか。

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